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1989年9月、ウエウエテナンゴにいる。<br />南米からどういう風にロサンジェルスへ戻るか、というのはずいぶん考えた。<br /><br />とにかくコロンビア領のサンアンドレス島に渡った後、サム航空でグアテマラまで飛行機を使う。<br />後はバスを乗り継いでメキシコシティを経由し、ティファナから陸路でアメリカに入国することにした。<br /><br />これは南米で読んだ新聞に、メキシコDFの人類学博物館から盗まれていたエメラルドの仮面などが発見されたという報道があったからだ。<br />ひょっとしたら、もうそれが博物館に展示されているかも知れない。<br /><br />メソアメリカのマヤ遺跡を知るためには、まずこの人類学博物館を訪ねることが基本だ。<br />一通りマヤの遺跡を見た後にもう一度行くと、もっとよく解るだろう。<br /><br />中南米の遺跡を訪ねる旅の終わりにはもう一度この博物館を見て締めくくりにしたいね。<br />サンアンドレス島からコスタリカの首都サンホセまでが85ドル(南へ下る時調べたらサンホセ〜サンアンドレスは75ドルだったと思うが)。<br /><br />サンアンドレスからグアテマラシテイまでが123ドル。<br />差は38ドルだが、コスタリカからグアテマラまで陸路で行けばどんなに急いでも最低100ドルはかかる。<br /><br />コスタリカもグアテマラも、南米へ行く途中でバス移動している。<br />無理に行っても意味がないので、直接グアテマラへ飛ぶ方がいい。<br /><br />メキシコシティまでは257ドルというので、グアテマラシティとの差は134ドル。<br />これならグアテマラシティからメキシコとの国境を越えてバスを乗り継いだ方が安い。<br /><br />また、グアテマラとメキシコの新しい国境を越えられる。<br />途中で、見残したマヤ遺跡も見れるのでこちらが面白い。<br /><br />もともと「世界旅行者」は飛行機を出来るだけ使わないというのが原則だ。<br />直接ロサンジェルスへ飛ぶことも考えられない訳じゃないが、メキシコからアメリカ合衆国へは、やはり陸路で越えて行くのが絶対に粋だ。<br /><br />僕の中南米旅行は、ロサンジェルスから出て、ティファナの国境をバスで越えたことから始まった。<br />だったら最後も、メキシコから米国への陸路国境越えでなければならない。<br /><br />まあ金さえあれば、誰でもどこへでも飛行機を使って、簡単に旅行出来る。<br />そういうエセ旅行者はたった1人で陸路で国境を越えるという面白さを永遠に知ることのない可哀想な人たちなのだ。<br /><br />そういう連中はいくら旅行をしたって、旅行の本質はわからないし、語れない。<br />「陸路国境越え」、これこそが海外個人旅行のポイントなんだよ(笑)。<br /><br />グアテマラシティに着いた翌日にはアンティグアへ顔を出して、次の日にはウエウエテナンゴへと5時間バスに乗った。<br />これからは次々とバスを乗り継ぎ、なるべく早くアメリカへ突入する。<br /><br />昨日はウエウエテナンゴの近くにあるマヤの「サクレウ遺跡」を訪れた。<br />同じホテルにいた日本人の女の子からしつこくされたが、危うく避けることが出来た。<br /><br />今朝は早く起きて、昨日の女に顔を合わせないように、こっそり朝食を取った。<br />ホテルセントラルの朝食は「卵2個、トルティージャ、スープ、バナナ、煮豆、コーヒー」という豪華版で2.5Q(125円)。<br /><br />ホテル代の7Qを2米ドルと1Qで払う。<br />もう、ケツァルで払うことがないと思うので少しレートは悪いのだがドル払いを多用している。<br /><br />女の子から見せて貰った「歩き方」には《メキシコのツーリストカードは国境ではもらえない。ウエウエテナンゴの薬局「エル・シド」で5Q払ってもらうように》とあった。<br />そこで、わざわざ昨日薬局へ行って、ツーリストカードをもらって来ていた。<br /><br />このツーリストカードは「歩き方」には、入国前に在日や在米のメキシコ領事館でもらうように、と書いてあった。<br />が、基本的には国境で入手出来るものだ。<br /><br />ツーリストカード自体にもそう書いてある。