2007/05/31 - 2007/05/31
9位(同エリア21件中)
高ちゃんさん
世界遺産のデロス島、今は遺跡しかない島です。
ギリシャ神話の時代、女神レトが女神ヘラ(ゼウス妻)に隠れて全能神ゼウスとの子である太陽神アポロンと月の女神アルテミスの双子を生んだという聖地です。海中を漂う”浮島”だったデロス島は、お産のために現在の位置に固定されたそうな。レトのお産場所は棕櫚の木で、デロス島の聖なる湖跡の真ん中にあります。
紀元前478年に都市国家(ポリス)間で結成された、デロス同盟の中心地として、特に3000-2100年前という昔に栄えたそうです。紀元前480年のペルシャ戦争でもギリシャ神話の聖地として戦禍から免れたといいます。最盛期は紀元前5世紀から紀元前2世紀にかけてのクラシック期〜ヘレニズム期時代になるそうです。
神話力が弱まり、デロス同盟の金庫もデロス島からアテネへと移されると、略奪などの苦難も重なり、紀元前1世紀に島ごと捨てられ、島全体が都市遺跡となりました。今は遺跡管理人だけが住むという無人島です。
住民が去り、都市機能が停止してから2000年経っています。ポンペイと違って2000年間野ざらしであったため、遺跡の保存状態が良いとはとても言えません。生活に密着した優れた遺構も残ってはいません。
しかし大規模な貯水漕・下水溝システムや街並み、大劇場跡、大邸宅跡、アポロン神殿をはじめとした数々の神殿跡、アゴラなどが点々と2000年以上の歳月を経て、今なお残っていることは驚きの連続です。こんな小さく、大した山もない島で最盛期2万5000人という大都会を支えた水をどうして確保できたかなどの不思議も一杯です。自由貿易港であったため、ギリシャ人、イタリア人、エジプト人などの手によるそれぞれの神殿跡があります。
観光は、都市そのもの全部が遺跡なので広く、中心となるところだけでも2時間はかかります。普段観光できる町の外れにも遺跡がありますが、観光連絡船の運航時間の制約で回ることはできません。
島内にデロス島考古学博物館(入島料に含む)があり、貴重なライオン像などの彫刻、出土品、床タイルなどの美術品が収められています。
ミコノス島から3社の連絡船が出ていて40分。ミコノス島でのフリータイムが1日あれば、デロス島観光に日中時間帯にあてることも可能です。駆け足観光となりますが、最短で午前9時ミコノス島出発で午後1時帰島となります。
注意点は、月曜が閉島日であることです。滞在日または滞在日数を考えないと観光出来ません。
普通のギリシャパックツアーでは決して決して訪れることが出来ないところですが、遺跡が好きな方には必見です。
ミコノスに宿泊でしたら、ミコノス散策は日が暮れてからも十分できるので、日中はデロス島を是非訪れてみてください。
Google Mapでデロス島の詳しい航空写真が見れます。GoogleMapの検索窓に
37.398733,25.266387
といれて検索してください。最初、ミコノス島が画面に表示されますが、縮尺を変更してデロス島についている上記ポイントに移動してください。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 1.0
- グルメ
- 1.0
- ショッピング
- 1.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- 船
- 航空会社
- シンガポール航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ミコノス島を出発
チケットは当日8:45にミコノス島の港の切符売り場で9:00発のものを購入。
船に乗り込んだのは8:55。
いつも相変わらずギリギリの行き当たりばったりの旅行です。
ちなみにデロス島行きのは小さい船なので、ミコノスタウンの中心街にある旧港の桟橋から出発して便利です。アテネからのフェリーや大型クルーズ船などは、中心街から4キロ以上離れた新港のほうに着きます。 -
30分でデロス島が見えてきました。
キントス山(標高113M)が見えています。
実は、デロス島は大デロス島と小デロス島の2島あるんです。
遺跡があるのは天然の良港が4つある面積が小さいほうの小デロス島です。
小デロス島から大デロス島はすぐそこに見えます。
この写真では大デロス島は右になります(写ってません)。
