ペトロパブロフスクカムチャッカ旅行記(ブログ) 一覧に戻る
カムチャツカというとまっさきに思い浮かぶのが、谷川俊太郎の『朝のリレー』ではないでしょうか。<br />「カムチャツカの若者がきりんの夢を見ているとき~」で始まる詩は、いかにも瑞々しい言葉で、ひとりひとりに訪れる小さな時間をグローバルな次元からの俯瞰までダイナミックに感じさせてくれて、私も大好きな詩です。<br /><br />では、そのカムチャツカってどういうところなのか、となると、そのイメージはあまりに茫洋としています。領土問題を抱える北方領土のさらに北、1990年まで外国人どころか自国人すら立ち入りが制限されていた軍事上の要衝、なんとも物々しいイメージを感じます。そんなカムチャツカに行ってみることにしました。<br /><br /><br />カムチャツカの旅行シーズンは7月~8月初旬のようです。その頃になるが短い夏の盛りで、山には高山植物が咲き乱れ、気候も涼しく、快適な旅が楽しめるとのことです。そして、日本からも直行のチャーター便が出てアクセスも便利になるようです。が、残念ながら私が休暇を取れた八月下旬はすでに夏の終わり、直行便もなく、行くには少しハードルが高くなります。まあそれでも行けるだけマシというものでしょう。<br /><br />日本からカムチャツカへの乗り継ぎルートはいくつかあるようですが、私はウラジオストク経由で行きました。成田からウラジオストクへのオーロラ航空はなんとプロペラ機です。70人乗りのボンバルディアQ400でした。<br />ダイヤの関係でウラジオ経由での同日乗り継ぎは難しいようです。ウラジオに一泊してカムチャッカに向かいます。<br /><br />カムチャツカの中心都市、ペトロパブロフスクカムチャツキ-へ向かうオーロラ航空はA319、ほぼ満席でした。所要時間は成田~ウラジオより1時間ほど長い約3時間半の旅です。<br />さて、到着したペトロパブロフスクカムチャツキ-の空港、なんか大きめの農業用ハウスのようです。中に入ると、左手に出口、右手にバゲッジクレームのベルトコンベアがあるきりです。最初はターミナルビルは工事中なのではと思ったのですが、実は現行の建物があまりに手狭なので、ターミナルビルは出発専用とし、到着機能が外に押し出されたものとあとで判明しました。<br /><br />千島火山帯に属するカムチャツカには火山が数多くあります。火山があればもちろん温泉もあります。というわけで、ペトロパブロフスクカムチャツキ-に向かう前にさっそく一風呂浴びるとしましょう。<br />空港のあるエリゾヴォという街から南東に一時間半ほどのところにパラトゥンカ温泉があります。ここはリゾート地として開けているようで、林の中に点在するホテルにそれぞれ温泉があります。<br />温泉と言っても日本とはだいぶイメージが異なります。早く言えば温水プールそのもので、中央は深くて足がつきません。そして湯温はかなりぬるいです。プールサイドに腰かけて風にあたると寒くなるほどです。<br /><br /><br />さっそく市内に向かいます。空港はペトロパブロフスクカムチャツキ-から約20キロ離れたエリゾヴォという街にあり、ハイウェイで結ばれていますが、途中はひたすら森林がひろがるだけの地帯もあります。<br />

ロシアはここより始まる~カムチャツカ

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2018/08/22 - 2018/08/27

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jsbach

jsbachさん

カムチャツカというとまっさきに思い浮かぶのが、谷川俊太郎の『朝のリレー』ではないでしょうか。
「カムチャツカの若者がきりんの夢を見ているとき~」で始まる詩は、いかにも瑞々しい言葉で、ひとりひとりに訪れる小さな時間をグローバルな次元からの俯瞰までダイナミックに感じさせてくれて、私も大好きな詩です。

では、そのカムチャツカってどういうところなのか、となると、そのイメージはあまりに茫洋としています。領土問題を抱える北方領土のさらに北、1990年まで外国人どころか自国人すら立ち入りが制限されていた軍事上の要衝、なんとも物々しいイメージを感じます。そんなカムチャツカに行ってみることにしました。


カムチャツカの旅行シーズンは7月~8月初旬のようです。その頃になるが短い夏の盛りで、山には高山植物が咲き乱れ、気候も涼しく、快適な旅が楽しめるとのことです。そして、日本からも直行のチャーター便が出てアクセスも便利になるようです。が、残念ながら私が休暇を取れた八月下旬はすでに夏の終わり、直行便もなく、行くには少しハードルが高くなります。まあそれでも行けるだけマシというものでしょう。

