2012/07/26 - 2012/07/26
35位(同エリア116件中)
アリヤンさん
とうとうユーラシア横断バック・パッカーの間でとても評判の悪かった、カザフスタンのベイナウ⇒アクタウの夜行列車に乗ってしまいました。
当ルートの経験者は一様に「タイヘンな夜行」と表現してきた。
知ってる限りでは、経験者のすべてが若者でした。
ワレワレのようなシニアからの搭乗レポは見たことも聞いたこともアリマセンでした。
しかも夫婦でですヨ。
(ヨー、ヤルワ!)
もっと楽で快適な中央アジア・ルートを新たに発見してやろう、と挑戦して来ましたが、結果はどの経験者も味わった「阿鼻叫喚地獄の夜行列車」でした。
アノ、大変さは何にたとえられるか?
そう、約45年前に乗ったインド・アムリッツアー⇒デリーの3等車の夜行列車です。
あの時は足の踏み場もないほど人間がびっしりと床に寝ていた。
座席に座って荷物に寄りかかり、寝てる人間を踏み台にしていた。
アレよりはマシか?
少なくとも足の踏み場もナイ、ということはナイ。。。。
(〃 ̄ω ̄〃ゞ
*「この地獄列車だけは避けたい」といろんな努力をしてきたが、どうもワレワレの力では「乗るしかナイッ!」のでした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
さて、於ベイナウ。
アクタウまでのミニバス探しに手間取ってアクタウ行き駅舎に着いたのが遅れた。
その駅舎でチケットを購入するのですが、1つだけの小さな窓口の周りは百人くらいの人だかりです。
ヌクスの駅でもチケット争奪戦に参加してこうした状況は経験済みです。
いつものようにパスポートをかざして前へ前へと押し入ります。
ここらの人は不思議と誰も怒りません。
皆さんのご好意で不思議と窓口についてしまいました。
パスポートを窓口に突き入れて、指2本を立てて「マンギシュラック!アクタウ!」「マンギシュラック!アクタウ!」と叫びますと、チケット売りのニイチャン、シャシャッとチケットを発行してくれました。
チケット購入も汗だくの獅子奮迅でしたが、列車にのるのがそれ以上に大変でした。
まず、ホームがないので列車によじ登り、そのあとパートナーと荷物を引き上げて、指定席の方へ行く。
しかし行こうにも、入り口付近はすし詰め状態で前に進めない。
どうも皆さん切符なしの方々らしく、中に入るのをためらっていらっしゃる?のか入り口付近でびっしりタムロしている、
オラオラと押しのけて中に進む。
不思議と女のパートナーに対しては、皆さんが道を開けて奥に押しやってくれるのです。
ワタクシもその後に付いて車内に進み入ります。
車内はすでに満杯どころか満杯の二乗くらいの混雑です。
上段寝台には必ず誰かが寝そべっており、下段寝台にはびっしりと乗客が並んで座っている。
荷物置き場の最上段もキッチリ誰かが寝そべっています。
当方のチケットには寝台番号が記されています。
22番と23番です。
(このころになると、キリル文字だらけの切符のどこに座席番号があるのか判読出来るようになっていました。)
拡大版⇒http://www.geocities.jp/ariyan9907/BeinauAktauTckt.jpg
自分たちの座席番号を探しながら奥に進み入ります。 -
中は暗く満席の2乗くらいですから、チケットを持ってない連中が一杯居るに違いありません。
「オラオラ~!チケット持ってない人は席をどいて?」と叫びながらチケットをかざして進みます。
皆さん、「どこのアホがきたんかいな?」という顔です。
ナント!
座席の番号札が全部削り取られているではアリマセンカ!
これじゃあ22番と23番がどこかワカランではないか! -
しかも上段寝台もその上の寝台(そこは荷物置き場だけど、そこにも人が寝ている)もみ~んな、詰まっているのです。
それに下段ベッドには5~6人がすでにびっしりと座っていらっしゃる。
どこにもワタクシたちの席はありません。
パートナーには座ってる人々が、詰めにつめてやっと座るところを作ってくれました。
ワタクシは上段席に寝そべっているニイチャンの横に座って、そのニイチャンに聞いてみました。
「アナタ、チケット持ってる?」
ニイチャンはバカにしたように笑う。
「あなた、ドコカラ来た?」と聞くと、
「アティラウから来た」と仰る。
おそらくアクタウに出稼ぎに行く貧しい庶民なのでしょう。
実際に「アクタウで働く」と言っていた。
(拙いながらもすこしだけそのニイチャン、英語しゃべった) -
下からパートナー曰く「オトウサン、もうどこも無理やから、この床の上に寝たら~?」
もう怒る気力もうせて、床の上に寝ることにした。
座ってる皆さんは足を縮めてくれます。
みんな、大変な思いをしてアクタウに出稼ぎに行こうとしている、カザフの貧しい人々です。
みなさん、優しいのです。
ワタクシはもうヤケクソで(45年前のインドでの3等列車のことを思い出しながら)床の上に貴重品バッグを枕に寝ました。
貧しい庶民のみなさんは極力ワタクシが寝られるように、場所を開けてくれました。 -
上段のアティラウからの出稼ぎニイチャンいわく、
「どうだい、これでカザフスタンが嫌いになったでしょう!?」
ワタクシ「イヤイヤ、ウズベキスタンよりマシだよ!」
周りの老若男女、ドッと笑う。
ニイチャン「アハアハアハー、そうか、ウズよりベターか。サンキュー・ベリーマッチ!」
それにしても、座席指定の寝台列車がどうしてこんな状態に?