なお、大デロス島のほうは何軒か住居があります。 -
帰りの時刻。連絡船の柱につけてありました。
ミコノス島のバスの時刻表をはじめに、何処行っても例外なく、こんな感じの手書きです。ちょっと下手さ加減が、いい風情です。
乗り遅れると、街灯も全く無いデロス島で怖い夜を過ごすことになります。
基本は無人島です。
でも、実際を考えると、
Google衛星写真などから判断するに管理者用住宅施設が少なくとも6軒はあるようなので、
乗り遅れて取り残されたりしたら、自腹で出迎えの船を呼ばれるか、管理人宅でお世話になることになるんでしょうね〜。 -
デロス島に上陸です。
奥に入場ゲートが見えます。
左側はトイレです。
この港ですが、2400年前と寸分違わないのではないか?と
思える作りで、石と土だけでできてます。 -
非常にアバウトな入島ゲートです。
入場料払います。船賃とは別です。
ちなみに月曜日は閉館(閉島)日です。
この写真左の柱に、またしても小さく落書きのように「←EXIT」と書いてあります。っていうか、単なる落書きにしかみえません! -
2000年放置された町だけに、ここが聖なる道だとか、色々想像はつくのですが、
往年の面影は想像力たくましくないと無理かもしれません。 -
どうやら、ストリートと神殿の端みたいですが。
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あちこち綺麗に残ってます。
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おや、2000年前のつぼが転がってます。
博物館級の代物じゃないの?? -
またまた転がってます。大丈夫ですか?
変な輩が持ち帰ったり
いたずらで割ったりしないのでしょうか?
ここは遺跡のはずれ。
管理人の監視はゼロです。
心配です。
仮にレプリカであったとしても、進入禁止のロープも何も無いので、お触り放題状態。
他のギリシャの遺跡では考えられないくらいのアバウトさです。 -
デロス島博物館に移築されている床モザイクです。
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建物も立派に残ってます。
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床タイルも綺麗に残ってます。
2000年前に相当リッチな生活送ってたんですね。 -
とにかく立派です。
こちらも神殿ではなく、個人宅と思われます。 -
高い建物も無事です。
当時は塗り壁で綺麗な彩色されていたと思われます。
この小さめの石を垂直に積んでこの高さは、ちょっと凄くないですか!かなりの神業です。よく見ると石もかなりバラバラで整形されてないし。
現代人でもかなり苦労しそうです。
しかも建造から2000年経って残っているとは。 -
貯水漕です。2000年以上前のものとは思えないほど立派です。
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貯水漕に今も水が貯まっています。
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15分ほどかけて登ったキントス山から遺跡群を見ます。
昔はさぞいい景色だったでしょう。
エーゲ海の青さがしみます。 -
キントス山は標高110メートルだそう。
古代ギリシャ人も、この高さなら、簡単に散策登山に出かけたことでしょう。 -
キントス山の山頂近く。
何かあったような石積みですが、遺跡が途切れ途切れで、まったくよく分かりません。 -
昔の舗装道路がよく残ってます。
-
アポロンとアルテミスが生まれたということになっている聖なる湖の跡です。
人工湖らしいですが、この時点で野原となってます。湖の淵にあたるところに石積みがあり、写真では右半分が見えてます。湖の真ん中にシュロ(棕櫚の木)が植えてあります。 -
デロス島博物館に展示してあった聖なる湖の写真。何故か?水が貯まっています。
というのは、私が見た限り、単なる野原でしたし、くぼみもなく、水が貯まりそうにないからです。
ある文献によると、「聖なる湖は埋め立てられ・・」とありましたが、年月が経って土砂で埋まってしまったが正しいのではないでしょうか??
