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ジャマイカ唯一の世界遺産であるブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテン国立公園(Blue and John Crow Mountains National Park)にあるブルー・マウンテン山(Blue Mountain Peak)の山頂までトレッキングした。この公園はジャマイカ唯一の国立公園で、面積は国土の4.5%にあたる495.2平方kmを占める。ブルー・マウンテン山脈(Blue Mountains)とジョン・クロウ山脈(John Crow Mountains)の二つの山脈から構成されている。<br /><br />ブルー・マウンテン山脈はジャマイカ島の東3分の1を占める山脈。西はセント・メアリー(St. Mary)パリッシュで島の北側に流れ出すワグウォーター川(Wag Water River)から、東は東海岸近くのセント・トーマス(St. Thomas)パリッシュとポートランド(Portland)パリッシュとの境辺りまで伸びる山脈で、最高峰がブルー・マウンテン山で標高2256m。山々が青みがかって見える霧で覆われることから名付けられた。コーヒーのブルーマウンテンはこの山の、標高が800mから1200mのエリアで生産されたコーヒーにのみ、その名を使用できると定められている。<br /><br />ジョン・クロウ山脈はジャマイカ島の北東岸と並行に伸びており、西をリオ・グランデ(Rio Grande)に区切られ、南東でブルー・マウンテン山脈の東端と接している。こちらの最高峰は1140mあまり。名前はヒメコンドル(Turkey vulture)のジャマイカ名。2つの山脈の接点からブルー・マウンテン山脈は西北西に、ジョン・クロウ山脈は北西に延びて東南東を指す矢印を構成するイメージ。<br /><br />この国立公園はそのうちの約半分の262.51平方㎞が、15年に自然と文化の複合遺産として世界遺産に指定された。自然遺産としての評価は多種多様の植物相と動物相。まずは、暖かく、雨の恵みも豊富なジャマイカ島の環境のおかげで数多くの開花植物が存在している。高さと共に植生が変わり、例えばブルー・マウンテンの標高1,000m以上のエリアには、モル・リッジ森林と云うアナナス科や絶滅危惧樹種からなる森林が広がり、標高2,000m以上のエリアにはシダや小さい蘭などの着生植物が自生している。その数、花だけでも1350種あり、うちジャマイカ固有が約294種、そしてこの地にしか自生していない種類が87種もあると云われている。その中にはスクヘフレラ・ステアルニイ(Schefflera stearnii)を始めとする絶滅危惧種も含まれており、このジャマイカの世界遺産の山岳ははこういった植物の貴重な保護地区でもある。蘭は固有種が60種ある。また、風によって曲がった高山屈曲林(Elfin wood)や広葉樹林が高地に、乾いた低木林や森林地帯が低地に広がる。<br /><br />植物だけでなく、様々な種類の動物たちの生息地でもある。特にジャマイカ島は、大陸から孤立した島であることから、固有種や絶滅危惧種が多く生息している。例えばジャマイカクロムクドリモドキ(Jamaican Blackbird)やエリマキボウシインコ(Yellow-billed Parrot)と云った鳥類や、エレウテロダクテュルス・オルクッティ(Eleutherodactylus orcutti)とかジャマイカン・ピーク・フロッグ(Jamaican Peak Frog)と云うカエルなど。また世界中から多くの渡り鳥がやってくるのも特徴で、チャカブリアメリカムシクイ(Swainson’s Warbler)やタイランチョウ(Tyrant flycatcher)などの貴重な鳥たちもこのジャマイカの世界遺産に飛来してくる。<br /><br />ここはまた、植民地時代に逃亡した奴隷、マルーンたちの文化を残した文化的遺産でもある。1655年のイングランドのジャマイカ侵攻以降、スペインからの入植者たちは逃げ出したが、その時に解放されたアフリカ系奴隷が密林へと散り、島の東部にあるブルーマウンテン山脈の北斜面や、島の西部にある入り組んだ地形のコックピット地帯(Cockpit)に、秘密の村々を形成した。