日本からカムチャツカへの乗り継ぎルートはいくつかあるようですが、私はウラジオストク経由で行きました。成田からウラジオストクへのオーロラ航空はなんとプロペラ機です。70人乗りのボンバルディアQ400でした。
ダイヤの関係でウラジオ経由での同日乗り継ぎは難しいようです。ウラジオに一泊してカムチャッカに向かいます。

カムチャツカの中心都市、ペトロパブロフスクカムチャツキ-へ向かうオーロラ航空はA319、ほぼ満席でした。所要時間は成田~ウラジオより1時間ほど長い約3時間半の旅です。
さて、到着したペトロパブロフスクカムチャツキ-の空港、なんか大きめの農業用ハウスのようです。中に入ると、左手に出口、右手にバゲッジクレームのベルトコンベアがあるきりです。最初はターミナルビルは工事中なのではと思ったのですが、実は現行の建物があまりに手狭なので、ターミナルビルは出発専用とし、到着機能が外に押し出されたものとあとで判明しました。

千島火山帯に属するカムチャツカには火山が数多くあります。火山があればもちろん温泉もあります。というわけで、ペトロパブロフスクカムチャツキ-に向かう前にさっそく一風呂浴びるとしましょう。
空港のあるエリゾヴォという街から南東に一時間半ほどのところにパラトゥンカ温泉があります。ここはリゾート地として開けているようで、林の中に点在するホテルにそれぞれ温泉があります。
温泉と言っても日本とはだいぶイメージが異なります。早く言えば温水プールそのもので、中央は深くて足がつきません。そして湯温はかなりぬるいです。プールサイドに腰かけて風にあたると寒くなるほどです。


さっそく市内に向かいます。空港はペトロパブロフスクカムチャツキ-から約20キロ離れたエリゾヴォという街にあり、ハイウェイで結ばれていますが、途中はひたすら森林がひろがるだけの地帯もあります。

旅行の満足度
4.0
観光
4.5
ホテル
4.0
同行者
一人旅
航空会社
オーロラ航空
旅行の手配内容
個別手配
利用旅行会社
ユーラシア旅行社

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  • トップシーズンの7月~8月上旬には成田からチャーターの直行便が飛ぶようですが、私が旅した8月下旬には直行便はありません。ひとまずウラジオストクに向かいます。成田から乗ったオーロラ航空はボンバルディアのプロペラ機でした。

    トップシーズンの7月~8月上旬には成田からチャーターの直行便が飛ぶようですが、私が旅した8月下旬には直行便はありません。ひとまずウラジオストクに向かいます。成田から乗ったオーロラ航空はボンバルディアのプロペラ機でした。

  • ウラジオストクからペトロパブロフスクカムチャツキ-まではA319でした。

    ウラジオストクからペトロパブロフスクカムチャツキ-まではA319でした。

  • ペトロパブロフスクカムチャツキーの玄関口、エリザヴォ空港に着きました。いきなり昭和の匂いのするバスがお出迎えです。

    ペトロパブロフスクカムチャツキーの玄関口、エリザヴォ空港に着きました。いきなり昭和の匂いのするバスがお出迎えです。

    ペトロパブロフスク カムチャツキー空港 (PKC) 空港

  • バスがついたのがここ。最初は工事中で仮庁舎なのかと思いましたが、どうやらこれが正式な到着口のようです。ありがたいことに日本語で歓迎していただいてます。

    バスがついたのがここ。最初は工事中で仮庁舎なのかと思いましたが、どうやらこれが正式な到着口のようです。ありがたいことに日本語で歓迎していただいてます。

    ペトロパブロフスク カムチャツキー空港 (PKC) 空港

  • 大きめのビニールハウスみたいな中にはターンテーブルがあるきりです。

    大きめのビニールハウスみたいな中にはターンテーブルがあるきりです。

    ペトロパブロフスク カムチャツキー空港 (PKC) 空港

  • 空港からの道路沿いにあるモニュメント。台座には「ここよりロシアが始まる」と書かれているそうです。口の悪いロシア人が「カムチャッカなんてロシアの果てだよな」と言ったのに反発したカムチャッカの人々が「カムチャッカこそロシアの起点だ!」ということで建立したのだとか。

    空港からの道路沿いにあるモニュメント。台座には「ここよりロシアが始まる」と書かれているそうです。口の悪いロシア人が「カムチャッカなんてロシアの果てだよな」と言ったのに反発したカムチャッカの人々が「カムチャッカこそロシアの起点だ!」ということで建立したのだとか。