<br />実際アメリカからティファナに入る時にも国境でツーリストカードはもらえる。<br /><br />でも、世の中が規則通りに行けばそんな珍しいことはないし、旅行中は規則よりも入国審査官の方が偉いもの。<br />国境越えは一応、海外旅行の一大イベントなのだから、僕は念には念を入れて、前もって入手しておいたのだ。<br /><br />エルコンドル社のバスは朝10時発の予定だった。<br />事務所で待っていると、9時半に用意が出来て乗り込むように言われ、9時40分にはバスが出発してしまった。<br /><br />あれあれ早く出発するなんて中南米ではおかしい。<br />何かあるぞ、と思っていたら、バスはそのまま後運転手の家の前で停まった。<br /><br />運転手は、朝ごはんを食べにはいったようだ。<br />そのまま30分たって、もう一度エルコンドル社まで戻った。<br /><br />じゃあ何故僕が乗り込む必要があったのだ?<br />さらに乗客数人が乗り込み、実際に町を離れたのは10時15分。<br /><br />国境までは曲がりくねって細い山道だが、奇麗にアスファルト舗装してある。<br />ラ・メシージャという小さな町が国境の手前にあった。<br /><br />ここで地元の人がかなり降りた。<br />バスはここにほんの少し停車した後、すぐに国境ヘ向かう。<br /><br />周囲に何もない道のど真ん中に、突然国境だけがある。<br />到着が昼の12時30分。<br /><br />実際に国境を越えるのは、僕の他は白人が1人だけだ。<br />グアテマラのボーダーポストで出国税を取られる。<br /><br />「グアテマラ人は3Qで外人は3.5Q」と壁にペンキで書いてある。<br />ペンキで書いてあるだけ却って怪しいのだが、このくらいならしかたない。<br /><br />下っ端の役人には逆らってはいけない、というのは世界中の常識だ。<br />残りのケツァルが少なく、2Qしかなかったので1Qと1アメリカドルで支払った。<br /><br />ここでは、1ドルを2.5Qと計算する。<br />余った1Qは結局お土産にした。<br /><br />国境を越える時に、ぎりぎりいくら現地通貨を残しておくかというのは、これは案外大切な問題だ。<br />それに関連する両替問題を避けるためには1ドル札を常に用意しておけばいい。<br /><br />南米に下る時にはそのことを考えて、ロサンジェルスの銀行で1ドル札を100枚用意していた。<br />この札束はかなり厚いので、もうお金という感じはせず、そのままディバッグの中に放り込んでいた。<br /><br />札束があるわけだが、ずさんに管理していても、案外と盗まれたりすることはなかった。<br />結局中南米を通して、この用意した1ドル札は50ドルぐらいしか使わなかった。<br /><br />中南米旅行の問題点の1つに、どれだけ現金を用意してどれだけトラベラーズチェックを持つか。<br />トラベラーズチェックをどのようにドルキャッシュに変えるか、さらにドルキャッシュを現地通貨に変えるか。<br /><br />これが大きな問題として存在する。<br />しかし、最初に考えていたほど問題はなかった。<br /><br />案外簡単に、現地でドルキャッシュに交換出来たので、こんなに1ドル札が残ってしまったのだ。<br />でも、1ドル札が必要なことはたしかだけどね。<br /><br />エルコンドル社のバスは国境止まりだ。<br />国境を歩いて越える時に、一緒にバスに乗っていた頭のはげた白人と話をした。<br /><br />彼はアメリカ人で名前はジム。<br />僕はいつもの通りケンと呼んでもらう。<br /><br />彼はやはり旅行者だ。<br />グアテマラにはもう1年ほどいるらしい。<br /><br />滞在期間を延長するついでにちょっとメキシコに来たそうだ。<br />もう何度もこの国境を越えている。<br />国境越えでは、互いに話しかけて、情報を交換し、互いを守りあうのが重要だ。<br /><br />国境越えではどんないちゃもんを付けられるかわからないので、誰かと一緒にいることは十二分な意味がある。<br /><br />http://homepage3.nifty.com/worldtraveller/central_america/san_cristobal1.htm

