1993/10/15 - 1993/10/24
41位(同エリア129件中)
北風さん
スマトラ島の西海岸、PADANG(パダン)から船で一晩かかる島「SIBERUT(シベルート)島」。
その島には未だにカレンダーもお金も知らない民族が住むと言う。
『未開の地への1週間に及ぶジャングル・トレッキング・ツアー』
この言葉に釣られたバックパッカーは、イギリス人、フランス人、オランダ人カップルと、好奇心満載の日本人の合計5人。
すごいツアーだった。
いやツアーというよりサバイバル・ゲームだったのかも・・・
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 船
-
ブキッティンギの安食堂で、地元のあんちゃんがなにやら早口にまくしたてる。
あんちゃんは、ツアーガイドでジャングル・トレッキング・ツアーのメンバーを集めているらしい。
横で聞き耳を立てていたツーリストが続々とテーブルに集まり出した。
普段、ツアーに関心が無い俺だが、ツアーの場所が妙に関心をそそる。
行き先は、スマトラ島の横に浮かぶ小島
「シベルート島」
なんと、そこに住む住民は、お金もカレンダーも持ってない未開の民らしい。
その小島を7日間ジャングルトレッキングするツアーと聞いた時、スマトラ島上陸で痛めつけられた好奇心がシャキッと背筋を伸ばした。 -
ツアー参加者は、イギリス人、フランス人、オランダ人カップルと少々くたびれた日本人の合計5人にガイド1人の構成だった。
未開の土地を1週間も探検するのに、ガイド1人?
もしかして、またインドネシアン・トリックに騙されたのでは?
一抹の不安を抱えた俺たちを、港で迎えていたのは、インドネシア上陸時に乗せられた船より、ほんの少し大きい船だった。
これで、1晩かけて島に向かうらしい。
うーん東南アジアに来てから、鉄の船に乗った記憶がないなぁ。 -
早朝、船は島の入り江に停泊していた。
朝飯もそこそこに、小型ボートに乗せられる。
行く手には、朝もやに包まれたシべルート島が浮かんでいた。 -
港では更に小さく老朽化した木造船に乗り換えるようにせかされる。
息もつかない展開にツーリストが我に帰ったのは、長く細いジャングルの川をかなり遡ってからの事だった。 -
水面下に何が潜んでいるのか想像させる茶色く濁った水の色、不気味に静まり返ったジャングルに船外機の音だけが響き渡る。
鳥の声さえもしない。
誰かがつぶやく、
「このジャングルは、死んでいるみたいだな」
2時間ほど遡ると川はもはや小川の様に細くなり、両岸の木々の枝が頭上を覆い尽くしていた。
無造作に板を組んだだけの川岸にボートが接岸。
ここから、トレッキングが始まるんだろうか?
しかし、猫の額ほどの平地以外は、緑の壁で囲まれているのだが? -
ジャングル放浪記 初日
「メディスン・マン」
とりあえず皆で輪になって携帯する食料を分け始めた時、フランス人ローレントの背後のジャングルが突然切り裂かれた。
オランダ人のカレンが悲鳴を上げる。
派手な登場もさることながら、
片手にはどでかい鉈(ナタ)!
しかも全身刺青!
そして腰には吹き矢!
さらにふんどし一枚!
と、何処から見ても只者じゃない!
日本であったなら、風呂上りの逆上したやくざ屋さんか、ただの変態と勘違いしたかもしれないが、このシチュエーションでは充分驚くに値する。
ガイドのエドが、バッグからタバコを1カートン出して男に近づいた。
なにやら、現地の言葉が交わされた後、エドが俺たちを振り返って説明しだした。
「現地のガイドの、MEDICINE MAN(メディスン・マン)だ」
電気も、お金も、近代設備も無いこの島における医者、それも呪文で治療する呪術師の事を、「メディスン・マン」と呼ぶらしい。
つまりエドは、この島では高貴なお方を安タバコ1カートンで1週間ガイドに雇ったわけだ。
物事は頭で理解しても身体がついていかない事が多々ある。
皆、笑顔を顔に張り付かせてはいるが、瞳孔はフルオープンのままだった。
皆の注目を浴びたメディスンマンが、いきなりふんどしの中に手を突っ込んだ。
バナナの葉を巻いた、ばかでかい葉巻を取り出し火打石で火をつける!
