2015/06/08 - 2015/06/08
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museumwandererさん
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南仏の魅力に取りつかれ、芸術の都パリを離れ移り住んだ多くの巨匠画家たちは、それぞれ自分の気に入った村で多くの芸術作品を残している。その足跡を訪ね彼らが愛した南仏の魅力に触れる旅を続けてきた。今回は番外編として、豪奢な別荘の建ち並ぶコート・ダ・ジュールの中でも最も美しい豪邸に一つと言われている貴族の館を訪ね、贅を極めた美術コレクションと豪邸生活の一端を垣間見ることとした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
コート・ダ・ジュールの魅力の虜になったのは画家達だけではない。この地にフランスだけでなく、ヨーロッパの富裕層が魅力を感じこぞって別荘を建てたのは、ベルエポック時代に始まるという。
(ベルエポックとは仏語で良き時代の意、19世紀末から第1次大戦勃発前1914年を指す)
中でも、コートダジュールで最も美しい館の一つといわれ、現在は美術館として整備され公開されている二つの邸宅を訪れる事とした。
・サン・ジャン・カップ・フェラにあるヴィラ・エルフシ・ド・ロスチルド邸
・ボーリュ・シュル・メールにあるヴィラ・ケリロス邸
である。
コート・ダ・ジュールの拠点ニースの近郊にあり、日帰りショートトリップで行くことができる。行程概略を紹介しておく。
・行程
-往復#81のバスを使用する。
#81バス下りの始発駅は、現代美術館横の「Promenade des Arts」で乗車、約20分間隔の頻度。
-ヴィラ・エルフシ・ド・ロスチルド邸の最寄りバス停「Passable/Rothschild」で下車。道路を横断し標識にそってアクセス道路を進む。
-ヴィラ・エルフシ・ド・ロスチルド邸見学
-「Passable/Rothschild」バス停に戻り、来た時と逆方向の#81上りニース行きバスに乗車する。
-ヴィラ・ケリロスの最寄りバス停「Kerylos」で下車。約4分程の乗車時間。
-標識に従って海岸方向へ邸宅まで歩く。
-ヴィラ・ケリロスを見学
-「kerylos」バス停で#81ニース行きバスに乗車、ニースの戻る。
二つの邸宅美術館共通チケット20ユーロをどちらの受付でも販売している。
ヴィラ・エルフシ・ド・ロスチルド美術館は日本語音声ガイドがある。
写真・ヴィラ・エルフシ・ド・ロスチルド内部のパティオ -
①ヴィラ・エルフシ・ド・ロスチルド美術館
・ヨーロッパで手広く銀行業を興したロスチルド財閥の家系であるアルフォンス・ロスチルド男爵の娘、ベアトリス・エルフシ・ド・ロスチルドが建てたフィレンツエルネサンス様式のイタリア式宮殿である。
・地中海に突き出た半島であるサン・ジャン・カップ・フェラの絶景を気に入り、自分の思い入れを全て注入した邸宅を建設した。お気に入りの絵画、家具、陶磁器等の調度品を調達し、造成した庭越しに景色を眺めながらの文字通りの豪奢な生活をしていた。
・建物は彼女が好きなローズ色で統一されているが、メルヘンチックといった安っぽい表現を拒絶する圧倒的な本物の醸し出す迫力がある。
中央にパティオを配し、周囲に部屋が並ぶ。パティオの柱はピンクの大理石でその上に乗ったアーチが美しい。
・周囲の部屋は客を接待する大サロン、小サロンと夫人の生活空間とからなる。どの部屋も夫人の拘りの品が配備され、まさしく丸ごと美術館である。
・1933年夫人の亡くなる1年前に芸術アカデミーに邸宅と彼女のコレクションすべてを遺譲し、現在美術館として公開されるに至っている。
写真 大サロンの間 -
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・大サロンの間のゲーム盤
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・天井画
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・ボーリュ・シュル・メールの海岸を見渡すバルコニー
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・小サロンの暖炉のファイアスクリーン
家具はルイ王朝時代のコレクション -
・セーブルの陶磁器コレクション
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・豪華絢爛の陶器時計
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・セーブル陶器コレクション
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・小物のコレクション
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・中国の陶器コレクション
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・邸宅からの絶景
地中海に突き出たサン・ジャン・カップ・フェラ岬の丘の上に立地しているので、西側はヴィルフランシュ・シュル・メールの静かな湾の景色が広がる。
反対側は、ボーリュ海岸からモナコ方面へ続く海岸線を遠望できる。
しばし息を飲む絶景である。 -
・庭園
邸宅の南側には広大な庭園が拡がる。9つのヴァラエティあるテーマで庭園が造られ散策道が整備されている。庭の散策中に見られる景色も勿論申し分ない。
庭園部分はロスチルド家から遺贈されたあと第2次世界大戦で荒廃の極に達していたという。戦後復興事業で現在の姿を取り戻しているとのこと。管理が行き届いて素晴らしい庭園になっている。 -
・スペイン庭園
