伊豆高原旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 最近簡保の宿が縮小され、数は少なくなった。かつてはその生い立ちから利用規則で縛られていたが、郵政民営化以来、様変わりした。<br /> 特別郵政と係わりあったわけではないが、安直に利用できるので会員になって利用をしてきた。年2回ぐらい冊子が送られてくるが、たまたま家内が伊豆高原のページに目がとまり、大室山からの景観に魅せられた。<br /> 時期的にも良く、さっそく申し込みとなった。2泊してゆっくり大室山頂上周囲を散策することになった。東京発「踊り子号」の乗車券の手配もできた。<br /> 伊豆は天城越えの下田をはじめ、冬季シーズンのゴルフ、また、現役時代勤務先が保有していた保養施設が宇佐美にあり何度か利用した。その折はすべてマイカーであり、今回初めて電車で行くことにした。<br /> 6月1日午後簡保の宿伊豆高原に入り、2日目期待の大室山散策の当日、靄が架かっているが、天気は上々、タクシーで大室山に向かった。駐車場に入った時、まったく人影がなく、リフト乗り場には1〜4日リフト整備のため休業とあった。お目当ての大室山観光はオジャン。<br /> 簡保の宿には直前大室山観光情報を聞いているが、リフト休業の話は一切なかった。やむなく、乗ったタクシーで城ケ崎海岸に向かう破目になった。<br /> 伊豆高原の観光情報は伊東市から資料の送付を受けていたので、下調べはしてあった。過去に川奈、伊東温泉などには足を運んでいたが、なぜか城ケ崎海岸は観光名所として知ってはいたが、訪れるのは初めてではあった。<br /> 城ケ崎海岸は、かつて大室山の噴火により、流れ出した溶岩流が太平洋の押し寄せる波によって浸食され、形成されたもので、その規模の大きさを想像しながら、海岸線の遊歩道を時間をかけ散策してカメラに収めることができた。<br /> 城ケ崎海岸から真正面に大室山があり、航空写真で見ると大室山の裾が盛り上がりながら城ケ崎海岸に伸びており、伊豆高原は溶岩流によって形成されたことが分かる。<br /> <br /> 私がまだ子供のころ天明3年(1783年)の浅間山の大噴火について、伝説として語り継がれていたことがあった。<br /> 大噴火によって現在の群馬県嬬恋村の鎌原地区(噴火口に最も近い集落)が火砕流で押し流され、溶岩流によって一面埋めつくされた。(人口約600人弱、生き残った人は約130人余であった。)集落の小高い丘の上に観音堂がある。約50段の石段があったが、現在は15段。生き残った人々の大半がこの観音堂に駆け上り避難した人々であった。<br /> 火砕流、溶岩流が押し寄せる中1人の青年が、老母を背負い、必死に駆け上がったが、石段の中途で力が尽き、溶岩流にのみこまれた。と言う伝説であった。<br /> 昭和54年だったか、55年だったか、前段の観音堂の傍らにあった民家で、家の裏側に小山があった。家の増築のため小山を削り始めたところ、溶岩の一部にぽっかり穴があき、中は比較的広く、また人がかがんで入れた。実際入ってみて驚いたのは正しく溶岩にのみこまれた木造家屋であった。柱、鴨居などが炭化していて、木目もわずかではあったが確認できた。その後どうなったかは知らないが、学術的に貴重な遺産であり、いまは1つの観光資源になっているかもしれない。<br /> この一件から鎌原地区の人々から石段の埋まった部分の掘り起こし要望が持ち上がった。大型の重機などが必要であり、村、県は予算上難色、やむを得ず家の工事に携わった建設会社が自費で行うことになった。<br /> 石段の裾を掘り下げ、下から10段目あたりだろうか、人骨が発見された。科学、学術的に分析した結果、正しく若い男性の人骨と女性の人骨が折り重なっており、約200年後、伝説は歴史的事実と判明した。<br /> 私は軽井沢在住時代であり、数日して見に行ったところ、すでに観音堂に人骨は収められており、目にすることはできなかったが、用意されていた線香で焼香してきた。(学術的に検証が済んで、掘削した石段は埋められている。)<br /> 火山の噴火は、大きな被害をもたらす。大室山の溶岩流はどのような災害を引き起こしたか、4,000年前のことであり、資料はなく見当もつかないが、広範囲にわたって押し流されたことは推測できる。<br /> <br />  

