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サンクトペテルブルグ滞在中の週末、南へ180km、車で2時間ほど走ったところにあるノヴゴロドへ出かけた。「新しい町」を意味するノヴゴロドは、実はロシアで最も古い町のひとつ、人口は約23万人、古都の佇まいを残した落ち着いた小都市である。<br /><br />先回職場の同僚たちとこの町を訪れたのは6年前の2007年10月、急激に冷え込んできて気温はー0〜5℃前後であったと思うが、ロシア人はやはり寒さに強い。彼らは屋外でのガイドの説明を最後までしっかりと聞いていたが、我々日本人は寒さのため観光どころではなく、ゆっくり写真を撮ることもできなかった。今回のこの日は紅葉(黄葉)が始まり、曇天とはいえ時折日もさして、まずまずの観光日和と言える日だ。<br /><br />町の起源は古く、ルーシ(スウェーデンのヴァイキング部族)のリュ−リクによって862年にノヴゴロド公国が建てられた。古代貿易路の中心地にあり、中世にはハンザ同盟との貿易を独占して発展した。その後キエフが政治の中心になるに従って、ノヴゴロドは商業・工業に優れた独自の自由都市、ノヴゴロド公国へと変遷していく。13世紀にモンゴルのバトゥが侵攻し、キエフその他ロシア主要都市が灰燼に帰す中、奇跡的に破壊を免れたノヴゴロドは、その後モスクワがロシアの歴史の表舞台に登場するまでの間、ロシアの中心都市となった。<br /><br />15世紀にノヴゴロド公国はモスクワ大公国によって併合された。1570年この時期のツァーリであるイヴァン4世(雷帝)により町全体における粛清が行われる。当時のノヴゴロドの人口4分の3にあたる約6万人もの住人が拷問の末虐殺され、死体は氷の浮いたヴォルフ河に葬られたと言う。雷帝のあだ名通り、残虐な殺戮がが行われた。17世紀に入るとロシアでは大動乱期となり、1611年にノヴゴロドは介入してきたスウェーデン王のグスタフ・アドルフに占領された。しかしスウェーデン軍は1618年に撤退し一地方都市となった。 ノヴゴロドはロシアの歴史発祥の地として、今なお「偉大なるノヴゴロド公」と敬意を込めて呼ばれている。ロシア文化の原点であり、私の職場の仲間と出かけた時も、ロシア人にとって京都のような心のふるさとであると語っていた。<br /><br />サンクトペテルブルクから車で約2時間、駐車場からノヴゴロドのクレムリンを取り囲んで11世紀ころに建設された城壁が見える。入り口を抜けて中に入ると、ロシア1000年記念碑が見える。これはリュ−リクの即位から1000年を記念して1862年に造られた記念碑。ロシアの歴史を飾った6人の英雄たち、リュ−リク、ウラジ−ミル公、ミハイル・ロマノフ皇帝、ピョートル大帝、イワン3世、ドミトリー・ドンスコイ将軍、選ばれしロシアの6人の像が立つ。その横には博物館があり、まずはここでガイドブックにも掲載されている宗教画の名品を鑑賞した。<br /><br />続いて世界遺産に登録されている幾つかの建築物を写真に収めた。ソフィア大聖堂は、キエフのソフィア大聖堂をモデルとし、1045年に立てられた現存するロシア最古の建築である。6つのドームを持ち、窓が少なく小さいので要塞のようにも見える。ユーリエフ修道院はエストニアでの勝利を記念してヤロスラフ賢帝により1030年に建設された修道院。中心にドームを持つゲオルギー聖堂が建つ。 <br /><br />川に架けられたモダンな橋を渡ると、対岸にも幾つかの教会建築が立つ。河川が氾濫して形成された河岸段丘に建てられた教会は、沈下のため傾きかけたものもある。<br /><br />ノヴゴロドの中心から車で10分ほど走ったところに、ノヴゴロド地区の伝統的な建築20余りを、当時のままの状態で移築・保存した、明治村のような野外木造建築博物館がある。7月に訪れたキジー島と類似の屋外博物館であり、16世紀に建てられた風車、農家 、納屋や教会が保存されている。中をのぞいて歩いていると、中世ロシアにタイムスリップしたような気分になる。

ロシアの世界遺産No.2 : 「新しい町」を意味するノヴゴロドはロシアで最も古い町

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2013/09/21 - 2013/09/22

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ハンク

ハンクさん

サンクトペテルブルグ滞在中の週末、南へ180km、車で2時間ほど走ったところにあるノヴゴロドへ出かけた。「新しい町」を意味するノヴゴロドは、実はロシアで最も古い町のひとつ、人口は約23万人、古都の佇まいを残した落ち着いた小都市である。