なんか、すごいぞ!この方は!
メディスン・マンが「付いて来い!」らしきジェスチャーをしてジャングルに向き直った。
と、登場した場所とは違うやぶに向かって、「ヒュン!」と鉈を振り下ろす。
・・つまり、俺達はジャングルの山道をトレッキングするわけではなく、トレッキングの為にジャングルを切り開いて進むらしい。
しかも、絶対怒らせたらいけないような方と・・ -
メディスン・マンに続いてジャングルに足を踏み入れた途端、俺達は一歩も動けなくなってしまった。
足元を見るとブーツが全て泥に埋まっている。
体重の関係で一番大きなオランダ人のヘルマンは、ひざから下は土の中だ。
なんて事だ!この地面は腐植土だ!
何100年もの植物の葉や木々が積もってできている。
これが本当の熱帯雨林のジャングルなのか!
30cm程埋まったブーツを引き抜いて、1歩1歩前へ進む。
かなりの体力を消耗する作業だ。
これで、1日どれほど距離が稼げるんだろう?
1時間程、進んだだろうか、ジャングルが開けてきた。
丸太が転がった道らしきものが見える。
ガイドのエドが、「メディスン・マンの子供だ」と、遠くの丸太を指差した。
子供が丸太の上を走っていた。
このままポリジョイ・サーカスにでも出場出来そうなほど見事なバランスだ。
あっという間に近づいてきた。
つまり、ジャングルがどれほど開けようと、人が歩ける道は丸太の直径分の幅しかないというわけらしい。
俺も真似して、丸太に飛び乗る!
「ズルッ」「べチャッ」「ズブ、ズブ」との不協和音を響かせながら、次の瞬間、泥に埋まった自分がいた。
つまり、この泥との戦いを避ける為には、バランス能力を必要とされるわけなのか? -
ジャングル放浪記 2日目
「一人立ち」
「バサッ、バサッ」と、メディスン・マンが振るう大鉈の音だけがジャングルにこだまする。
もう、かなりジャングルの奥地に入ったのではないだろうか?
川はその姿を見失ってから既に4時間は経っている。
昨日からメディスン・マンとその子供達以外の地元の人間に出会っていない。
本当にこの島は人が住んでいるんだろうか?
いつしか、メディスン・マンの大鉈以外の音が、遠くの緑の海から響きだした。
「ガッ、ガッ」と、鈍くこだまして来る。
メディスン・マンが口に手をあて、いきなり吼えた。
まるで狼の挨拶のように、遠くから同じ様に吼える声が聞こえてくる。
小さな山の谷間を下っていくと、少年が一人で斧を振るっていた。
12〜13才ぐらいに見える。
どうやら、少年は、ここに自分の家を建てている所らしかった。
斧1本で木を切り倒し、既に高床の骨組みは出来ている。
驚くべき事に釘など一つも見当たらない。全て木の皮で繋いでいる。
しかも、その床には、平たい板が半分ほど敷かれていた。
普通、切り倒した木を敷いたならば、いかだの様に床はでこぼこになるはずだが?
少年が、切り倒した木の底に斧を叩き込む!
亀裂が走った木の底の割れ目に、足をかけて力任せに引き裂くと、木は、裂きイカのように2つに分かれていた。
割かれた面は確かに平面だ。
こうやって、平板ができるらしい。
人は、いくらでもたくましくなれる事を目の辺りにした瞬間だった。 -
ジャングル放浪記 3日目
「難所」
エドが、今回のトレッキング中、最大の難所だと説明した山登りが始まった。
(もっとも、見渡す限り難所なのだが・・)
急勾配を2時間は登り続けただろうか?
休憩の時間を告げられひざをつくと、首筋にフランクフルト大のヒルがダイビング!
思わずうつむく目の前を、巨大なムカデが横断!
カレンは悲鳴と共に不気味なうつぼかずらの藪でもがいていた。
・・もはや、「驚く」という言葉は死語になっている。
なるほど、ジャングルで立ち止まると言う事は、それなりのリスクを伴うものらしい。
腕時計は昼の12時を示していた。
このジャングルではそれは、スコールの時間を意味する。
まもなく、雨音がすごい勢いで近づいてきた。
「バケツをひっくり返したような・・」とは、こういう豪雨の事ではないだろうか?
