2009/10/07 - 2009/10/08
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シュンスケさん
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2009年の国慶節、今年は中秋節と休みがつながって11連休に。学生時代からいつかは行ってみたかったフィリピンのコルディレラ山脈にある、イフガオの棚田を見に行った後、マニラから四川省の涼山まで一気に飛んで彝族の友人の結婚式に出席してきた。
旅の最後は中国での故郷、昆明。僕は大学を休学して旅をしていた2000年の10月から2001年の7月まで、ここ昆明で中国語を勉強していました。旅の途中に昆明に立ち寄り、一か月ほど中国語を勉強するつもりで学校に通い始めたのだけど、その後いろいろあって結局9カ月ほどの昆明に滞在。9年が経った今振り返ってみると、その後の人生を決定づけた僕の人生の中で一番大きなターニングポイントだったんです。
今回の訪問は2003年以来6年ぶり。大きく変わっているであろう街と人を見てみたい気持ちと、変わってしまったものを見る怖い気持ち。そんな二つの気持ちの間で揺れた昆明再訪でした。
そんな昆明でのミッションはこちら!って食べることだけなんだけど、昆明にはあるのに南寧にないものって本当に多くて、これが楽しみの一つだったんです。
①アールクワイを食べる
②土豆餅を食べる
③焼餅を食べる
【全日程】
□10/1
*CZ3295 南寧 8:00 ⇒ 広州 9:00(NW特典)
*CZ397 広州 11:40 ⇒ マニラ 13:55(NW特典)
マニラ ⇒(バス/車中泊)
□10/2 イフガオ観光、棚田を満喫(バナウェ泊)
□10/3 イフガオ観光、夜行バスでマニラへ(車中泊)
□10/4
*CZ398 マニラ 14:55 ⇒ 広州 17:15(NW特典)
*CZ3377 広州 20:15 ⇒ 成都 22:00(NW特典)
□10/5
*CA4467 成都 8:00 ⇒ 西昌 8:50
□10/6 西昌 ⇒(鉄道/車中泊)
■10/7 昆明
■10/8 昆明 ⇒(鉄道/車中泊)
□10/9 ⇒ 南寧
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 航空会社
- 中国南方航空
-
列車は8時過ぎに昆明に到着。駅に近づくに連れて見覚えのある景色がちらほら視界の中に入ってきて、懐かしさで涙が出そうになってきた。来る前まではそれほど意識していなかったのに、やっぱり現実にこうして足を踏み入れるといろいろな思い出が蘇ってくる。
昆明の駅を降りると、古ぼけた駅舎だったのがすっかり様変わりをしていた。なんか懐かしさもふっとぶなー。 -
ホテルをどうしようかなーと考えていると、列車の中で会った上海からの二人組に「安いところあるらしいよ」と誘われ、客引きについていくことに。
誘われついていくと駅前の「春城路」のところに80元でこんな部屋が。こりゃいい。 -
翌日の夜に昆明を出発する予定のためこの日はゆっくり昆明の変わった様子を眺めようと思っていたのだけれど、駅の近くで捕まった上海からの二人組といっしょに昆明近郊の名所、西山に行くことに。
昆明の南にに滇池(Dianchi)という大きな池があって、そこのほとりの岩山が西山森林公園となっている。一時間ほどバスに乗ると、入口に着いた。入口でさっそくうずらの卵を購入。しょうゆベースの味付けでゆでてあって、これがうまいうまい。 -
入口からさらにバスに乗り、1333段の階段があるという道を登り龍門という石窟を目指す。バスを降りて今度は参道のような道を歩いていくと、ひまわりの種というかひまわり自身が売っていた。ひまわりの種を炒めた「香瓜子」を食べるのはよくあるけど、ひまわりごと売っているのはさすが雲南だなあ。
これでひとつ4元。興味本位で買ってみたものの、炒めていない生の瓜子はおいしくない。持ち運びにも一苦労だし、大失敗。 -
ひたすら階段を上っていくと…
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南国雲南は花が色鮮やかだ。
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石段を登ること20分でようやく龍門に到着。断崖絶壁をくりぬいてつくってあって、なかなか迫力がある。こういうときに18mmの広角レンズがないのが痛い。断崖絶壁感が伝わらないなあ。