1世紀半の間、この2つの地域は多くの隠れ場所があったおかげで、逃亡奴隷であるマルーンたちの反乱の後方基地となり、その後、独自の文化や山々を神聖視する宗教思想などが生まれた。このマルーン文化は今日も根付いていおり、伝統医学、舞踊、儀式などが残っている。<br /><br />今回登ったブルーマウンテン山はジャマイカ最高峰の標高2256mで、カリブ海エリアで2番目に高い(1番はドミニカ共和国のデュアルテ山(Pico Duarte)の3098m)。山上や登山道から海を望むことが出来る。晴れた日にはキューバも見えるらしいが、名前の由来になっている青い霧が発生していることが多く、見える日は少ないらしい。<br /><br />まずは朝早く、キングストンから北東10㎞にあるメイビスバンク(Mavis Bank)と云う町に移動。ここはまだセント・アンドリュー(St. Andrew)パリッシュ。この町はブルーマウンテンコーヒーの生産工場がある町として有名。メイビスバンクと云う町の名は町にあるメイビスバンク農園(Mavis Bank Estate)から来ているが、メイビスバンクはスコットランドのエジンバラ近くにある歴史的な家の名から来ている。キングストンからの道は幹線であるんだけど、狭くて穴がたくさん開いた道で大変。<br /><br />7時に予約していた車がやってきて、みんなで荷台の席に座ってセント・トーマス・パリッシュのホイットフィールド・ホール(Whitfield Hall)へ向かう。13㎞ほどの道のりだが、これはかなりの道で、1時間ほど掛かる。実際乗ってるだけで疲れる。<br /><br />8時過ぎ、ホイットフィールド・ホールからトレッキング登山が始まる。ここから約10㎞歩き、標高を約1000m上がる。しばらくは車も通れるダート道をたらたらと登る。この辺りは天気も良く、コーヒー畑や緑の山並みが美しい。1時間20分ほどでポートランドギャップ(Portland Gap)のレンジャーステーションに到着。水を補給することが出来る(帰りにはできなかった)。キャンプ場もある。帰りに払ったがここで入園料(300JM$)が必要。ここからポートランド・パリッシュに入り、完全な山道となる。頂上まで約2時間半の登り道は結構きつい。高さと共に確かに植生が変わる。レンジャーステーションを出た辺りのシダや苔はすごくいい感じ。そして12時過ぎ、予定通り4時間ほどで山頂に到着。しかし、残念ながら山頂には時々日が差したのだが、下界は全方向雲で、いったいどの方向かも分からない。キューバどころの話ではなかった。ここで、昼食を取るが、じっとすると寒くなり、みんな上着を羽織る。1時前下り始める。そう云えば山頂からちょっと下の広場の紫陽花は綺麗だった。広場には休憩所か何かを作っているようだった。後はひたすら下りるのみ。3時過ぎにレンジャーステーションまで戻りひと休みして、疲れた足を動かし、4時過ぎ、下りは3時間半掛からずにレンジャーステーションへ戻った。<br /><br />その後は、ホイットフィールド・ホールの宿屋で食事を取り、5時頃メイビスバンクへ向かい、キングストンには夜の7時頃に戻った。そう云えば、ブルーマウンテン山頂でご来光を拝むのが人気と云うことで、その場合にはこのホイットフィールド・ホールの宿屋で前泊し、夜中に出て暗い中を上がるそうだ。今回一緒に行った方の中には、前回はそれのパターンで登ったという方がおられた。残念ながら朝は雨だったそうだが、天気は朝の方がいいらしい。また、この日すれ違ったグループの中には、夕陽を山頂で見ると云う方たちもおり、我々が行った時間は下界は全く見えなかったがどうだったのだろう。しかし、上りにせよ、下りにせよ、真っ暗な中を歩くのは、私はパスだな。とりあえずジャマイカ最高峰を制覇して満足。ただし、当日から5日くらいは足のももとふくらはぎの筋肉痛に悩まされた。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.2273698586033486&amp;type=1&amp;l=08a2558a89<br /><br />以上

