ヌサ・トゥンガラ諸島旅行記(ブログ) 一覧に戻る
冗談みたいに、海のど真ん中でヒッチハイクしたフェリーは、3時間ほどでフローレス島の港に滑り込んだ。<br /><br />そう、ここは『まだ』フローレス島だった。<br />目指すは、オーストラリアまでの飛行機があるティモール島。<br />しかも、今日は29日、インドネシアの観光VISAが切れるまであと1週間!<br /><br />急がなければ!

TIMOR (ティモール島)で不法滞在者となった理由 <バイバイ・インドネシア!>

9いいね!

1993/11/29 - 1993/12/07

17位(同エリア37件中)

0

7

北風

北風さん

冗談みたいに、海のど真ん中でヒッチハイクしたフェリーは、3時間ほどでフローレス島の港に滑り込んだ。

そう、ここは『まだ』フローレス島だった。
目指すは、オーストラリアまでの飛行機があるティモール島。
しかも、今日は29日、インドネシアの観光VISAが切れるまであと1週間!

急がなければ!

同行者
一人旅
交通手段
タクシー
  • <FLORES(フローレス島)><br /><br />冗談みたいに、海のど真ん中でヒッチハイクしたフェリーは、3時間ほどでフローレス島の港に滑り込んだ。<br /><br />港の側では、おばちゃんが洗濯しながらマンディ(沐浴)をしている。<br /><br />俺の事情とは裏腹に、周囲はいつもの様にのどかな時間が流れ始めた。

    <FLORES(フローレス島)>

    冗談みたいに、海のど真ん中でヒッチハイクしたフェリーは、3時間ほどでフローレス島の港に滑り込んだ。

    港の側では、おばちゃんが洗濯しながらマンディ(沐浴)をしている。

    俺の事情とは裏腹に、周囲はいつもの様にのどかな時間が流れ始めた。

  • 港の市場では、パイナップルの3倍程の大きさのジャックフルーツが山盛り売られていた。<br />さすがに朝からほとんど食べていない腹が、何か食べさせろと、ぐぅぐぅ うなっている。<br /><br />気がついたら、このとげとげの巨大フルーツを買っていた。<br />うわさでは、このフルーツが頭に落ちてくると即死するほど固いらしい。<br />確かに、ナイフもこじらなければ歯が立たなかった。<br /><br />果肉は、乾いていて歯ごたえがあった。<br />味は・・・<br />何と説明すればいいんだろう?<br />この味を。

    港の市場では、パイナップルの3倍程の大きさのジャックフルーツが山盛り売られていた。
    さすがに朝からほとんど食べていない腹が、何か食べさせろと、ぐぅぐぅ うなっている。

    気がついたら、このとげとげの巨大フルーツを買っていた。
    うわさでは、このフルーツが頭に落ちてくると即死するほど固いらしい。
    確かに、ナイフもこじらなければ歯が立たなかった。

    果肉は、乾いていて歯ごたえがあった。
    味は・・・
    何と説明すればいいんだろう?
    この味を。

  • ティモール島への国内線待ちの時間つぶしに、フローレス島に到着した次の日、ツアーで一緒だったドイツ人カップル2組に誘われて近くの無人島へ行く事になった。<br /><br />漁船と交渉して、US$10で船に乗り込む。

    ティモール島への国内線待ちの時間つぶしに、フローレス島に到着した次の日、ツアーで一緒だったドイツ人カップル2組に誘われて近くの無人島へ行く事になった。

    漁船と交渉して、US$10で船に乗り込む。

  • 船の行く手で海面がざわついていた。<br />よく見ると、カツオが跳ねている。<br />大群だ。<br /><br />そして、船の横を見ると、イルカが並走していた。<br />つまり、カツオを狙っているらしい。<br /><br />何の気なしに、普通の風景として映るカツオの大群にイルカのジャンプ。<br /><br />よく考えると、日本で暮らしている限り、TVの中でしか味わえなかった世界にリアルにいるんだなぁ。

