1994/03/30 - 1994/04/04
21位(同エリア44件中)
北風さん
オーストラリアの東海岸は、どこに行っても観光客で溢れていた。
これほど大自然が取り囲む環境で、自然を堪能するにはツアーに参加しなければならないのは何故だろう?
と、言うわけで、オーストラリアの南海岸アデレードから南113kmに浮かぶ島で、5日間程久々のキャンピングをする事にした。
その名も「カンガルー島」
期待通りに自然が一杯らしい。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 船
-
<Remarkable Rockにて>
大自然を満喫しようと、たどり着いたカンガルー島。
が、しかし、ここでも島内を巡るには(キャンプ可能区域に行くには)ツアーに参加しなければならなかった。
まぁ、国立公園だから仕方が無いかもしれない。
ツアーバスが最初に案内したのは、奇岩「Remarkable Rock」。
・・・うーん、この不思議大陸で、このスケールの石を観光名所にする時点で、この島の観光スケールがわかった気が・・・ -
<Seal Bayにて>
世界で唯一、野生のアザラシが見れる場所らしい。
・・・ニュージーランドでも見た気がしたが、まぁそれはおいといて、意外と近くまで寄れる所は楽しい! -
-
<Sheep Farmにて>
ものすごく頭のいい牧羊犬に急き立てられ、羊が帰ってきた。
羊は現在オーストラリアに、2億頭もいるらしい。
そしてその1/3が、年老いて使い物にならないとの事。 -
動物保護の国だけあって無差別に殺すわけにもいかず、この国の抱える大きな問題になっていた。
-
ガイドがツアー客を獣臭い小屋の中へと案内した。
ざわめく客達をかき分け、薄暗い部屋の中央に、ポパイのような筋肉で武装した小汚いおっちゃんとフサフサの羊が登場!
うぉっ!
ガイドの紹介が終わらぬ内に、おっちゃん、いきなり羊に背負いを仕掛けた!
「ミャーァァァ」(羊は驚くとメェーとは鳴かないらしい)と叫ぶ羊を、後ろからがっしり羽交い絞め!
何だ?
何事?
羊を使った護身術の講義? -
おっちゃんの右手にいつしかバリカンが握られていた!
つまり、これは「羊の毛刈り実演ショー」らしい。
見る見るうちに、羊が丸裸にされていく。
一頭3分もかからないとの事。
仕事が速い!
しかし、仕事の質は・・・
観光客の手前、張り切っているのだろうか?
羊の毛に血が混じっているのは、気のせいか?
羊もプロだった。
歯を食いしばって耐えている。
がんばれ!羊! -
旅日記
『キャンプ場は?』
キャング許可区域でバスを降りて、俺は既に4時間近くも歩いていた。
あの老婆は、「あそこなら、2時間ぐらい歩く事になるよ」と言っていたのだが、その時間はとうに過ぎている。
あの老婆の脚力は、カンガルー並なのだろうか?
空は、雲ひとつ無い晴天だった。
さえぎるものが無い直射日光が、地面を、そして俺自身を照らしている。
水が美味い!
と、いうか、水を補給しないとすぐに脱水症状が襲ってきそうだ。
しかし、最初にうちはずっしり重かったはずの水のボトルが、今では小指でもてるぐらいの重さになってきている。
つまり、もはや、手持ちの水も残り少ない事を意味していた。
「もしかして、このまま干からびて路上で朽ち果てるのでは?」という不安が陽炎のごとく立ち昇ってくる。
あまりの観光客の多さにうんざりして、この島で自然に浸りたいとは思っていたが、4時間近くも人っ子一人見ない状況になるなんて、考えもしなかった。 -
・・・5時間後、やっとキャンプ場にたどり着いた。
日は既に西に傾いている。
テントも張らなくてはならないのだが、最優先事項は他にあった。
俺は、雨水をためたドラム缶に首を突っ込み、馬並みに水分補給をしていた。 -
どうにか人心地ついて、辺りを見回すと、ただの空き地に便所用の掘ったて小屋と雨水を貯めたドラム缶一つしか存在していない。
ここは本当にキャンプ場?
