2005/05/11 - 2005/05/20
1451位(同エリア2108件中)
seidouさん
- seidouさんTOP
- 旅行記11冊
- クチコミ7件
- Q&A回答1件
- 75,452アクセス
- フォロワー0人
クロアチアはやっと旧ユーゴ時代の戦乱から開放され、そのローマ時代から続く歴史ある遺産をもって観光立国に転換すべく、ここ数年で、道路整備や観光施設の充実に力を入れつつあります。しかし、まだ観光ずれしていない地元の人々の素朴で親切なまなざしや、自ら世界遺産を守ろうという真摯な努力の姿勢がより心を打ちました。これは2年前に行ったときにそれ以前と比較して格段に変ってきたなと感じたものです。その意味で今後この国の観光資産とその維持姿勢がいかに変化するかを見守りたいと考えています。そこで、あえて2年前の写真を掲載し、今後の皆さんのクロアチアの新しい旅行記・写真と見比べして楽しみたいと思います。
まず、第1集としておなじみとなったドヴロブニクからアップしていきます。当時、ドヴロブニクは危機遺産から脱して、世界遺産となったばかりで、あちこちの建物・施設が修復工事の最中で、足場やシート架けが多く見られましたが、そういう写真は省いてあります。
私の写真は建築的な視点から撮影したものが圧倒的に多い(建築部位、建材を含めると数千枚)のですが、その中から一般的・観光的なものを抜粋して掲載し、必要に応じてやや専門的な表現もまじえていこうと考えています。
もう一つの視点は比較文化論的な視点です。歴史的にこの国は支配者がいくつも交代しそれらから種々な影響があったわけですが、中でもアドリア海の海岸線が特段に長い地勢的特性から、この国の文化、宗教、政治面において、対岸のイタリア(古くはローマ時代からヴェネツィア時代まで)からの影響が強く、長く続いたこと、その結果としての種々な文化遺産や風俗習慣、にその特徴が色濃く見られることです。それらを一つ一つ見て、長い被支配の歴史とそれを耐えつつ上手に独自の文化に取り入れてきたクロアチア人のしたたかさを見て行こうと考えて臨みました。
どの点がクロアチアらしいかその他の各地についても第2集以下で順次抜粋してアップし、これから当地へ行かれる方の参考にしていただけるような、ガイド本にないようなものを記述するつもりです。各写真のコメントもヒマをみて詳しく書き直ししていきますので時々覗いて下さい。
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- オーストリア航空
-
「ピレ門」
ドヴロブニク旧市街を囲む城壁に西側に開かれた入城正門である。門は城壁から半円形に繰り出して上部に防備狭間を設け、門前に石橋と跳ね上げ橋ががかかり、門扉の鍵は、総督が持つという自由都市さながらの入場管理体制であったことがうかがえる。今はその遺構が門を入った壁に見られる。城壁も門も、当地方で産出する石灰岩を切り出して積み上げ、贅を排した素朴なもので、壁面を手で触ってみると石切条痕から美観よりも防備を主体としたことがわかる。門アーチの上には街の守護聖人聖ブラホの彫像がはめ込まれ(風化が進んでいる)、大勢の通行人を見下ろしている。 -
「ピレ門跳ね上げ橋の分銅遺構」
分銅をオブジェのように壁に吊ってある。開かれた門の意ともとれる。それでも自由都市の扉の開閉は市民が選挙した総督の管理下にあり、今もその鍵が総督館に置かれている。 -
「旧市街のメイン道路プラツァ通り」
入場正門であるピレ門から港へ向かって200mほど伸びた目抜き通り。市街の他の細い道に対して格段に幅広なのは、港に産物を運ぶ水路だったものを、北側への市街拡張とともに水路が埋め立てられた結果できた大通りとのこと。石畳は良質の磨きライムストーンで敷き詰められ、永年の人の足で踏み固め更に磨きがかかり、両側にはどっしりした家が建ち並び、城郭都市の風格を上げる花道となっているが、危機遺産から脱する住民運動もこの通りから起こったといい、注意して見ると補修の跡が諸所に見られる。通り終点、ルジャ広場の聖ヴラホ教会はまだ修復中だった。この道ひとつとっても、世界遺産の維持には大変な労力が必要であることが良くわかる。 -
「城壁遊歩道と復旧いまだしの廃屋」
遊歩道は、聖フランチェスコ修道院の脇から登って行く。料金は30クーナ(約600円)で、1時間もあれば一周出来る。赤い甍の波とアドリア海の青を見ながらの散策は夢心地となり素晴らしいが、ところどころに戦争被災痕が放置されているのが見えて、現実の厳しさに引き戻される。教訓として痕を残して復旧するか、全てを綺麗にしてかっての栄光時代の街を復元するかがいまなお議論の分かれるところらしい。これから観光でいかれる方々がどのような復旧状態になっているか較べてほしい。 -
