2013/05/02 - 2013/05/02
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Nanaさん
2013年GW、南米ペルーまではるばる旅立ってしまいました。
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5月2日(木)
今日は、ついにペルーを発つ日だ。
しかし、スケジュール的にはこうだ。
11:30 ホテルに迎え
13:45 クスコ発、スターペルー航空にてリマへ
14:50 リマ市内観光
23:50 リマ発、デルタ航空にてアトランタ乗り継ぎで成田へ
なんと、最終日もかなりの時間がある。
本日は、まず最初にやらなければならないことがあった。
それは、もう1匹デカパカを買い、昨日買ったデカパカと一緒に日本へ送ることだ。
昨日ずっとデカパカを見ていた玉右衛門は、自分もどうしてもほしくなってしまったのだった。
時刻は9:00。果たしてあの市場がやっているだろうか。
そう思いつつ、クスコ市場に向かってみた。
市場は、朝早いせいか、お店は5割開きといったところ。
昨日のおばあちゃんのところに行ってみると、なんと昨日と同じように半寝で店番しているのを発見した。
昨日からそのままずーっといたのではないか、と思ってしまうような雰囲気だ。
デカパカを抱えておばあちゃんに話しかけると、おばあちゃんは大爆笑し、店に出ているデカパカと、予備のデカパカから選べというのだった。
ちゃっかり予備がさらに補充されているあたり、おばあちゃんはやはり1回家に帰ったことになる
おばあちゃんは、店に1つ、予備に1つと頑なに決めているようなのだった。
玉右衛門は店に出ているデカパカを選んだ。
即決で購入を決めると、おばあちゃんはウハウハ気分を満面に出して我々を送り出してくれた。
すぐに郵便局へ向かう。今日は時間がないのだ。
2人してデカパカを抱えて街を歩くと、「グランデ、リャマ」と言われる回数も倍になった。
通り過ぎる人が2匹のデカパカを見てびっくりしている。
小学生の一団が、2匹のデカパカに触ろうと手を伸ばしてくる。 -
郵便局では、局内に梱包屋が控えているようで、声を掛けられ、梱包してもらうことにした。
2匹のデカパカを見ても動じることなく、「このパターンね」という感じで慣れた手つきで梱包していく。
我々は、我が子と離ればなれになる親の気持ちで見守った。
よく見ると、私のデカパカより玉右衛門のデカパカの方がふわふわしている。
私のデカパカは、若干しおれ、全体的に薄汚れている。
長年売れてなかった経年劣化がみとめられるのだった。
それがわずか2日で2匹も売れたのだから、おばあちゃんの爆笑もわかるというものだ。
梱包のおじさんの案内でカウンターに行くと、ここではソル払いしかできないという。
我々にソルの手持ちはなく、郵便局でも両替はできないようだった。
仕方ないので、両替屋を探して街をさまようことにする。 -
ここで、我々はさらにもうひとつ、やらなければならないことがあった。
それは、ホルヘの靴を受け取ることだ。
実はクスコ初日、日本人に有名な靴屋「AWAY」にて靴をオーダーメイドしていたのだ。
クスコの靴は有名で、カラフルな布で作られた可愛い靴があちこちで売られている。
中でも「AWAY」のマスターホルヘの靴はフルオーダーメイドで、なぜか日本人はみんなここで靴を購入しているのだった。
郵便局の支払は玉右衛門に任せ、靴をオーダーした私・王子・ハラちゃんはAWAYに向かった。
ホルヘの靴は、可愛くて品質がいいことで有名だと言う。
さらに、納期を守らないことでも有名だ。
オーダーにはだいたい3日ほど必要なのだが、3日後に来てもたいてい出来ていない。
我々は今日の午前受け取り予定だから、5日間はあったことになる。
ホルヘの靴を楽しみにしていた王子は、自分でアレコレ考えてフルオーダーした。
疑心暗鬼の私は、ちょうど気に入った見本の靴で、サイズもちょうどいいものがあったので、「オーダーしなくていいから、これをくれ」と言ったのだが、あまり伝わらず、結局同じものをオーダー、という形になった。
当初作る気がなかったハラちゃんは、なぜか靴を試着しているうちにあれよあれよという間にオーダーすることになってしまった。
果たして、この3名の靴はどうなっているのだろうか。
AWAYに到着すると、店はなんと閉まっていた。
時刻は10:00過ぎ。まだ早いのだろうか。 -