    船の行く手で海面がざわついていた。
    よく見ると、カツオが跳ねている。
    大群だ。

    そして、船の横を見ると、イルカが並走していた。
    つまり、カツオを狙っているらしい。

    何の気なしに、普通の風景として映るカツオの大群にイルカのジャンプ。

    よく考えると、日本で暮らしている限り、TVの中でしか味わえなかった世界にリアルにいるんだなぁ。

  • 旅日記<br />『不法滞在者』<br /><br />1993年12月2日、フローレス島のラプハンバンジョーでは、1人の日本人があせっていた。<br />パスポートにおされたインドネシア入国日を、じっと見つめている。<br />入国日は、同年10月7日になっていた。<br /><br />インドネシアに上陸して、早3ヶ月が過ぎようとしていた。<br />日本人が観光VISAで滞在できる限界はちょうど3ヶ月。<br />つまり、あと3日でVISAがきれ不法滞在者の烙印が押される。<br /><br />島国のインドネシアを、この南の端に位置する島から脱出するには、もはや飛ぶしかなかった。<br /><br />頭の中で手順をイメージする。<br /><br />まず、隣の島「ティモール島」の国際空港まで、国内線で飛ぶ。<br />次に、その日のオーストラリア行きの飛行機に飛び乗る。<br /><br />口に出せば、なんとも簡単に思えていたのだが・・<br /><br />12月3日   7:00 エンダ発、ティモール島行きのチケット購入<br />      12:55 エンダ行きのバスに飛び乗る。<br /><br />12月4日  1:55 エンダ到着、深夜にホテルを探す。<br />      11:30  エンダ発、ティモール島行きの飛行機<br />          エンジントラブル!フライト・キャンセル!<br />     24:00  不法滞在決定!<br /><br />12月5日  7:00 マウメレ行きのバスに飛び乗る。<br />     13:00 マウメレ到着<br />     15:00  マウメレ発、ティモール島行きのチケット購入<br /><br />12月6日  13:45 マウメレ発ティモール島行きの飛行機に飛び乗る<br />     15:00 ティモール島のクパン到着。<br />      15:30 オーストラリア行きのチケット購入<br /><br />12月7日   8:00 期限切れのVISAを手に、飛行場へ<br /><br />手順は間違いなかったが、インドネシアの飛行機事情を考えてなかった。<br />結果、俺は不法滞在者として名乗りをあげる羽目になっている。

    旅日記
    『不法滞在者』

    1993年12月2日、フローレス島のラプハンバンジョーでは、1人の日本人があせっていた。
    パスポートにおされたインドネシア入国日を、じっと見つめている。
    入国日は、同年10月7日になっていた。

    インドネシアに上陸して、早3ヶ月が過ぎようとしていた。
    日本人が観光VISAで滞在できる限界はちょうど3ヶ月。
    つまり、あと3日でVISAがきれ不法滞在者の烙印が押される。

    島国のインドネシアを、この南の端に位置する島から脱出するには、もはや飛ぶしかなかった。

    頭の中で手順をイメージする。

    まず、隣の島「ティモール島」の国際空港まで、国内線で飛ぶ。
    次に、その日のオーストラリア行きの飛行機に飛び乗る。

    口に出せば、なんとも簡単に思えていたのだが・・

    12月3日  7:00 エンダ発、ティモール島行きのチケット購入
          12:55 エンダ行きのバスに飛び乗る。

    12月4日  1:55 エンダ到着、深夜にホテルを探す。
         11:30 エンダ発、ティモール島行きの飛行機
              エンジントラブル!フライト・キャンセル!
         24:00 不法滞在決定!

    12月5日  7:00 マウメレ行きのバスに飛び乗る。
         13:00 マウメレ到着
         15:00 マウメレ発、ティモール島行きのチケット購入

    12月6日 13:45 マウメレ発ティモール島行きの飛行機に飛び乗る
         15:00 ティモール島のクパン到着。
         15:30 オーストラリア行きのチケット購入

    12月7日  8:00 期限切れのVISAを手に、飛行場へ

    手順は間違いなかったが、インドネシアの飛行機事情を考えてなかった。
    結果、俺は不法滞在者として名乗りをあげる羽目になっている。

  • 旅日記<br /><br />バイバイ、インドネシア<br /><br />1歩1歩、空港のパスポート・コントロールのブースが近づく。<br />心臓は、なかなか盛大にポンピングを始めているが、勤めて平静を装う。<br />さりげなく、管理官にパスポートを手渡す。<br /><br />ここさえクリアできれば、このとてつもなく疲れる国を脱出できる。<br /><br />パスポートを見つめる管理官の目が止まった。<br />俺の心臓も一瞬停止する。<br /><br />顔を上げた管理官の表情を読んだ時、インドネシア最後の戦いの火蓋が切られた。<br />男の顔には、<br />「金持ち日本人の不法滞在者がやって来た!鴨がねぎ背負ってやって来た!」<br />と、書かれている。<br /><br />男の口元にしがみついている、もっさりとした口ひげが、<br />「ミスター、あなたは大きな問題を抱えていらっしゃるようだ。別室においで下さい」<br />と、踊った。

    旅日記

    バイバイ、インドネシア

    1歩1歩、空港のパスポート・コントロールのブースが近づく。
    心臓は、なかなか盛大にポンピングを始めているが、勤めて平静を装う。
    さりげなく、管理官にパスポートを手渡す。

    ここさえクリアできれば、このとてつもなく疲れる国を脱出できる。

    パスポートを見つめる管理官の目が止まった。
    俺の心臓も一瞬停止する。

    顔を上げた管理官の表情を読んだ時、インドネシア最後の戦いの火蓋が切られた。
    男の顔には、
    「金持ち日本人の不法滞在者がやって来た!鴨がねぎ背負ってやって来た!」
    と、書かれている。

    男の口元にしがみついている、もっさりとした口ひげが、
    「ミスター、あなたは大きな問題を抱えていらっしゃるようだ。別室においで下さい」
    と、踊った。