ブルー・マウンテン山 (Blue Mountain Peak)

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2018/08/25 - 2018/08/25

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ちふゆ

ちふゆさん

ジャマイカ唯一の世界遺産であるブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテン国立公園(Blue and John Crow Mountains National Park)にあるブルー・マウンテン山(Blue Mountain Peak)の山頂までトレッキングした。この公園はジャマイカ唯一の国立公園で、面積は国土の4.5%にあたる495.2平方kmを占める。ブルー・マウンテン山脈(Blue Mountains)とジョン・クロウ山脈(John Crow Mountains)の二つの山脈から構成されている。

ブルー・マウンテン山脈はジャマイカ島の東3分の1を占める山脈。西はセント・メアリー(St. Mary)パリッシュで島の北側に流れ出すワグウォーター川(Wag Water River)から、東は東海岸近くのセント・トーマス(St. Thomas)パリッシュとポートランド(Portland)パリッシュとの境辺りまで伸びる山脈で、最高峰がブルー・マウンテン山で標高2256m。山々が青みがかって見える霧で覆われることから名付けられた。コーヒーのブルーマウンテンはこの山の、標高が800mから1200mのエリアで生産されたコーヒーにのみ、その名を使用できると定められている。

ジョン・クロウ山脈はジャマイカ島の北東岸と並行に伸びており、西をリオ・グランデ(Rio Grande)に区切られ、南東でブルー・マウンテン山脈の東端と接している。こちらの最高峰は1140mあまり。名前はヒメコンドル(Turkey vulture)のジャマイカ名。2つの山脈の接点からブルー・マウンテン山脈は西北西に、ジョン・クロウ山脈は北西に延びて東南東を指す矢印を構成するイメージ。

この国立公園はそのうちの約半分の262.51平方㎞が、15年に自然と文化の複合遺産として世界遺産に指定された。自然遺産としての評価は多種多様の植物相と動物相。まずは、暖かく、雨の恵みも豊富なジャマイカ島の環境のおかげで数多くの開花植物が存在している。高さと共に植生が変わり、例えばブルー・マウンテンの標高1,000m以上のエリアには、モル・リッジ森林と云うアナナス科や絶滅危惧樹種からなる森林が広がり、標高2,000m以上のエリアにはシダや小さい蘭などの着生植物が自生している。その数、花だけでも1350種あり、うちジャマイカ固有が約294種、そしてこの地にしか自生していない種類が87種もあると云われている。その中にはスクヘフレラ・ステアルニイ(Schefflera stearnii)を始めとする絶滅危惧種も含まれており、このジャマイカの世界遺産の山岳ははこういった植物の貴重な保護地区でもある。蘭は固有種が60種ある。また、風によって曲がった高山屈曲林(Elfin wood)や広葉樹林が高地に、乾いた低木林や森林地帯が低地に広がる。

植物だけでなく、様々な種類の動物たちの生息地でもある。特にジャマイカ島は、大陸から孤立した島であることから、固有種や絶滅危惧種が多く生息している。例えばジャマイカクロムクドリモドキ(Jamaican Blackbird)やエリマキボウシインコ(Yellow-billed Parrot)と云った鳥類や、エレウテロダクテュルス・オルクッティ(Eleutherodactylus orcutti)とかジャマイカン・ピーク・フロッグ(Jamaican Peak Frog)と云うカエルなど。また世界中から多くの渡り鳥がやってくるのも特徴で、チャカブリアメリカムシクイ(Swainson’s Warbler)やタイランチョウ(Tyrant flycatcher)などの貴重な鳥たちもこのジャマイカの世界遺産に飛来してくる。