「赤い甍の波と青いアドリア海の波」
遊歩道の北側ミンチェッタ要塞に向かう道から俯瞰した市街の家並み。この時は高曇りで陽射しがやわらかく、この角度から見ると、空の色を反射してアドリア海の色が淡いコバルトブルーになった。遊歩道を廻りながら、空からの光の変化に応じて微妙に変化する海の色を捉えるのもフォトグラファーの楽しみの一つ。 -
城壁遊歩道と城郭外東隅のボカール要塞の眺望
ピレ門も上を過ぎると城壁遊歩道は登りになる。荷物をもって上るのはちょっとつらいところ。このあとも道は滑りやすかったり、せまくなったりするがゆっくり歩けば危険はない。上りきって白波の立つ城外要塞を見るとその背後にも市街の赤い屋根が続き、なかなかの景観であり、いまはリゾート地の感覚である。 -
「新しい赤屋根と古い屋根」
旧市街を囲む城壁の遊歩道から見下ろす街の家並みは、赤い屋根の家が狭い路地にぎっしると詰まっていて息が出来ないくらい窮屈そう。その瓦をよく見ると、新しく葺きかえれたものや瓦の部分入れ替えが多い。ユーゴ紛争の戦禍が多数の民家に及んだ証拠でもあり、復旧が進みつつある勢いを示してもいる。崩れた壁のままの家も残っているが、とにかく、家の石壁を補強し、その上に屋根を葺けばすぐ住めるから、もとのまま、狭い路地を変えるつもりはなかったようだ。問題の瓦は旧来からのものと同じ形を踏襲しており、これが世界遺産の景観を保つ根源でもあろう。でも新旧まだら模様の屋根もフォトジェニックである。ここで現代生活をするのは不便もあろうと思うが、全部の屋根を新しく綺麗に直したらどうなるか、考えたくないのは旅行者だけのわがままだろうか。 -
「スポンザ宮殿」
港近くに建てられた宮殿と名の付くこの建物はドヴロブニクが扱う貿易商品の管理を司る官庁いわば税関だったが17世紀以後はその役割が減って文化人サロンとなったらしい。16世紀にスポンザ公邸として建てられた、5連アーチの地中海風の建築物は、中身は驚くような立派さではないが、17世紀の大地震で倒壊を免れたこと、当館でドヴロブニクの歴史的な諸文書記録を保持できたことが、今のドヴロブニク再建の大きな資産となった点で意義ある建物と思う。 -
「旧総督邸〜スポンザ宮殿の夕景」
大聖堂広場から旧総督邸〜スポンザ宮殿の間の大通りに建つ大型建物は、ドヴロブニクの行政・宗教の中心的存在でまさに心臓部に当たる。中でも旧総督邸は大理石張りのしっかりした建物。しかし入館料を取る割には立派な宝物や見るにたる展示物が少ないのに、撮影禁止で、誰かがそっと撮ったとたんに係り員が血相を変えて注意しに飛んでくる。「見せてやっている」という態度があらわで、共産体制の名残か、官吏上位の態度が出ているような印象が脱ぎきれない。これから観光立国に励もうとする国の姿勢とは思えないが、
今後観光で来られる方々に少しでもこの姿勢が良くなっていることを見せてもらいたいものだ。
文句をいったが、この辺一体は、日が傾き、大聖堂の影が磨かれた石畳道に落ちる頃になると、素晴らしい景観が現れる。大理石や石灰岩の壁がハニー〜アンバー色に色づき、岡上のナポレオン時代の要塞がキラリと光り、広がる空がシアンブルー(208度)に変わってくるとアドリア海の色が濃紺に光りだすのだ。ドヴロブニクに来るならば、折角のこの時間を逃さないようにしたいものだと思うが如何かな。 -
「大聖堂」
大聖堂は12世紀からの起源をもつ歴史的建物で多くの財宝を有する存在ではあるが、17世紀の大地震で崩壊、再建されて当時流行ののバロック様式になっている。実は地震後の発掘調査でこの大聖堂の土台が6世紀に建てられていたということが発見され、ドヴロブニクがローマ時代からすでに街としての機能を持っていたこと、更に宗教設備と同時にアドリア海の要塞守備隊が駐屯していた小城的な役割もかねていたらしいことがわかったようだ。今の大聖堂の中に入るとバロック様式というものの身廊など装飾は割りとシンプルである。後陣に廻るとビザンチン帝国時代の文字が見られるから、ビザンチン東方正教の支配がかなりあったこともわかる。 -
「大聖堂内祭壇と祭壇画」
シンプルな堂内でも祭壇画には15世紀イタリアの著名な画家ティツアーノ作「聖母被昇天}が掲げらていたのには驚いた。やはりこの町は財力豊な自由都市だったことがわかる。 -
「大聖堂のステンドグラス」
大聖堂のステンドグラスとしては面白い形のものを見つけた。東方の影響があるのだろうか、私には仏教世界の曼荼羅図の形態に似ているように思われて興味を引いた。 -
「旧港桟橋周辺」
今の旧港波止場は突き出した1本の桟橋があるが、かって貿易港として殷賑を極めた頃は、5000人の船員がいたし、ドヴロブニク艦隊も持ち、ガレー船や、フリゲート船などのほか200種にも及ぶ様々な帆船がここの島の造船所で作られ、素晴らしく頑丈で遠くは地中海やエーゲ海に及んで多数が出航していったという。今は
