シアヌークビルのパブリックビーチガイド（街の情報も少々）

2017/01/09 - 2017/01/28

プノンペンからバスで半日，シアヌークビル（コンポンソム）は外国人の滞在者が多いカンボジアのビーチリゾートです。

その魅力は何といっても「パブリックビーチが広い」ことです。リゾートホテルのプライベートビーチが幅を利かせておらず，セレンディピティからオーチュティル，オトレス１／２に至るまでの長い海岸線がパブリックのままです（プライベートはソカビーチエリアのみと考えておけばＯＫ）。

カンボジアはお酒が安い。そしてシアヌークビルには安い宿がたくさんあります。午前中から地元客向けの安い「海の家」に繰り出し，生ビールのジョッキ（１ドル未満です）をグビグビやって，午後は外国人向けスーパーで買ってきたジン（１本５ドル前後）を舐めながら読書と昼寝。ビーチでは食事込みで一日１０ドルすら使えません。

自堕落な生活を長く長く続けることができる魔性の街，シアヌークビル（笑）。パブリックビーチの穴場の紹介を含めご案内いたします。

エリア シアヌークビル(カンボジア)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 3.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 3.0
• ショッピング: 4.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩 バイク
• 旅行の手配内容: 個別手配

のっけから申し訳ありませんが，ガイドブックに載っているビーチのうち港に近い「ビクトリービーチ」はどうやら斜陽エリアのようです。

ビーチは人気がなく閑散としていました。安宿街のような一角もあるのですが，中心街やその他のビーチへの移動の労力・コストを考えるとあえてこのエリアに滞在するのはどうなのかなと思います。

ビクトリー ビーチ ビーチ

人が集まっているのはプライベートのソカビーチを挟んで南側，セレンディピティ，オーチュティル，オトレスの各ビーチがあるエリアです。

もっとも北側に位置するセレンディピティビーチには島巡りボートの桟橋があり，周辺はゲストハウスや飲食店が軒を連ねシアヌークビル随一のツーリスティックな場所となっています。

セレンディピティ ビーチ ビーチ

桟橋の最寄りにはなんと豚骨ラーメン店さんがどーん。

２階はゲストハウスになっているようです。

ちなみにメニューはこれ。たぶん日本人経営ですね。

セレンディピティビーチには所狭しとレストランバーが並びカウチやでデッキチェアが並べられています。

ビーチリゾートだからといってがことさらに値段が高いわけではなく，ビールは１ドル以下，カクテルやハードリカーでも２ドル以下です。

セレンディピティの付近は外国人エリアと国内客エリアが分かれています。

こちらが南側にある国内客向けエリア。日光を避けるような造りの海の家になっています。そしてハンモック多数。

セレンディピティとオーチュティルの境界はよく分かりませんが，ここから南にオーチュティルビーチが伸びています。海の家は途中で途切れ，公共のベンチとテーブルが海沿いに並びます。

ところがこのエリア。写真だと一見きれいなのですが・・・。

ゴミ。

ゴミ。

ゴミがあると蠅がたかります。このテーブルの周りで何かをする気にはとてもなりません（平気でくつろいでいるファランを数名見ましたが）。

ゴミを集めるだけで断然違うものに変わると思うのですが・・・残念。

オーチュティルビーチの南端に小さな岬があり，そのさらに南側がオトレスビーチです。白人観光客の一番人気。

陸側にリゾートホテルも多数。それらのホテルに泊まるお客さんの「共同プライベートビーチ」といった趣きでもあります。

オトレス ビーチ ビーチ

浜はきれいに整備されています。

海上にはこんなものも。

ここで各ビーチの評価をまとめてみます。

【セレンディピティビーチ】
・とにかく便利。陸側の飲食店も海側のレストランバーも多数。
・シアヌークビル中心街からもっとも近く，バイタクで１ドル（トゥクトゥクだと２－３ドル？）の距離。
・人口密度が高くてうるさい。船着場もあるので海はきれいではない。
・マッサージやネイルケア，物売りのおばさんが群がってきて鬱陶しい。
。人が多いのであまりきれいではない。


【オーチュティルビーチ】
・セレンディピティに較べて人は少なくなっていく。
・セレンディピティに較べると浜はきれい。
・陸側はゴミだらけ。
・途中から海の家が無くなるのでやや不便。

【オトレスビーチ】
・浜が広くて清潔だが海水はオーチュティルとそんなに変わらない？
・オトレス１にはレストランバーがたくさんあるが値段が高め。
・ビーチがやや人工的。
・中心街からの距離が遠く，バイタクでも片道３－４ドルかかる。