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・日本庭園
戦後の庭園復興の際、日本人造園師が派遣され指導にあたったという。海外で時折見かける「なんちゃって日本庭園」とは一線を画する本格的な日本庭園である。 -
・サボテン庭園
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・ギリシャ風庭園からヴィルフランシュ湾を望む
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・庭園から邸宅を望む
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・バラ園
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・季節がら花の宝庫である。
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・日常生活空間 ベアトリスの寝室
彼女の好きなローズカラーで統一されている。 -
・ベアトリス・エフルシ・ド・ロスチルドのポートレート写真
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・ロスチルド邸内のカフェテリア、レストラン
邸宅の西側部分にカフェテラスとレストランがあり、邸宅見学後ドリンクや食事をとることができる。室内席とテラス席があるが、どちらからもヴィラフランシュ湾を望むオーシャンビューである。
燦々と輝く太陽に誘われ、テラス席のパラソルの下でランチを取ることにした。 -
・ランチメニュー
コート・ダ―・ジュールの豪邸の雰囲気で地中海を見ながらの食事は贅沢な時間である。さすがに食器類にも気が配られている。価格は特別高いということない。高級別荘地なので周囲に簡単に食事をとるところも見当たらない。
時間が許せば、ゆっくりワインを飲みながら食事をとることをお勧めする。 -
②ヴィラ・ケリロス美術館
-もう一つの邸宅美術館はボーリュ・シュル・メールのヨットハーバーに隣接し海岸のすぐ際に立っている。古代ギリシャ邸宅を忠実に再現したという、ロスチルド邸とは好対照なコンセプトの際立つ邸宅美術館である。
-ヴィラ・ケリロスはギリシャ文明の専門であった歴史家、考古学者のテオドール・ライーナッハが彼の豊富な専門知識と収集した膨大な資料を基にし、建築家エマニュエル・ポントレモリと共同で建設した。紀元前Ⅰ-2世紀ごろの古代ギリシャ時代のデノス島の邸宅を資料にのっとって忠実に再現したものである。年代的にはやはりベルエポックの1902-1908年に建設された。
-ケリロスとはギリシャ語の直接の意味は鳥のアジサシの意味だそうだが、ギリシャ神話で鳥に変身し荒波をおさめた伝説のハリキュロスから命名したと言われている。 -
・ヴィラ・ケリロスの正面玄関
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・ヴィラ・ケリロス西側ファサード
建物の色は白亜で海と空の青に映える。建物の屋上にはパーゴラがある特徴的な作りになっている。 -
・玄関入ったところのギリシャの三代悲劇詩人のひとりソフォクレスの彫像
何といっても「オイディップス王」の作者として有名。 -
・ペリスタイル
建物の中心には中庭があり、それを取り囲むようにギリシャ式の柱が並ぶ回廊が配置されている。回廊の壁にはフレスコ画が描かれている。
回廊からの奥は各部屋が並んでいる。この建築スタイルをペリスタイルと言うそうだ。 -
・古代ギリシャの共同浴場
大理石の柱に囲まれた豪華な浴場で浴槽の深さは優に1メートルはある。 -
・ヴィラ・ケリロスの大サロン
各部屋は格子状に木を組んだ天井とタイル張りの床ですっきりと統一されていて美しい。調度品も華美でなく機能的な美しいものを揃えてある。 -
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シンプルなデザインの家具調度品
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・美しい文様の大理石の柱
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・波を象徴したモザイクのフローリング
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ヴィラ・ケリロスから午前中訪問したヴィラ・エルフシ・ド・ロスチルドのローズ色の大邸宅を遠望できる。
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・邸宅の周囲の庭の花々
海岸線に隣接してヴィラは建てられているので大きな面積ではないが、周囲には植生や花の美しい手入れの行き届いた庭園がある。 -
・邸宅の東側はモナコへ続くコート・ダ・ジュールの海岸線の絶景を望むことができる。
テラスの地下部分は波打ち際に接したように作られたギャラリーになっていて、オナーであったテオドール・ライーナッハ氏が収集した古代ギリシャの彫刻類や歴史資料が陳列されている博物館になっている。
(あとがき)
・コート・ダ・ジュールの中でも最も美しいと言われる、しかも全く個性の異なる二つの美術館を見て圧倒されたというのが率直な感想である。
・桁はずれの財力と本物を収集する執念、そして自分のコレクションを素材にしてそのまま美術館となるような自己完結した空間を実現してしまうエネルギーに感服してしまう。テーマパークが張りぼてに見えてしまう本物の迫力がここにはある。
・ベルエポックはフランスにとって文字通り文化、芸術の爛熟した古き良き時代だったという感を強くした強烈な印象の残る旅であった。ニースから日帰りできるので、時間が許せば足を延ばすことをお勧めする。
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