あっという間に、山道は激流を伴う川と化す。
登山は、既にサバイバル訓練に変わっていた。
急勾配を上から押し寄せる雨水に逆らって、両手を使って体を上に押し上げる。
ブーツが何度も滑って、その度に小さな土石流に顔が突っ込む。
既に口の中は泥だらけだ。
スコールはいつも2時には終わっている。
つまり、あと2時間はこの状態が続く。
・・今、顔の横を流されていったのは、黄色い蛇じゃなかっただろうか?
別名、「イエローマンバ」世界で2番目に強力な毒蛇。 -
皆が愛用した現地の傘は、巨大なバナナの葉だった。
イギリス人のエリオット以外は・・
彼はイギリスから愛用の傘を持ってきていた。
ジャングルに・・・ -
雨が止んだ。
本当に2時になると止まるのだから、この島の気候はガイドのエドとは比べようも無い程計画性がある。 -
あと少しで、今夜の宿泊地に到着するらしい。
よく足が動くと思う。
もはや、身体にへばりついたヒルなどどうでもいい。 -
ジャングル放浪記 4日目
「ボトム・レス」
歩行不可能な熱帯雨林の腐植土の為に、村人は村と村との間を細い丸太で繋げていた。
(もっとも。村と村の間は歩いて5〜6時間かかるのだが)
従って、俺達も山登り以外は1日中丸太の上を移動しなければならなかった。
このままバランスを磨けば、サーカスの熊とタメを張れるくらいに玉だって乗りこなせると思う。
ただし現状では、とてもじゃないが生まれてから鍛え上げている現地の人間並みというわけにはいかない。
雨で濡れた丸太が滑る!
泥まみれのブーツが更に滑る!
服は一日中ずぶ濡れ、下半身は泥まみれ、吸血ヒルのイヤリングが身体のあちこちからぶら下がっている。
あと少しで今夜の宿に着く手前には、小さな沼があった。
体力なんてとうの昔に使い果たした俺達が、その上に渡された丸太を渡れるわけがない。
レミング・フィーバーの様に次々に滑り落ちる。
俺も気がついていら沼に飛び込んでいた。 -
変だ!
身体を必死に動かして這い上がろうとするが1歩も進めない。
それどころか、ズブズブ沈みだした!
エドが笑いながら話し掛ける声が聞こえる。
「そこはボトム・レスだぞ」
「ボトム・レス」・・和訳すれば、底なし沼 -
ジャングルを進む事4日、今夜の宿は俺達のガイド、メディスン・マンの自宅だった。
この島では、メディスン・マンは高級職らしく、なかなか見事な高床式住居が行く手に見えてきた。
玄関先まで来ると、かなりの大きさだとわかる。
床下では貴重品の豚が6匹も遊んでいる。
そして、階段を上がると20畳ほどの薄暗い空間が広がっていた。
広い!
しかも、涼しく快適! -
全員座り込んで、持参のお茶なぞ飲み始める。
久しくないリラックスできるひと時だ。
薄暗がりに目が慣れて、壁を飾る装飾品が見える様になった。
途端にリラックス気分は緊張感に席を譲る。
・・装飾品は、全て骨だった。
牛やら豚やらわけもわからない骨が所狭しと飾られている。
真ん中でこちらを睨んでいる頭蓋骨は、本当に猿のものだろうか?
人の骨も乾燥させればあれぐらいに縮むと聞いた事がある。
メディスン・マンが、よく俺の頭をなでたり、触ったりする事が妙に気にかかるようになった。 -
皆で協議した結果、このメディスン・マンの家に2日程滞在する事に決定した。
連日の移動、移動で、さすがに体力の残っている者はいない。
そうと決まれば、きれい好きの日本人がする事は風呂と洗濯!
うれしい事に?ここでは、どちらも川に行けば事が足りる。
小川のなるたけ澄んだ所を選んで、得体の知れない虫や、泥がこびりついた服を全て洗った後、待ちに待ったシャンプーの時間だった。
石けんを頭にこすりつけて、川の流れに頭を突っ込む!
気持ちいい!このトレッキングが始まって初めての感覚だ!