  • まるで、テレビの刑事ものに出てくる取調室そっくりの狭い部屋だった。<br />これまた、似合いすぎる薄暗い卓上ライトが、管理官の顔を照らしている。<br /><br />俺は、先程から10回以上は繰り返してきた台詞を、再び口にする。<br /><br />「だから、お宅の国が経営している飛行機が、不慮の事故で飛ばなかったせいでVISAの期限に間に合わなかったんだ!これは不可抗力だろう!見ろ、このキャンセルされたチケットを!俺は故意に不法滞在したわけじゃない!」<br /><br />管理官の言い分は相変わらず変わらない。<br />「どうであろうと、不法滞在の変わりは無い。このトラブルを解決するには、君の誠意を見せるしかない」<br /><br />・・・つまり、賄賂の要求だった!<br />しかも、500ドルと寝言を言っている。<br />実際、俺は現地の金で500円以外は、もう現金を持ってなかった。<br />現金以外はカードしかない。<br />しかも、昨日銀行でカードでお金をおろそうとした時、支店長らしき人物から「きれいなカードですね。で、そのプラスチックは何ですか?」との返事を頂いたばかりだ。<br />カードすら見た事が無いこんな田舎で、他にどうやって金を工面しろと言うんだろう?<br /><br />飛行機の搭乗時間まであと20分しかなかった。<br />勝負に出る時間だ。<br /><br />机の上に、現地の金500円と、日本の運転免許証を叩きつける。<br />「これは、日本大使館入出許可証だ。これ以上拘束すると、俺の日本大使館にいる友達にお前を訴えてやる。さぁ、カメラを出すから証拠写真を撮らせろ!」<br />(もちろん、俺に大使館員の友達などいないし、漢字で書かれた免許証を読めるもんなら、読んでみろ)<br /><br />それから、すぐに、管理官は仲間3人と一緒に戻ってきた。<br />俺の前で円陣を組んで、なにやら、ひそひそ話しを続けている。<br /><br />振り返った管理官が笑顔を浮かべて話だす。<br />「わかりました。今回は罰金500円で許します。以後こんな事の無いように!」<br /><br />インドネシア<br />・・・罰金が100分の1にまで値切れる国、政府の役人が白昼どうどうと賄賂をせびる島、<br /><br />白人が言っていた言葉を思い出す。<br />「インドネシアで野宿なんてやるわけないだろ。あそこには地球上で最も危ない動物がいるじゃないか!インドネシアンという!」<br /><br />

    まるで、テレビの刑事ものに出てくる取調室そっくりの狭い部屋だった。
    これまた、似合いすぎる薄暗い卓上ライトが、管理官の顔を照らしている。

    俺は、先程から10回以上は繰り返してきた台詞を、再び口にする。

    「だから、お宅の国が経営している飛行機が、不慮の事故で飛ばなかったせいでVISAの期限に間に合わなかったんだ!これは不可抗力だろう!見ろ、このキャンセルされたチケットを!俺は故意に不法滞在したわけじゃない!」

    管理官の言い分は相変わらず変わらない。
    「どうであろうと、不法滞在の変わりは無い。このトラブルを解決するには、君の誠意を見せるしかない」

    ・・・つまり、賄賂の要求だった!
    しかも、500ドルと寝言を言っている。
    実際、俺は現地の金で500円以外は、もう現金を持ってなかった。
    現金以外はカードしかない。
    しかも、昨日銀行でカードでお金をおろそうとした時、支店長らしき人物から「きれいなカードですね。で、そのプラスチックは何ですか?」との返事を頂いたばかりだ。
    カードすら見た事が無いこんな田舎で、他にどうやって金を工面しろと言うんだろう?

    飛行機の搭乗時間まであと20分しかなかった。
    勝負に出る時間だ。

    机の上に、現地の金500円と、日本の運転免許証を叩きつける。
    「これは、日本大使館入出許可証だ。これ以上拘束すると、俺の日本大使館にいる友達にお前を訴えてやる。さぁ、カメラを出すから証拠写真を撮らせろ!」
    (もちろん、俺に大使館員の友達などいないし、漢字で書かれた免許証を読めるもんなら、読んでみろ)

    それから、すぐに、管理官は仲間3人と一緒に戻ってきた。
    俺の前で円陣を組んで、なにやら、ひそひそ話しを続けている。

    振り返った管理官が笑顔を浮かべて話だす。
    「わかりました。今回は罰金500円で許します。以後こんな事の無いように!」

    インドネシア
    ・・・罰金が100分の1にまで値切れる国、政府の役人が白昼どうどうと賄賂をせびる島、

    白人が言っていた言葉を思い出す。
    「インドネシアで野宿なんてやるわけないだろ。あそこには地球上で最も危ない動物がいるじゃないか!インドネシアンという!」

この旅行記のタグ

9いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

インドネシアで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
インドネシア最安 294円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

インドネシアの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから海外旅行記(ブログ)を探す

PAGE TOP