2000/06 - 2000/06
3位(同エリア4件中)
mestさん
もうずいぶん昔のことになる。留学先のエジプトを出発して、ヨルダン→シリア→レバノンを旅した。
その頃の自分は、旅に出ながらも、心は思い切りカイロに残していた。いや、より正確に言うなら、カイロに残したカナダ人のボーイフレンドに…。
彼とは同じ留学先の学校で2月に出会い、すぐにとびきり気が合い意気投合。そしてその気持ちが恋に変わるまでは長くはかからなかった。三か月間の短期留学の予定で来ていた彼は、5月、離れがたくて帰国を先延ばしにした。しかし、二人の未来を描けなくて泣き顔ばかりが増えていった。彼はカナダへの帰国を8月と決めた。翌年まで留学予定の私は、彼がいなくなった後…の練習のように、彼から離れて一人、旅に出たのだ。
そんな空っぽの心のまま、何処へ向かえばいいのかも自分で分からないまま旅を続けた。何処へ行っても、何を見ても、それ以上に彼が恋しかった。
シリアで当時の大統領父アサド氏の死去に遭遇した。一斉に喪に服す国は、何もかもが機能停止状態になった。浅はかにも、それでは…とレバノンへ向かったが、シリアの影響力の強いレバノンでも、同じように喪に服していた。
サイダは地中海沿いの古い港町。古くからある石畳の旧市街が美しい。眩しいほど青い空をバックにしたがえた遺跡も美しかったが、何より出会った人々の笑顔がよかった…と、今になって、当時の写真を掘り起こして、ようやく気付いたのだ。情けないことに、辛い気持ちのままの旅の記憶を、自衛のためなのかあまりハッキリと覚えていないのだ。
もう一度、この笑顔を心から受け止めに、同じルートで旅に出たいなあと、9年もたって、心の傷も癒えた私はそう思う。
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