その他の都市旅行記(ブログ) 一覧に戻る
サナアの空は、飛行機がよく舞った。とはいえ旅客機と戦闘機では、音も違えば影も違う。<br />薄い影を落とし、静かに飛んでいく飛行機が前者であることになんとなくほっとしつつ<br />「あ」と、思わず空を指差す。<br />「…イエメニア航空」<br /><br />行程中、4日目に砂漠地帯へ行く予定だったわたしたち。<br />直前になって予定していたフェリックス航空が日帰りフライトをとりやめた。<br />(国内線は、週に数本しか飛んでいない航路も多いのだ)<br />日帰りで行けるようフライトを飛ばしている「イエメニア航空」という航空会社もあるのだが、スケジュールが不安定なので、1泊してフェリックスで行くことをお勧めする、というのが添乗員の立花さんの意見だった。<br />そのときのわたしは何も知らず、「折角なのに日帰りも勿体無いので、じゃあ1泊の方で」とジャッジをしていたのだが、イエメンに入ってから、このイエメニア航空、危険だということを知った。ついこの間も、落ちたという。<br />在イエメン日本人たちが、イエメニア航空を見るたびに苦笑しているのでわけを聞くと<br />みんな、こう口を揃えるのだった。「アルカイダも、怖がって乗らない」<br /><br />だいたい、「その国の名前」を冠している航空会社は、大抵ダメである。<br />インドへ行ったときも、渡航時間が短く直行の某航空会社を希望していたのだが、旅行代理店のお兄さんに「うーん、おそらく経由で他の航空会社のほうが、結果的に早く着くと思います」と煮え切らないことを言われ従ったのだが、たしかに実際、12時間前に発っているはずのその某航空会社の「Delay」表示を横目に日本へ帰ったことを覚えている。<br /><br />さておき。2日目も6時には起きて、7時には出発した。<br />前日、時差狂いに加え、真夜中までマサさんに誘われ国連や国際機関の方々の集まるホームパーティーへ行っていたので、もはや何時間起きていたのかよくわからない。<br />おかげで、観光客が早朝に飛び起きるという「アザーン」(1日3回、町中のモスクから拡声器で爆音のお祈りが町中に流される)にも起きない爆睡っぷり。<br /><br />中庭でパンとチーズ、ヨーグルトにバナナの定番の朝食をとり、いざ出発。<br />山岳地帯はシャハラという絶景の場所を予定していたのだが、ここにきての北部の紛争激化で「マフウィート」という、天空の町の異名を取る地に変更をしていた。<br />マフウィートまで120kmの間に、いくつか小さな村を回って寄り道することになっていた。<br />北部では誰にも実態のわからない大事が起こっているのに、平和すぎるサナアの朝。<br />不穏を醸すのは子どもたちのビービー弾と、上空の戦闘機の音。<br />どちらも、溶け込んで慣れてしまいそうな自分が怖かった。<br /><br />TOYOTAのランドクルーザーに乗り込む。東ティモールのときと同じだ。<br />「トヨタ車かよ」とつぶやいたのだが、この1泊2日の山岳旅行で、ランクルは“こういう道”を走るために在るのだということと、イエメン人がトヨタの3文字で日本を尊敬する理由をいやというほど思い知ることになる。<br /><br />まず向かったのは、観光地中の観光地「ロックパレス」。<br /><br />イマームという、町ごとに存在するイスラム教の権威の人物の家だというのだが、これが切り立った岩の上にドカーンと作ってある。<br />「ありえねーーーーーー」の合唱のわたしたち。<br />が、こんなことであり得ないと言っていてはキリがないことを後に知る。<br />(当然だが別に趣味で作っているわけではなく、外敵の攻撃を防ぐために、オスマントルコの侵略時代に高い岩の上に村や建造物をつくる技術が発達したのだそうだ。)<br /><br />「さあ、中へ入りましょう!」チケットを手にしたガイドを見て、「げっ」という言葉を飲み込む。<br />何せわたしは、1)寺 2)城 3)美術館 旅において、この3つがとても苦手である。<br />なんかあの、その国の雰囲気に合致しない、「ガイジン様、どうぞ薀蓄垂れながら見てクダサイ」というテンションの「展示物」というものがなんだか萎えるのである。<br />じゃあ何をしに海外旅行へ行くんだ、とよく呆れられるのだが、人の生活のような「ナマモノ」と、時とともに変化する「ミズモノ」を見るから旅は楽しいんだと思っている。<br />建造物なんて、外側から見るだけで十分なのだ。…が、まあ、一応ね。<br />こうして3000mに肉薄する高地のなか、階段を昇りつづけて「ぜぇ、ぜぇ」となりながら(高地トレーニングかよ)、止まっては水を飲みながら(もはや高山病寸前)、フロアごとにロックパレスのなかを見学したのだが、やはりわたしの琴線に触れるものはほぼなかった。<br /><br />おもしろかったのは、ロックパレスを出たところで男性陣が踊っていたジャンビアダンス。<br />祝事や結婚式などで、正装の刀を抜いて丸くなって踊るのである。現代ではこの儀式が刀の主な使い道で、決闘とかするために刀を提げているわけではしない。あしからず。<br /><br />つづきと写真はこちらから<br />http://www.junkstage.com/world/yuu/?cat=20

■ロックパレスで高地トレーニング

4いいね!