近くに人に聞くと、「あっちにホルヘの工房があるから、訪ねてみるといい」というので、歩いて数十メートルほどの工房に行ってみた。
戸を叩いてみたが、反応がない。
他の人が、窓に石を投げるといいよ、ととても南米的なことを言うので、従ってみたが、やはり反応がない。
そうこうしている内に、店に車がやってきて、ホルヘがようやく登場した。
ホルヘに「我々は靴を取りに来た」と言うと、「???」という反応であった。
なんとというか、やはりというか、我々3人の靴はまったく手を付けられていないのだった。
「明日来い」「いや、今日の11:30には出なくてはならない」「よし、では今から作ろう」
といったやりとりを経て、ホルヘは早々に店を出て行った。
我々は、ホルヘを見張る部隊(王子・ハラちゃん)と、玉右衛門と合流する部隊(私)に分かれることにした。
待ち合わせ場所のホテルに戻り、チェックアウトしてしばらくロビーにいると、玉右衛門がやってきた。
約束の11:30、お久しぶりのメリッサが登場した。
事情を説明していると、ちょうどホルヘ部隊から連絡が入り、靴屋まで車で迎えに行くことになった。
靴屋では、蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。
カウンターの上には、私の靴が置いてある。
しかし、明らかに見本としてもともと店に置いてあった例のものだ。
そこにホルヘが駆け込んできた。
手には王子オーダーの靴がある。
ホルヘは何とか1つだけ靴を仕上げたようなのだった。
ハラちゃんの靴がない。ホルヘは慌てて周りを見渡し、見本の緑の靴を手に取ると、
「お前はこれだ」
と言ってニッコリとほほ笑むのだった。
ハラちゃんも
「OKOK」
と言って大笑いするのだった。
その後も、ホルヘは大慌てで靴を梱包し(とは言っても袋に入れるだけ)、一大プロジェクトを終えた、といった体でハグし合った。
我々も一大ミッションを終えた、といった気になったが、よくよく考えるとホルヘがこの間に作った靴は1足だけだ。
しかも、がんばれば30分そこそこで1足作れる、ということがわかってしまった。
品質がいいと言われるホルヘの靴だが、イマイチ信用がないのであった。 -
メリッサに別れを告げ、飛行機に乗り、ホルヘ・チャベス空港に到着した。
これから深夜まで時間をつぶさなければならない。
ホルヘ・チャベス空港からバスでリマの新市街であるオシャレなミラフローレス地区に向かい、そこで美味しいものを食べ、買い物して時間をつぶそう、ということになった。
リマ行きのバスを探したが、なかなか見つからない。
その代わり、タクシー・グリーンと呼ばれるオフィシャルタクシーの客引きがすごい。
根負けして、タクシーを使うことにした。
これが、今日の我々の命運を左右する決断であった。
ペルーのタクシーは交渉制だが、タクシー・グリーンは料金が一律で決まっている。
ミラフローレス地区までは40ソルだ。
やたらハイテンションで明るく、適当な英語を駆使する運転手に連れて行かれることになった。
適当な運転手は
「ジャパニーズ、マイフレンド!! フジモリ、マイプレジデント!!」
「ホンダ車最高!!」
などなど適当なことを言い続け、我々に今日の予定を聞き始めた。
ここで、ちょっとおかしいと思わなければならなかったのだが、無防備な日本人は無防備に今日の予定を教えてしまった。
そうすると、運転手は「ちょっといいか」と車を路肩に寄せ、今日のアテンドを申し入れるのだった。
ミラフローレス地区の食事は高い、俺ならもっと安くていいレストランを知っている。
今日はまずダウンタウンで食事、そして旧市街で観光、その後ミラフローレス地区でショッピング、そして空港まで送る。
だから今日1日で80ドルでどうだ。
1日80ドル、というのは破格の高額だ。
我々は60ドルにまけようとしたが、ハイテンションに敵わず、あえなく80ドルで1日観光されることになってしまった。
80ドルの契約を済ませてさらにハイテンションになった運転手は、ハイテンションでダウンタウンに向かって車を走らせた。
リマの運転はクスコに輪をかけて荒い。
クラクション当たり前、順番は頭を入れたもん勝ち、左折専用レーンとか関係ねぇ、さらに下手したら停車中の車のドアを開けて膝の上からバッグを奪われるという。 -
ダウンタウンで車を止め、しばらく歩いていくと、運転手おすすめの店についた。
本当に地元の店だ。たしかに安いが、スペイン語しかないメニューでまったく意味がわからない。
