2014/12/02 - 2014/12/05
1位(同エリア51件中)
鹿野健太郎さん
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10年以上前に一度ネパールを訪れた時、ナガルコットから初日の出を拝み、はるか遠くにヒマラヤを眺めただけだった。「あれがヒマラヤだよ」と言われなければ山の大きさも分からないほどだった。それ以来ずっとポカラを拠点にアンナプルナの山々の麓まで足を踏み入れたいと思ってきた。今回は、ポカラを出てジョムソム、さらにムクティナートへ。冬のポカラは霧が濃くヒマラヤの展望はおろか、飛行機が飛ばないことも日常茶飯事のなので、はじめからジープを3日間チャーターすることにした。そして結果的にこの決断は最善の策となった。
※ジープのチャーター、運転手を入れて5人乗れる車ではあるが、後部座席3人であの道を行くのは辛いはず。なので3人で1台チャーターが現実的だろう。費用はポカラ〜ジョムソムの往復航空券3人分と同じくらいで3日間。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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カトマンドゥからブッダエアでポカラへ。航空会社のお名前が何ともありがたい。
この日、午前中の霧の影響で航空ダイヤはかなり乱れていた。早めにチェックインしたので運良く3時間遅れていた一つ前のフライトに振り替えてもらえたが、その日はこのフライトを最後に全て欠航となり、途方にくれる旅行客がいっぱいだった。 -
ヒマラヤが夕陽を浴びて赤く見える素晴らしいフライトだった。
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あっという間にポカラ空港に到着。地上に降りると、さっきまで見えていたヒマラヤも霞んで見えない。
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菜の花ロッジというゲストハウスに宿泊。明日の未明にジープでアンナプルナに向かうのでマウンテンビューのお部屋がちょっともったいない気もする。
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毎日食べても美味しいネパール定食。
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ポカラ市内のギャラリーで十一面千手観音のタンカを描く女性。
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翌朝まだ暗いうちにジープに乗り込んで出発。空が少し明るくなった頃、名峰マッチャプチャレの頂が見えた。
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山道に入る前にお手洗いとちょっと腹ごしらえ。
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ジープはトレッキングルートを西にそれてベニ方面へ向かう。標高の低い(海抜800m)谷の下は霧に覆われていた。
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途中からカリ・ガンダギ(川)に沿って進む。この川のはるか上流がジョムソム。
そしてこの川の下流はガンジス川に繋がっている。同じ地球上に存在する水でも、やはりヒマラヤのてっぺんからガンジス川に流れ込む水は選ばれし特別なものだなぁ・・・などと思った。 -
ポカラを出て3時間。ベニの街が見えてきた。「ベニから先の道は凄いから覚悟しててね」とドライバーが楽しげに言った。
「ジープで行くなんて・・・」と馬鹿にはできない。これが結構なアドベンチャーなのだ。 -
ベニを出ると舗装道路は姿を消し、山を切り開いただけの道。柔なシティーカーでは1kmともたずに壊れてしまうと確信した。この通りはジョムソム方面の人々にとっても大切な生活道路。
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30cm間違えれば谷底へ真っ逆さま…という道も地元の素晴らしいドライバーを紹介していただいたおかげで全く冷や冷やせずに済んだ。
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イチオシ
ベニを出てしばらくは深い森の中を進むのでヒマラヤに入り込む実感は沸かないが、時に視界が開けると雪山の壁がどんどん高く迫ってくる。正面にニルギリ・サウス (6839m)。
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ポカラは深い霧の中。ジョムソムへのフライトは全て欠航らしい。ジープの揺れ(ものすごい)にも不思議と馴れてきて、暖かい陽射しで居眠りしそうだ。…と後部座席を振り返ると母と友人はすでに寝ていた。
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途中で景色の良い場所があってもジープの揺れが尋常ではないので写真を撮るのは困難。でも優しいドライバーは僕がカメラを手にとると「Picture?」と言ってすぐに停車してくれる。予定9時間のドライブ、この調子では何時間かかるだろうか。
腹ペコヒマラヤン犬にちょっと餌付け。 -
イチオシ
途中、アンナプルナ?峰(8091m)も神々しく輝いて顔をのぞかせてくれた。
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イチオシ
ダナ村のKabin Guesthouseでバラハシカール(7647m)の絶景を前に美味しいお昼ご飯。木になっていた蜜柑とグァバもいただいた。
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インドはマヒンドラ社製のジープ。この悪路の中をグイグイ進んでも壊れない。インド製品恐るべし!
