キーウ (キエフ)旅行記(ブログ) 一覧に戻る
キエフには美しい教会が無数にある。いくつかを紹介するとともに、人類の負の遺産、チェルノブイリ博物館を紹介する。 <br /><br />ウラジーミル聖堂(写真1-2)は1882年に完成した、キエフでは比較的新しい教会。外観は地味なビザンチン建築だが、内部は豪華絢爛なフレスコ画がすばらしい。 <br /><br />ソフィア大聖堂(写真3-5) はヤロスラフ賢公の遊牧民ぺチェネ-グ人に対する勝利を記念して、1037年に建てられたキエフ最古の教会。当時のギリシア正教の最高府、ビザンチンのアヤ・ソフィアからその名が採られている。現在の姿は17世紀の後半にウクライナ・バロックという様式で再建されたものだが、内装には11世紀のものが残されている。鐘楼は高さ26m、ソフィア大聖堂の門になっており、上からのキエフ市街の眺望はすばらしい。 <br /><br />聖ミハイル修道院(写真6-7)は外壁の鮮やかなフレスコ画と青く塗られた壁面、天を貫くいくつもの黄金のドームとの調和が美しい修道院。その歴史は11世紀に創設されたドミトリエフスキー修道院に始まる。12世紀に修道院内に黄金ドームの聖ミハイル教会が建設されいつしか修道院全体がこの名で呼ばれるようになった。ところが信じられないことに、1936年ソ連政府の宗教弾圧の一環として修道院全体が取り壊されてしまった。現在見られる建物は、すべてウクライナ独立後の1997年から2000年の間に再建されたものだ。入口になっている鐘楼は1719年にオリジナルが建てられ、博物館となっている。 <br /><br />ぺチェールスカ大修道院(写真8-11)はドニエプル川沿いの深い緑の中に広がる東スラブで最も長い歴史を持つ修道院。1051年、ギリシアの僧アントニウスとフェオドスィが河岸の洞窟で修道生活を営んだことに始まる。修道僧達は洞窟内で祈り、横穴を掘り続け、その後も洞窟内に葬られた。この洞窟を意味する「ぺチェーラ」が、そのまま修道院の名となっている。ソ連時代は「歴史記念碑的建築群」として博物館となっていたが、1988年から正式に活動を開始し現在ロシア正教ウクライナ支部の総本山となっている。 <br /><br />アンドレイ教会(写真12-13)はアンドレイ坂を見下ろす丘に建つ、ロシアバロック様式の優雅な教会。ロシアの女帝エリザヴェータのキエフ来訪を記念して1749年から建設が始められた。設計は女帝お気に入りのイタリア人建築家ラストレッリ(エルミタージュ冬宮、エカテリーナ宮の設計者)、彼自身がキエフまでやって来て指揮をした。 <br />教会の名は約1000年前、最初にキエフで説教をした聖人アンドレイにちなんだもの。 <br />アンドレイ坂(写真14)は、みやげ物を売る露天と観光客でいつもにぎわっている。 <br /><br />チェルノブイリ博物館(写真15-18)を紹介しよう。ウクライナと言えばチェルノブイリの原子力発電所の事故を忘れることはできない。1986年、キエフの北約130km、チェルノブイリで歴史的な事故(水蒸気爆発)が発生した。ソ連当局は当初31人が死亡したと発表したが、実際にはこれを大きく上回る死亡者が出ており、半径30kmに住む10万人以上の住民が退去させられた。5000万キュリーの放射能が大気中に飛散し、放射能の一部は北ヨーロッパを超え遠くイギリスまで到達したと言う。1991年、ソ連邦から独立したウクライナ政府はチェルノブイリ原発全体を廃止する方針を発表、2000年に永久に全面廃止された。 <br /><br />この博物館にはこの悲劇的な事故のおびただしい量の写真と資料が展示されている。事故処理に実際に使われた防護服や車両、放射能により事故後に生まれた奇形児、奇形の馬の写真などの展示を見ると、恐怖が伝わってくる。それにしても、ソ連崩壊後の各国の原発の維持管理技術の情報公開、先進国との技術提携を進めてもらいたいものである。ヨーロッパでは新たな原発の建設は凍結されているそうであるが、二酸化炭素を発生させないという優位性を持つ原子力発電は見直されるべきであり、確かな技術で管理され、適正に運営されていくことを望みたい。

ウクライナの首都キエフ②:教会とチェルノブイリ博物館

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2008/09/06 - 2008/09/07

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ハンク

ハンクさん

キエフには美しい教会が無数にある。いくつかを紹介するとともに、人類の負の遺産、チェルノブイリ博物館を紹介する。

ウラジーミル聖堂(写真1-2)は1882年に完成した、キエフでは比較的新しい教会。外観は地味なビザンチン建築だが、内部は豪華絢爛なフレスコ画がすばらしい。

ソフィア大聖堂(写真3-5) はヤロスラフ賢公の遊牧民ぺチェネ-グ人に対する勝利を記念して、1037年に建てられたキエフ最古の教会。当時のギリシア正教の最高府、ビザンチンのアヤ・ソフィアからその名が採られている。現在の姿は17世紀の後半にウクライナ・バロックという様式で再建されたものだが、内装には11世紀のものが残されている。鐘楼は高さ26m、ソフィア大聖堂の門になっており、上からのキエフ市街の眺望はすばらしい。