ここはまた、植民地時代に逃亡した奴隷、マルーンたちの文化を残した文化的遺産でもある。1655年のイングランドのジャマイカ侵攻以降、スペインからの入植者たちは逃げ出したが、その時に解放されたアフリカ系奴隷が密林へと散り、島の東部にあるブルーマウンテン山脈の北斜面や、島の西部にある入り組んだ地形のコックピット地帯(Cockpit)に、秘密の村々を形成した。1世紀半の間、この2つの地域は多くの隠れ場所があったおかげで、逃亡奴隷であるマルーンたちの反乱の後方基地となり、その後、独自の文化や山々を神聖視する宗教思想などが生まれた。このマルーン文化は今日も根付いていおり、伝統医学、舞踊、儀式などが残っている。

今回登ったブルーマウンテン山はジャマイカ最高峰の標高2256mで、カリブ海エリアで2番目に高い(1番はドミニカ共和国のデュアルテ山(Pico Duarte)の3098m)。山上や登山道から海を望むことが出来る。晴れた日にはキューバも見えるらしいが、名前の由来になっている青い霧が発生していることが多く、見える日は少ないらしい。

まずは朝早く、キングストンから北東10㎞にあるメイビスバンク(Mavis Bank)と云う町に移動。ここはまだセント・アンドリュー(St. Andrew)パリッシュ。この町はブルーマウンテンコーヒーの生産工場がある町として有名。メイビスバンクと云う町の名は町にあるメイビスバンク農園(Mavis Bank Estate)から来ているが、メイビスバンクはスコットランドのエジンバラ近くにある歴史的な家の名から来ている。キングストンからの道は幹線であるんだけど、狭くて穴がたくさん開いた道で大変。

7時に予約していた車がやってきて、みんなで荷台の席に座ってセント・トーマス・パリッシュのホイットフィールド・ホール(Whitfield Hall)へ向かう。13㎞ほどの道のりだが、これはかなりの道で、1時間ほど掛かる。実際乗ってるだけで疲れる。

8時過ぎ、ホイットフィールド・ホールからトレッキング登山が始まる。ここから約10㎞歩き、標高を約1000m上がる。しばらくは車も通れるダート道をたらたらと登る。この辺りは天気も良く、コーヒー畑や緑の山並みが美しい。1時間20分ほどでポートランドギャップ(Portland Gap)のレンジャーステーションに到着。水を補給することが出来る(帰りにはできなかった)。キャンプ場もある。帰りに払ったがここで入園料(300JM$)が必要。ここからポートランド・パリッシュに入り、完全な山道となる。頂上まで約2時間半の登り道は結構きつい。高さと共に確かに植生が変わる。レンジャーステーションを出た辺りのシダや苔はすごくいい感じ。そして12時過ぎ、予定通り4時間ほどで山頂に到着。しかし、残念ながら山頂には時々日が差したのだが、下界は全方向雲で、いったいどの方向かも分からない。キューバどころの話ではなかった。ここで、昼食を取るが、じっとすると寒くなり、みんな上着を羽織る。1時前下り始める。そう云えば山頂からちょっと下の広場の紫陽花は綺麗だった。広場には休憩所か何かを作っているようだった。後はひたすら下りるのみ。3時過ぎにレンジャーステーションまで戻りひと休みして、疲れた足を動かし、4時過ぎ、下りは3時間半掛からずにレンジャーステーションへ戻った。

その後は、ホイットフィールド・ホールの宿屋で食事を取り、5時頃メイビスバンクへ向かい、キングストンには夜の7時頃に戻った。そう云えば、ブルーマウンテン山頂でご来光を拝むのが人気と云うことで、その場合にはこのホイットフィールド・ホールの宿屋で前泊し、夜中に出て暗い中を上がるそうだ。今回一緒に行った方の中には、前回はそれのパターンで登ったという方がおられた。残念ながら朝は雨だったそうだが、天気は朝の方がいいらしい。また、この日すれ違ったグループの中には、夕陽を山頂で見ると云う方たちもおり、我々が行った時間は下界は全く見えなかったがどうだったのだろう。しかし、上りにせよ、下りにせよ、真っ暗な中を歩くのは、私はパスだな。とりあえずジャマイカ最高峰を制覇して満足。ただし、当日から5日くらいは足のももとふくらはぎの筋肉痛に悩まされた。
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