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オーストラリアで屈指のオパール生産地「クーパー・ピディ」は、砂漠の中にポツンと浮かんでいた。<br /><br />この街の日中は、気温40℃を越える灼熱地獄らしく、住民は10年前まで地下に穴を掘って住んでいたとの事。<br /><br />オパール生産といい、地下住居といい、この街の地下は蟻の巣状に掘り返されており、街中いたる所に底が見えないほど深い縦穴が口を開けている。<br /><br />この街でしか見れない「縦穴注意!」の標識があちこちに!

COOBER PEDY(クーパーピディ)の地下バックパッカー <地中の眠り心地>

8いいね!

1994/04/07 - 1994/04/08

3位(同エリア12件中)

0

9

北風

北風さん

オーストラリアで屈指のオパール生産地「クーパー・ピディ」は、砂漠の中にポツンと浮かんでいた。

この街の日中は、気温40℃を越える灼熱地獄らしく、住民は10年前まで地下に穴を掘って住んでいたとの事。

オパール生産といい、地下住居といい、この街の地下は蟻の巣状に掘り返されており、街中いたる所に底が見えないほど深い縦穴が口を開けている。

この街でしか見れない「縦穴注意!」の標識があちこちに!

旅行の満足度
4.0
ホテル
4.5
同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス
旅行の手配内容
個別手配

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  • クーパーピディは、オーストラリアで屈指のオパール生産地にしては、「ゴーストタウン?」と見間違うほどに寂しげな街だった。<br /><br />

    クーパーピディは、オーストラリアで屈指のオパール生産地にしては、「ゴーストタウン?」と見間違うほどに寂しげな街だった。

  • <オパール発掘ツアーに参加><br /><br />現在も掘り出されるオパールの採掘現場を見学に行った。<br /><br />このツアーの最後には、本当にオパールの原石が入っていそうな所で採掘させてくれるらしい。<br /><br />どうしよう?億万長者になったら。

    <オパール発掘ツアーに参加>

    現在も掘り出されるオパールの採掘現場を見学に行った。

    このツアーの最後には、本当にオパールの原石が入っていそうな所で採掘させてくれるらしい。

    どうしよう?億万長者になったら。

  • 地獄へと続いていそうなトンネルを降りていくと、いきなり明るい場所へ出た。<br />見上げると、青空がのぞいている。<br />ここから、採掘したオパールの原石を、バキュームで吸い出すらしい。<br /><br />ふと、壁に手を着くと、ボロッと崩れてきた。<br />柔らかい壁=生き埋めの公式が心に浮かぶ。

    地獄へと続いていそうなトンネルを降りていくと、いきなり明るい場所へ出た。
    見上げると、青空がのぞいている。
    ここから、採掘したオパールの原石を、バキュームで吸い出すらしい。

    ふと、壁に手を着くと、ボロッと崩れてきた。
    柔らかい壁=生き埋めの公式が心に浮かぶ。

  • 運び上げられた砂の中から、ふるいを使ってオパールの原石を仕分ける。<br /><br />5mmぐらいの原石はすぐに見つかる。<br />が、しかし、これぐらいじゃ意味が無いらしい。<br /><br />

    運び上げられた砂の中から、ふるいを使ってオパールの原石を仕分ける。

    5mmぐらいの原石はすぐに見つかる。
    が、しかし、これぐらいじゃ意味が無いらしい。

  • なんと、この街では、バック・パッカーも地下にあった。<br />どうやら、昔使われていた地下住居を再利用しているらしい。

    なんと、この街では、バック・パッカーも地下にあった。
    どうやら、昔使われていた地下住居を再利用しているらしい。

  • 地下へと続く階段にコツコツと足音が響く中、誇りっぽい空気が次第にひんやりと涼しくなっていく。<br /><br />大丈夫だろうか?<br />俺は8ドル(650円)で、生き埋めの運試ししているんじゃ?

    地下へと続く階段にコツコツと足音が響く中、誇りっぽい空気が次第にひんやりと涼しくなっていく。

    大丈夫だろうか?
    俺は8ドル(650円)で、生き埋めの運試ししているんじゃ?

  • このモダン・アートみたいな天井も、サイケな色彩に溢れた壁も、決して計算された装飾じゃないんだろうなぁ。<br /><br /><br />どこかの外国の刑務所もこんな感じじゃなかったけ?<br />

    このモダン・アートみたいな天井も、サイケな色彩に溢れた壁も、決して計算された装飾じゃないんだろうなぁ。


    どこかの外国の刑務所もこんな感じじゃなかったけ?