解説を読もうとしましたが、ギリシャ語だけ。
断念です。
と、以前このように書いたのですが、
あとで見た文献だと、「マラリア蚊のために1925年に埋め立てられたらしい。」とありました。
「らしい」って年度が不明確なんでしょうか?と思いました。でも1925年以前にカラー写真ってあるんだっけ?そもそも人が住んでいない島の池を埋め立てたりするかな?とか思ったり、なぞが深まりました。 -
エジプトの神々の神域に建つセラピト神殿です。
エジプト人も多く住んでいたそうです。
小さいですが、神殿の正面に、顔がかけた神像があります。ちょっと分かりづらいでしょうか、柱の間、真ん中にあります。
ある本の写真を見るとこの神像は写っていないので、今、ここにおいてあるのはレプリカかもしれません。 -
男根像があちこちに置いてあります。
4箇所くらい見たでしょうか。
正面から見るとよくソレだと分かります。
これは上部が欠けているので、もしかしてライオン像?ってな感じですが、
デロス島考古学博物館には、立派なモロ男根像や
浮き彫りが沢山展示してありますよ。
その写真もあるのですが、控えています。
男根崇拝があったんですね。 -
デロス島博物館に所蔵されている聖なる道にあったライオン像の本物です。
風化が激しいため、ライオンの威厳は無く、
子供の粘土細工のような、雑で、ちょっと、ボロボロすぎ・・・感が拭えません(^_^;)
大きさは人間と同じくらいでしょうか。 -
下水溝あります。
-
デロス島博物館に展示してあった同じ場所の下水溝の写真。水が貯まっています。
-
石積みに塗り壁されていたのが良く分かります。
-
いるかのモザイクタイルがある
イルカの家(豪邸)です。 -
2階建ての富豪の家です。
-
2階建ての富豪宅の2階に階段で登ってみました。
こういった中庭付きの家が欲しい。2000年前の暮らしにまだ追いついていません。 -
デロス島博物館展示の出土品で男女交合像。
ギリシャ神話といい、ギリシャは性に大らかですね。 -
ライオン像が並んでいる聖なる道です。
デロス島で有名なライオン像ですが、昔は左右に計10体以上あったそうで。
ここに設置されているのは全てレプリカ。本物は先ほどの写真にあった博物館内での展示となります。
一番の有名場所ですが、私がルクソール神殿でスフィンクス街道を見た後に行ったせいでしょうか、そう派手は感じられませんでした。
もう少し正面で撮影したかったのですが、なぜか聖なる道には簡単なロープがあって、入るな状態でした。見た限り、ロープの重要性が見出せませんでしたが、
一応、尊重しました。 -
ポセイドン神殿です
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ポセイドン神殿。
とにかく破片が並べられています。 -
古代の街並み、住宅地と思われます。
-
立派な装飾柱が残ってました。
ヘルメスの家と言われる大富豪の邸宅です。
洗練されたヘレニズム時代のモザイク床があります。
前2世紀建造だそうです。 -
ヘルメスの家の写真を追加しました。
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アテネ人の神殿あたり。おそらくメインロードです。
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レト神殿でしょうか?
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整然と破片が並べられています。
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アルテミス神殿でしょうか。
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帰りのとき、観光連絡船から見たデロス島です。
あちこちに柱が建っているのが分かります。 -
キントス山からの眺めです。
要所に場所を記述してみました。
(この写真は拡大できます) -
フィリップの柱廊です
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ポロピレリア(前門)だそうです。
よく見ると、多くの人が行き交ったのでしょう、柱の左右の階段の中央は、磨り減っているのが分かります。 -
井戸跡?でしょうか。
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牡牛の社殿近くにあった立像です。
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闘技場近くのもう一つの貯水漕です
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家の入り口でしょうか?