聖ミハイル修道院(写真6-7)は外壁の鮮やかなフレスコ画と青く塗られた壁面、天を貫くいくつもの黄金のドームとの調和が美しい修道院。その歴史は11世紀に創設されたドミトリエフスキー修道院に始まる。12世紀に修道院内に黄金ドームの聖ミハイル教会が建設されいつしか修道院全体がこの名で呼ばれるようになった。ところが信じられないことに、1936年ソ連政府の宗教弾圧の一環として修道院全体が取り壊されてしまった。現在見られる建物は、すべてウクライナ独立後の1997年から2000年の間に再建されたものだ。入口になっている鐘楼は1719年にオリジナルが建てられ、博物館となっている。

ぺチェールスカ大修道院(写真8-11)はドニエプル川沿いの深い緑の中に広がる東スラブで最も長い歴史を持つ修道院。1051年、ギリシアの僧アントニウスとフェオドスィが河岸の洞窟で修道生活を営んだことに始まる。修道僧達は洞窟内で祈り、横穴を掘り続け、その後も洞窟内に葬られた。この洞窟を意味する「ぺチェーラ」が、そのまま修道院の名となっている。ソ連時代は「歴史記念碑的建築群」として博物館となっていたが、1988年から正式に活動を開始し現在ロシア正教ウクライナ支部の総本山となっている。

アンドレイ教会(写真12-13)はアンドレイ坂を見下ろす丘に建つ、ロシアバロック様式の優雅な教会。ロシアの女帝エリザヴェータのキエフ来訪を記念して1749年から建設が始められた。設計は女帝お気に入りのイタリア人建築家ラストレッリ(エルミタージュ冬宮、エカテリーナ宮の設計者)、彼自身がキエフまでやって来て指揮をした。
教会の名は約1000年前、最初にキエフで説教をした聖人アンドレイにちなんだもの。
アンドレイ坂(写真14)は、みやげ物を売る露天と観光客でいつもにぎわっている。

チェルノブイリ博物館(写真15-18)を紹介しよう。ウクライナと言えばチェルノブイリの原子力発電所の事故を忘れることはできない。1986年、キエフの北約130km、チェルノブイリで歴史的な事故(水蒸気爆発)が発生した。ソ連当局は当初31人が死亡したと発表したが、実際にはこれを大きく上回る死亡者が出ており、半径30kmに住む10万人以上の住民が退去させられた。5000万キュリーの放射能が大気中に飛散し、放射能の一部は北ヨーロッパを超え遠くイギリスまで到達したと言う。1991年、ソ連邦から独立したウクライナ政府はチェルノブイリ原発全体を廃止する方針を発表、2000年に永久に全面廃止された。

この博物館にはこの悲劇的な事故のおびただしい量の写真と資料が展示されている。事故処理に実際に使われた防護服や車両、放射能により事故後に生まれた奇形児、奇形の馬の写真などの展示を見ると、恐怖が伝わってくる。それにしても、ソ連崩壊後の各国の原発の維持管理技術の情報公開、先進国との技術提携を進めてもらいたいものである。ヨーロッパでは新たな原発の建設は凍結されているそうであるが、二酸化炭素を発生させないという優位性を持つ原子力発電は見直されるべきであり、確かな技術で管理され、適正に運営されていくことを望みたい。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
ホテル
4.0
グルメ
3.5
ショッピング
3.5
交通
3.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
10万円 - 15万円
交通手段
鉄道 飛行機
航空会社
フィンランド航空
旅行の手配内容
個別手配
  • ウラジーミル教会

    ウラジーミル教会

  • ウラジーミル教会の内部

    ウラジーミル教会の内部

  • ソフィア大聖堂

    ソフィア大聖堂

  • ソフィア大聖堂

    ソフィア大聖堂

  • ソフィア大聖堂の鐘楼

    ソフィア大聖堂の鐘楼

  • 聖ミハイル修道院

    イチオシ

    聖ミハイル修道院

  • 聖ミハイル修道院

    聖ミハイル修道院

  • ぺチェールスカ大修道院

    ぺチェールスカ大修道院

  • ぺチェールスカ大修道院

    ぺチェールスカ大修道院

  • ぺチェールスカ大修道院

    ぺチェールスカ大修道院

  • ぺチェールスカ大修道院

    ぺチェールスカ大修道院

  • アンドレイ教会

    アンドレイ教会

  • アンドレイ教会の内部

    アンドレイ教会の内部

  • アンドレイ坂

    アンドレイ坂

  • チェルノブイリ博物館の入り口

    チェルノブイリ博物館の入り口

  • チェルノブイリ博物館の展示 放射能防護服

    チェルノブイリ博物館の展示 放射能防護服

  • チェルノブイリ博物館の展示 放射能の汚染範囲

    チェルノブイリ博物館の展示 放射能の汚染範囲

  • チェルノブイリ博物館の展示 水蒸気爆発の説明

    チェルノブイリ博物館の展示 水蒸気爆発の説明

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