しかし、ここがキャンプ場でなくても、もはや足が、身体が、心が動く事を拒否していた。
つまり、ここがどこであろうと、俺にとってのキャンプ場はここしかなかった。
キャンプ場で一番でかい木の下に目星をつけて、今日最後の移動を試みる。
この木の下にテントを張ろうと、バックパックを降ろすと・・・
何やら頭上でガサゴソと騒々しい音が!
あれはコアラなのか?
まるで、でかいセミの様に、なにげにコアラが木にはり付いている!
カメラを向けると、ものすごいスピードで登り始める。
日本のコアラは、ぬいぐるみと間違うほど微動だにしないものだったが、さすが野生!よく動く! -
おおっ!枝から枝へ飛んだ!
さらに、おしっこを漏らしながら!
コアラはアボリジニ語で、「水を飲まない」と言う意味らしいのだが、あれほどの水分が排出されるというのは、水以外にビールでも飲んでいるのだろうか? -
コアラも追い払った事だし、学生時代からバイク・ツーリングの友としてきた、メイドイン・ジャパンの「DUNLOP」テントを張らなければ!
このテント、背骨が1本のアルミなので軽量コンパクト!
(まぁ、それでも4時間以上も背負えば、俺の背骨の方は変形しそうだったが・・・)
しかも、完全自立型だから、疲れているときは短時間でシャキッ!と立ち上がってくれるのは助かる。
俺の隣にテントを張っていた現地の高校生カップルの女の子が、「ハイテク・ジャパン!」と誉めてくれた。
さぁ、日が暮れ出すとともに、どこからともなく聞こえてくる不気味なざわめき、怪しい鳴き声、カップルのいちゃつき・・・
泥のような眠りに引きずり込まれそうな疲労感を押さえつけて、今日初めての食事をしなければ!
・・・缶詰の・・・ -
<Flinders Chase National Park にて>
島に着いて3日目、あまりに自然すぎるキャンプ場は、遭難の危機がある事を学び、今日はちゃんと整備されたFlinders Chase National Park のキャンプ場に泊まる事にした。
管理事務所の横のテーブルでキャンプ許可証を待っていると、テーブルの上に何やら不可思議な動物が顔を乗せてきた。
馬面のウサギみたいな顔が、俺と対面しているシチュエーションだ。
・・・これがカンガルーなのか?
恥ずかしながら、この大陸に来てから実物に出会ったのは今日が初めてだ。
(東海岸はあまりに近代化されて、この国のシンボルにもなっているこの動物を見かけるのは、スーパーのミンチ売り場だけだった) -
それにしても、人に慣れている。
お手までする所は、日光猿軍団もびっくり。
試しに、スパゲッティを5本ほど与えてみた。
バクバク食べる。
あまりに急いで食べるので、鼻から1本逆流している。
この、吉本新喜劇の前座に出てくるようなお笑い動物が、本当にカンガルーなのか?
あっけにとられて見ている横で、別のカンガルーが俺のキャラメルをかっさらって行った。
しかも、右手でしっかりと握って!
まるでインドネシアのスリ並のすばやさだ。
泥棒猫ならぬ泥棒カンガルーが、3m程離れた所でいきなりキャラメルを食べ始めた。
しかもビニールの包装ごと!
何でも食べるというより、何も考えないで食べる動物なのか?
ここまで驚かせてくれたお礼のチップは、やはり、あのおなかの袋に入れるべきだろうか? -
とりあえず公園事務所で手続きを終えて、テントに戻ると・・・
俺のテントの周りは、動物たちの憩いの場所となっていた。
そこらじゅうでカンガルーが跳ね回っているのは何故?