考えうるに、チケットも買わずに、早くからこの列車に乗り込んで席を占領して、車掌に運賃と心づけを渡しているのでしょう。
それが証拠に車掌にチケットの座席番号を示しても、見て見ぬフリをしている。
では、入り口付近に押し合いへし合いしてる連中は?
まだ車掌にカネを渡していない連中か、、、
「この国はコワレテイル」としか考えられません。
まあ、仕方アリマセン。
外は真っ暗、コチラはお先マックラ。
もう寝るしかアリマセン。 -
床に寝転んでうつらうつらしている内に「阿鼻叫喚寝台列車」はマンギシュラック(アクタウ)駅に着きました。
約8時間の夜行列車のたびでした。
翌朝8時半アクタウ着。
明るいことは良いことダ。
地獄列車から抜け出た安堵感で一杯です。
例のごとく「タクシー?タクシー?」と言い寄ってくるサメを追い払いながら、まずは花壇の縁に腰掛けて、周辺観察です。 -
アクタウはカスピ海沿岸都市で、カザフスタンの重要な港のひとつです。
石油掘削基地が近くにあり、石油積出港でもある。
ここから対岸のアゼルバイジャンの首都、バクーに貨客船が出ていて、ユーラシア大陸横断バックパッカー・ルートの重要な地点になっています。
しかし、その貨客船がいつ来るのか?いつ出るのか?が分からないのが大きな問題となっています。
カスピ海横断フェリーは、トルクメニスタンのトルクメンバシ⇒バクーもあるのですが、こちらも難しいお国柄と地獄列車問題がある。
特に、トルクメニスタンでは5日間のトランジット・ビザしか出ないのが一番の問題です。
それで、近年はこのアクタウ⇒バクーのルートをとるBPが増えたようです。
*2015年・実際に行った人の情報では貨客船は週1便くらいになっていたようです。
でもコチラも地獄の寝台列車があるので、どちらのルートも「目くそ鼻くそ」のようなものでしょう。
拡大版⇒http://www.geocities.jp/ariyan9912/AroundCaspi2.jpg -
イチオシ
マンギシュラック=アクタウ駅、駅舎。
しばらく観察していると、バス停があった。
そのそばに行って更に観察。
待っている人に「アクタウ?」と聞けば、105番バスを指差す。
そう、105番がアクタウの街に行くらしい。
2番目にやってきた105番バスに乗り込む。
ワン・ライド80テンゲ(約46円)
105番バスは街の郊外にストップ。
そこから市内バス2番に乗ると中心地に行くことが分かった。
ワン・ライド35テンゲ(約20円)でホテル・アクタウのあるラウンドアバウトに行った。 -
ホテル・アクタウ前の広場。
-
イチオシ
ホテル・アクタウは大きなホテルで非常に高そうなホテルです。
(写真)
でも過去、BPが泊まったことがあるので、入ってみた。
案の定、ツインルームは150ドルはする。
しかも今月一杯満室とのこと。
(なんか国際会議があるらしかった)
まあ大きなロビーで一休みして、両替も近くの銀行でできそうだ。 -
近くの銀行で100ドル両替。
これで1テンゲ=0.57円と分かる。
金の工面ができてからゲストハウス探しです。
ここまでやって来たBPの皆さんがお世話になった「ホテル・ケルメット」という安いお宿を探しにワタクシは出かけた。
(パートナーはアクタウ・ホテルのロビーで待ってもらった) -
ホテル・ケルメットの住所は過去のBP情報で分かっていました。
ところが、そこにたどり着くのが難しい。
途中、極真空手を習っている親切なおニイチャンに出会って、車で送ってもらった。
写真のような入り口なのですが、非常に分かりにくい。
*2018年現在は"SILK WAY HOTEL"に変わった様子で新装開店している様子です。と思ったがSilWayはこのケrメットの近くで、このケルメット・ホテルは現在も存在しているようです。このホテルはお勧めできませんが、他より安いのが特徴。 -
メインストリートのレニーナ通りを3区まで行くと、左側に大きなスーパーがある。
その角を左に入り、しばらく行くと左側に写真のような建物&入り口があります。
キリル文字でケレメットと書いてあります。
地理的には、ロンプラからの借りもの地図の通り。
拡大版⇒http://www.geocities.jp/ariyan9907/AktauMap.jpg
ツインベッドルームが3000テンゲ(約1700円)
シャワーはあったが水が出なかった。汚い。
それで、スイート・ルーム(3部屋、ツイン、バス・トイレ・キッチン付き)というのがあって、そこに泊まることにした。