と、その時、水の中にカレンの悲鳴が聞こえてきた。
水中に届くなんてよっぽどの事だ。
振り返ると、草むらでしりもちをついたカレンの側に、メディスン・マンが駆け寄っていた。
メディスン・マンが大鉈をカレンの方に振りかざす。
「ウィアァァァー」と叫びながら、草むらに振り下ろした!
何が起こったんだ? -
皆が全力疾走で泥に埋まりながら集まった時には、ジャングルは何事もなかったかのように静まり返っていた。
カレンによれば、草むらで用をたしていた時、しゃがんでいる場所から3m程の所でコブラが鎌首をもたげていたそうだ。
メディスン・マンがどうにか追い払ってくれた為、事なきを得たが、毒蛇がいる事など一言もエドから聞いた事はなかった。
皆がエドに「血清はあるのか?」と詰め寄る。
エドは、「そんな物は用意していないが、メディスン・マンが助けてくれる」と言い逃れる。
「まさか、呪文で治るとか言わないよな」との怒りを帯びた問いかけに、
「違う、メディスン・マンが蛇に噛まれた所を、毒が廻る前に切り取ってくれる」
との答えが返ってきた。
・・つまり、噛まれた所の肉を、あの大鉈で100g程えぐりとるわけか?
「それで、助かるのか?」との問いに、
「30%は助かる。残りは出血多量でアウトだ」と正直に答えられた時、以前旅行者が言っていた台詞を急に思い出した。
「物価の安い国は、命の値段も格安なんだぜ」 -
漁師が、魚を入れる魚篭(びく)の様な物が床に置かれていた。
なんと、中には鶏が入っている。
自家製の鳥かごだった。 -
この島に上陸して、もう5日目になる。
ガイドのエドの計算違いか、あまりの疲労に皆の食欲が増進したのかはわからないが、そろそろ手持ちの食料が心細くなってきた。
エドの提案で、このメディスン・マンの家に居候している間は現地の物を食べる事に皆が賛成する。
ところで、彼らの主食のあの白い粉は何だろう?
エドが隣で鶏がつついている木片を指差した。
・・それは、何処から見ても木以外の何物にも見えなかった。
よく見ると、床下の豚も木片をかじっている。
なんと、この島の住民の主食は、「サグー」と呼ばれる木だった!
では、この鶏も、あの豚も、そのメディスン・マンの子供がかじっているのも、同じ木なのか?
人として生まれてきて、今まで木を食べた事などあるわけも無かった。
果たして、俺の胃は、木を消化できるだろうか? -
ジャングル放浪記 5日目
「サグー・ツリー」
何処からともなく、上半身裸に腰みのだけをまとった女性が山ほどの竹を抱えて現れた。
メディスン・マン程ではないが、やはり刺青をされていらっしゃる。
集団で村を作る習慣がないこの部族で、この家を取り仕切る女性ならば、誰が説明しなくてもこの方がメディスン・マンの奥さんだと理解できた。
目の前でサグーが目一杯詰まった竹を部屋の隅にぶん投げると、きびすを返してまたジャングルへと消えて行く。
今日、俺たちが食べるサグーの用意をしてくれているみたいだ。
この竹筒のまま、火で焼いて中身を食べるらしい。
が、それにしてもたくましい!
メディスン・マンの盛り上がった筋肉もそうだが、木だけでこれほど力が出るものだろうか?
あまりの好奇心に竹筒から少し出してなめてみた。
味は無味無臭だ。
ついでに、メディスン・マンが朝食べ切れなかった、調理されたもの(ココナッツと混ぜて、砂糖をまぶしたもの)を口にすると、出来損ないのきなこ餅の味がした。
・・意外といけるかもしれない。 -
<サグー加工工場>
切り倒したサグーをここで水につけ、ふやけた状態で
天日で乾かすと、ボロボロの粉上になるらしい。 -
ジャングル放浪記
「儀式」
ぎらつく太陽が緑の海に沈むと、夜の帳がジャングルを覆い尽くし始めた。
ほとんど壁がないこの高床式住居の中には、いろんな獣の声が飛び込んでくる。
メディスン・マンの奥さんが忙しそうに、かがり火を点けて廻っている。
今日は特別な夜だった。
ここに、悪霊に取り付かれた男が運ばれてくるという。
メディスン・マン見習らしき若者も、夕暮れ時よりなにやら準備をしていた。
忍び寄る足音など誰も聞いていなかったはずなのに、いつしか、かがり火に何人もの男が照らし出されていた。
ぐったりした男を火の正面に据えて、10人ほどの男が車座に座る。
メディスン・マンの呪文がジャングルに響き渡り始める。
火に油のようなものをふりかけながら、メディスン・マンが踊り始めた。
大きく膨らむ炎、男達のうなり声、太鼓のリズム、全てが現実の光景とは思えない。
どれぐらいの時がたったんだろう?