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こっちの仏さまはとにかくキンキラキン。
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ここは湖面からの高さ300mほどの断崖絶壁。もちろんショベルカーなんてない時代にどうやって岩を掘っていったんだろう。300mの断崖だけに、ここから見えるDianchiはなかなかいい眺めだ。それが遠くからだからこそいい眺めだということに後で気がつくことになる。
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絶景に二人組も大はしゃぎ。
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龍門までたどりつくと、そこが道教のお寺になっていた。ガイドの話を盗み聞きしたところ、1781年から1853年にかけてここの寺院群が彫られていったらしい。
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岩肌に彫られた文字が見事だ。
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このあと、一番上まで登ってそこからリフトで降りていく。このDianchiは地元の人によると80年代前半までは泳げるくらいの池だったそうだ。今では富栄養化のため藻が繁茂してとんでもないことになっている。
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このあたりで再びお腹がすいてきた。香ばしいにおいがする方向へ歩いて行くと、あげジャガイモがあった。雲南のジャガイモはねっとりしている上、甘みがあって信じられないくらいおいしい。これもジャガイモを揚げてちょっと辛いソースをかけて食べるだけなんだけど、感動するほどおいしかった。
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さらにリフトにのって下り、Dianchi湖畔にたどりつく。中国三大汚染湖沼なんていう不名誉な称号を与えられているらしいけど、これを見てそれも納得する。
留学時代も間近で見たことがなかったけど、富栄養化もここまで進むと驚きを通り越して感動すら覚えてくるな。日本の円借款も使われて湖水浄化が進められているようだけど、ここまでひどくなったものが回復するのだろうか。 -
近くによると、ドブ川のにおいがする。こんな湖でも市民の憩いの場所になっていて、公園は入場料をとり湖畔では親子づれがくつろいでいた。この女の子は湖や池がこういうものだって認識しながら大人になっていくのかな?それはなんだかとっても悲しい。
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そして、湖畔には別荘が立ち並ぶ。こんなところに住みたがるやつがいるのかと思ったら、一緒に行った上海人二人は「湖畔でいい環境だよねー」とのこと。
大気、水、土。この国は使えるものは使い尽くし、汚せるものは汚しつくしてきた。この感覚を持っている13億人の意識を少しでも改善しないと、地球は大変なことになるんじゃないか。こんな悪臭放つ湖畔でくつろいでいる親子を見て、ちょっと怖くなった。それに比べると日本の自然条件はやっぱり恵まれてるよね。 -
ふと陸のほうを見ると、きれいな花が咲いていた。ここ昆明は標高1,900m。一年中春のような気候で「春城」と呼ばれていて花き栽培が盛んだ。Dianchiの水に絶望感を覚えていた矢先にこの花を見て、なんかちょっと救われた気がした。
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夜は二人組と今が旬の雲南のキノコを味わいにキノコ鍋の店に出かける。
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だけど、あまりにおいしかったんで写真撮ることなんてすっかり忘れていた。はい、すんません。いやむしろそれが健全な食事の姿だろ。
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こちらもキノコ。んまい♪
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じゃーん!こちらが僕の一番のおススメ雲南名物土豆餅<トゥートウピン>。もっちもちのジャガイモがカリッと揚げられていて、ビールにぴったり。そして食べだすとこれが止まらない!
