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バンガロール滞在中の週末、日帰りでハイデラバードを訪れた。インドに来るまでハイデラバードはパキスタンにあるものと思っていたが、全く同じ名前の都市がインドにも存在することを知った。インドのハイデラバードは、バンガロールに次ぐハイテク都市として、最近はIT産業の発展により他州からの流入人口も多くなっている。またバンガロールで働く労働者の多くは、この町から出稼ぎに来ている。<br /><br />好んでこの町の観光にでかける方も少ないと思うが、ユネスコ世界遺産こそないものの見所は多い。名前からしてイスラム教の町であり、人口は約550万人でインド第5の巨大都市である。今なおイスラム文化の影響が色濃く残っており、見所の多くはイスラム王朝の遺産である。航空機でバンガロールから約1時間、デカン高原の中央部にあるが、標高はバンガロールの海抜900mよりも低く500m程度であるため暑い。2月のこの日も軽く30℃は超えていた。<br /><br />1518年にゴールコンダにクトゥブ・シャーヒー王国が興るが、1589年、5代目の王、ムハンマドは、7kmほど離れたこの地を王国の王都に定めた。彼はこの新しい王都の名を、愛してやまなかった美しい踊り子、ハイダル・マハルにちなんで「ハイダルの町」を意味するハイデラバードと名づけた。<br /><br />この町の象徴は、4つの光塔をもつ大建造物、チャール・ミナールである。クトゥブ・シャーヒー王国の傑作であり、タバコのパッケージにも描かれているという。1591年にムハンマドによって建設された。基盤の一辺は20m、4つのアーチは幅11m、高さ20mである。4階建ての光塔は、四面アーチ構造建造物の屋上から20mの高さにまでそびえている。4つ(チャール)の光塔(ミナール)があるところから、チャール・ミナールと名づけられた。螺旋状の階段を登っていくと、展望台から周囲を一望できる。<br /><br />イスラム建築であるはずのチャール・ミナールの南西角には、ラクシュミー女神を奉った小さなヒンドゥー寺院があり驚かされるが、何でもあり、のインドらしい風景である。<br /><br />メッカ・マスジッドはチャール・ミナールの南西にある。インドで最大級のモスクであり、一度に1万人もの信者を収容できる。その名前は、メッカのグランド・モスクに由来し、建築様式を踏襲している。大広間は67×54m、高さは23mである。広間の3面はそれぞれ5つアーチを持ち、この計15のアーチが天井を支えている。西側は、ムスリムで最も神聖視されているカーバ神殿への祈りの方角であるため高い壁で塞がれている。両端には、それぞれ花崗岩の一枚岩から作られた柱状の8角堂があり、その上にはドーム屋根を持つアーチ状に連なった回廊がある。<br /><br />メッカ・マスジッドの建設はスルタン・ムハンマドの指令により始められた。その後、建設事業はクトゥブ・シャーヒー王国のアブドゥルおよびアブルによって続けられた。そして建設開始から77年後の1694年に、ムガール帝国アウラングゼーブ帝が完成させた。<br /><br />旧市街の中心から1kmほど北の、ムースィ川の岸にあるサラール・ジャング博物館は、目利きの骨董品収集家として世界に知られたサーラール・ジャング三世(ニザーム藩王国宰相)にちなんで名づけられた。コレクションは43,000点の美術品、50,000点の書籍とあるが、中には価値ある美術骨董品かどうか疑わしい展示品もあり、興味をそそるものはあまり多くはなかった。「久月の日本人形」といった日本の工芸品も展示されていた。<br /><br />旧市街の北に5kmほどのところに人造湖であるフセイン・サガール湖があり、市民の憩いの場となっている。この湖に小さな島が浮かんでおり、花崗岩で作られたインド最大の仏像が建立されており、再び驚かされる。ボートで5分ほどの距離で島に渡ることができ、ダライ・ラマにちなんで建造されたことが台座に刻まれている。それにしてもこの湖の汚染は深刻で、透明度はほとんどゼロ、富栄養化が甚だしく、インド人の環境管理意識は緊急に改善されることを訴えたい。<br />

ハイデラバード日帰りの旅No.1:インド最大のイスラムの町でバンガロールに次ぐIT産業のメッカ(改訂版)

