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 黄山に比べたら武夷山はまだまだ知名度が劣るかもしれないが、こちらもれっきとした世界遺産の地。<br /> 杭州からのアクセスは費用とスケジュールの都合で、寝台列車に決定。杭州からは距離があるが、乗換えもなく、寝てる間に着くのだから、便利である。しかし、深夜の4時に武夷山市に到着した時、唖然とする。駅はメインストリートから離れているようで、駅前ガラーン。マックかどこかで時間をつぶすつもりが、街灯さえ乏しい。およそ世界遺産の観光地とは思えない真っ暗闇の寂しい光景にあっけなく目論見が崩れる。が、こんな時間であっても、客引きは駅前に集まっていて、わずかな客にハイエナのようにたかりまくる。しつこい、うざい、うさんくさい。ここにいてもずっと奴らがたかってくるので、さっさと駅前を離れることにする。幸い、連れに中国人がいたので、個人タクシーと値段交渉、予約していたユースホステルへ直行する。ユースホステルのオーナーは親切な人で、電話を入れたら、チェック・イン時間前でも迎え入れてくれた。<br /> 朝飯の後、武夷山景区へ。1日目は広大な景区内をトレッキングする。景区内バスで観光ポイントへ移動し、そこから徒歩で次の観光ポイントまでトレックするのだ。虎嘯岩景区から一線天景区、天心景区から水廉洞景区と一日中歩いた。健脚派には楽しいコースだった。連れがバテバテだったが、夏の日差しの中、大自然を満喫した。最後は夕立に降られてびしょ濡れになるというおまけ付きの1日だった。<br /> 2日目はメインの九曲渓下りと天游峰登山。まずは武夷山景区でも一番のスポット・天游峰。前日の疲れが溜まっていたらしい連れは、天游峰の険しい登山道に、早々にギブアップしてしまった。ここが一番景色がいいのに。仕方ないので、連れを下で待たせて、自分だけ登ることにする。登山と言っても、ほんの二百数十メートルなので、頂上まで時間がかかるわけではない。しかし、その登山道が急傾斜の階段なので、これを見た瞬間、あきらめる人も多いのだ。あきらめない人にはご褒美が。途中からは九曲渓の流れがパノラマで俯瞰でき、素晴らしい景観を眺めることができる。<br /> それから、景区内にある九曲渓筏下りのスタート地点、星村へ移動。そこで昼食を取る。武夷山はキノコ料理がおいしい。二日続けてキノコ山菜づくめの料理。だが、そんなおいしい料理をいただいた後に全然いただけない激マズの展開が待っていた。<br /> 筏を予約した時間に埠頭へ行ったものの、筏は6人でないと乗れないと言う。そんな情報は知らなかった5人の私たちは単独客が現れるのを待つハメに。が、そんなに都合よくいくはずがない。ツアー客はしっかり6人単位で入ってくる。1時間経っても待ちぼうけ。安全の問題かもしれないが、一人の客がいるかどうか調べるくらいしてくれてもいいじゃないか。加えて、仕事もせずに談笑ばかりしている連中が目の前に何人もいるのだ。そんな暇なら、一人いっしょに乗ってくれてもいいじゃないか。こっちはもうお金を払ってるんだ。交渉しても、ダメの一点張りで、態度も不遜。自分たちで何とかしろだと? 客に配慮する様子すら見せず、完全放置。困っている客もお構いなしに談笑を続ける。これには普段温厚な中国人の連れがキレた。彼は無意味に私たちを待たせるのを申し訳ないと思ったのだろう、一人で単独客を探しに行ってしまった。それを見て、私も黙っていられず、係員に言ってやった。お前らのその態度は何なんだ!と。・・・本当に運が良かった。1時間半ぐらい待ったところで、単独のイギリス人が現れたのだ。すぐに連れに電話して、何とか渓流下りに出発。気分は最悪だったが、渓流下りは最高だった。渓流下りを終えた頃にはすっかり気分も晴れていたが、あの待ち時間のせいで、完全にスケジュールが狂ってしまい、筏下り後に行う予定だった大王峰登山をあきらめざるを得なかったのが何とも心残り。<br /> でもまあ、筏下りが無事できたことで、よしとしよう。二人でずっと待っていた中国人カップルは乗れなかったかもしれないんだから・・・。<br /> ウーロン茶もおいしかったし、またいつか来ればいいか。山あり谷ありの武夷山強行突破はこれにて終了。おいしさと苦さを味わって、帰りの寝台列車に揺られたのでした。

武夷山強行突破!

