2008/09/24 - 2008/09/24
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MUSA Taizo 牟佐退蔵(PenName)さん
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■ 趣味の竹細工で、先進地の竹原市を訪ねた
竹割り3年の意欲は衰えない。
お仲間の「竹友会」で、9月24日、隣県広島県の竹原市へ竹細工の見学に出かけた。
バンブー・ジョイ・ハイランドと呼ばれる施設の一角にタケノコ型の屋根をした「竹の館」がある。
細やかな竹ヒゴを駆使した作品が陳列されている。用途は籠、花入れであるが、その形やデザイン、色付けにはそれぞれの工夫があって、面白い。とはいえ、僕の技量で参考になるのは、四つ目編みだけだから、ただ「スゴーイ」と感心するだけの方が多い。竹先輩がいうように、僕は作品を手にとって、裏返しては底を見る。網目の始まりは底にあるのだから、その仕組みを理解しないでは、まねも出来ないのである。ただいつも思うのだが、僕は機械的な反復文様には、先天的に、生理的に、ヨワイ。同じことの繰り返し、というだけで、思考が定まらない。なぜとか、いつまで何処まで、とすくんでしまうので、どうも微細に観察する根気がない。
それでも懸命に縦横斜めに走るヒゴの始まりと行く末を確かめようとする。 この籠でも底は四つ目に違いないが、網目は斜めに走って見える。落ち着いて観察すると、縦に伸びる立竹のヒゴは2本一組、そこへ横に這う編み竹が掬ったり重ねたりする際、立ち竹を2本ずつすっ飛ばしながら段を積んでいるのに気付いた。いわば離れ業のせいで、網目が斜めに見えたのである。
工房で細工に取り組む年配者の手つきには年季が入っていて、我々見学者にお構いなく手元はしっかり動いていた。ご婦人の一人など「コンマ3ですがあ」とヒゴの厚みを聞かれて平然と答えていた。0.3ミリなのだ!僕など0.7ミリを目指してもヒゴによっては0.6から0.9ミリの幅で安定しない。アーア、である。
他所のことだから、どうでもいいが、「空と海のインタークロスシティ」(文化と竹の公園都市)が、竹の館のキャッチフレーズだと、もらったパンフレットに書いてあった。こういう空々しい文句に、僕は辟易している。せっかく竹工芸という自慢の伝統があるのだから、当たり前の日本語で語ればよろしい。
古い町並みにも感心した。それなのに、竹原という名前で十分なのに、観光協会は「安芸の小京都」と宣伝している。独立独歩の条件があるのに、他に範を求めてマネゴトに走る。
こういう風土が、マンションや食品偽装の根源の一つだと、早く気付いた方がよろしい。自主自立の風潮を持て!
竹に学ぶなあ。
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