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2011/02/26 - 2011/02/28

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ハンク

ハンクさん

バンガロール滞在中の週末、日帰りでハイデラバードを訪れた。インドに来るまでハイデラバードはパキスタンにあるものと思っていたが、全く同じ名前の都市がインドにも存在することを知った。インドのハイデラバードは、バンガロールに次ぐハイテク都市として、最近はIT産業の発展により他州からの流入人口も多くなっている。またバンガロールで働く労働者の多くは、この町から出稼ぎに来ている。

好んでこの町の観光にでかける方も少ないと思うが、ユネスコ世界遺産こそないものの見所は多い。名前からしてイスラム教の町であり、人口は約550万人でインド第5の巨大都市である。今なおイスラム文化の影響が色濃く残っており、見所の多くはイスラム王朝の遺産である。航空機でバンガロールから約1時間、デカン高原の中央部にあるが、標高はバンガロールの海抜900mよりも低く500m程度であるため暑い。2月のこの日も軽く30℃は超えていた。

1518年にゴールコンダにクトゥブ・シャーヒー王国が興るが、1589年、5代目の王、ムハンマドは、7kmほど離れたこの地を王国の王都に定めた。彼はこの新しい王都の名を、愛してやまなかった美しい踊り子、ハイダル・マハルにちなんで「ハイダルの町」を意味するハイデラバードと名づけた。

この町の象徴は、4つの光塔をもつ大建造物、チャール・ミナールである。クトゥブ・シャーヒー王国の傑作であり、タバコのパッケージにも描かれているという。1591年にムハンマドによって建設された。基盤の一辺は20m、4つのアーチは幅11m、高さ20mである。4階建ての光塔は、四面アーチ構造建造物の屋上から20mの高さにまでそびえている。4つ(チャール)の光塔(ミナール)があるところから、チャール・ミナールと名づけられた。螺旋状の階段を登っていくと、展望台から周囲を一望できる。

イスラム建築であるはずのチャール・ミナールの南西角には、ラクシュミー女神を奉った小さなヒンドゥー寺院があり驚かされるが、何でもあり、のインドらしい風景である。

メッカ・マスジッドはチャール・ミナールの南西にある。インドで最大級のモスクであり、一度に1万人もの信者を収容できる。その名前は、メッカのグランド・モスクに由来し、建築様式を踏襲している。大広間は67×54m、高さは23mである。広間の3面はそれぞれ5つアーチを持ち、この計15のアーチが天井を支えている。西側は、ムスリムで最も神聖視されているカーバ神殿への祈りの方角であるため高い壁で塞がれている。両端には、それぞれ花崗岩の一枚岩から作られた柱状の8角堂があり、その上にはドーム屋根を持つアーチ状に連なった回廊がある。

メッカ・マスジッドの建設はスルタン・ムハンマドの指令により始められた。その後、建設事業はクトゥブ・シャーヒー王国のアブドゥルおよびアブルによって続けられた。そして建設開始から77年後の1694年に、ムガール帝国アウラングゼーブ帝が完成させた。

旧市街の中心から1kmほど北の、ムースィ川の岸にあるサラール・ジャング博物館は、目利きの骨董品収集家として世界に知られたサーラール・ジャング三世(ニザーム藩王国宰相)にちなんで名づけられた。コレクションは43,000点の美術品、50,000点の書籍とあるが、中には価値ある美術骨董品かどうか疑わしい展示品もあり、興味をそそるものはあまり多くはなかった。「久月の日本人形」といった日本の工芸品も展示されていた。

旧市街の北に5kmほどのところに人造湖であるフセイン・サガール湖があり、市民の憩いの場となっている。この湖に小さな島が浮かんでおり、花崗岩で作られたインド最大の仏像が建立されており、再び驚かされる。ボートで5分ほどの距離で島に渡ることができ、ダライ・ラマにちなんで建造されたことが台座に刻まれている。それにしてもこの湖の汚染は深刻で、透明度はほとんどゼロ、富栄養化が甚だしく、インド人の環境管理意識は緊急に改善されることを訴えたい。

旅行の満足度
3.0
観光
3.0
ホテル
3.5
グルメ
3.0
ショッピング
3.5
交通
3.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
タクシー 飛行機
旅行の手配内容
個別手配
  • 2008年ハイデラバード郊外に開港したラジーヴ・ガンディー国際空港、5百万〜1千5百万人規模の空港で2009年の顧客満足度第1位に選ばれた