先回職場の同僚たちとこの町を訪れたのは6年前の2007年10月、急激に冷え込んできて気温はー0〜5℃前後であったと思うが、ロシア人はやはり寒さに強い。彼らは屋外でのガイドの説明を最後までしっかりと聞いていたが、我々日本人は寒さのため観光どころではなく、ゆっくり写真を撮ることもできなかった。今回のこの日は紅葉(黄葉)が始まり、曇天とはいえ時折日もさして、まずまずの観光日和と言える日だ。

町の起源は古く、ルーシ(スウェーデンのヴァイキング部族)のリュ−リクによって862年にノヴゴロド公国が建てられた。古代貿易路の中心地にあり、中世にはハンザ同盟との貿易を独占して発展した。その後キエフが政治の中心になるに従って、ノヴゴロドは商業・工業に優れた独自の自由都市、ノヴゴロド公国へと変遷していく。13世紀にモンゴルのバトゥが侵攻し、キエフその他ロシア主要都市が灰燼に帰す中、奇跡的に破壊を免れたノヴゴロドは、その後モスクワがロシアの歴史の表舞台に登場するまでの間、ロシアの中心都市となった。

15世紀にノヴゴロド公国はモスクワ大公国によって併合された。1570年この時期のツァーリであるイヴァン4世(雷帝)により町全体における粛清が行われる。当時のノヴゴロドの人口4分の3にあたる約6万人もの住人が拷問の末虐殺され、死体は氷の浮いたヴォルフ河に葬られたと言う。雷帝のあだ名通り、残虐な殺戮がが行われた。17世紀に入るとロシアでは大動乱期となり、1611年にノヴゴロドは介入してきたスウェーデン王のグスタフ・アドルフに占領された。しかしスウェーデン軍は1618年に撤退し一地方都市となった。 ノヴゴロドはロシアの歴史発祥の地として、今なお「偉大なるノヴゴロド公」と敬意を込めて呼ばれている。ロシア文化の原点であり、私の職場の仲間と出かけた時も、ロシア人にとって京都のような心のふるさとであると語っていた。

サンクトペテルブルクから車で約2時間、駐車場からノヴゴロドのクレムリンを取り囲んで11世紀ころに建設された城壁が見える。入り口を抜けて中に入ると、ロシア1000年記念碑が見える。これはリュ−リクの即位から1000年を記念して1862年に造られた記念碑。ロシアの歴史を飾った6人の英雄たち、リュ−リク、ウラジ−ミル公、ミハイル・ロマノフ皇帝、ピョートル大帝、イワン3世、ドミトリー・ドンスコイ将軍、選ばれしロシアの6人の像が立つ。その横には博物館があり、まずはここでガイドブックにも掲載されている宗教画の名品を鑑賞した。

続いて世界遺産に登録されている幾つかの建築物を写真に収めた。ソフィア大聖堂は、キエフのソフィア大聖堂をモデルとし、1045年に立てられた現存するロシア最古の建築である。6つのドームを持ち、窓が少なく小さいので要塞のようにも見える。ユーリエフ修道院はエストニアでの勝利を記念してヤロスラフ賢帝により1030年に建設された修道院。中心にドームを持つゲオルギー聖堂が建つ。

川に架けられたモダンな橋を渡ると、対岸にも幾つかの教会建築が立つ。河川が氾濫して形成された河岸段丘に建てられた教会は、沈下のため傾きかけたものもある。

ノヴゴロドの中心から車で10分ほど走ったところに、ノヴゴロド地区の伝統的な建築20余りを、当時のままの状態で移築・保存した、明治村のような野外木造建築博物館がある。7月に訪れたキジー島と類似の屋外博物館であり、16世紀に建てられた風車、農家 、納屋や教会が保存されている。中をのぞいて歩いていると、中世ロシアにタイムスリップしたような気分になる。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
グルメ
4.0
交通
3.0
同行者
友人
一人あたり費用
1万円 - 3万円
交通手段
タクシー 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • ノブゴロドのクレムリンを取り囲んで11世紀ころに建設された城壁

    ノブゴロドのクレムリンを取り囲んで11世紀ころに建設された城壁

  • リュ−リクの即位から1000年を記念して1862年に造られた記念碑。ロシアの歴史を飾った6人の英雄たち、リュ−リク、ウラジ−ミル公、ミハイル・ロマノフ皇帝、ピョートル大帝、イワン3世、ドミトリー・ドンスコイ将軍、選ばれしロシアの6人の像