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車道の開通には賛否両論あるようだ。でもジョムソム街道は観光のために開発された道路ではなく、むしろ地元の人々の生活道路。しかも森林を伐採して道路を作るわけでもない。そこを車で移動することは、何日もかけながら食べて排泄して・・・を繰り返しながらエコのつもりで自然の中を歩くよりもむしろ環境に与えるインパクトは少なく抑えられるのかもしれない。自分のチャーターした車が物資やゴミも山奥から低地に持ち運んであげられる。眼下を流れる清流を眺めながら、そんなことを思った。
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アンナプルナへの入域許可証のチェックポイントもあるガーサ村。
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ガーサ村を越えるともうムスタン郡に入りチベット文化圏になる。ここからしばらくはダウラギリ(8167m)とその氷河を間近に見上げながら進む。
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間近に迫るダウラギリとの高度差は6000m以上!テンションが上がる。
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目の前の景色があまりに大きすぎて、何か家並みの向こうに巨大なウォールがある映画セットのようにすら見えた。
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川の対岸にはニルギリ三峰が連なって見える。
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途中、ヤギの集団とよくすれ違った。
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日本のNGOの協力でリンゴの産地となったマルファ村でドライアップルなど購入。
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ジョムソムまであと数キロ。日が沈まないうちに到着したい。
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カリ・ガンダギの河原から北を望む。この先の山の麓が今日の目的地ジョムソム。すでに陽が傾いてきた。
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まもなくジョムソムに到着。長いジープ旅だった。
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宿泊はHotel Om's Home。品のある山小屋っぽい雰囲気でとても落ち着く。ここは標高2720mというが特に高度差の影響は無し。
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ホテルのレストラン、2階のこたつテーブル席で暖をとりながらの夕ご飯。
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夜、屋上に登ってみた。月明かりの中青白く不気味にそびえるニルギリ・ノース(7061m)を見ていたらちょっと怖いような気持ちがした。
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エキストラ毛布と湯たんぽという気の利いたお取り計らいでぐっすり寝られた。今日はさらに奥地のムクティナートを目指す。
ホテルの目の前(写真右上)がジョムソム空港の滑走路だが滞在中のフライトは全て欠航。ずっと静かだった。 -
ニルギリ・ノースの頂に朝日が照り始めた。ムクティナートに向け出発!
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ジョムソムには軍の駐屯地(学校?)もある。この僻地に兵隊さんがいるのは何かと心強い。
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イチオシ
ジョムソムの街を少し出てカリ・ガンダギの河原から振り返ると、ダウラギリとトゥクチェピークが連なるギザギザがリズミカルで美しい。
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この時期水量が多くないので、ジープはそのまま川を渡って行ける。
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ダウラギリをバックに母と。
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ジョムソムから北は、明らかに風景が変わる。荒涼とした厳しい自然が想像をはるかに超えるスケールで広がる。こんなにも雄大な眺めがすっぽり入ってしまうネパールを面積だけで小さな国なんて思っている人は完全に認識を誤っていると思った。
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ジョムソムからムクティナートまでの道は、乾燥しきった砂利道で、むしろ乗り心地は幾分楽になったかもしれない。
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下に見えるカグベニ村から北はアッパー・ムスタン(ムスタン王国)で特別な許可証がないと入域できない。
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カグベニ村(2807m)に寄り道。
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500年以上の歴史を持つゴンパ。壁の赤と空の青のコントラストがとても印象的だった。
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ゴンパで元気に過ごす少年僧たち。
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カグベニのゴンパの陽気な少年僧たちと。
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ゴンパからニルギリ・ノースを振り返る。
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カグベニでもリンゴが採れる。自家製のアップルパイを食べてみた。厳しい自然に耐えて育ったとは思えない優しい美味しさだった。
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標高4000m以上の高所に暮らすヤクのミルクで作ったチーズ。濃厚で美味しい。買って帰ってきたので、ヒマラヤンピザトーストでも作ってみよう。
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現金をいっぱい持っていけばもっと大量のヤクチーズを買ってきたのだけど…。
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高山の果物らしいシーバックトーン?のジュース。朝夜の寒い時にはホットでも美味しい。
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さぁ、カグベニを出たら一気に標高差1000mを登ってムクティナートへ。