    2008年ハイデラバード郊外に開港したラジーヴ・ガンディー国際空港、5百万〜1千5百万人規模の空港で2009年の顧客満足度第1位に選ばれた

  • 2008年ハイデラバード郊外に開港したラジーヴ・ガンディー国際空港の外観

    2008年ハイデラバード郊外に開港したラジーヴ・ガンディー国際空港の外観

  • チャール・ミナールの正面にあるニザーミヤー・ユーナーニー病院の壮麗な外観

    チャール・ミナールの正面にあるニザーミヤー・ユーナーニー病院の壮麗な外観

  • メッカ・マスジットからのチャール・ミナールの眺め

    イチオシ

    メッカ・マスジットからのチャール・ミナールの眺め

  • チャール・ミナールの近景

    チャール・ミナールの近景

  • チャール・ミナールを取り囲む門のひとつ

    チャール・ミナールを取り囲む門のひとつ

  • チャール・ミナールに登る螺旋階段

    チャール・ミナールに登る螺旋階段

  • チャール・ミナールの一角にラクシュミー女神を奉った小さなヒンドゥー寺院があり驚かされる。何でもあり、のインドらしい風景。

    チャール・ミナールの一角にラクシュミー女神を奉った小さなヒンドゥー寺院があり驚かされる。何でもあり、のインドらしい風景。

  • チャール・ミナールの近くの街並み、凄まじい光景である

    チャール・ミナールの近くの街並み、凄まじい光景である

  • さしずめ100円ショップの類、ブラシ、綿棒、ひも、タオルなどが売られている、価格は10円前後

    さしずめ100円ショップの類、ブラシ、綿棒、ひも、タオルなどが売られている、価格は10円前後

  • チャール・ミナールからニザーミヤー・ユーナーニー病院を眺める、喧騒に満ちた通り

    チャール・ミナールからニザーミヤー・ユーナーニー病院を眺める、喧騒に満ちた通り

  • チャール・ミナールからメッカ・マスジッドの眺め

    チャール・ミナールからメッカ・マスジッドの眺め

  • メッカ・マスジットのファサード

    メッカ・マスジットのファサード

  • 歴代国王の墓が並ぶメッカ・マスジッドの回廊

    歴代国王の墓が並ぶメッカ・マスジッドの回廊

  • メッカ・マスジッドの内部、ベルギー製のシャンデリアが汚れた布袋にくるまれている

    メッカ・マスジッドの内部、ベルギー製のシャンデリアが汚れた布袋にくるまれている

  • メッカ・マスジッド内部、メッカにある聖なるカーバ神殿への祈りの方向を示す

    メッカ・マスジッド内部、メッカにある聖なるカーバ神殿への祈りの方向を示す

  • メッカ・マスジッドで時を過す人々

    メッカ・マスジッドで時を過す人々

  • メッカ・マスジッドの子供たち、なかなか笑ってくれない

    メッカ・マスジッドの子供たち、なかなか笑ってくれない

  • サラール・ジャング博物館のファサード

    サラール・ジャング博物館のファサード

  • サラール・ジャング博物館の門番のライオンは昼寝をしており頼りない

    サラール・ジャング博物館の門番のライオンは昼寝をしており頼りない

  • フセイン・サガール湖に面する市民公園への入り口

    フセイン・サガール湖に面する市民公園への入り口

  • フセイン・サガール湖に面する市民公園の水遊び場

    フセイン・サガール湖に面する市民公園の水遊び場

  • フセイン・サガール湖に浮かぶ島へ行くボート

    フセイン・サガール湖に浮かぶ島へ行くボート

  • フセイン・サガール湖に浮かぶ島にある仏像、何でもありのインドらしい風景

    フセイン・サガール湖に浮かぶ島にある仏像、何でもありのインドらしい風景

  • フセイン・サガール湖に浮かぶ島にある仏像の台座、ダライ・ラマにちなんで建造された

    フセイン・サガール湖に浮かぶ島にある仏像の台座、ダライ・ラマにちなんで建造された

  • フセイン・サガール湖に夕日が沈む

    フセイン・サガール湖に夕日が沈む

  • ハイデラバード中央駅のファサード

    ハイデラバード中央駅のファサード

  • ハイデラバード駅に停車する近郊電車とディーゼル機関車

    ハイデラバード駅に停車する近郊電車とディーゼル機関車

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