2016/01/02 - 2016/01/02
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地酒大好きさん
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お正月のおせち料理やお屠蘇の生活で体がなまるので急に思いついて瀬戸市長谷口町にある旧黒糸トヤバを訪ねてきました。トヤバというのは漢字で鳥屋場と書き、山中で野鳥をカスミ網などを使って密猟する場所です。昭和の中頃まではどこでも普通に行われていたのですが、最近は鳥獣保護法により禁止されています。このトヤバは10年ぐらい前に山中を歩き回っていて偶然発見したHさん(女性)の案内で手入れをしたところです。犯人を捕まえることはできませんでしたが、カスミ網や密猟道具などを破壊してきた場所です。それ以来、毎年調査に行っていますが、網道(あみみち。カスミ網を張るための細長い道)を整備しなおした跡はあっても密猟を行っている様子はありませんでした。しかし、念のため再訪することにしました。
瀬戸市白坂町の雲興寺近くの「自然児童遊園 ねむの森」から奥の山へと入ります。「ねむの森」までしか車は入れません。落ち葉を踏みしめながら谷沿いの径(こみち)を登っていきます。最近は歩く人が少ないせいか倒木などで道が荒れています。木の橋も2か所かかっていますが、いずれも風化して乗ると折れそうです。途中道が分かれるところが多く、迷いながら、記憶をたどって進みます。40分ぐらいで、昔黒い糸がセンサー代わりに張ってあった場所に着きました。ここには道の左右の木に道を遮るように黒い糸が張ってあり、だれかが通ると糸が切れて侵入者があったことがわかるようにしてありました。犯人はそれを見て、トヤバに人が入り込んだため警察に通報されると思い近づかなくなるのです。密猟者の知恵ですね。その先の急斜面を左に登るとトヤバはあります。さいわい近年は使っていないようで、何本かの網道は草が茂って荒れていました。
天気は青空でほとんど風もなくポカポカ陽気でした。ゆっくりランチです。ビールがあれば最高!という陽気でした。たまに風が吹くとそよ風のように感じました。3月から4月の陽気のようでした。ルリビタキがすぐ近くに来てくれましたし、シロハラも足元から驚いて飛び立ちました。密猟中だったらかれらも犠牲になっていたことでしょう。ここで犠牲になった何千羽・何万羽の鳥たちのことを考えると、ここは二度と使わせてはいけません。1時間ぐらいゆっくり過ごしてから下山しました。
昔瀬戸市近辺の山の中でどこでも頻繁によく見た「幸子(ゆきこ)スキ 54才」の落書きが消えかかって残っていました。幸子さんが54才になるまでずっと毎年書いてありましたが、今幸子さんは何才でしょうか。わたしの知人が偶然にも落書きしている人物(男性)を見つけて注意したのが5〜6年前ですから、それ以来書かれなくなりました。書いた人は幸子さんが好きで好きでたまらなかったのに思いがかなわなくて書いたものと推測されます。わたしが木に「トヤバ」と書いておいた文字は削られて消えていました。
「ねむの森」からは車は進入禁止ですが、ゲートを開けて無断で入ってくる車があるようで、家具が不法投棄されていました。こういうことをする輩が増えてきているので、どこの山もゲートができてハイカーや登山者が苦労しているのです。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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瀬戸市の「ねむの森」から山中に入ります。沢にはこんな手作りの橋がかかっています。木は朽ちてきています。
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次の橋です。見た目はしっかり作られていますが、風化しているため乗ると折れそうにたわみます。
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道には倒木があり、荒れてきています。
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進むにつれて倒木が多くなります。
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トヤバ近くになると、この左右のマツの木の間に道を遮るように黒い糸が張られていたところにきます。
黒い糸に気づかない人が通ると糸が切れるセンサーの役目をしていました。犯人は切れた糸を見ると、だれかが入ってきてトヤバを見つけられて警察に通報されると思い警戒して近づかなくなるのです。原始的なセンサーです。 -
その先は道がなくなるほど細くなります。このあたりから左の急斜面を登り詰めるとトヤバがあります。
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トヤバに着くと、さっそく網道(あみみち)の調査です。細長い網道に等間隔で竹竿を立てて、その間にカスミ網を張ります。カスミのように見えにくいので、知らずに鳥が引っ掛かり逃げられなくなる仕組みです。
密猟者は鳥が暴れて網に絡むのを嫌い、鳥の足や羽をハサミで切って網を守ります。
この写真のように草や枝などがあると網がひっかかって傷むので、しっかり草や枝を取り除きます。このことからこのトヤバは使用されていないことがわかります。 -
この網道も荒れています。
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これも網道ですが、シダが茂っています。使用されていません。
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これも別の網道です。荒れています。
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これも別の網道です。比較的草が茂っていないようですが、枝があり網にひっかかります。
これ以外にも数本の網道がある大規模なトヤバ跡です。 -
以前に瀬戸市周辺の山中のいたるところに見られた「幸子(ゆきこ)スキ」の落書き。「幸子スキ 54才」などと書かれたものもありました。最初見たのが「幸子スキ 46才」ぐらいでしたから、ずいぶん長い間書き続けられていたようです。
思いがかなえられない男性が書いたようです。どんな素敵な幸子さんか、会ってみたい気がします。 -
別の木に書かれた落書きです。
5〜6年前にわたしの知人が落書きしている男性を発見。注意をしてから落書きはぴたりと止みました。
瀬戸市の山歩きをしていた人たちには有名な落書きです。 -
密猟現場摘発時に現地の木にわたしが書いた「トヤバ」の文字は、何者かによって削り取られていました。
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山中のいたるところで見られるイノシシのほじくり返した跡。地中に埋まっているドングリやミミズなどを掘って食べたようです。最近はイノシシが激増しているようで、どこまで行っても見られます。
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道にあったイノシシの糞。たくさんありました。左下のほうに見える糞の中にカキの種がたくさんあるのがわかります。
本当はアップで写真を見ていただきたいのですが、気分を害する人がいるといけないので止めておきます。 -
車両乗り入れ禁止の山道を無理やり車で入ってきて、産廃などを不法投棄する輩がいます。これも家具の不法投棄です。
全国の山が不法投棄の害にあっています。その防止のためにゲートなどが設置されて善良なハイカーや登山者が困っています。
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