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この辺りでおそらく富士山の頂上と同じくらいの高さ。
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要塞のような風格のジャルコット村
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イチオシ
ジャルコット村を見下ろしてもうすぐムクティナートに到着。
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この雄大さ、伝わるだろうか・・・。
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ジープを降りて、ヒンドゥー教の聖地ムクティナート寺院に向かう途中にあるチベット仏教寺院にて。ここまでは大した登り道でないので、ゆっくり歩けば苦しい事もない。が、馴れない高度のせいか脈がいつもより速いのが気になる。
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ジープの駐車場からアンモナイトの化石やらヤクの毛糸で編まれたマフラーなどを買いながら(←休憩を兼ねて)1時間かけてゆっくりムクティナート寺院まで登る。2800mは普通にはしゃいでいても問題なかったけれど、3800mはかなり違う。明らかに呼吸が苦しいし、笑ったり話したりしながら歩くと冬一番嫌いだった忌々しいマラソン大会の辛さが襲ってくる。
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あと階段100段分くらいで、とってもダメな状態。
そして、ここぞとばかりに弱みにつけ込み苦しむ人の写真を撮りまくる友人。ここにお出しできないほどの異次元な顔になってしまっている写真10枚以上、友人から送信されてきた。 -
寺院まで到達した。聖なる湧き水を手前のカフェで休んでいる母に持ち帰るというミッションのために踏ん張った。酸素残量の少ない水槽で苦しむ金魚さんの気持ち。
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標高3800m。空の色が濃い!
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水の音を頼りに聖なる湧き水までたどり着いた。
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水はキリッと冷たく地面ははねた水が氷結していた。
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ヒマラヤの湧き水を飲んだら気のせいか疲れが吹き飛んだ。(その後帰り道にまた大いに苦しんだので、きっとただの気のせい)
消えない炎・・・も探したかったが、脳みその働きも低下中。随分母とドライバーを待たせてしまっているので、急いで戻ろう!としか考えられなかった。 -
さてこれから下に見える集落まで歩いて戻らなくてはいけない。下りだから行きよりは少しだけ楽かな。
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母はハワイや南米で4000m以上の場所を歩いた経験があるので、空気の薄さをすぐに察知して麓のカフェで休憩していると言った。聖なる湧き水を持ち帰ったら喜んでくれると思っていたら、「2時間半も何やってたのよ、遅すぎる!」と怒られる。心配もしたのと、ドライバーさんに申し訳ないと思ったのだろう。
後で呼吸ができずに凄い顔になっている証拠写真集を見せたので、今となっては笑い話だけど…。 -
イチオシ
ジョムソムへの帰り道。カリ・ガンダギからダウラギリに沈む夕日を眺める。
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ジョムソムのホテルに戻って温かいお食事。ここまで降りてくると低酸素の苦しさも無くなった。
でも今思えば、ジョムソムでの寝起き、頭が少しキーンと痛んだのは眠っている間に酸素が不足していたのかも知れない。 -
翌朝、チェックアウトを済ませて再びジープでポカラ方面へ。この日もフライトは全て欠航だったようで、航空券を予約していた人たちは足止めをくらっていた。ホテルの方たちと事前にメールで色々と相談をしてアドバイスに従った僕たちの決断は結果的に最善の選択だった。
お世話になったホテルのスタッフの方たちと。 -
ジョムソムの朝の露店では美味しそうなリンゴを売っていた。
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途中でジョムソム街道随一の美しい集落とも言われるマルファ村を散策。
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行きはこの街と並行する車道を通っただけだったので気付かなかったが、石造りの白壁の家並みが美しい。
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村の真ん中にあるゴンパにて。
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ゴンパの正面にそびえるニルギリ
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少年僧がトコトコっと駆け寄って来て、鍵を開けて中を案内してくれた。
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名前はギュルメ君、9歳だそうだ。何年か後に再訪しても会えるかな。
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ゴンパからはマルファの家並みが見下ろせる。
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この一枚は、母のカメラに写っていた。旗と山の尾根のラインがX字状に交差してたりしてたりして、もし母が構図まで考えて撮っていたとしたらなかなか驚き。
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名産品となったリンゴを干していた。
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マルファ村の北側斜面にはペインティングストゥーパが白く輝く。
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友人が撮ってくれた今回のモデル写真!?マルファの集落は絵になる。どこか東欧やトルコの田舎町を思い出す。
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マルファのリンゴ畑にて。
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リンゴを使ったお菓子の数々。お持ち帰りにして翌朝食べた。カグベニのアップルパイ同様、優しい味で思わず笑顔になった。
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マルファ村の遠景
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行きは午後の逆光になってしまったダウラギリの氷河も午前中は真っ白に輝いて眩しい。
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イチオシ
ラルジュン村から標高差6000mを見上げるのは言葉にできない迫力!