  • 旅日記<br />『地下の居心地』<br /><br />ボロボロの岩肌をさらした階段を、ゆっくりと地下へと降りていく。<br />ひんやりと湿気の無い、洞窟のような空間に出た。<br />ベッドが8つ置いてあるという事は8人部屋らしい。<br /><br />まぁ、何個置いていても関係ない。<br />レセプションでは、今夜の宿泊客は俺一人だと言っていた。<br />何故、皆、泊まりたがらないのかは考えない方がよさそうな気がする。<br /><br />とにかく、長旅と暑さでクタクタだった。<br />ベッドに腰かけてホッと一息つくと、急に怖いぐらいの静けさが襲ってきた。<br />かすかに聞こえるのは、サラサラという砂の音だけ。<br />・・・ん?天井が崩れかけているのか?<br /><br />現代人は、生まれてから死ぬまで、本当の静寂を味わう機会がないと何かの本に書いていたが、幸か不幸か、俺は今夜それを充分に体験している。<br />音の無い世界と言うのは、これほど落ち着かないものなのだろうか?<br />目を閉じると、心臓の音がやけに大きく聞こえてくる。<br />このまま眠ってしまうと、臨死体験を味わえそうだ。<br /><br /><br />そして、本当の怖さは、朝、目覚めた時だった。<br />何しろ、光がどこからも入ってこない。<br />鈍く光る時計の文字盤だけが、朝が来た事を告げていた。<br /><br />手探りでライトをつけて、鏡をのぞくと、全身砂まみれの俺が映っていた。<br /><br />・・・どうやら、軽い生き埋め状態だったらしい。<br />

    旅日記
    『地下の居心地』

    ボロボロの岩肌をさらした階段を、ゆっくりと地下へと降りていく。
    ひんやりと湿気の無い、洞窟のような空間に出た。
    ベッドが8つ置いてあるという事は8人部屋らしい。

    まぁ、何個置いていても関係ない。
    レセプションでは、今夜の宿泊客は俺一人だと言っていた。
    何故、皆、泊まりたがらないのかは考えない方がよさそうな気がする。

    とにかく、長旅と暑さでクタクタだった。
    ベッドに腰かけてホッと一息つくと、急に怖いぐらいの静けさが襲ってきた。
    かすかに聞こえるのは、サラサラという砂の音だけ。
    ・・・ん?天井が崩れかけているのか?

    現代人は、生まれてから死ぬまで、本当の静寂を味わう機会がないと何かの本に書いていたが、幸か不幸か、俺は今夜それを充分に体験している。
    音の無い世界と言うのは、これほど落ち着かないものなのだろうか?
    目を閉じると、心臓の音がやけに大きく聞こえてくる。
    このまま眠ってしまうと、臨死体験を味わえそうだ。


    そして、本当の怖さは、朝、目覚めた時だった。
    何しろ、光がどこからも入ってこない。
    鈍く光る時計の文字盤だけが、朝が来た事を告げていた。

    手探りでライトをつけて、鏡をのぞくと、全身砂まみれの俺が映っていた。

    ・・・どうやら、軽い生き埋め状態だったらしい。

  • クーパーピディからのバスは夜11時発だった。<br />余裕を見て、10時半にバス停をかねたガソリンスタンドへ行くと、バス停は閉まっていた。<br />バス停のドアには、「11時オープン」のサインボードがかかっている。<br /><br />しまった!<br />すっかりこの国のルールを忘れていた!<br />時間自体がおおらかなこの国では、「余裕をみて・・」などという日本的な考え方は必要ない事を。<br />それが例え、バスであろうとも、<br /><br />日中とは打って変わって、冷たい砂漠の風がビョオビョオ吹きさらす中、俺はまたしても砂まみれで、今回は凍死の危険を考えていた。

    クーパーピディからのバスは夜11時発だった。
    余裕を見て、10時半にバス停をかねたガソリンスタンドへ行くと、バス停は閉まっていた。
    バス停のドアには、「11時オープン」のサインボードがかかっている。

    しまった!
    すっかりこの国のルールを忘れていた!
    時間自体がおおらかなこの国では、「余裕をみて・・」などという日本的な考え方は必要ない事を。
    それが例え、バスであろうとも、

    日中とは打って変わって、冷たい砂漠の風がビョオビョオ吹きさらす中、俺はまたしても砂まみれで、今回は凍死の危険を考えていた。

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