大統領弾劾の日のソウル観光

2016/12/08 - 2016/12/10

２年前、当時学生だった僕は高麗大学に用があって訪れていました。
連日、ソウルは前朴槿恵大統領の弾劾を求める大規模なデモが続き、地上交通機関は麻痺していました。

今回はそんな異様な空気の首都ソウルを観光したことについて書きます。

エリア 韓国

• 旅行の満足度: 2.5
• 観光: 2.5
• ホテル: 3.5
• グルメ: 2.5
• ショッピング: 2.5
• 交通: 2.5

• 同行者: 友人
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 鉄道 飛行機
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

12/8夜、ANAでソウルへ向かいます。
この１か月前、初海外をエアアジアでマレーシアにて果たしたばかりだったので、絶対にフルサービスにするんだと決めていたのを覚えています。

欧州の二時間路線だと軽食しか出ないことが多いですが、今回のNH便ではしっかり出てきました。
うっかり空港でケーキを食べてしまったがために苦しみながら食べます。
途中、「君の名は」を見ていましたが、面白くなくて飛ばしながら見ていたらすぐにソウル到着。
着陸が近付くとアナウンスが増える上に、3カ国語で繰り返すため途切れ途切れだったので、クライマックスの疾走感は完全にありませんでした。

夜中にソウルは金浦空港へ到着後、地下鉄で乙支路4街(ウルジロサガ)駅へ。
そこから歩いてすぐのところの、ホテルPJ明洞というところに２泊します。
とても親切なスタッフと清潔な内装、日本語がある程度使えるのも使いやすいです。韓国もまだ英語が使いにくいところが目立つ印象ですが、日本よりは通じるんでしょう。

窓からはソウル中心部が見渡せます。

しかし足下を見ると粗末な住宅地が。
現地の友人いわく、この辺りはソウル市内では治安があまり良くない方らしいですが、そうはいってもまったくそれが気になったことはなかったです。

朝食はデリバリーサービスで宅配してもらいました。やっぱり韓国料理は美味しい。
12月初めとはいえ、大陸はもう空気が冷たく張り詰めています。太平洋側の東京は暖かいんだと改めて実感しました。
寒い日にキムチがより美味しく感じます。

昼には高麗大学へ。
帝政日本の統治下で造られた学校です。

総督府など帝政日本を思わせる建築の大半は、自主的に、もしくは朝鮮戦争で破壊されましたが、ここにはかなりの数が残っています。

東大や早稲田に似ている高麗大学の建物。
前身は帝政下の外地高等学校の１つで、戦後に高麗大学に変わりました。

高麗大学の学生と近くの居酒屋へ。
マッコリを簡素な器に入れて飲みます。
席が遠い人と「ワイファ～イ」と言って乾杯するところに、若者はどこも同じだなぁと楽しくなりました。

ホテルPJの朝食。
どこもかしこも綺麗なホテルで、セキュリティもカードキーによるエレベーターホールと客室の隔離など万全でした。

朝食と言いながらこんなものしか食べませんでした。前日にマッコリしすぎました。

大統領弾劾翌朝のソウル。
１日だけの観光です。「弾劾は国民の勝利」というハングルの横断幕が印象的でした。
かつて民主主義を民衆が勝ち取った国だけあって、高揚感とデモクラシーへの誇りが感じられます。

文字以外は日本の都市と違いを見つける方が難しいほどの街並み。

東大門などで買い物をしたあと、中心部へ。
先日から地上交通機関が麻痺しており、仁川国際空港からソウル市街への道すら混雑していたようです。
地下鉄の利用者が激増したことで、地元住民すら困惑する満員電車でした。あと20人は入るな、なんていうのは東京都民の感覚でしょうか。

帰路のANA機内食。
ANAの機内食は、まずくはない、けど特別なものではない、というのがどの路線でも言えることですが、このソウル線は結構美味しかった気がします。短距離なのに。
帰りのNH便で食べるそうめんが、やっと帰れる感があって好きだったりします。

弾劾による混乱と高揚感、それは普段のソウルはもちろん日本でも感じられないようなものでした。歴史が動く瞬間とは、社会にこんな空気が満ちるんだな、と実感できた貴重な時間となりました。