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ジープの揺れにもすっかり馴れてしまったのか、帰りは楽で早く感じた。お昼ご飯はまたあのKabin Guesthouseがいいなぁ…とみんな期待しつつ。
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滝の中を道が通っている。
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写真では分からないのだが、ジープの窓から空を見上げようとしても山の斜面しか見えないくらい垂直方向に長い世界。別の次元に迷い込んだような感覚。
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期待通りまたここでお昼ご飯。おばちゃんに「あら、またきてくれたのねぇ」と言われ、家の前のオレンジもご馳走になった。おばちゃんの作るエッグカレーやチャーハンは絶品。そして注文してからゆっくり時間をかけて作ってくれたチベットパン。素朴なモチモチしたドーナツのよう。作り方を教えてもらいたい。でもきっとヒマラヤの湧き水とあの自然に育まれた小麦や卵だから美味しいのかな。
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手前がそのチベットパン。
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ずいぶん山を下って来た。温泉の湧くタトパニ(=hot waterの意)のチェックポイントで小学生たちと。
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子供達の瞳がキラキラしていた。
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ポカラの手前、ノーダラの絶景ホテルに到着したのは、真っ暗になってから。翌朝はあいにくのお天気でマチャプチャレとの再会はならず。
ツアーなどでポカラが最終目的地だった人やジョムソムまで航空券を予約していた人たちは、ヒマラヤを見られないまま帰らざるを得なかったはず。あまりに気の毒だ。 -
マチャプチャレのモルゲンロードを眺めながら熱いチャイを飲むのをイメージしてたが、残念。ホテルの送迎でポカラ市内のツーリストバスターミナルへ。
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ポカラ周辺でたくさん見かけた野花。
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ポカラからのツーリストバス。カトマンドゥまで休憩込みで7時間。乗り心地は悪くないが、隣の西洋人が猛烈に臭い。彼らは自分たちの匂いに周囲のアジア人が撃沈していることに気付いていない様子だった。
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ツーリストバスの車両。比較的新しく清潔。車内にフリーwifiもあり(みんながネットを繋ごうとしているからか、全然使えなかったけど)。
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臭い西洋人を避けるためひそかに窓の隙間風を吸うようにしつつ、車窓を見ようにも南側の座席からはず〜っと山の斜面しか見えない。車窓を眺めるのが好きなので、北側の窓際の人たちが素晴らしい風景に目も向けず居眠りしているのがものすごく不愉快。伝統的な3階建ての民家の構造にとても興味を持ったのだが、結局こちらがわの窓からは写真も撮れずじまい。
↓ 以下のリンクにあるような、実に赴きのある民家が(向こう側の車窓には)いっぱいなのだ。
http://robertofaidutti.photoshelter.com/gallery-image/Architecture-Asia-01/G0000u.UF66hYP.Q/I0000.p006Aqpjto/C0000s8NETu6n.dg
ポカラ〜カトマンドゥ間は北側の座席がおすすめ。 -
悪臭から解放される貴重な息継ぎタイム。2度目の休憩。お昼ご飯は380ルピーのネパール料理ブッフェ。焼きそばが特に気に入った!
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せっかくの旅行記、悪臭ネタでエンディングを迎えたくないので気分転換。
ネパールの人たちはとても整ったいい顔をしていると感じた。特に子供達は表情も可愛い。 -
さっきの二人のお兄ちゃんかな?三人兄弟のような感じだった。
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この山を越えればいよいよカトマンドゥだ。想像を超えるスケールの自然と温かい人たちに迎えられて、ありがとうの気持ちでいっぱいの旅となった。
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