アドリア海沿岸クルーズやレジャーボートの基地となっていて、当時の盛況をしのぶには程遠い規模である。 -
「ドヴロブニク旧港方面眺望」
ドヴロブニク旧市街と港を見下ろせる国道沿いの見晴らし台から撮影。曇空で海面が淡いグレーシアンに光って見える。赤い家並みもしっとりと石灰岩の山肌に溶け込んでいくように見える。これもドヴロブニクが見せる一つの顔であろう。 -
「北の守りミンチェスタ要塞」
ドヴロブニクはヨーロッパの中世海洋要塞のなかでもきわめて保存状態のよい美しい要塞都市として声価が高いが、この地も地震には弱く、17世紀の大地震以降旧市街城壁に残った要塞や砦は少ない。この中で最大で美しい要塞が北東側のミンチェスタ要塞。16世紀に作られその後修復されてはいるが、維持保存が出来た最大の理由は、トルコと戦争をしなかったことである。他のヨーロッパ諸国と同盟していたにかかわらず絶えず中立の立場を守り、トルコとの直接戦火を交えることなく過ごした外交力の凄さを称えるべきだろう。イタリア・フィレンチェ人の設計した美しい要塞がそれを物語るかのように今も観光客を招きよせている。 -
「マルガンタ砦付近の岸壁」
-
「聖フランシスコ修道院入口タンパンのピエタ」
聖フランシスコ修道院は17世紀の大地震で崩壊したが、被災者救援の拠点として立ち上がった。再建後にこのミケランジェロのピエタのコピーのような彫像が、入口タンパンにすえられて多くの犠牲者の死を悼む象徴になったという。 -
「聖フランシスコ修道院の回廊と中庭」
聖フランシスコ修道院が17世紀の地震で崩壊したときにも被災を免れ残ったのがこの美しい回廊と中庭。ドヴロブニク旧市街で一番の憩いの場所である。回廊アーチの2連柱頭のロマネスク彫像を見て歩くのも面白い。この回廊の奥にはヨーロッパで3番目に古いという薬局がある。お土産に薬ビンのミニチュアが人気がある。 -
オド・プチャ通りの夕暮れ
西日が射し込む狭い通りは、歴史を積み重ねた石灰石の石畳が滑るようにつるつるに光ってまぶしいほど。こんな道を地元の人はコツコツとハイヒールの靴音高く家路へと急ぐ。 -
「ピレ門ライトアップ夜景」
夜の帳が下り、ピレ門と城壁のライトアップが際立ってくると旧市街の夜は昼間とは違う顔が登場するようだ。 -
「プラツァ通りと聖フランシスコ修道院夜景」
メイン通りのプラツァ通りは石畳が外灯の光を反射して街全体をタングステン光の琥珀色に染め、独特な雰囲気を醸し出す。空はまだ青く、若者が賑やかに往来しあちこちで騒音を上げる中、観光客は路地小路に群居するレストラン・飲み屋へ繰りこんで行く。 -
「プラツァ通りルジャ広場方面夜景」
プラツァ通りの終点ロジャ広場は夜のイヴェントをしているか、若者が自由なパーフォーマンスを繰り広げる場になっている。その先の門をくぐって港へ出ると淡い光の中、夜釣りに出るボートや帰港した船が行き来してまた雰囲気が変る。 -
「プラツァ通りのワインセラー」
海岸線の長いクロアチア沿岸部はダルマチア地方と呼ばれ、古くからブドウ栽培が盛んで、ワインの産地。
プラツァ通りにはワインセラーがあって、ひやかし気分で立ち寄り、ダルマチアワインの利き酒が出来るのも楽しみの一つ。カーべニ・ソービニヨン系のワインでいくつか気に入ったものがあった。現在は機内持ち込みが出来ないので買って帰るのが厄介。いやなな時代とあきらめた。 -
「路地のレストラン夜景」
プラツア通りから横に入る路地小路には、いろんな国の料理を自慢げに客を呼び込んでいる。大勢はアドリア海対岸のイタリアの影響が強いのかイタメシ屋が多く、入ってみたが食べやすく、結構うまい。値段は勿論日本より安い。ワインを飲むならやはりダルマチヤワインだろう。ハウスワインのダルマチアでもよいものがありこくもあり飲みやすい。 -
「狭い階段道と中世の家並み」
プラツァ通りを左へ入ると北側の城壁に向かってのぼる路地道の急階段が続く。狭い道筋にギッシリと家が立ち並び上へ上へと這い上がっている。夜になるとこの界隈が歓楽街に変身すろのだ。酔って足元がふらつく人は敬遠した方がよさそうである。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
ドブロブニク(クロアチア) の人気ホテル
クロアチアで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
クロアチア最安
421円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
0
25