1995/11/24 - 1995/11/24
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yasyasさん
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ブル−マウンテン1日観光
三日目。朝八時、予約していたブル−マウンテン一日観光へ出発。今日に延ばしたかいあって空は雲一つない快晴で、絶好の行楽日和である。ピック・アップ・サ−ビスのミニバスに乗って観光バスのタ−ミナルになっているサ−キュラ・キ−まで行き、そこで大型バスに乗り換える。バスはモノレ−ルの走るダ−リング・ハ−バ−地区を通り抜け、ハイウェイに乗って郊外へと向かう。ブル−マウンテンは市中から西へ一〇〇キロほど離れた丘陵地帯で、グランド・キャニオンに似た峡谷や滝など変化に富んだ風景が見られる。でも高いところで千メ−トル前後で、山というよりも高原の感じである。
このバスには日本人の親子夫婦四人とブリスベンの大学で一年間の交換留学が終了したばかりという岡山出身の青年が乗り合わせている。親子カップルのほうは、以前シドニ−で半年の留学経験を持つという息子嫁の案内で来たそうで、現役の父親ともどもなんとか休暇を取り合わせて短い旅を楽しんでいるという。青年のほうはちょうど一年の留学が終わったところで、その暇を利用して周遊しているという。また、すぐ後ろの席には英国から来たという老夫婦が座っており、いま六十一日間の長期旅行中でアメリカ、ニュ−ジ−ランド、オ−ストラリア、ホンコンと回って帰るのだという。
一時間足らず走って、まずはワイルド・ライフ・パ−クに到着。すると、子供のコアラを抱いた少女レンジャ−がバスの中までやってきて歓迎の愛嬌をふりまく。ここはコアラ、カンガル−、ワラビ−、ウォンバット、フェアリ−ペンギンなど、オ−ストラリア特有の動物たちを集めた動物園なのである。ここでは四〇分の見学時間で、案内図を片手に早速コアラ舎のほうへ急ぐ。
コアラは幾つかの屋舎に分散されており、ユ−カリの木の枝にはぬいぐるみのようなコアラがじっととまって眠ったように動かない。コアラの実物を見るのは初めてだが、どの屋舎も胸の高さぐらいの囲いがあるだけで金網や窓もなく開放されているのには驚く。でも、どうして こんなにじっとうずくまって動かないのだろう。その様子を見ていると、こちらまでのんびりと怠惰な気分にさせられてしまう。バスの運転手が「コアラに触れるときには、背中を触って頭には決して触れてはいけまん。」と注意していたのだが、これでは手が届く心配もない。
コアラを抱かせてくれるらしいのだが、その時間が決まっているらしく所定の場所には係員の姿もコアラもいない。その後はカンガル−やウォンバットなどを見て回る。カンガル−の体躯は意外と小さく、飼い馴らされているのか人なつこく近寄って逃げようともしない。このパ−クはそれほど大きい規模ではなく、飼育されている動物も少ないようだ。日本人の観光団体も結構入園している。
バスは再びブル−マウンテンへ向けて走り出す。カトゥ−ンバの町にさしかかったところで昼食のための休憩である。ランチ付きのコ−スを選んだグル−プはレストランへ案内され、それがない親子カップルと私の五人だけが自前の昼食となる。そこで一緒に連れだち、近くの商店街へ出かけてこぢんまりしたレストランを見つけ昼食をとる。手頃なポテトサラダが並べてあるので、これとミルクでランチにしようとワンパックを注文すると、これは持ち帰りのみで店内では食べられないと厳しいことをいう。仕方なくテ−ブルに着いてメニュ−を見ると、まだ空いていないお腹にはどれも多すぎる感じなので、一番安いケ−キとミネルウォ−タ−を注文する。四人家族のみなさんは注文した肉料理を持て余し気味で、若い息子さんが頑張ってみんなの分の処理係を務めている。
腹ごしらえを終えた一行のバスはエコ−・ポイントへ向かい、そこでノコギリの歯のように三つ並んで切り立つスリ−・シスタ−ズという奇岩と対面。その後、スケ−ルの大きさではグランド・キャニオンにはかなわないが、それをほうふつさせるミニ・グランドキャニオンの大峡谷を眺めながら空中ケ−ブルやトロッコ列車の発着所に出る。ここでゆっくり時間を取り、みんなケ−ブルやトロッコに乗って峡谷の素晴らしい大景観を満喫する。
折角だから空中ケ−ブルのチケットを買って乗ってみる。谷底から三〇〇メ−トルほどの上空に張り渡されたケ−ブルにぶら下がって、ゴンドラは静かに進んでいく。ひやっとするスリルと眼下に広がるパノラマ大景観に、思わず「ワ−ッ、スゴ−イ!」と日本人乗客の歓声があがる。目前の断崖には二本の滝が白く長い糸を引いている。向こう側の断崖の上に上がれるのかと楽しみにしていると、ゴンドラはその手前で止まり再び引き返し始める。な〜んだ、ただ五〇〇メ−トルほどのケ−ブル上を折り返すだけなのだ。これには少し失望する。
一方のトロッコ列車は同じ場所から発車するのだが、これが世界で最も急傾斜といわれる斜面を走り下るもので、その車上から峡谷の景観を眺望しながら再び戻り上がって来ることになっている。このほうは遠慮して、今度は英国の老夫妻と森の道を抜けてスリ−・シスタ−ズの展望台へと足を向ける。歩き始めるとかなりの距離があるようなので途中の展望台まで行って断念する。
ここで夫妻の写真を撮ってやると、そのポ−ズのとり方がしゃれている。二人ともカメラのほうを向かず、峡谷のほうを向いてプロフィ−ルを見せるのである。いかにも自然のスナップを撮ってもらおうというその心憎いまでの演出に思わず微笑んでしまう。外国人ならではのしゃれた感覚で、このテクニックはイタダキものと心に決める。
その後バスはカトゥ−ンバの町を通り抜け、美しいブル−マウンテン一帯のなだらかな丘陵地帯を周回しながら帰路に着く。やがて視界いっぱいにのどかな果樹園が開けて来ると、アフタヌ−ンのティ−タイムを取るために近くのフル−ツ・ボウルで小休止する。小さなフル−ツショップなのだが、採れたての新鮮なオレンジ、モモ、リンゴなどや加工品を売っている。汗ばんで喉も渇いているので、早速一個ずつ買って試食してみる。モモは小つぶで日本のそれとは比較にならないが、ここのオレンジはなかなかうまい。そこでオレンジ二個を買い足し、今夜のデザ−ト用に持ち帰ることにする。
ここを最後にバスは市内に向けてひた走り、ハ−バ−・ブリッジを渡って帰着したのは午後六時である。夕食は昨夜の残りのチキンですませようと、それには欠かせない冷えたビ−ルを一本買って帰る。シャワ−を浴び、汗ばんだ下着の洗濯をすませ、さっぱりした気分になったところでチキンとビ−ルの夕食を始める。デザ−トはもちろんオレンジとリンゴである。テレビの天気予報を見ると、これから周遊する予定のブリスベン、ケアンズ、エア−ズロックの気温はすべて三〇度以上となっている。特にロックなどは四〇度近くもある。これでは春の気温から一気に真夏の世界へ移動することになり、明日からの旅が思いやられる。今日でシドニ−ともお別れだ。
(この続きはこちらへ⇒ http://yasy7.web.fc2.com/)
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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