2009/09 - 2009/09

47位(同エリア92件中)

0

0

ユウ

ユウさん

サナアの空は、飛行機がよく舞った。とはいえ旅客機と戦闘機では、音も違えば影も違う。
薄い影を落とし、静かに飛んでいく飛行機が前者であることになんとなくほっとしつつ
「あ」と、思わず空を指差す。
「…イエメニア航空」

行程中、4日目に砂漠地帯へ行く予定だったわたしたち。
直前になって予定していたフェリックス航空が日帰りフライトをとりやめた。
(国内線は、週に数本しか飛んでいない航路も多いのだ)
日帰りで行けるようフライトを飛ばしている「イエメニア航空」という航空会社もあるのだが、スケジュールが不安定なので、1泊してフェリックスで行くことをお勧めする、というのが添乗員の立花さんの意見だった。
そのときのわたしは何も知らず、「折角なのに日帰りも勿体無いので、じゃあ1泊の方で」とジャッジをしていたのだが、イエメンに入ってから、このイエメニア航空、危険だということを知った。ついこの間も、落ちたという。
在イエメン日本人たちが、イエメニア航空を見るたびに苦笑しているのでわけを聞くと
みんな、こう口を揃えるのだった。「アルカイダも、怖がって乗らない」

だいたい、「その国の名前」を冠している航空会社は、大抵ダメである。
インドへ行ったときも、渡航時間が短く直行の某航空会社を希望していたのだが、旅行代理店のお兄さんに「うーん、おそらく経由で他の航空会社のほうが、結果的に早く着くと思います」と煮え切らないことを言われ従ったのだが、たしかに実際、12時間前に発っているはずのその某航空会社の「Delay」表示を横目に日本へ帰ったことを覚えている。

さておき。2日目も6時には起きて、7時には出発した。
前日、時差狂いに加え、真夜中までマサさんに誘われ国連や国際機関の方々の集まるホームパーティーへ行っていたので、もはや何時間起きていたのかよくわからない。
おかげで、観光客が早朝に飛び起きるという「アザーン」(1日3回、町中のモスクから拡声器で爆音のお祈りが町中に流される)にも起きない爆睡っぷり。

中庭でパンとチーズ、ヨーグルトにバナナの定番の朝食をとり、いざ出発。
山岳地帯はシャハラという絶景の場所を予定していたのだが、ここにきての北部の紛争激化で「マフウィート」という、天空の町の異名を取る地に変更をしていた。
マフウィートまで120kmの間に、いくつか小さな村を回って寄り道することになっていた。
北部では誰にも実態のわからない大事が起こっているのに、平和すぎるサナアの朝。
不穏を醸すのは子どもたちのビービー弾と、上空の戦闘機の音。
どちらも、溶け込んで慣れてしまいそうな自分が怖かった。

TOYOTAのランドクルーザーに乗り込む。東ティモールのときと同じだ。
「トヨタ車かよ」とつぶやいたのだが、この1泊2日の山岳旅行で、ランクルは“こういう道”を走るために在るのだということと、イエメン人がトヨタの3文字で日本を尊敬する理由をいやというほど思い知ることになる。

まず向かったのは、観光地中の観光地「ロックパレス」。

イマームという、町ごとに存在するイスラム教の権威の人物の家だというのだが、これが切り立った岩の上にドカーンと作ってある。
「ありえねーーーーーー」の合唱のわたしたち。
が、こんなことであり得ないと言っていてはキリがないことを後に知る。
(当然だが別に趣味で作っているわけではなく、外敵の攻撃を防ぐために、オスマントルコの侵略時代に高い岩の上に村や建造物をつくる技術が発達したのだそうだ。)

「さあ、中へ入りましょう!」チケットを手にしたガイドを見て、「げっ」という言葉を飲み込む。
何せわたしは、1)寺 2)城 3)美術館 旅において、この3つがとても苦手である。
なんかあの、その国の雰囲気に合致しない、「ガイジン様、どうぞ薀蓄垂れながら見てクダサイ」というテンションの「展示物」というものがなんだか萎えるのである。
じゃあ何をしに海外旅行へ行くんだ、とよく呆れられるのだが、人の生活のような「ナマモノ」と、時とともに変化する「ミズモノ」を見るから旅は楽しいんだと思っている。
建造物なんて、外側から見るだけで十分なのだ。…が、まあ、一応ね。
こうして3000mに肉薄する高地のなか、階段を昇りつづけて「ぜぇ、ぜぇ」となりながら(高地トレーニングかよ)、止まっては水を飲みながら(もはや高山病寸前)、フロアごとにロックパレスのなかを見学したのだが、やはりわたしの琴線に触れるものはほぼなかった。

おもしろかったのは、ロックパレスを出たところで男性陣が踊っていたジャンビアダンス。
祝事や結婚式などで、正装の刀を抜いて丸くなって踊るのである。現代ではこの儀式が刀の主な使い道で、決闘とかするために刀を提げているわけではしない。あしからず。

つづきと写真はこちらから
http://www.junkstage.com/world/yuu/?cat=20

この旅行記のタグ

4いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

イエメンで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
イエメン最安 370円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

イエメンの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

PAGE TOP