それでは私の個人的なお薦めエリアを紹介しましょう。

それは「オーチュティルビーチの南端エリア」。

セレンディピティから（陸側がゴミだらけの）浜をぶらぶらと３０分強歩くと小さな岬の手前に辿り着きます。ここがお薦めエリアです。

オーチュティル ビーチ ビーチ

オトレス側からも岬の低い丘を越えて来ると徒歩約１０分。小さな川と集落がある場所の浜です。

丘を下りる道に「通行止め」のような丸太が渡してありますが，歩行者は問題なく通り抜けられます。

ここには数軒のレストランバーと地元客向けの海の家が並んでいます。

ここは静かでしつこい物売りのおばちゃんもおらず，安いレストランバーがあるのでお酒にも食事にもトイレにも困りません。川があるので海水はいまいちかも。

陸側すぐのところに「ＭＫ Beach Hotel」という中級ホテルがありますので場所の検索やバイタクへの指示はそれで。

ここの浜には小さなコメツキガニがたくさん棲んでいて砂浜にアートを描いています。

ちなみにセレンディピティには皆無，オトレスにもそんなにいません。

あっ，天敵が来た！

日ながセイウチのように浜に寝っ転がっているのが不得意な日本人としては，セレンディピティからちょうどよい距離を歩くことができて退屈しません。

ビーチサンダルは手に提げて裸足で歩くと気持ちがいい（貝殻などにはご注意）。

夕方まで粘っていれば帰りは水平線に沈んでいく夕陽を眺めながらの散歩となります。（ただし日が傾いてきたら肌の露出は隠すかDEET30%以上の虫除け剤を使用してください。サンドフライ(=サシチョウバエ)に刺される危険があります。）

最後にシアヌークビルでの生活情報を少し。

セレンディピティの桟橋を起点にゴールデンライオンズサークルという大きなラウンドアバウトまで徒歩５分弱。このエリアはゲストハウスや白人向け飲食店（数軒の和食レストランもあり）が密集しています。単体のＡＴＭもあり。

ゴールデンライオンズサークルから２時の方向に伸びるエカレアッチ大通りを進むとすぐに大きなカジノホテルが現れます。ちなみに３時の方向へ進むと地元客用のカラオケ飲み屋が延々と続き，５時の方向へ行くとパブストリートがあります。

ゴールデンライオン モニュメント・記念碑

そこから３－４分行ったところにＫＦＣと外国人向けスーパー「ラッキーオーシャン」が並んでいます。さらに進むとカジノやマッサージ店，ブッフェレストランなど。徒歩６－７分で大通りが左に直角に折れます。

そこからさらに徒歩６－７分で中心街へ到達します。途中にタイの「Pizza Company」や富裕層向けレストラン「Twin Lotus」など。お薦めできません。小さなカフェもいくつかあり，こちらは暑い昼間の休憩にもってこいです。

中心街のエカレアッチ沿いには銀行が数店あります。店舗併設ＡＴＭはこの辺りに集中。外国人向けスーパーの「サムデラ」「オレン(ジ)」もこのエリア。

エカレアッチから右折して「サムデラ」のある通りをまっすぐ行くと中央市場になります。途中にベーカリーや薬局あり。自炊の材料は中央市場で調達してもよいのですが，１－２人分であれば「サムデラ」で必要な量だけ入手するほうが賢いかも。

サムデラ マーケット スーパー・コンビニ

中央市場方面に右折せずエカレアッチ大通りをまっすぐ徒歩５－６分進むと，日用雑貨の品揃えが豊富な「独立書店」などを過ぎて右手にバスターミナルがあるエリアになります。

バスターミナルの西側辺りに小規模な青果市場があり，大きすぎる中央市場より実際の買物にはおすすめ。昼前後は周辺にたくさんの「おかず屋台」が出て値段は市内で最安値（汁物＋米飯で4kKHR前後）。果物屋もあります。

シアヌークビルでは朝食と夕食の選択肢が豊富ではないため（ツーリスティックなエリア及びホテルを除く），自炊がなにかと便利。
しかし困ったことに水質が非常に悪いのです（乾季だったからかもしれませんが）。お茶を淹れたり煮炊きをするときは飲用水を使用することをおすすめします。

どうしても和食が恋しくなったら７マカラ通りにある「侍」さんが美味しかったです。

侍 和食

シアヌークビルは（できれば１週間くらいは）のんびりゆったり過ごすのがおすすめです。

街中にゴミが多かったり停電があったりする点はまだまだですが，どうかお楽しみください！


滞在した宿：Sinan Guest House

ダブル１週間で約１万円。Ａ／Ｃ・ファン付き，バス・トイレ専用，簡単なキッチンあり。快適です。繁華街からはやや離れているので夜遊びしない人向き。

この旅行記へのコメント （1）

• unimaroさん 2017/09/10 15:13:57

  はじめまして

  いくつか拝見いたしました。
  素晴らしい記事ばかりです。
  
  写真を撮り、記事を書き、更に情報も得て、その上本来の「旅の楽しみをあじわう」
  ことをされた結果を見ると、
  どれだけべてらんなんだ？！！と、その凄さにあっけにとられます
  
  行かれた地域も幅広く、、言語の問題もなんのその、、
  
  記事もですが、グラウチョさん自身に「何者？」と興味がわくほど凄いですね
  
  
  良い記事多く、大変たのしめました、どうもありがとうございます！！
  （今はもう一人旅ができない環境なので特に！）
  
  今後もお気を付けて更なる健勝をお祈りいたします！！