5000テンゲ(約2900円)
名前だけスイートで、実際は味のにがい部屋だった。 -
すぐに他のホテル探しに出かけた。
ホテル・アライと言うのがレニーナ通り中心街近くにある、という情報があったのでそれを探しに行ったが、よく分からなかった。 -
メインストリートのレニーナ通り。
(レーニン通り) -
他のホテル探しはあきらめて、少し海岸沿いを探索することにしました。
-
イチオシ
ミグ戦闘機の記念碑。
まるでロシアのボルゴグラード戦争博物館前の広場のようです。
⇒http://4travel.jp/traveler/ariyan-eurasia/album/10066477/
あそこにも同じようにミグ戦闘機を飾ってありました。 -
カスピ海を臨む。
-
アクタウ初日なので早めに帰ります。
途中、銀行のレート表でレートを確認。 -
-
市内バス3番と5番がレニーナ通りを走っていて、ホテル・ケルメット近くまで走っていることが分かった。
寝不足だったので、スウィートルームでインスタント・ラーメン(近くのスーパーで発見した)を調理して食べて、早めに眠りについた。
それにしても、ベイナウ⇒アクタウの列車はホント、地獄のようでした。
もう二度とこのルートは通りたくありません。
ユーラシア大陸横断ルートとしては、不適切なルートだと思う。
やっぱりネット上だけでは分からないことは多い、という結論でした。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- Halonさん 2013/02/22 20:54:54
- 貴重な疑似体験をさせて頂きました。
- アリヤンさん
アクタウまでの切符購入をめぐる一喜一憂と地獄列車体験まで一気に読ませてもらいました。
ベイニャウ行きの昼間の寝台は、半年前に乗ったモンゴルの列車に似てます。内装も外の風景とか電柱も。
アクタウ行きのほうは想像以上で、自分には未体験のハードさです。4200円払って床寝とは!う〜ん、国が変わるとこれで納得するしかないのかあ。
先日インドで二等車の床座りと荷台寝を初体験したんですが、床寝はまだありません。できれば未経験で終わりたい(笑
ちなみに荷台寝は快適でしたから、床も寝てしまえば、そして液体が流れてこなければ椅子よりは楽なのでしょう、きっと。
貴重な体験記をありがとうございました。もし中央アジアに行ってもこの路線にだけは気をつけます。
- アリヤンさん からの返信 2013/02/23 09:46:35
- RE: 貴重な疑似体験をさせて頂きました。
- > アクタウ行きのほうは想像以上で、自分には未体験のハードさです。4200円払って床寝とは!う〜ん、国が変わるとこれで納得するしかないのかあ。
Halonさん、
ごめん! 4200円でなくて420円だった。
ひとけた間違った!
それから、荷台寝は可能でしたよ。
いち早く列車に乗り込めば、荷台を占領できるかも。
それは過去、若者でやったことのある子がいたのを読んだことがある。
最初からこの寝台に乗ると決めていたら、早くチケット買って、早めに列車に入って、イの一番に荷台に行ったのですが、、、
その若者が「アリヤンさん、アクタウ行きのミニ・バスがあるようなので、そちらをお勧めします」って助言してくれていたので、ミニ・バス(マルシュルートカ)探しに時間を費やしてしまい、チケットを買うのが最後のほうになり、結局その寝台にのるしかなかった。
イコール床寝を余儀なくされた、ということでした。
やっぱり、自分が体験したこと以外のことはよっぽど確信が無かったら、他の人にお勧めは出来ません、っということですネ。
ま、ロシア語堪能ならば、コングラットでちゃんとアクタウ行きの寝台列車に乗れたカモ?
だって、ちゃんと時刻表には載っているんダモン。
その時刻表では、ビシケク⇒シムケントの寝台列車にちゃんと乗れた。
それで成功したもんだから、アクタウ行きも成功すると踏んだのが、裏目にでたケースです。
ま、「この横断ルートは冒険好き若者向け」と言うことを検証に行ったみたいなもんです。
ちなみに、ワタクシタチシニア夫婦はあわせて130才以上です。
合計でそれだけ、ということは「日本最高齢記録じゃ」と夫婦で「ようヤッタ」と慰めあっています。
今度は、もっと楽なシニア向けルート、方法を発見するゾ〜。
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