    イチオシ

    リュ−リクの即位から1000年を記念して1862年に造られた記念碑。ロシアの歴史を飾った6人の英雄たち、リュ−リク、ウラジ−ミル公、ミハイル・ロマノフ皇帝、ピョートル大帝、イワン3世、ドミトリー・ドンスコイ将軍、選ばれしロシアの6人の像

  • ロシア1000年記念碑と取り囲む建物

    ロシア1000年記念碑と取り囲む建物

  • ノヴゴロド博物館の入り口

    ノヴゴロド博物館の入り口

  • ノヴゴロド博物館の内部、圧倒的に宗教画が多い

    ノヴゴロド博物館の内部、圧倒的に宗教画が多い

  • ノヴゴロド博物館の内部、ツァーリ(王)の服の展示

    ノヴゴロド博物館の内部、ツァーリ(王)の服の展示

  • ソフィア大聖堂の模型

    ソフィア大聖堂の模型

  • ノヴゴロド博物館の内部の展示

    ノヴゴロド博物館の内部の展示

  • ノヴゴロド博物館の内部の聖母子像

    ノヴゴロド博物館の内部の聖母子像

  • 落ち葉を集めて冠にする子供たち

    落ち葉を集めて冠にする子供たち

  • ソフィア大聖堂のファサード

    ソフィア大聖堂のファサード

  • ソフィア大聖堂の近景

    ソフィア大聖堂の近景

  • ソフィア大聖堂の入り口

    ソフィア大聖堂の入り口

  • ソフィア大聖堂の入り口の門の近景

    ソフィア大聖堂の入り口の門の近景

  • ソフィア大聖堂の内部の豪華な聖壇

    ソフィア大聖堂の内部の豪華な聖壇

  • ソフィア大聖堂の内部のドーム

    ソフィア大聖堂の内部のドーム

  • ノヴゴロドの鐘楼

    ノヴゴロドの鐘楼

  • ノヴゴロドの鐘楼に座る少女

    ノヴゴロドの鐘楼に座る少女

  • ノヴゴロドで結婚式を挙げるカップル

    ノヴゴロドで結婚式を挙げるカップル

  • ノヴゴロドで結婚式を挙げるカップル

    ノヴゴロドで結婚式を挙げるカップル

  • ノヴゴロドのクレムリンの対岸に渡る橋の上の馬車

    ノヴゴロドのクレムリンの対岸に渡る橋の上の馬車

  • ノヴゴロドのクレムリンの対岸の教会

    ノヴゴロドのクレムリンの対岸の教会

  • ノヴゴロドのクレムリンの対岸

    ノヴゴロドのクレムリンの対岸

  • ノヴゴロドのクレムリンの対岸に停泊する帆船

    ノヴゴロドのクレムリンの対岸に停泊する帆船

  • ノヴゴロドのクレムリンの対岸にある傾きかけた教会

    ノヴゴロドのクレムリンの対岸にある傾きかけた教会

  • ノヴゴロドのクレムリンの対岸にある傾きかけた教会の内部

    ノヴゴロドのクレムリンの対岸にある傾きかけた教会の内部

  • ノヴゴロドのクレムリンの対岸にある教会

    ノヴゴロドのクレムリンの対岸にある教会

  • ユーリエフ修道院の入り口

    ユーリエフ修道院の入り口

  • ユーリエフ修道院の教会建築

    ユーリエフ修道院の教会建築

  • ユーリエフ修道院の教会建築

    ユーリエフ修道院の教会建築

  • ユーリエフ修道院の鐘楼

    ユーリエフ修道院の鐘楼

  • ノヴゴロドの中心から車で10分ほど走ったところにある、ノヴゴロド地区の伝統的な建築20余りを、当時のままの状態で移築・保存した、明治村のような野外木造建築博物館

    ノヴゴロドの中心から車で10分ほど走ったところにある、ノヴゴロド地区の伝統的な建築20余りを、当時のままの状態で移築・保存した、明治村のような野外木造建築博物館

  • 明治村のような野外木造建築博物館内の教会建築

    明治村のような野外木造建築博物館内の教会建築

  • 明治村のような野外木造建築博物館内の教会建築

    明治村のような野外木造建築博物館内の教会建築

  • 野外木造建築博物館内の古い農家の内部

    野外木造建築博物館内の古い農家の内部

  • 野外木造建築博物館内の教会建築

    野外木造建築博物館内の教会建築

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