【フィリピン】アコ　アイシー　アコ

2006/08/23 - 2006/08/23

（当時、マニラに住んでました。）



妹が遊びに来て、そして帰って行った。

1週間、毎日が嵐のような日々だったけれど、とてもとても楽しかった。

彼女はとてもこちらによく馴染んでいた。
私の乗ったことの無い乗り物にも乗って、行ったことのない場所にも行っていた。さすが、行動力の人。

マニラに着いた当日、「マム」と言われる度に（こちらの人は、女性には「マム」と呼びかける）
「私はアンタのママじゃない！」
と息巻いていたくせに、翌日には普通に、お店の人に「センキュー、マム！」と言ってた適応能力もまた、さすが。


妹の名前は、あこと言う。こちらの言葉で、アコとは「私」という意味。

「アコ　アイシー　アコ」（わたしの名前はあこです）

滞在中ずっとそう言って、当地の人々の笑いを誘っていた。
わたしもこれくらいの適応力と爛漫さがあれば、もっと住みやすくなるんだろうなぁ、心の底からそう思った。



帰国の日、早朝５時、空港に見送りるために一緒に行ったら、こっちの空港はPassenger以外は本当に入り口でシャットアウトだそーで、Send offの私は、当然空港内に入れなかった。
唐突に訪れた別れに、妹と２人で大泣きした。

そして別れた。

ずっとガラス越しに搭乗手続きをする妹を見ていたら、搭乗手続き終了後、親切な警備員さんがドアを開けてくれて、直接別れの挨拶を交わすことが出来た。
涙が止まらなかった。

建物の奥、出国カウンターに向かう妹の背中をずっと見ていた。
小さくなるその姿は、見えなくなるその瞬間まで、ずっと手を振ってくれていた。

視界から妹の姿が消えた瞬間、大泣きが号泣に変わった。
大人が、外で、別れにより泣くレベルじゃない勢いで泣いた。

こっちに来て4か月、泣いたのは、実はこの日が初めてだった。違うや、前々日にプチ姉妹喧嘩した時が初めてだ笑。



隅の方でひとしきり号泣した後、仕方ない…帰ろう…と乗ったタクシーのドライバーさんの、
「何を泣いているんだい？分かるよ、ボーイフレンドが旅立ったんだろう？」
という言葉も、面倒くさいからそのままにしておいた。

しばらくして冷静になって、そのタクシーにはメーターが無いことに気づいた。
それを指摘すると、当然のように「固定金額のタクシーだ」と言われた。

普通ならすぐ降りるけど、面倒くさくて、微妙に料金が高いことも分かってたけど、面倒くさくてそのまま乗り続けた。



家に着いて、言われたお金を出したら、ドライバーさんが「チップ」とか言うから、「いや、これでも十分高い。普通はこの３分の２だよね？」と言ったら、ぼってる意識はあるらしく、すぐに笑顔で「センキュー、マム！」と言われた。

その言葉に妹を思い出して、また泣けた。



なんとなくそのまま家に帰りたくなくて、ベイサイドに行って、海をボーっと眺めてた。
振り向くと、朝陽が昇っていた。

あぁ、あこは今、あっちの空を飛んでる居るんだなぁ、と思いながら、雲間からのぞく太陽を見ていた。



あこ。今日絵葉書もらったよ。また泣けたよ。

何もかもを全部飲み込んで、がんばってみるよ。そんくらいの心意気で、頑張ってみるよ。

来てくれてありがとう。本当にありがとう。頑張ってみる。ありがとう。







以下、妹からもらった写真です。

わたしの撮ったものには見られない、とてもちゃんとした写真。

いや、わたしもちゃんと撮ってたんですが、実はパソコンが壊れて、ほぼすべてデータが飛んでしまったんです‥。
まあ、それが、4travelに記録を残しておこうと思ったきっかけでもあるのですが。

そんな余談はともかく。

エリア マニラ(フィリピン)

うちの妹はこんな人

こんな人

だから、こんな人笑

わたし、こんなの乗ったことない笑

イントラムロスの砲台前

マニラホテル前

見事な観光写真の数々は、この現地のカレが撮ってくださったらしい笑

妹が帰った日の朝日。

（この写真だけ、妹のデジカメではなく、私の現地携帯（モトローラー）で撮ってるから、画像が悪い‥笑）