2007/09/24 - 2007/09/25
10位(同エリア14件中)
mickさん
今回の旅の最後の旅行記は、リーベとコペンハーゲンです。よく考えると、全く「古城巡り」ではなくなってしまっていますが、その辺はご容赦ください。あいにくの雨模様でしたが、最後の力を振り絞って歩き回ってきました。国の東端と西端、首都と小さな田舎町、という対照的な2つの町ですが、それでもどことなく似通った雰囲気がしないこともない気がします。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 航空会社
- スカンジナビア航空
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ハザースレウからバスに揺られる事1時間余り、いよいよリーベの町に到着です。リーベといえば、デンマークの中では少しは名の知れた観光地です。多くの旅行者が、デンマークで最も美しい町、と絶賛しています。ただ、私は正直なところ、事前に写真をみた限りではあまりピンとくるものがなく、実際のところはどうなのか自分の目で確かめたい、という気持ちから、このリーベを目的地の一つとして選びました。
バスは鉄道駅の前に到着し、そこから駅前の通りを町の中心部に向かって歩いていきます。途中、リーベ川に架かる橋を渡ります。穏やかな川の流れと、周囲の芝生や木々の緑が、心に安らぎを与えてくれます。ただ、風が次第に強くなってきました。デンマークは風が強い、と聞いていたのですが、今までは特にそんな感じはしませんでした。ここに来て本領発揮といった感じでしょうか。 -
リーベの一番の名物といえば、やはり巨大な大聖堂です。とりあえず大聖堂を探して歩き、それらしい感じの建物の前にたどり着きましたが…、内部は工事中のため立入禁止になっていて、何だか外観も今まで見てきた多くの教会と大して変わりません。本当にこれが大聖堂?と思ってよく見ると、やっぱり違いました。周囲を見回すと、町の奥のほうにもっと高い塔が見えます。そっちが本当の大聖堂です。この建物は、町の入口に近い方にある、聖カタリーナ教会でした。それでも、他の町なら十二分にメインの教会として通用するほどの大きさと威厳を備えています。
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ようやく本物の大聖堂にたどり着きました。町の中央に鎮座するその姿は、やはり何というか、発しているオーラが違う感じです。大聖堂は部分部分が異なる材質で作られているようで、レンガ色一色ではなく、様々な色彩で目を楽しませてくれます。そして、見る方向によって、全く異なる姿を見せてくれます。
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というわけで、別の角度からの写真です。前の写真からちょっと立ち位置を変えた程度なんですが、色合いが全然違っています。こういう白っぽい石造りの建築物というのは、今回の旅行ではあまりお目にかかることがなかったので、新鮮な感じです。
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悪戦苦闘の末、ようやく塔の屋上にたどり着きました。地上でもすでに風が強かったので、塔の上は暴風状態です。風に押されてよろめきそうになるのを踏ん張ってこらえながら、目の前の景色をしばし呆然と眺めます。どんよりと曇った空の下に、深い緑と赤い屋根が混じりあい、その向こうにはどこまでも平らな平原が広がっています。晴れた日の景色には及ばないかも知れませんが、風に吹かれながらこういう景色を見ていると、不思議と気分が高揚してきて、随分遠いところまで旅をしてきたんだなぁ、という実感が、あらためて湧き上がってきます。
さて、一応写真も撮っておかなければなりません。風で体が動かないようにするのが精一杯で、光の加減など気にしている余裕はありません。実際出来上がった写真も失敗っぽいですが、全体的に暗い中で、赤の鮮烈さが妙に印象に残る写真になりました。 -
写真としてはこちらの方が少しはマシかも知れません。ユトランドの豊かな大地が良く見渡せます。もっと手すりに近付いて、手すりが写らないようにしたほうがいいのかもしれませんが、さすがにこの強風では怖いです…。
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塔でしばらく時間を過ごした後、階段を降り、教会部分へ戻ってきました。教会の内部は、外観から考えれば当然ですが、広々としています。白い壁や、アーチ型を用いた構造が、開放的な印象をさらに強めている気がします。装飾はそれほどケバケバしくはなく、歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気を持ちながらも、重苦しくなりすぎず、洗練された印象も併せ持っている、といった感じです。私は建築関係には全く詳しくないので、完全なズブの素人の感想ですが…。
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このあたりが一番装飾が凝っている部分になるでしょうか。ステンドグラスは小さいながらも鮮やかに輝いていて、丁度良いアクセントになっている感じです。
大聖堂について、見学方法に関する情報も少し紹介しておきます。観光客用の入口はわかりにくいですが、建物の南西角、尖塔の根元付近にあります。入口の正面に目印の小さな看板が立っています。入場料は10クローネでした。 -
大聖堂から外に出ると、やっぱり雨が降り始めていました。それでもまだ全然町の中を歩けていないので、とりあえず建物が並んでいる方に向かって歩き出します。特に探し回らなくても、少し歩けばあちらこちらで風情に満ちた景観を目にすることができます。さすがはリーベ、といったところでしょうか。
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川の付近の様子です。確かに美しい景観には違いありませんが、やっぱり特にこの辺りの道は、良い天気の時に歩いてみたかった、という思いが強いです。
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しばらく町の中を歩いていましたが、次第に雨、風ともにかなり強くなってきました。折り畳み傘も簡単に裏返ってしまいます。ガイドブックを取り出して地図を見るのもためらわれる状況です。当初の予定では、リーベで夕食をとってからコペンハーゲンに帰ることになっていたんですが、この先天候がどうなってしまうのか全く予想もつかず、無事に帰れるのかどうか不安なので、予定を変更してリーベから撤退し、早めに帰ることにしました。