運転手はこっちの都合などお構いなしで「お前はこれを食え」「お前はこれを食え」と適当に頼もうとするが、我々もそうはいかない。
これから続く地獄の機内食の前に、おいしいものを食べておきたかったのだ。
こちらでは珍しく、店頭に食品サンプルが置いてあった。
中に、ナポリタンがあった。
ピーマンと玉ねぎのとてもスタンダードなナポリタンだ。
我々は、ナポリタンを2つ、クスコでおいしかったロモ・サルタードを2つ頼んだ。
しかし、やってきたナポリタンは、どうみても焼きそばだった。
まったくケチャップの味はなく、麺もコシのないうどんといったところだ。
たぶん、店頭のサンプルは日本から持ってきたものを何も考えずにそのまま展示したような感じなのだ。
ロモ・サルタードは、クスコのものよりも洗練されていなく、どちらも若干機内食の味がする。
あんなに避けたかった機内食を、わざわざ地上で食べるはめになってしまった。
不満はあったが、運転手は我々が食べ終わる頃合いを見計らって、すでに店の前にスタンバイしている。
運転手は食べ終わり次第、すぐにでも連れて行く所存のようだ。 -
その後は車に戻って少し走り、旧市街の中心部で降り、町の中心のアルマス広場、カテドラル、ペルー政庁などを次々と見て行った。
運転手は早足で通り過ぎながら、次々にいろいろ説明し、写真を撮れという。
我々はリマの観光名所を早回りで押さえていくのであった。
最終的に到着したのは、サン・フランシスコ教会だった。
ここで入場料を払い、中を見てこいという。
サン・フランシスコ教会はかなり大きな教会で、1546年から100年以上かけて建てられたそうだ。
英語のガイドツアーについていくことになった。
礼拝所・宗教画・建築と、かなり素晴らしい、見どころのある教会だ。
地下に行くと、大量の骸骨がそこここにある。
あまりにもいろんなところにあるのだが、ガイドは説明しないでスルーしていく。
しばらく行くと、2×4メートルほどのかなり深い長方形の穴が横一列に並んでいた。
中には骨がたくさん入っている。
前の方で、ガイドが英語で説明している。
「一族ごとに、1穴に入ってるんだって」
ガイドの「ファミリー」という単語を聞きつけた1人が説明する。
しかし、とある穴は大腿骨のような太い骨ばかりであり、またとある穴は頭蓋骨ばかりである。
これだと、一族ごと、という説明には無理がある。
「まいっか」
とつぶやいて、我々はその場所を後にした。
次の場所には、直径10メートルくらいの円筒形の穴が掘られている。
穴はかなり深く、下は骸骨で埋まっている。
壁面はところどころにくぼみがついていて、その中にも1つずつ頭蓋骨が安置されている。
またもやガイドの説明の断片を聞きつけた1人が
「ここで焼いて、あっちに埋めるんだって」
と説明した。
しかし、そうすると壁面の頭蓋骨はどうなるのか。
「まいっか」
とつぶやいて、我々は教会見学を終えたのだった。 -
たしかに、この教会は見どころがあった。
しかし、教会というのはヨーロッパ系の都市ならたいていどこでも名所となっている。
我々は、リマでのポイントを「おいしいごはんと、買い物」と定めていたはずだ。
我々と合流した運転手は、またもや陽気に車を走らせたが、ちょうど夕方の時間帯のせいか、ものすごい渋滞だ。
だが我々はショッピングをしなれけばならない。
クラクションを鳴らしまくり、割り込みを阻害しまくり、車間距離詰めまくり、で運転手は車を乱暴に運転していたが、だんだんと時間が少なくなってきた。
すでに、最初に提示された、「ミラフローレス地区で2時間のお買い物」は不可能になってきた。
むしろ飛行機に間に合うのだろうか、と不安になってきた頃、ようやくミラフローレス地区に入った。
「これがショッピング街だ」
と、我々が当初の予定で行くはずだった建物を運転手はスルーする。
もはやどういう流れになっているのか不明だが、従うしかない。
そこを過ぎると、海岸通りに出た。
「ここで降りるんだ」
運転手は車を停めて、目の前にある暗い公園を指差した。
「ここで30分自由時間だ」
ここは「恋人達の公園」と呼ばれる一応観光地だった。
男女が抱き合ってキスしている巨大なモニュメントが下からの光で照らされている。
たしかに、ここは観光名所のようで、ガイドブックにも載っている。
だが、夜のこの公園はなんの変哲もなく、地元湘南と大して変わりはない。
我々はこんな中途半端なところで時間を使っている余裕はないのだ。
5分くらいですっかり飽きた我々は、即車に戻り、「もう行ってくれ」と言ったのだった。