炎が一段と大きくなった時、ぐったりした男が叫び声をあげて背後に倒れこんだ。
男達のうなり声が止まる。
メディスン・マンは倒れた男に、油をふりかけていた。
これが儀式の終わりを意味したらしい。
男達は家の中へと引き上げて行った。 -
さて、家の中ではメディスン・マンの奥さんが踊っていた。
しかし、こちらは儀式の後の宴会の準備で走り回っていただけだが。
謝礼と言う制度は、この島ではごちそうを持ち寄る事を意味するらしく、男達はメディスン・マンの為に様々な食べ物を持ってきていた。
俺達はメディスン・マンのお客と言う事で一応VIP扱いらしい。
男達が、一緒に食べるように手招きをしてくれた。
宴会が始まり、男達の腰にぶら下がっていたひょうたんから、白く濁った液体がまわされてくる。
多分、酒の類に違いない。しかし、このジャングルでアルコールに発酵する方法と言えば、果実を口に含んで吐き出す方法市か考えられない。
・・飲むか?それとも、茶色く濁った川の水を飲むか?
ウィルス満杯の川の水より、生存できる可能性が高い酒を選ぶしかなかった。
そして、つまみは・・
ゆでたカブトムシの幼虫らしき芋虫だった。
エドが、「エビだ!これはエビなんだ!」と言って口に放り込む。
その後、同じ言葉をつぶやいた俺の喉を、ジャングル産の海老が通り過ぎていった。
そして、メイン・ディッシュの時間、竹で編んだざるには、よく見た事がある動物の腕がのっていた。
・・猿の腕だった。
しかし、毛を剃って茹で上げたその小さい腕は、どう見ても人間の物とイメージが重なる。
おまけに猿だとしても、ご先祖様だ。
さすがに、皆うつむいている。
エドが説明するには、猿はこの島では貴重品であり、この島ではいかに多くの猿を持っているかが地位を決定するとの事。
つまり、「金持ち」ならぬ「猿持ち」が偉いらしい。
が、しかし、共食いだけはしたくない!
俺達は、死ぬ気で謝り、謝罪のタバコを手渡した。
一時は、招待の席でご馳走を断るという非礼で静まり返った場が再び賑わいだした。
最後の料理が竹細工でできた鳥かごに入って登場する。
男達がかごの下にすばやく手を入れ、なにやら黒くカサカサ動くものをばりばり噛み砕き始める。
口もとが炎に照らされた時、その正体を知った。
・・それは、日本のゴキブリに非常に似た昆虫だった。
無理だ!それは無理だろう。 -
<メディスン・マンについて>
この島の人々にとって、メディスン・マンは、医者であり、宗教指導者であり、相談役でもあった。
若いメディスン・マン見習に出会った日、彼らの修行について聞く事が出来た。
なんと、メディスン・マンになる為には、専門の教育を受ける為に、幼い頃から、メディスン・マン養成学校なる所に入らなければならないらしい。
確かに様々な宗教儀式、呪文、踊りを会得するにはかなりの日数がいると思うが、まさか養成機関のようなものがあるとは!
全ての教育を受け、皆にメディスン・マンと認められた時、初めてメディスン・マン専用の刺青を入れられるらしい。
世界中に近代化の波が押し寄せる現代、若いメディスン・マンの腕に巻かれた時計が、ここの閉ざされた世界の寿命が短い事を物語っていた。
いつしか、足を骨折しただけで、死を意味するジャングルでの生活が変わるだろう。
もし、あの時計を本来の意味で使う日が来たなら、カレンダーを持たないこの島の人間に、
「いつ生まれたんだ?」と聞いた時、
「満月の日だ」と、今のような答えは返ってこないだろうなぁ。 -
フランス人で画家のローレンスが描いてくれた、あの日あの刻。
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