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2010/08/29 - 2010/09/01

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ulysse

ulysseさん

 黄山に比べたら武夷山はまだまだ知名度が劣るかもしれないが、こちらもれっきとした世界遺産の地。
 杭州からのアクセスは費用とスケジュールの都合で、寝台列車に決定。杭州からは距離があるが、乗換えもなく、寝てる間に着くのだから、便利である。しかし、深夜の4時に武夷山市に到着した時、唖然とする。駅はメインストリートから離れているようで、駅前ガラーン。マックかどこかで時間をつぶすつもりが、街灯さえ乏しい。およそ世界遺産の観光地とは思えない真っ暗闇の寂しい光景にあっけなく目論見が崩れる。が、こんな時間であっても、客引きは駅前に集まっていて、わずかな客にハイエナのようにたかりまくる。しつこい、うざい、うさんくさい。ここにいてもずっと奴らがたかってくるので、さっさと駅前を離れることにする。幸い、連れに中国人がいたので、個人タクシーと値段交渉、予約していたユースホステルへ直行する。ユースホステルのオーナーは親切な人で、電話を入れたら、チェック・イン時間前でも迎え入れてくれた。
 朝飯の後、武夷山景区へ。1日目は広大な景区内をトレッキングする。景区内バスで観光ポイントへ移動し、そこから徒歩で次の観光ポイントまでトレックするのだ。虎嘯岩景区から一線天景区、天心景区から水廉洞景区と一日中歩いた。健脚派には楽しいコースだった。連れがバテバテだったが、夏の日差しの中、大自然を満喫した。最後は夕立に降られてびしょ濡れになるというおまけ付きの1日だった。
 2日目はメインの九曲渓下りと天游峰登山。まずは武夷山景区でも一番のスポット・天游峰。前日の疲れが溜まっていたらしい連れは、天游峰の険しい登山道に、早々にギブアップしてしまった。ここが一番景色がいいのに。仕方ないので、連れを下で待たせて、自分だけ登ることにする。登山と言っても、ほんの二百数十メートルなので、頂上まで時間がかかるわけではない。しかし、その登山道が急傾斜の階段なので、これを見た瞬間、あきらめる人も多いのだ。あきらめない人にはご褒美が。途中からは九曲渓の流れがパノラマで俯瞰でき、素晴らしい景観を眺めることができる。
 それから、景区内にある九曲渓筏下りのスタート地点、星村へ移動。そこで昼食を取る。武夷山はキノコ料理がおいしい。二日続けてキノコ山菜づくめの料理。だが、そんなおいしい料理をいただいた後に全然いただけない激マズの展開が待っていた。
 筏を予約した時間に埠頭へ行ったものの、筏は6人でないと乗れないと言う。そんな情報は知らなかった5人の私たちは単独客が現れるのを待つハメに。が、そんなに都合よくいくはずがない。ツアー客はしっかり6人単位で入ってくる。1時間経っても待ちぼうけ。安全の問題かもしれないが、一人の客がいるかどうか調べるくらいしてくれてもいいじゃないか。加えて、仕事もせずに談笑ばかりしている連中が目の前に何人もいるのだ。そんな暇なら、一人いっしょに乗ってくれてもいいじゃないか。こっちはもうお金を払ってるんだ。交渉しても、ダメの一点張りで、態度も不遜。自分たちで何とかしろだと? 客に配慮する様子すら見せず、完全放置。困っている客もお構いなしに談笑を続ける。これには普段温厚な中国人の連れがキレた。彼は無意味に私たちを待たせるのを申し訳ないと思ったのだろう、一人で単独客を探しに行ってしまった。それを見て、私も黙っていられず、係員に言ってやった。お前らのその態度は何なんだ!と。・・・本当に運が良かった。1時間半ぐらい待ったところで、単独のイギリス人が現れたのだ。すぐに連れに電話して、何とか渓流下りに出発。気分は最悪だったが、渓流下りは最高だった。渓流下りを終えた頃にはすっかり気分も晴れていたが、あの待ち時間のせいで、完全にスケジュールが狂ってしまい、筏下り後に行う予定だった大王峰登山をあきらめざるを得なかったのが何とも心残り。
 でもまあ、筏下りが無事できたことで、よしとしよう。二人でずっと待っていた中国人カップルは乗れなかったかもしれないんだから・・・。
 ウーロン茶もおいしかったし、またいつか来ればいいか。山あり谷ありの武夷山強行突破はこれにて終了。おいしさと苦さを味わって、帰りの寝台列車に揺られたのでした。

旅行の満足度
4.5
観光
5.0
同行者
友人
旅行の手配内容
個別手配

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  • 斬鉄剣だ。五衛門の仕業だ。巨大な岩の塊が切られたように割れている一線天。この隙間を通り抜けられるが、人の渋滞。

    斬鉄剣だ。五衛門の仕業だ。巨大な岩の塊が切られたように割れている一線天。この隙間を通り抜けられるが、人の渋滞。

  • 虎嘯岩景区。エキサイティング、下は崖。

    虎嘯岩景区。エキサイティング、下は崖。

  • トレッキング流香澗。

    トレッキング流香澗。

  • トレッキング章堂澗。

    トレッキング章堂澗。

  • 古崖居。昔々、あんなところに人が住んでいたそうな。

    古崖居。昔々、あんなところに人が住んでいたそうな。

  • 筏下りは6人乗り。何が何でも6人! 気をつけよう。

    筏下りは6人乗り。何が何でも6人! 気をつけよう。

  • 武夷精舎。朱子学で有名な朱熹がこの地で教えた。

    武夷精舎。朱子学で有名な朱熹がこの地で教えた。

  • 天游峰登山はこんな感じ。険しい階段を登らなければならない。

    天游峰登山はこんな感じ。険しい階段を登らなければならない。

  • でも、途中で、こんな景色を見られる。九曲渓、七曲付近。

    でも、途中で、こんな景色を見られる。九曲渓、七曲付近。

  • さてさて、筏下りの始まりでございます。八曲、その名も双乳峰。いやん。

    さてさて、筏下りの始まりでございます。八曲、その名も双乳峰。いやん。

  • こちらは七曲。正面に見えますのが天游峰でございます。

    こちらは七曲。正面に見えますのが天游峰でございます。

  • こちらは六曲付近でございます。

    こちらは六曲付近でございます。

  • 二曲付近、美しき玉女峰でございます。そろそろ筏下りも終わりでございます。

    二曲付近、美しき玉女峰でございます。そろそろ筏下りも終わりでございます。

  • 市内から見る武夷山景区。あちらに見えますのは三姑石でございます。

    市内から見る武夷山景区。あちらに見えますのは三姑石でございます。

  • お土産はやっぱり武夷岩茶でしょうか。少々苦みがあるウーロン茶で、大変おいしゅうございます。

    お土産はやっぱり武夷岩茶でしょうか。少々苦みがあるウーロン茶で、大変おいしゅうございます。

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