2006/03 - 2006/03
59位(同エリア83件中)
漣さん
まさかこんな所に都市を築こうとは誰も夢にも思わない、断崖沿いに聳える中世の摩天楼。クエンカ、幾千もの夢に支えられ宙に浮く幻の如き姿が揺らめく。
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クエンカへの道には2つの選択肢があった。駐車場脇の階段から直接旧市街に入る方法ともう一つ、自分のとった道は対岸を辿りながら旧市街を臨み橋を越える方法。
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程なく目に入った断崖から張り出した中世の家々。その中でも「宙吊りの家」と呼ばれる一軒が特に目を引く。
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対岸の終点は修道院。現在はスペイン屈指の人気パラドールとして運営されているとか。
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折角なので中に入りお茶をとることに。奥に喫茶室があり宿泊客でなくとも一時の贅沢気分を味わえる。
修道院は中庭を囲むように回廊が配された古来よりの伝統的な様式で造られている。 -
コーヒー一服、落ち着いた所でいよいよ旧市街へと向かう。立ちはだかるのは眼下数十メートルはあろうという錆付いた橋。丁度出会わせたご老人のグループが軽やかなステップで橋を越えていく。これは負けてはいられない。
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橋を越えた旧市街は中世の街路構造をそのままに残していて、聳える家屋が遥か高みから見下ろし、萎縮してしまう。
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皆が足を止め入っていく場所が旧市街の一角に見えた。果たしてそれは対岸から自分を見下ろしていた宙吊りの家だった。現在ではクエンカ出身の現代芸術家の作品を展示するギャラリーとして営業している。
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街の一角にひっそりと建つ教会の壁に掲げられた世界遺産の碑を発見。自然の立地を見事に利用した要塞都市クエンカは以下の基準で世界遺産に登録されている。
()()クエンカは12〜18世紀の宗教・世俗建築を多く持ち、当時のままの都市景観を著しく保つ中世城塞都市の傑出した例である。
またクエンカは立地の田園景観と自然景観を融合させその価値を高めていることにおいても傑出している。
※ユネスコのHPに記載されているものの私訳です。 -
街の中心の広場に到着。長方形に区切られた広場はそれほど広くはないが、狭い街路を歩いてきた身にとってはかなりの開放感を感じられる。
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広場に面する大聖堂。ゴシック様式の全盛時代に着工された。流行がいち早く取り入れられるということはこの街が当時、何らかの理由で栄えていたことの物証となる。実際クエンカはこれだけの狭い土地柄ながら戦略的・経済的重要性を維持し、大発展を遂げた町だとか。あちこちに建つ高層建築も新しく家を建てる土地がないから上に伸びるしかなかったとのこと。
見事な大聖堂内部の建築装飾。奥にはかなりの寄進をした貴族・商人の個人的な礼拝堂が存在している。まるで競うかのように飾り立てられていた。 -
クエンカ、錯綜する想いが築き上げた珠玉の一作。次回はパラドールに泊まってみたいなどという俗な想いを残してこの町を後にした。
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