《ウエウエテナンゴからラ・メシージャ国境へバスに乗り、ジムと出会う》

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1989/09 - 1989/09

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みどりのくつした

みどりのくつしたさん

1989年9月、ウエウエテナンゴにいる。
南米からどういう風にロサンジェルスへ戻るか、というのはずいぶん考えた。

とにかくコロンビア領のサンアンドレス島に渡った後、サム航空でグアテマラまで飛行機を使う。
後はバスを乗り継いでメキシコシティを経由し、ティファナから陸路でアメリカに入国することにした。

これは南米で読んだ新聞に、メキシコDFの人類学博物館から盗まれていたエメラルドの仮面などが発見されたという報道があったからだ。
ひょっとしたら、もうそれが博物館に展示されているかも知れない。

メソアメリカのマヤ遺跡を知るためには、まずこの人類学博物館を訪ねることが基本だ。
一通りマヤの遺跡を見た後にもう一度行くと、もっとよく解るだろう。

中南米の遺跡を訪ねる旅の終わりにはもう一度この博物館を見て締めくくりにしたいね。
サンアンドレス島からコスタリカの首都サンホセまでが85ドル(南へ下る時調べたらサンホセ〜サンアンドレスは75ドルだったと思うが)。

サンアンドレスからグアテマラシテイまでが123ドル。
差は38ドルだが、コスタリカからグアテマラまで陸路で行けばどんなに急いでも最低100ドルはかかる。

コスタリカもグアテマラも、南米へ行く途中でバス移動している。
無理に行っても意味がないので、直接グアテマラへ飛ぶ方がいい。

メキシコシティまでは257ドルというので、グアテマラシティとの差は134ドル。
これならグアテマラシティからメキシコとの国境を越えてバスを乗り継いだ方が安い。

また、グアテマラとメキシコの新しい国境を越えられる。
途中で、見残したマヤ遺跡も見れるのでこちらが面白い。

もともと「世界旅行者」は飛行機を出来るだけ使わないというのが原則だ。
直接ロサンジェルスへ飛ぶことも考えられない訳じゃないが、メキシコからアメリカ合衆国へは、やはり陸路で越えて行くのが絶対に粋だ。

僕の中南米旅行は、ロサンジェルスから出て、ティファナの国境をバスで越えたことから始まった。
だったら最後も、メキシコから米国への陸路国境越えでなければならない。

まあ金さえあれば、誰でもどこへでも飛行機を使って、簡単に旅行出来る。
そういうエセ旅行者はたった1人で陸路で国境を越えるという面白さを永遠に知ることのない可哀想な人たちなのだ。

そういう連中はいくら旅行をしたって、旅行の本質はわからないし、語れない。
「陸路国境越え」、これこそが海外個人旅行のポイントなんだよ(笑)。

グアテマラシティに着いた翌日にはアンティグアへ顔を出して、次の日にはウエウエテナンゴへと5時間バスに乗った。
これからは次々とバスを乗り継ぎ、なるべく早くアメリカへ突入する。

昨日はウエウエテナンゴの近くにあるマヤの「サクレウ遺跡」を訪れた。
同じホテルにいた日本人の女の子からしつこくされたが、危うく避けることが出来た。

今朝は早く起きて、昨日の女に顔を合わせないように、こっそり朝食を取った。
ホテルセントラルの朝食は「卵2個、トルティージャ、スープ、バナナ、煮豆、コーヒー」という豪華版で2.5Q(125円)。

ホテル代の7Qを2米ドルと1Qで払う。
もう、ケツァルで払うことがないと思うので少しレートは悪いのだがドル払いを多用している。

女の子から見せて貰った「歩き方」には《メキシコのツーリストカードは国境ではもらえない。ウエウエテナンゴの薬局「エル・シド」で5Q払ってもらうように》とあった。
そこで、わざわざ昨日薬局へ行って、ツーリストカードをもらって来ていた。