こんな風に、あまり天候にも恵まれず、最後は慌ただしく滞在が終わってしまったので、来る前にリーベに対して持っていた、「?」の部分は、依然として「?」のまま残ってしまったような感もあります。それでも、大聖堂の塔の上で過ごした時間は、今回の旅行の中でも特に印象深い思い出の一つになったのは確かです。 -
いよいよ最終日、帰国便は午後発なので、午前中にコペンハーゲン観光を楽しもう、と思っていたんですが、あいにくの雨です。昨晩コペンハーゲンに帰った時には雨は止んでいたんですが…。そのうち止むだろうと思ってホテルでしばらく待機していましたが、時間がどんどん過ぎていってしまうので、小降りになった時を狙ってチェックアウトし、駅へと駆け込みます。駅のコインロッカーに荷物を預け、電車で町外れのエスターポート駅まで行き、そこから町を歩いて戻ってくることにします。
さて、コペンハーゲンに来たなら、やっぱりこの姐さんに挨拶はしておかなければなりません。駅からカステレット要塞の周りを通ってここに来るまでは人通りも少なかったんですが、この像の周りだけは、雨にも関わらず大量の観光客が集まっています。ちょっと異様な雰囲気です。まあ実のところ、私も像そのものが目当てというよりも、その光景を興味本位で見に来ただけ、という面もあるんですが…。そういった意味では、期待通りでした。 -
カステレット要塞の外側の様子です。とは言っても、高い壁が見えるだけで、中はほとんど見えません。かといって、この雨の中、中に入っていく気にもなれず、ホテルでの待機時間が長かったため時間が押していることもあって、この意味不明な写真を撮っただけで終了です。
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人魚の像から海沿いを町側に戻った所にある、聖アルバニ教会です。この教会は、町の中心部にある建物と比べると知名度は低いかもしれませんが、小さいながらも端整で美しい外観をしており、一見の価値はあると思います。手前にあるゲフィオンの泉の中にある像も、なんだかよく分かりませんがかなり迫力があります。このあたりも、人魚の像付近に負けず劣らず観光客が多いです。どうやらこの付近にバスを止めて、海岸沿いを歩きながら人魚の像に向かう、というのが、観光ツアーの定番ルートになっているようです。
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だいぶ町の中心部分に入り込んできました。フレデリクス教会は、その丸い形が特徴的で、大きな建物が並ぶ市街地の中でもひときわ目立ち、存在感を示しています。ここからまっすぐ下がるとアメリエンボー宮殿なので、町を歩く時には良い目印になります。
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そのアメリエンボー宮殿ですが、雨のためか、中央の広場は人影もまばらで、ただ広さだけが際立ってしまっています。何だか少し寂しい感じです。
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やっぱりコペンハーゲンと言えばこの風景でしょう!港町コペンハーゲンの象徴、ニューハウンの街並は、実際にその場に立ってみると、やはり圧巻です。この景色だけは、多少の雨ごときで揺らぐものではありません。運河沿いに所狭しと並ぶ家々の鮮やかな色彩が、今までレンガ色に慣れきって、まったりモードになっていた眼を一気に覚まさせてくれた感じです。雨の中を無理してここまで歩いてきた甲斐があったというものです。
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いつまでもニューハウンの美しさに浸っていたいところではありますが、とにかく時間がありません。ニューハウンの通りをそのまままっすぐに進み、最後の目的地、ローゼンボー離宮に向かいます。ローゼンボー離宮は、広い公園の中に立っています。市街地内の建物は大きくて重厚な感じのものが多いのですが、このローゼンボー離宮は、それらとは対照的に、繊細で優美な感じです。まるでこの辺りだけ別の町のような感じもします。
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建物の中へと入っていきます。入館料は65クローネです。宮殿自体は、公開されている部屋がかなり限られていて、すぐに見終わってしまうのですが、注目すべきなのは宝物庫です。金や宝石をふんだんに使った、王様達の所有物の数々が、まばゆいばかりの光を放っています。一番奥の部屋には、黄金の宝剣や、王冠が展示されています。もうこのあたりになると、現実のものとは思えないような感じです。漫画やゲームの世界にしか存在し得ないと思っていたようなものが、実際に自分の目の前にあるという事実に、ただ驚くばかりです。実は建物内は写真撮影もできるのですが、それには追加料金を支払わなければなりません。後から思えば、ケチらなければよかった、という気持ちも少しはありますが、やっぱりあの品々が放つ鋭い輝きは、写真で伝えるのは難しく、実際に自分の目で見てこそ価値があるのではないか、とも思っています。
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さて、コペンハーゲン空港も混雑が予想されます。もういい加減、空港に向かわなければなりません。ローゼンボー離宮を後にし、まだまだ行ってみたい場所は山ほどありますが、名残を惜しみつつ駅へと戻り、列車で空港へと向かいます。
こうして今回の、デンマークとスウェーデンの一部を巡る旅は幕を閉じました。どうせデンマークに行くならシェラン島、フュン島、ユトランド半島を全部回ってやろう、ついでにすぐ隣のスウェーデンにも寄っとこう、という、極めて欲張りなプランを立ててしまったため、かなり慌ただしいスケジュールになり、あっという間に終わってしまった、という感が強いです。それでも、たくさんの心に残る素敵な町に出合う事ができました。特に、自分自身で探し出して訪れた穴場の町というのは、より強く印象に残っています。ただ、逆に、急ぎすぎて回りきれなかった部分がたくさんあるのも事実です。コペンハーゲンを半日で回ろうなんていうのは、無謀としか言いようがありません。この町だけでも2、3日は遊べそうな気がします。是非またいつの日か、コペンハーゲンの町をゆっくりと散策してみたいものです。
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