俺のテントが気に入った? -
なんと、テントの日陰では・・・
何のためらいもなく、逃げる様子もなく、彼らがくつろいでいた。
多分、言葉が話せれば
「よう、遅かったな」
と、いうセルフが似合いそうな・・・ -
まるで自分の家のごとく俺の周りでくつろぐワラビーの群れ。
(カンガルーの小さいサイズはワラビーと言うらしい)
これが犬だったら、それほど違和感のない光景なのだが・・・
今まで番犬を飼った事は無かったが、この大陸で俺は生まれて初めて番カンガルーを飼うに至った。 -
テントに陣取るワラビーの中で、最もアグレッシブに物をねだる奴がいた。
どれぐらいアグレッシブかと言うと、無視して歩き去ろうとする俺のパンツに両手でぶら下がる程だ。
過去の思い出の中から、このワラビーの名前は「真美」となった。 -
この島は、名前通り、さすがにカンガルーが多かった。
観光客の周りで、そこら辺の藪の中で、ごそごそ跳ねている。
森の中で出会ったカンガルーは、野生のカンガルーらしく、しきりに俺を警戒していた。
ゆっくりと後ろ足で、ピョコピョコ跳ねている。
どうやら、立ち止まっている時は2本足らしいが、ゆっくり動く時はウサギと同じような動きになるらしい。
ちょっと、脅かしてみた。
びっくりしたらしく、後ろ足だけで跳ねる高速走行に移る前に、木の根につまずいてコケた。
・・・この動物、意外と間抜けかも・・・ -
旅日記
『カンガルーに惨敗した日』
早朝、俺はテントの周りに陣取る番カンガルーに留守番をお願いして、森の中を探検し始めた。
1時間も歩いただろうか?森の中で、一頭のカンガルーに出合った。
かなり大きい。立ち姿は、1m以上はあるだろう。
しかも、大阪ヤンキー張りのメンタンをきって、俺にガンをつけている。
おなかの袋の辺りがモソモソ動いているの所から察すると、子供連れで気が立っているのだろうか?
よく漫画に出てくるような、おなかの袋に入った子供カンガルー?
好奇心がむくむくと湧き上がる。
カメラを片手にソロリソロリとカンガルーに近づいてみた。
驚いた事にこのヤンキー・カンガルーは逃げるどころか、さらにシャキッと胸を張った。
それは、手を伸ばせばカンガルーに届きそうな距離になった時だった。
いきなりカンガルーが、しゃがみ込んだ俺の両肩を両手で「グワシッ」とわしづかみ!
「えっ」と思うまもなく、おもいっきり、つかんまれた両肩を揺さぶられる!
よく映画なんかで、気を失ったヒロインを助ける時の行為に似ている。違いは、両肩に食い込んだ爪が非常に痛い事ぐらいだろうか?
揺れる視界の中で、カンガルーがその巨大な尻尾を支えに、両足を浮かせたのが見えた。
時速60kmオーバーで走る原動力ともいえる筋肉が、「ギギギギッ」と折り曲げられる。
瞬間、カメラが吹っ飛ぶとともに、腹部にものすごい衝撃が!
息が詰まって九の字に曲がる俺の顔の前を、マシンガンのように何度も奴の足が往復していた。
つまり、俺はカンガルー・キックなるものを、食らっているのか?
逃れようにも両肩を捕まれた状態で身動きができない。
世界で2番目に毒が強いキングブラウンスネークや、人を一口で噛み千切るクロコダイルなど、おそろしく危険な動物が目白押しのこの国で、俺は現在、この国で最も平和的なキャラクターで売っている動物に、蹴り殺されようとしていた。
一つ学習した。
「野生は一味違う」 -
旅日記
『島の夜』
「ザッ、ザッ、ザッ」と、テントの周りで音がする。
・・・これは、カンガルーの飛び跳ねる音だろうか?
「ドサッ」
・・・これは、多分、コケた音だ。
これほど、多くの音がテントの周りで聞こえると言う事は、つまり、テントはカンガルーに包囲されているらしい。
そのうち、月明かりに照らされたテントの表面に、でかいアヒルのようなシルエットが浮かび上がる。
・・・これは、カンガルーと同様、後へ下がれない動物として、オーストラリアのシンボルにもなっている、飛べない鳥「エミュー」じゃないだろうか?
日頃スーパーで鶏肉の場所に並んでいる事を恨んで、人間に復讐でもするつもりなのか?
「ドガッ」と、エミュー・キックがテントを揺らす。
ダチョウよりすこし小さいだけで、鳥というにはあまりにも巨大な鳥の足蹴りは恐怖に値する。
急いで、反対側に身体を寄せると、テントの底がモコモコと盛り上がってきた。
・・・これは、ポッサム(ねずみの一種)なのか?
「ジーッ」と、音がこだまする。
音のするテント正面で、片手で器用にテントのファスナーを開けようとしている、カンガルーと目が合った。
ここの動物達は山賊か?
状況を分析すると、オーストラリアの中では比較的平和的な動物として知られている、動物達に俺のテントは襲われているらしい。
今、この国に来て、最も朝日を待ち焦がれている自分がいた。
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