  • カムチャツカには温泉がいくつもあります。まずはパラトゥンカ温泉へ。エリザヴォから1時間程度で着きます。

    カムチャツカには温泉がいくつもあります。まずはパラトゥンカ温泉へ。エリザヴォから1時間程度で着きます。

    パラトゥンカ温泉郷 温泉

  • 温泉というよりプールそのものです。水着着用、男女混浴です。湯温は38度くらい。かなりぬるいです。ロシア人はプールサイドの椅子でくつろいでますが、身体が冷えるのでとても真似する気にはなれませんでした。<br />ちなみに夏場はとても蚊が多い場所らしいので要注意です。

    温泉というよりプールそのものです。水着着用、男女混浴です。湯温は38度くらい。かなりぬるいです。ロシア人はプールサイドの椅子でくつろいでますが、身体が冷えるのでとても真似する気にはなれませんでした。
    ちなみに夏場はとても蚊が多い場所らしいので要注意です。

    パラトゥンカ温泉郷 温泉

  • 次に海岸に向かいます。

    次に海岸に向かいます。

  • 太平洋が見えてきました。

    太平洋が見えてきました。

  • すでに花のシーズンは終わっているのですが、まだいくつか花が残っていました。

    すでに花のシーズンは終わっているのですが、まだいくつか花が残っていました。

  • とても気持ちよさそうですが、すでに夕方近く、海を渡る風が冷たく感じます。

    とても気持ちよさそうですが、すでに夕方近く、海を渡る風が冷たく感じます。

  • ペトロパブロフスクカムチャツキ-に戻り、街を見下ろす山に登ります。途中までは市街地なので普通に舗装されていますが、途中から唐突にこんな感じになります。

    ペトロパブロフスクカムチャツキ-に戻り、街を見下ろす山に登ります。途中までは市街地なので普通に舗装されていますが、途中から唐突にこんな感じになります。

  • アヴァチャ湾の向こうにヴィリューチンスキー火山が見えます。

    アヴァチャ湾の向こうにヴィリューチンスキー火山が見えます。

  • 街を見下ろしてみます。ここだけ見るととても小さい街に見えますが、実は左側の山の奥に市街地が広がっています。

    街を見下ろしてみます。ここだけ見るととても小さい街に見えますが、実は左側の山の奥に市街地が広がっています。

  • 夕日を見に来た家族。ほかにも大勢の人たちが来ていました。

    夕日を見に来た家族。ほかにも大勢の人たちが来ていました。

  • 翌日もいい天気。今日は山へ向かいます。道は途中から枯れ川になります。当然ながらむちゃくちゃ揺れます。

    翌日もいい天気。今日は山へ向かいます。道は途中から枯れ川になります。当然ながらむちゃくちゃ揺れます。

  • こういう車でないととても走れません。ちなみにロシア極東の多くと同じく、カムチャツカにはとてもたくさんの日本車の中古車が走っています。

    こういう車でないととても走れません。ちなみにロシア極東の多くと同じく、カムチャツカにはとてもたくさんの日本車の中古車が走っています。

  • ベースキャンプに着きました。

    ベースキャンプに着きました。

  • 山に入るにはガイドさんが必要です。ヒグマが出るということで、ライフル持参です。

    山に入るにはガイドさんが必要です。ヒグマが出るということで、ライフル持参です。

  • ここにもお花畑が若干ながら残っていました。

    ここにもお花畑が若干ながら残っていました。

  • アヴァチャ山は2741メートルもあって私にはとても無理、ということで正面に見える山に登ります。ラクダ山というそうです。

    アヴァチャ山は2741メートルもあって私にはとても無理、ということで正面に見える山に登ります。ラクダ山というそうです。

  • 標高数百メートルの山ですが、途中、雪渓を歩きます。

    標高数百メートルの山ですが、途中、雪渓を歩きます。

  • ようやく雪渓をようやく抜けました。このあたり、しんと静まり返り、モノトーンの景色とともにすごく印象的でした。ガイドによると、夏のシーズンはものすごい風が吹く場所なんだそうです。季節の変わり目の静けさだったのでしょうか。

    ようやく雪渓をようやく抜けました。このあたり、しんと静まり返り、モノトーンの景色とともにすごく印象的でした。ガイドによると、夏のシーズンはものすごい風が吹く場所なんだそうです。季節の変わり目の静けさだったのでしょうか。

  • 山頂まであと一息。ガレ場を上ります。

    山頂まであと一息。ガレ場を上ります。

  • ラクダ山の鞍部に到着。

    ラクダ山の鞍部に到着。

  • さらにこぶの上に登ります。

    さらにこぶの上に登ります。

  • ベースキャンプに戻りました。ジリスを発見!