車の中で、我々は最後の望みをかけて言った。
「せめてスーパーマーケットに行きたいのだが、時間はあるか」
「OKOK!! 空港の近くに大きなスーパーマーケットがあるから行こう。時間も大丈夫さ」
しかし、やはり渋滞は変わらず、スーパーマーケットに着くころには常套手段の「とりあえずスルー」され、我々は何事もなかったかのように空港に着いた。
「俺はオフィシャルだから入口が違うんだ」
「・・・」
そんなことは真にどうでもよいのだ。
「食事と買い物」という2大目的が何も果たされなかったのだ。
しかし運転手はドヤ顔で「金を払え」と言ってくる。
こんなに我々のリクエストに何も応えなかったのに、金だけはしっかりと取るつもりなのだ。
「ふざけるな! こんなツアーで金が払えるか!」
と、言えなかった我々は、大人しく80ドルを集めて支払うのだった。すると運転手は、
「1ドル札はダメだ」
と言い放った。
「受け取れないなら受け取るな! 我々には1ドル札しかない!」
と、言いたかったところだが、残念なことに私は50ドル札を持っていた。
仕方ないので、50ドル札と10ドル札や5ドル札をかき集めて払った。すると運転手は、
「で、チップは?」
と言い放った。
「チップだとぉ・・・?」
とここでさすがに堪忍袋の緒が切れそうになるが、王子が1ドル札の10枚束を渡した。
それをもぎ取るように受け取ると、運転手は
「グッバイ! マイフレンド!」
と言って嬉しそうに去って行った。
それはそうだろう。今日彼は1日で90ドル稼いだことになるのだ。
我々は安全と言われるグリーンタクシーでぼったくられてしまったのだ。
正直、リマにいい思い出は何もない。
またペルーに来ることがあっても、リマはもう二度と観光しないであろう。
そして、これがペルーでの最後の思い出となってしまった。
我々は、全てをあきらめて長い長い飛行機に乗り込んだのだった。 -
その後・・・
半月ほど経って、無事2匹のアルパカが自宅に届いた。
いろいろあったペルー旅行だったが、このデカパカは我が家のリビングおよび玉右衛門の書斎で元気に過ごしている。
めでたしめでたし
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この旅行記へのコメント (2)
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- 鼻毛マンさん 2013/07/16 00:23:01
- おもしろかったです!
- Nanaさん初めまして。
マチュピチュ・クスコ旅行記おもしろかったです!
旅行記中、ところどころ群馬という文字が出てきたので群馬の方かな?と想像しながら読み進めました。
ちなみに僕の嫁さんは高崎人で、今年の正月は日本で最も揺れの激しい上信電鉄で一之宮貫前神社まで参拝してきましたよ!
ここまで書いて群馬の人じゃなかったら恥ずかしいなぁ。
今回のクスコ、マチュピチュはインカ道からマチュピチュに入るルートをとったのがすごく羨ましいです。
僕もこのルートで入りたかったですが、当時はそんなルートがあることすら知らず、そんな旅程を組むことはできませんでした。
でも、ペルーは再訪するのはとても遠いし、インカ道は無理だなぁと思ってます。
いろいろトラブルにも遭ったようですが、無事デカパカも届いたようでよかったですね。
過去訪れた地などありましたら旅行記アップお願いです。
楽しみにしてます。
鼻毛マン
- Nanaさん からの返信 2013/07/16 22:30:24
- RE: おもしろかったです!
- はじめまして!!
掲示板に書き込んでいただきありがとうございます☆
そうですね、たしかに群馬の記述が多い・・・
ですが、神奈川在住です(笑)
他2人も宮崎・秋田なので群馬人ゼロですね。
上信電鉄、知り合いの群馬人からよく聞いてます!!
一度乗ってみたいですね。
インカ道は私たちも迷ったのですが、せっかくだから行ってみよう、と・・・
3泊4日のインカ道フルコースの人も列車からたまに見かけたのですが、基本的に欧米人でしたね〜
今までいろいろと旅行したのですが、すぐに忘れてしまうので(;_;)
今後は文章として残しておこうと思い、はじめました!!
過去のものも書きたいですが、思い出せれば・・・;
鼻毛マンさん、世界中旅されててすごいです!!
行きたいところいっぱいあるなー
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