伊豆高原と城ヶ崎海岸

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2014/06/01 - 2014/06/03

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na1430

na1430さん

 最近簡保の宿が縮小され、数は少なくなった。かつてはその生い立ちから利用規則で縛られていたが、郵政民営化以来、様変わりした。
 特別郵政と係わりあったわけではないが、安直に利用できるので会員になって利用をしてきた。年2回ぐらい冊子が送られてくるが、たまたま家内が伊豆高原のページに目がとまり、大室山からの景観に魅せられた。
 時期的にも良く、さっそく申し込みとなった。2泊してゆっくり大室山頂上周囲を散策することになった。東京発「踊り子号」の乗車券の手配もできた。
 伊豆は天城越えの下田をはじめ、冬季シーズンのゴルフ、また、現役時代勤務先が保有していた保養施設が宇佐美にあり何度か利用した。その折はすべてマイカーであり、今回初めて電車で行くことにした。
 6月1日午後簡保の宿伊豆高原に入り、2日目期待の大室山散策の当日、靄が架かっているが、天気は上々、タクシーで大室山に向かった。駐車場に入った時、まったく人影がなく、リフト乗り場には1〜4日リフト整備のため休業とあった。お目当ての大室山観光はオジャン。
 簡保の宿には直前大室山観光情報を聞いているが、リフト休業の話は一切なかった。やむなく、乗ったタクシーで城ケ崎海岸に向かう破目になった。
 伊豆高原の観光情報は伊東市から資料の送付を受けていたので、下調べはしてあった。過去に川奈、伊東温泉などには足を運んでいたが、なぜか城ケ崎海岸は観光名所として知ってはいたが、訪れるのは初めてではあった。
 城ケ崎海岸は、かつて大室山の噴火により、流れ出した溶岩流が太平洋の押し寄せる波によって浸食され、形成されたもので、その規模の大きさを想像しながら、海岸線の遊歩道を時間をかけ散策してカメラに収めることができた。
 城ケ崎海岸から真正面に大室山があり、航空写真で見ると大室山の裾が盛り上がりながら城ケ崎海岸に伸びており、伊豆高原は溶岩流によって形成されたことが分かる。
 
 私がまだ子供のころ天明3年(1783年)の浅間山の大噴火について、伝説として語り継がれていたことがあった。
 大噴火によって現在の群馬県嬬恋村の鎌原地区(噴火口に最も近い集落)が火砕流で押し流され、溶岩流によって一面埋めつくされた。(人口約600人弱、生き残った人は約130人余であった。)集落の小高い丘の上に観音堂がある。約50段の石段があったが、現在は15段。生き残った人々の大半がこの観音堂に駆け上り避難した人々であった。
 火砕流、溶岩流が押し寄せる中1人の青年が、老母を背負い、必死に駆け上がったが、石段の中途で力が尽き、溶岩流にのみこまれた。と言う伝説であった。
 昭和54年だったか、55年だったか、前段の観音堂の傍らにあった民家で、家の裏側に小山があった。家の増築のため小山を削り始めたところ、溶岩の一部にぽっかり穴があき、中は比較的広く、また人がかがんで入れた。実際入ってみて驚いたのは正しく溶岩にのみこまれた木造家屋であった。柱、鴨居などが炭化していて、木目もわずかではあったが確認できた。その後どうなったかは知らないが、学術的に貴重な遺産であり、いまは1つの観光資源になっているかもしれない。
 この一件から鎌原地区の人々から石段の埋まった部分の掘り起こし要望が持ち上がった。大型の重機などが必要であり、村、県は予算上難色、やむを得ず家の工事に携わった建設会社が自費で行うことになった。
 石段の裾を掘り下げ、下から10段目あたりだろうか、人骨が発見された。科学、学術的に分析した結果、正しく若い男性の人骨と女性の人骨が折り重なっており、約200年後、伝説は歴史的事実と判明した。
 私は軽井沢在住時代であり、数日して見に行ったところ、すでに観音堂に人骨は収められており、目にすることはできなかったが、用意されていた線香で焼香してきた。(学術的に検証が済んで、掘削した石段は埋められている。)
 火山の噴火は、大きな被害をもたらす。大室山の溶岩流はどのような災害を引き起こしたか、4,000年前のことであり、資料はなく見当もつかないが、広範囲にわたって押し流されたことは推測できる。
 
  

交通手段
新幹線 JR特急
  • 簡保の宿の全景<br />玄関前にある太い幹の樹はフェニックス<br />伊豆高原はかつての溶岩流の台地で海岸からはかなりの高低差がある。<br />このため全室から伊豆諸島が見えると言う立地であるが、天候は晴れていたものの、海は深い靄がかかっており、見晴らしは今一であった。

    簡保の宿の全景
    玄関前にある太い幹の樹はフェニックス
    伊豆高原はかつての溶岩流の台地で海岸からはかなりの高低差がある。
    このため全室から伊豆諸島が見えると言う立地であるが、天候は晴れていたものの、海は深い靄がかかっており、見晴らしは今一であった。

  • 簡保の敷地面積は広い。

    簡保の敷地面積は広い。

  • 大室山はすり鉢をひっくり返した形の山。<br />写真で見ると頂上は噴火口である。<br />伊豆高原に来た目的は、この山の頂上火口の周囲の散策と周囲の景観に浸るつもりであった。ところが行ってみると人影が全くなく、ロープウエイは止まっていた。

    大室山はすり鉢をひっくり返した形の山。
    写真で見ると頂上は噴火口である。
    伊豆高原に来た目的は、この山の頂上火口の周囲の散策と周囲の景観に浸るつもりであった。ところが行ってみると人影が全くなく、ロープウエイは止まっていた。

