ヤルタ旅行記(ブログ) 一覧に戻る
今年の5月、ウクライナという黒海が南に面する旧ソ連の国へ行ってまいりました。<br /><br />ウクライナの人たちは、底抜けに明るい気質の持ち主だそうですが、ツアー中感じたのは、お客様に楽しんでもらおう、ウクライナを知ってもらいたい、という暖かなホスピタリティ精神でした。<br /><br />そんなあったかな国ウクライナの中でも特に暖かく、リゾート地として人気なのがヤルタ。<br />「黒海の真珠」と呼ばれ、ロシア人が愛してやまない街です。<br />写真はヤルタの町を遠望したもの。黒海は太陽の光でやや青みがかった色合いでとても神秘的でした。ではそんな美しいヤルタをご紹介いたします。<br /><br /> ヤルタは昔から別荘地、保養地として特にロシア人が愛した街でした。歴史の皮肉で、ソ連時代にウクライナ領となり、そのままウクライナとして、ソ連崩壊と同時に独立してしまいましたが、今でもロシア人が多数派です(国籍はウクライナでも)ので、クリミア半島だけでの独立も考えたんだそうです。<br /><br />いろいろありまして、今はクリミア自治共和国となっているのだそうです。<br /><br />さて、写真の断崖絶壁に残るこの建物は、20世紀初頭にドイツ人のオイル王が自分の愛したジプシー娘のために造った別荘だったそうですが、ジプシー娘には振られてしまったという、ちょっと悲しい別荘です。なぜこんなところにあるかは、現地でガイドさんの話を聞いていただけると幸いです。<br /><br />いま私が話してしまうと、ヤルタのガイドさんに申し訳がないですしね。<br /><br /> <br />そしてヤルタといえば、日本人なら絶対誰もが一度は(多分)耳にしたことがあるはずです。<br />そう、あのヤルタ会談が行われたところです。<br /><br />というわけで、その会談が行われたリバディア宮殿へ訪れました。写真は、スターリンさんとルーズベルトさんが日本侵攻に関する密約を行った場所です。ここから、かの北方領土問題がうまれたのか〜と感慨深い思いになりました。<br /><br /> そして、3巨頭のひとりチャーチルさんが宿泊していたアルプカ宮殿にはいまもチャーチルさんがお休みでした。<br />このライオン像は、チャーチルさん自ら「私にそっくり」と大変お気に入りだったそうです。<br /><br />この宮殿はお金持ちの貴族の別荘として造られましたけど、イギリスとアラブの様式がミックスされた、異国情緒あふれ出る建築で、訪れた人を魅了していました。<br /><br />しかも、温室があるのですが、大理石の彫刻と緑の美しいコントラストに誰もが足を止めてしまいました。<br /> ちなみにオクにある女の子の全身像の彫刻はイタリアのかの有名な彫刻家ベルニーニの作です。<br /> そして、ダイニング。広々としてなんともまぁ開放的。<br /><br />ヤルタは太陽の光があふれ、人々も陽気で、ロシア貴族たちがココへ訪れる気持ちがよくわかりました。<br /><br /><br />ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世も、リバディア宮殿を造ったのですけど、退位した後、この宮殿で隠遁生活をおくりたいと考えていたようです。<br /><br />秋から春にかけて、お召し列車とボートでヤルタへ訪れた皇帝一家は、激動の時代にこの暖かい地でひと時の安らぎを求めていたのかもしれません。リバディア宮殿には皇帝一家が残した多くの写真の一部が残っています。<br /><br />残念ながら、1914年の春を最後に、皇帝一家はヤルタへ戻ることはなく、銃殺されてしまったのですが…。<br /><br />保養地として、リゾート地として美しいヤルタは人気があります。<br />また、交易の港としても栄えていました。<br />タタール人といわれる、モンゴル系の人々やトルコ系の人々、ウクライナ人にロシア人、多くの人が行きかう街です。<br /><br />遥か昔のギリシア神話でも、「アルゴー号」という船が漂流しているときにようやっと見つけた海岸線に感動し「ヤロース」、海岸線、と叫んだんだそうですが、それが名前の由来なんだそうです。<br /><br />黒海の真珠ヤルタ、一度は訪れてみる価値があります。<br /><br />

黒海の真珠ヤルタの魅力

1いいね!