このツーリストカードは「歩き方」には、入国前に在日や在米のメキシコ領事館でもらうように、と書いてあった。
が、基本的には国境で入手出来るものだ。

ツーリストカード自体にもそう書いてある。
実際アメリカからティファナに入る時にも国境でツーリストカードはもらえる。

でも、世の中が規則通りに行けばそんな珍しいことはないし、旅行中は規則よりも入国審査官の方が偉いもの。
国境越えは一応、海外旅行の一大イベントなのだから、僕は念には念を入れて、前もって入手しておいたのだ。

エルコンドル社のバスは朝10時発の予定だった。
事務所で待っていると、9時半に用意が出来て乗り込むように言われ、9時40分にはバスが出発してしまった。

あれあれ早く出発するなんて中南米ではおかしい。
何かあるぞ、と思っていたら、バスはそのまま後運転手の家の前で停まった。

運転手は、朝ごはんを食べにはいったようだ。
そのまま30分たって、もう一度エルコンドル社まで戻った。

じゃあ何故僕が乗り込む必要があったのだ?
さらに乗客数人が乗り込み、実際に町を離れたのは10時15分。

国境までは曲がりくねって細い山道だが、奇麗にアスファルト舗装してある。
ラ・メシージャという小さな町が国境の手前にあった。

ここで地元の人がかなり降りた。
バスはここにほんの少し停車した後、すぐに国境ヘ向かう。

周囲に何もない道のど真ん中に、突然国境だけがある。
到着が昼の12時30分。

実際に国境を越えるのは、僕の他は白人が1人だけだ。
グアテマラのボーダーポストで出国税を取られる。

「グアテマラ人は3Qで外人は3.5Q」と壁にペンキで書いてある。
ペンキで書いてあるだけ却って怪しいのだが、このくらいならしかたない。

下っ端の役人には逆らってはいけない、というのは世界中の常識だ。
残りのケツァルが少なく、2Qしかなかったので1Qと1アメリカドルで支払った。

ここでは、1ドルを2.5Qと計算する。
余った1Qは結局お土産にした。

国境を越える時に、ぎりぎりいくら現地通貨を残しておくかというのは、これは案外大切な問題だ。
それに関連する両替問題を避けるためには1ドル札を常に用意しておけばいい。

南米に下る時にはそのことを考えて、ロサンジェルスの銀行で1ドル札を100枚用意していた。
この札束はかなり厚いので、もうお金という感じはせず、そのままディバッグの中に放り込んでいた。

札束があるわけだが、ずさんに管理していても、案外と盗まれたりすることはなかった。
結局中南米を通して、この用意した1ドル札は50ドルぐらいしか使わなかった。

中南米旅行の問題点の1つに、どれだけ現金を用意してどれだけトラベラーズチェックを持つか。
トラベラーズチェックをどのようにドルキャッシュに変えるか、さらにドルキャッシュを現地通貨に変えるか。

これが大きな問題として存在する。
しかし、最初に考えていたほど問題はなかった。

案外簡単に、現地でドルキャッシュに交換出来たので、こんなに1ドル札が残ってしまったのだ。
でも、1ドル札が必要なことはたしかだけどね。

エルコンドル社のバスは国境止まりだ。
国境を歩いて越える時に、一緒にバスに乗っていた頭のはげた白人と話をした。

彼はアメリカ人で名前はジム。
僕はいつもの通りケンと呼んでもらう。

彼はやはり旅行者だ。
グアテマラにはもう1年ほどいるらしい。

滞在期間を延長するついでにちょっとメキシコに来たそうだ。
もう何度もこの国境を越えている。
国境越えでは、互いに話しかけて、情報を交換し、互いを守りあうのが重要だ。

国境越えではどんないちゃもんを付けられるかわからないので、誰かと一緒にいることは十二分な意味がある。

http://homepage3.nifty.com/worldtraveller/central_america/san_cristobal1.htm

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