サンアントニオ：「アラモの砦」で名高い全米第８の都市

2013/03/13 - 2013/03/19

3年振りにアメリカ、テキサス州サンアントニオを訪れた。この町は2004〜2007年まで家族と共に赴任した、言わば第2の故郷である。すでに真夏の暑さであり、1週間という限られた短い滞在であるが、当時お世話になった人達に時間の許す限り会って旧交を暖めた。

サンアントニオという町は日本ではあまり知られていないが、少しこの町を弁護しておくと、人口約130万人の全米第8の大都市で、観光都市としてもアメリカ人にはかなり人気の町だ。町の誇りは「アラモの砦」、メキシコの「支配」からテキサスの自由を取り戻した、自由の国アメリカの象徴である。しかし、実はこのストーリーにはかなり無理があり、テキサス州をアメリカ領と位置付ける意図が見え隠れする。現に、メキシコ人にとっては、アメリカの謀略の象徴なのである。

そんな歴史的背景から、この町の半数以上がヒスパニックでスペイン語を話し、多くが英語とのバイリンガルだ。一方ドイツ人の移民が多く入植した町でもあり、周辺都市にはいまだドイツ語のラジオ番組が放送されている。メキシコ風とドイツ風の町並みが共存し、フラメンコなどのラテン文化と、ドイツ音楽などのゲルマン文化が融合した多様な文化を持つ。ラテン文化好みの家族とゲルマン文化好みの小生には最適(最悪？)の町だ。

またこの町は美食の町で、国際的な様々なレストランがあり、ことにTex-Mexと呼ばれる脂っこい料理がことに有名である。同時にこの町はヒューストンと並び全米でも最も肥満の多い地域であり、特に低所得者層の病的な肥満は深刻である。

この町で親しく家族付き合いをした10人ほどと今でもメールとFacebookで交流をしている。皆日本で言う豪邸に住み、アメリカンライフをエンジョイしている。そんな彼らが北日本大震災の直後、一斉に安否を気遣うメールをくれ、涙が出るほど嬉しかった。中には多大な寄付をしたという知人もいた。アメリカ人の心の豊かさと、懐の深さを痛感させられた。

そして今回の旅の収穫は、この町で最大の恩人であるジェームズと再会できたことだ。ジェームズと最初の出会いは、家探しの際の不動産屋としてだ。最終的に彼と契約することにはならなかったが、彼を最大の恩人と呼ぶのは理由がある。彼はサンアントニオ交響楽団のコントラバス奏者であり、不動産業は言わば副業、フィラデルフィアの音楽大学でコントラバスを専攻、ピアニストのアンドレ・ワッツと同期だったと言うから相当なものだ。彼がご近所さんで、離婚して一人暮らしをしていたこともあり、交響楽団のほとんどの演奏会に招待してくれ、美味しいレストラン、生活用品の店から洗車場など何から何まで彼のお世話になった。この町の至る所は彼との思い出に満ちている。病気だとか、デートで忙しいとかで彼としばらく疎遠になって寂しい思いをしていたが、今回元気な彼と再会できて本当に嬉しかった。

夢のような1週間があっという間に過ぎて、また慌ただしい日本に帰国した。そして今再びサンクトペテルブルク出張の移動の合間にこの旅行メモを書き留めている。気温差ももちろんだが、文化、国民性の違いに順応していくことに必死である。

エリア サンアントニオ(アメリカ)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: レンタカー 徒歩 飛行機
• 旅行の手配内容: 個別手配

この日の成田空港は強い西風で強烈な黄砂のため一面黄色く染まっていた。そして滑走路直前で約3時間停止、離陸前に映画を1本見終わった。

成田空港のアメリカン航空ラウンジ、日本では珍しくアメリカサイズのラウンジだ。

成田空港のアメリカン航空ラウンジ、ひな人形の展示。

行きつけだったヘルシーメキシカンレストランのアデランテの内部

行きつけだったヘルシーメキシカンレストランのアデランテの内部

行きつけだったヘルシーサンドイッチの店、トゥウィン・シスターズ

行きつけだったヘルシーサンドイッチの店、トゥウィン・シスターズの内部

行きつけだったイタリアンレストラン、ルキアーノ

ノーススターモールの内部、アップルショップなど

行きつけだった中華レストラン、PFチャン

行きつけだった中華レストラン、PFチャンの内部

日本レストラン「オーサカ」、オーナーは韓国人、アメリカでよく見かけるエンターテインメントレストランだ

テキサスを中心に店舗を広げるホールフーズ

巨大なホールフーズの内部

ホールフーズのオーガニック野菜のコーナー

サンアントニオ交響楽団のコンサートなどが開催されるマジェスティック・シアター

メキシコの町並みが保存されているラ・ヴィリータ

サンアントニオ北部にあるエスパーニャ・バー、フラメンコショーが行われる。

エスパーニャ・バー、フラメンコショーのステージ

エスパーニャ・バー、フラメンコショーのステージ

エスパーニャ・バー、フラメンコショーのステージ

サンアントニオの象徴「アラモの砦」、ミッション教会のファサードで意外と小さい

アラモの砦とモーガンホテル

アラモ内部の庭園

アラモ内部のサボテン

アラモ内部のリスに見入る子供たち

リバーボート

リバーウォークに咲くパラソルの花

リバーウォークに咲くフジの花

リバーウォークの風景

アラモに隣接する由緒あるミンガーホテル

ミンガーホテルの中庭

ミンガーホテルのロビー

隣町サンマーカスのアウトレット

この旅行記へのコメント （3）

• bluebonnetさん 2013/05/28 22:29:43

  隣り町ご在住を知り懐かしいです

  ご訪問、ご投票有難うございます。
  サンアントニオには、ヒューストンに赴任して、最初の三連休に行きました。その後、’９５にヒューストンから知人に会いにI-10沿いのBoerneに行き、帰りにサンアントニオに立ち寄りました。
  
  Tex-Mexの雰囲気たまらないですね。
  
  bluebonnetより
  
  昨年４月には、オースチン北西部bluebonnet Trailを回って来ました。

  ハンクさん からの返信 2013/06/14 02:57:53

  RE: 隣り町ご在住を知り懐かしいです

  メッセージをいただきありがとうございました。ただいまサンクトペテルブルクに出張滞在中で、ご返事が遅くなり申し訳ありません。
  
  ヒューストンに赴任されているとのこと、羨ましいですね。我々もよく日本食の買い出しや、ヒューストン交響楽団の演奏会を聴くため3時間ほど走って出かけたものです。
  
  サンアントニオ滞在中にはあちこち出掛けたのですが、迂闊にもあまり写真を撮りませんでした。今思えば本当に残念ですが、フレデリクスバーグの写真などを拝見して懐かしく思い出しました。機会があればまたサンアントニオの周辺の写真など掲載していただきたくお願いいたします。
  
  今後ともよろしくお願いいたします。ハンク
  

• tadさん 2013/03/30 03:01:06

  ロンドンから帰宅。

  ロンドンから3時間前に戻ってきました。そういえば、ロンドンでもウィーンでも韓国系の人が日本の名前で店を出すというのは、当たり前みたいにありますね。。ウィーンのKarlsplatzの寿司屋も韓国人がやっていましたが、味はひどかった。。。