2010/05/22 - 2010/05/29

34位(同エリア46件中)

0

5

クルーズコンサルタント

クルーズコンサルタントさん

今年の5月、ウクライナという黒海が南に面する旧ソ連の国へ行ってまいりました。

ウクライナの人たちは、底抜けに明るい気質の持ち主だそうですが、ツアー中感じたのは、お客様に楽しんでもらおう、ウクライナを知ってもらいたい、という暖かなホスピタリティ精神でした。

そんなあったかな国ウクライナの中でも特に暖かく、リゾート地として人気なのがヤルタ。
「黒海の真珠」と呼ばれ、ロシア人が愛してやまない街です。
写真はヤルタの町を遠望したもの。黒海は太陽の光でやや青みがかった色合いでとても神秘的でした。ではそんな美しいヤルタをご紹介いたします。

ヤルタは昔から別荘地、保養地として特にロシア人が愛した街でした。歴史の皮肉で、ソ連時代にウクライナ領となり、そのままウクライナとして、ソ連崩壊と同時に独立してしまいましたが、今でもロシア人が多数派です(国籍はウクライナでも)ので、クリミア半島だけでの独立も考えたんだそうです。

いろいろありまして、今はクリミア自治共和国となっているのだそうです。

さて、写真の断崖絶壁に残るこの建物は、20世紀初頭にドイツ人のオイル王が自分の愛したジプシー娘のために造った別荘だったそうですが、ジプシー娘には振られてしまったという、ちょっと悲しい別荘です。なぜこんなところにあるかは、現地でガイドさんの話を聞いていただけると幸いです。

いま私が話してしまうと、ヤルタのガイドさんに申し訳がないですしね。


そしてヤルタといえば、日本人なら絶対誰もが一度は(多分)耳にしたことがあるはずです。
そう、あのヤルタ会談が行われたところです。

というわけで、その会談が行われたリバディア宮殿へ訪れました。写真は、スターリンさんとルーズベルトさんが日本侵攻に関する密約を行った場所です。ここから、かの北方領土問題がうまれたのか〜と感慨深い思いになりました。

そして、3巨頭のひとりチャーチルさんが宿泊していたアルプカ宮殿にはいまもチャーチルさんがお休みでした。
このライオン像は、チャーチルさん自ら「私にそっくり」と大変お気に入りだったそうです。

この宮殿はお金持ちの貴族の別荘として造られましたけど、イギリスとアラブの様式がミックスされた、異国情緒あふれ出る建築で、訪れた人を魅了していました。

しかも、温室があるのですが、大理石の彫刻と緑の美しいコントラストに誰もが足を止めてしまいました。
ちなみにオクにある女の子の全身像の彫刻はイタリアのかの有名な彫刻家ベルニーニの作です。
そして、ダイニング。広々としてなんともまぁ開放的。

ヤルタは太陽の光があふれ、人々も陽気で、ロシア貴族たちがココへ訪れる気持ちがよくわかりました。


ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世も、リバディア宮殿を造ったのですけど、退位した後、この宮殿で隠遁生活をおくりたいと考えていたようです。

秋から春にかけて、お召し列車とボートでヤルタへ訪れた皇帝一家は、激動の時代にこの暖かい地でひと時の安らぎを求めていたのかもしれません。リバディア宮殿には皇帝一家が残した多くの写真の一部が残っています。

残念ながら、1914年の春を最後に、皇帝一家はヤルタへ戻ることはなく、銃殺されてしまったのですが…。

保養地として、リゾート地として美しいヤルタは人気があります。
また、交易の港としても栄えていました。
タタール人といわれる、モンゴル系の人々やトルコ系の人々、ウクライナ人にロシア人、多くの人が行きかう街です。

遥か昔のギリシア神話でも、「アルゴー号」という船が漂流しているときにようやっと見つけた海岸線に感動し「ヤロース」、海岸線、と叫んだんだそうですが、それが名前の由来なんだそうです。

黒海の真珠ヤルタ、一度は訪れてみる価値があります。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
交通手段
観光バス

PR

  • 白い宮殿ツバメの巣。内部はレストランになっています。

    白い宮殿ツバメの巣。内部はレストランになっています。

  • ヤルタ会談で有名なリバディア宮殿。ロシア帝国皇帝一家(ロマノフ家)の避暑用の別荘でした。

    ヤルタ会談で有名なリバディア宮殿。ロシア帝国皇帝一家(ロマノフ家)の避暑用の別荘でした。

  • アルプカ宮殿の庭にある、ライオンの象。英首相チャーチルがここに宿泊したときにこの寝顔が自分そっくりと喜んだそうです。

    アルプカ宮殿の庭にある、ライオンの象。英首相チャーチルがここに宿泊したときにこの寝顔が自分そっくりと喜んだそうです。

  • アルプカ宮殿にある温室。

    アルプカ宮殿にある温室。

  • アルプカ宮殿の広々としたダイニング

    アルプカ宮殿の広々としたダイニング

この旅行記のタグ

関連タグ

1いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

ウクライナで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
ウクライナ最安 510円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

ウクライナの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから海外旅行記(ブログ)を探す

PAGE TOP