2009/08/05 - 2009/09/07
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yokotsuさん
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アフガニスタンにて泊まった警察署で盗難に遭い、所持金不足となったため早めに物価の安いパキスタンへ戻ることになった。(すでに航空券は買えず、越境が許可されるか不明のまま陸路で国境をめざし、なんとかペシャワールに戻ってきた。)
残りの一ヶ月は、急遽、北西辺境州のチャトラール(Chitral)近郊にいる少数民族KALASH(カラーシャ)を訪れることにした。3つの谷(Bumburet、Rumbur、Birir)を全て見ることができた。(チャトラールからBumburet、BumburetからRumburは自転車で移動したのだが、悪路の山道は歩くよりも時間がかかった。)
とにかく、事前情報を入れて行かなかったので、イスラム教ではない彼らの暮らしぶりは新鮮であった。
KALASHの宗教は、イスラムやキリスト教などより束縛の少ない宗教で、日本の宗教観(宗教は文化の一部?)に近い印象を受けた。一神教だが、小さな神はいくつもあるそうで、冠婚葬祭などの祭事以外では、日常に祈ることもない。墓参りなどもしないそうだ。(墓場は荒れ放題で関心は薄いようだった。)
ムスリムと違って、自由恋愛だが性交渉は結婚後という意識が強く、そのためか、結婚年齢が年々低年齢化している。学生結婚も多い。晩婚化の進む日本とは逆の傾向である。
服装は、男性はパキスタンの国民服(シャルワール・カミーズ)を着ており、顔つきも含めて、チャトラール地方のムスリムと区別がつかない。
一方、女性の服装は鮮やかな刺繍がある民族衣装。頭にはシュシュという帽子を被っている。観光用などではなく、民族衣装を常に着て生活しているのだ。
若者の間には、まれに民族衣装+スカーフなど多少のアレンジは見られたが、幼い子供から老人まで全員が同じ民族衣装をまとっているのは不思議な光景だ。
顔つきは白人に近い人も多い。アレキサンダー大王が遠征したときの末裔という説があり(DNA的には異なる結論が出ているそうだ)、ギリシャのNGOなどが支援を行っている。20年以上現地に住む日本人わだ晶子さんが地元に根付いた支援・活動をされていて、同じ日本人として誇らしかった。
わりと教育は行き届いていて皆が国語(ウルードゥ語)も話せる。
KAJASHは、何十年も前から旅行者に人気があり、居心地の良さからバックパッカーが長期滞在してきた。それが近年、パキスタンの治安悪化で観光客が激減している。(KALASHはアフガニスタンとも隣接し、ヌーリスタン人の越境による事件も後を絶たない。)
そもそもツアーで来る客などはチャトラールからの日帰りで、地元にお金が落ちないのが現状だ。
谷には(多くの場所では)テレビや携帯電話の電波が入らない。この先、テレビや携帯電話が普及したら彼らの生活も変わっていくだろうか。ムスリムへの改宗も少しずつ進んでいる。
それでも頑なにKALASHであることに誇りを持っている人が実に多く、心強かった。
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