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富豪の家の中庭です。
立派な床モザイクとして仮面が描かれていたため、
仮面の家と呼ばれています。 -
仮面の家です。
仮面のモザイクは部屋の中の床にあります。
ギリシャの遺跡は大体そうですが、この柱も白い箇所は復元用のコンクリと思われます。 -
これも邸宅跡です。
-
劇場跡。
あまり状態は良くありません。
やっぱり石が盗み出されたせいでしょうか。
半円の劇場の形状は残ってます。 -
デロス島博物館ぶあったデロス島の再現模型です。
かなりのデフォルメ感ありです。これより遥かに多くの建築物が立ち並んでいたでしょうし、かなり半端な模型です。
ちなみに、左奥の競技場ですが、見たところ、全く遺構は残ってませんでしたと言いたいところですが、
実はこの模型の位置ではなく、500メートル以上後方にあった模様で、そこまで行ってませんでした。 -
デロス島考古学博物館で
出土品です。 -
デロス島考古学博物館
立派な真円形テーブルですね。 -
英語の見取り図UPしました。
この地図はよくできていると思います。
先に出た模型とは大違いです。
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この旅行記へのコメント (3)
-
- エムさん 2009/07/23 12:57:23
- デロス島
- 高ちゃんさん、はじめまして!
5月に地中海・エーゲ海クルーズでデロス島に行く予定でチケットまで購入していたにもかかわらず、
ミコノスタウンの散策が捨て難く、ドタキャンしてしまいました。
「ライオン像が有るだけの島よ!」このささやきに負けたのです。
ロードス島の古代カミロスの遺跡には行ったのですが、やはり想像力を働かせないと退屈なだけの遺跡巡りでした。
またいつかチャンスがあれば、こんどこそデロス島に行ってみようと思います。
行けなかったデロス島を楽しませて頂きました。
エム
- 高ちゃんさん からの返信 2009/08/06 06:22:15
- RE: デロス島
- エムさん こんにちは。
コメントありがとうございます。
ミコノス島まで行ってデロス島行けなかったのは残念です!
確かにミコノス島散策の次とはなってしまうと思いますが、
クルーズ船寄航で1日時間を取れたなら、デロス島+ミコノス島が
楽しめたかと思います。
「ライオン像が有るだけの島よ!」との話を聞いたとのことですが、
そう言われればその通りかもしれません。
やっぱり、感じ方は人によってそれぞれ違うわけでして。
場所は違いますが、ナイアガラの滝ツアーに参加した時も、
「思った程ではなかった」っと、時間を持て余してサッサとバスに
戻っている人も居ました。(私は時間一杯楽しみましたが)
でも、少なくともデロス島に興味があって、私の断片的な写真だけ見ても
「行けば良かった」と思えるエムさんは、きっと楽しめると思います。
是非次回機会があれば訪ねてください。
やっぱり写真というのは、自分の中の記憶以上のことも鮮明に記録されても
いますし、写真では伝えきれない全体の印象や距離感、スケール感というのも
あります。
ロードス島のカミロスの遺跡には行っていないので分かりませんが、
デロス島もかなり断片的な遺跡しかないのも事実です。
比較的綺麗に残っているところはやはりある程度復元作業が施されている
とのことです。ポンペイのように、古代の街中を歩いているというような
錯覚は起きません。やはり想像力が必要な遺跡であることは間違いありません。ここらあたりが、退屈かどうかですね!
ここはローマ・コロッセオのように万人が喜ぶ遺跡ではないです。
エムさんが訪れるとき、がっかりしないことを祈りますが、
やはりデロス島は2300年前の遺跡であり、風化は進んでいるものの、
それほどの昔にこれだけの町があったんだ!という驚嘆すべき事実を
目の当たりにして、この遺跡に訪れる価値があったと私は確信しています。
私は遺跡は好きですね。
ここに人々が暮らしていたことや、
どのようにして作ったんだろうとか、
町が放棄されたときはどんな状況だったんだろうとか
色々考えながら散策しています。
このときは一人旅でしたが、
今は妻がいるので一緒にミコノス島とデロス島の再訪を夢見ています。
高ちゃん
- 高ちゃんさん からの返信 2009/08/06 06:23:28
- 写真を追加しました
- 追伸
本日2009/8/6、写真を14枚追加しました。
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