    ベースキャンプに戻りました。ジリスを発見!

  • ここのジリスははっきり言って人なれしてます。私がクラッカーを差し出すと、手づから取って食べ始めます。

    ここのジリスははっきり言って人なれしてます。私がクラッカーを差し出すと、手づから取って食べ始めます。

  • 登山の後はオゼルキ温泉へ。ここは湯温が42度くらいあって日本人向きでした。

    登山の後はオゼルキ温泉へ。ここは湯温が42度くらいあって日本人向きでした。

  • 地元でとれたブルーベリーなどが売られてました。

    地元でとれたブルーベリーなどが売られてました。

  • 翌日はアヴァチャ湾クルーズ!<br />今日もいい天気です。

    翌日はアヴァチャ湾クルーズ!
    今日もいい天気です。

  • ペトロパブロフスクカムチャツキ-は現役の軍港でもあります。

    ペトロパブロフスクカムチャツキ-は現役の軍港でもあります。

  • バケツのなかにいたカニさんたち。無造作に汲んだ海水でゆでたのをあとでいただきます。

    バケツのなかにいたカニさんたち。無造作に汲んだ海水でゆでたのをあとでいただきます。

  • ヴィリューチンスキー山がよく見えます。

    ヴィリューチンスキー山がよく見えます。

  • アヴァチャ湾口にある三兄弟の岩。街を津波から守ったという逸話があるんだとか。

    アヴァチャ湾口にある三兄弟の岩。街を津波から守ったという逸話があるんだとか。

  • 印象的な岩が見えてきました。

    印象的な岩が見えてきました。

  • 近づくと海鳥たちの集合住宅でした。

    近づくと海鳥たちの集合住宅でした。

  • 船内でランチの準備が始まりました。

    船内でランチの準備が始まりました。

  • ロシアと言えばやはりボルシチ。

    ロシアと言えばやはりボルシチ。

  • 唐突に船が止まりました。軍艦や潜水艦が出入りするときは、漁船や遊覧船は通行禁止になるのだそうです。

    唐突に船が止まりました。軍艦や潜水艦が出入りするときは、漁船や遊覧船は通行禁止になるのだそうです。

  • 軍船の出入りを待つ間にカニをいただきます。今回の旅行でいちばんうまかったです。

    軍船の出入りを待つ間にカニをいただきます。今回の旅行でいちばんうまかったです。

  • 港には先住民の信仰した神様のモニュメントがありました。

    港には先住民の信仰した神様のモニュメントがありました。

  • 今回泊まったホテルアヴァチャです。街の中心部にあってとても便利でした。

    今回泊まったホテルアヴァチャです。街の中心部にあってとても便利でした。

    アヴァチャ ホテル ホテル

  • カムチャツカ州政府庁舎

    カムチャツカ州政府庁舎

  • 劇場

    劇場

  • 街いちばんの大型スーパー。

    街いちばんの大型スーパー。

  • ロシア極東では、なぜか日本のビールといえばアサヒのようです。

    ロシア極東では、なぜか日本のビールといえばアサヒのようです。

  • キッコーマンとともに売られていたローカルブランドの醤油。お値段がかなり違います。

    キッコーマンとともに売られていたローカルブランドの醤油。お値段がかなり違います。

  • ホテル近くの交差点。

    ホテル近くの交差点。

  • 州政府庁舎や劇場に面したレーニン広場は、海岸にも面しています。

    州政府庁舎や劇場に面したレーニン広場は、海岸にも面しています。

  • 聖ペトロと聖パヴロの像。背後に見えるのはカリャーキ山。

    聖ペトロと聖パヴロの像。背後に見えるのはカリャーキ山。

  • レーニン像。まだ残っているんですね。

    レーニン像。まだ残っているんですね。

  • 湖沿いの散歩道

    湖沿いの散歩道

  • レーニン広場に面した海岸からは、ヴィリューチンスキー山も見えます。風が涼しい夕暮れでしたが、早くも9月には雪が降り始めるそうです。

    レーニン広場に面した海岸からは、ヴィリューチンスキー山も見えます。風が涼しい夕暮れでしたが、早くも9月には雪が降り始めるそうです。

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