  • 大室山の駐車場から見た富士山。冒頭の表紙で触れているが、霞が架かり、富士山は薄ぼんやり。

    大室山の駐車場から見た富士山。冒頭の表紙で触れているが、霞が架かり、富士山は薄ぼんやり。

  • 城ケ崎海岸の名勝吊り橋。一面の霞で海と空が判別できない。<br />

    城ケ崎海岸の名勝吊り橋。一面の霞で海と空が判別できない。

  • 下田方面に向かって伸びる海岸線

    下田方面に向かって伸びる海岸線

  • 海岸線の溶岩流による段丘が低くなっていく。

    海岸線の溶岩流による段丘が低くなっていく。

  • 門脇(城ケ崎)灯台

    門脇(城ケ崎)灯台

  • 城ケ崎海岸から富戸方向に広がる海岸線

    城ケ崎海岸から富戸方向に広がる海岸線

  • 門脇灯台

    門脇灯台

  • 城ケ崎海岸下田側に続く海岸線

    城ケ崎海岸下田側に続く海岸線

  • 押し出した溶岩流により形成された海岸線。

    押し出した溶岩流により形成された海岸線。

  • 国立公園の碑

    国立公園の碑

  • 城ケ崎ブルース<br />作詞 星野哲郎<br />作曲 關也幾里<br />昭和43年

    城ケ崎ブルース
    作詞 星野哲郎
    作曲 關也幾里
    昭和43年

  • つり橋と灯台

    つり橋と灯台

  • 押し出した溶岩流によって形成された海岸線

    押し出した溶岩流によって形成された海岸線

  • 溶岩で形成された岩石

    溶岩で形成された岩石

  • 溶岩で形成された岩石

    溶岩で形成された岩石

  • 溶岩で形成された海岸

    溶岩で形成された海岸

  • 溶岩で形成された断崖

    溶岩で形成された断崖

  • 城ケ崎海岸の遊覧船

    城ケ崎海岸の遊覧船

  • 砲台跡 <br />幕末黒船に対抗したのだろう。

    砲台跡 
    幕末黒船に対抗したのだろう。

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この旅行記へのコメント (3)

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  • トモヤさん 2014/11/20 10:13:35
    こんにちは。
    はじめまして。
    沢山の投票ありがとうございました。m(_ _)m
    城ヶ崎は18年程前に社員旅行で行った事がありますが、旅行記の写真をみて懐かしく思いました。^_^
    今後とも宜しくお願いします。m(_ _)m^_^

    na1430

    na1430さん からの返信 2014/11/22 10:22:19
    RE: こんにちは。
    トモヤさんこんにちは。
     お立ち寄りいただきありがとうございます。

     旅行記は一部ですが拝見いたしました。
     
    私はすでにリタイアしてずいぶん経ち、体も言うことが聞かなくなってきました。
     現役時代は海外旅行はかなわず、ただ1回、お客様との関係でシンガポールに出かけただけでした。
     54歳で中小企業に出向を命じられ、出向に際し1か月の有給休暇が与えられ、この間に1回家内同伴で中国旅行をしました。
     出向中出向先の従業員慰安旅行の引率で中国返還前の香港、マカオ旅行をしました。
     
     出向が終わると同時にリタイアしましたが、必然的に海外に脚が向きました。ヨーロッパ、北米(アメリカ、カナダ)です。
     
    東南アジアの旅行記興味深いです。ターゲットを定めての旅行ができることが、羨ましくさえ思います。
     私たちの年代ではどうしても広く、浅くなるのはやむを得ないように思います。

     私も時折お邪魔して旅行記を拝見します。
     このたびお書き込みありがとうございまし。
     
     
    > はじめまして。
    > 沢山の投票ありがとうございました。m(_ _)m
    > 城ヶ崎は18年程前に社員旅行で行った事がありますが、旅行記の写真をみて懐かしく思いました。^_^
    > 今後とも宜しくお願いします。m(_ _)m^_^


     よろしくおねがいいたします。

    na1430

    na1430

    na1430さん からの返信 2014/11/23 10:29:53
    RE: こんにちは。
    トモヤさん
     城ケ崎は溶岩流によって、また、太平洋の荒波により浸食され現在の景勝地になったようですが、信州は先ごろ御嶽山の噴火によって大事故が発生しました。
     日本最大級の活火山である浅間山が存在し、関心はこちらに向いていますが、もともとは糸魚川静岡構造線という大断層があることに着目しなくてはなりません。構造線は東日本と西日本の島が結合してできていると言われています。
     昨夜この構造線近くが震源地で大地震が発生しました。震源地付近が震度6弱でしたが、私の住まい付近が震度3でした。布団に入った直後で震度3以上に感じました。東海地震、三陸沖地震、新潟地震、三陸沖地震の直後栄村(信州と越後の県境近く)地震など、多くの地震が発生しています。
     怖いですねぇー。
     お書き込みありがとうございました。

     n1430


    > はじめまして。
    > 沢山の投票ありがとうございました。m(_ _)m
    > 城ヶ崎は18年程前に社員旅行で行った事がありますが、旅行記の写真をみて懐かしく思いました。^_^
    > 今後とも宜しくお願いします。m(_ _)m^_^

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