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翌日も懐かしい食べ物で朝が始まった。二日に一回は朝食に食べていた焼餅<シャオピン>。なぜか隣の省都、南寧ではまったく見ないんだよなあ。ま、隣と言っても1,000km離れているから仕方ないか。
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昆明二日目はいよいよ雲南民族学院へ。昆明も中国のほかの町と同じで郊外にどんどん新しいマンションが建っている。そうそう、昆明のバスは緑色だったっけ。懐かしいなあ。
もっちもちのジャガイモ、このバスの緑。どんどん昔の思い出と目の前に広がる光景がリンクしていく。なんか思い出を解きほぐしていくキーワードが"味覚"と"色"のような気がする。 -
街のメインロード、東風西路にこんなトンネルができていた。これにはびっくり!こりゃ、まるで銀座じゃないか。ちょうど雲南省博物館のあたりで、昔はこの一歩裏手に回族のおじちゃんたちが羊肉を焼く古い町並みが残っていて趣があったなあ。
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昼は昆明在住のつちしたさん、そしてナオコさんとナオコさんが経営するサルバドールカフェで昼ごはんを一緒する。つちしたさんは花のスペシャリスト。農業と林業、同じ土をいじる仕事をしていることもあって仕事のことから中国での生き方まで話がどんどん広がっていった。土に造詣が深く、技術的な点が弱い僕からすると、こういう方が隣の省で働かれているのはとても励みになる。
ナオコさんは昆明でこのカフェを共同経営する傍ら針きゅうマッサージ師として活躍されている。話をうかがっているとどうやら僕が昆明にいた時期に昆明にいたらしく、どっしりこの街に根ざしている。留学、現地採用、駐在。同じ中国で暮らしていくにもいろいろな形があるけれど、やっぱりここでの生活を楽しんでいかないと意味がない。そして楽しむためには自分が立ち止まっていてはだめなんだろうな。そんな刺激をお二人からもらったランチだった。
大きな国で: http://blog.livedoor.jp/touxia/
Salvador Cafe@Kunming: http://www.salvadors.cn/
ちなみにサルバドールカフェ、つなぎを一切使っていないとのハンバーガーがめちゃくちゃおいしかった。その上、雲南コーヒーがお代わり自由で、もちろんデザートのクリームチーズケーキもばっちり。こんなカフェが留学中にあったら入り浸っていたなあ。こりゃ、サルバドール南寧店を開くしかないだろ。 -
このサルバドールカフェがある文林街は大学が集まっているところにあって、2000年当時からカフェが集まるおしゃれスポットだった。
店を出て少し歩くと、フレンチカフェを発見!留学時代からあった老舗のカフェ。学校の近くにあったこのフレンチカフェのケーキを食べるのが一番のぜいたくだったなあ。ちょっと場所が変わっていたけれど、「蘭白紅」の文字も変わってない。 -
そしていよいよ懐かしの雲南民族学院に到着。名前が民族大学に変わってしまったけど、正門は僕がいたころとまったく変わっていなかった。気が付いたら午前中は曇っていた空に青空が見えてきた。ここは標高1,900m、やっぱり昆明の日差しは強烈だ。
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正門からまっすぐ校舎を望む。心なしか木が大きくなっている気がする。って、あたりまえか。
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なつかしのバスケットコート。よくここで放課後サッカーをやったなあ。たしかバスケットゴールの土台のところがゴールだった。
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9ヶ月間、中国語を学んだ校舎。ちょっとじめっとして薄暗いところとかまったく変わっていない。休み期間中だったので誰もいなかったけど、事務所にいた人の話によると来年あたり校舎が新しくなるとか。これで見納めかな。
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学校の脇の道端で果物を売っていたおっちゃん。ヒゲにテンガロンハット、渋いぜ。
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そして昆明最後の思い出に、留学当時お気に入りだった"アールクワイ"を食べる。このアールクワイ、もち米を薄く延ばしてクレープみたいにしたものを火であぶり、甘いたれか辛いたれをつけて揚げパンを挟んで食べる。僕のチョイスはいつも甘いたれ。これがめちゃくちゃうまいんだ。
雲南名物として知られている過橋米線は、はっきり言って中国どこでも、いや日本でもおいしいものが食べられる。だけど、このアールクワイは雲南以外で見たことがない。そして南寧ではみんな名前すら知らない。そんな僕の心の中のナンバーワンの雲南名物、アールクワイを食べられて、大満足。
これでめでたくミッションコンプリート。 -
ミッションをすべてこなし大満足したあとは、夕方の列車で南寧に帰る。
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フィリピン、涼山、昆明。三か所を8日間で満喫して、この日の夜行列車で南寧に到着。レンズフィルターを割って、携帯なくして、スーツもダメにしてしまった旅行だったけど、イフガオでDavidの優しさに助けられて、涼山では結婚を祝えて、昆明では新たな刺激もあった。ダメにしたものも大きかったけど、得たもののほうが大きかったな。
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