2002/09 - 2002/09
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「大平原」、何と胸躍る響きでしょうか。
大平原の風を感じてみたい、
そんな願いでハンガリーに旅立ちました。
東欧の真珠ともドナウの薔薇とも讃えられるブダペスト、アールヌーヴォー建築の美しいケチケメート、ハンガリーオペラ、民族舞踊、そして大平原等々と、多様な魅力に満ちた国でした。
表紙写真はハンガリー大平原プスタで
遊牧騎馬民族の騎馬技術を今に伝える人々と馬です。
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くさり橋
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王宮の丘へ登るケーブルカー
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ドナウ川に沿った王宮の丘に建つブダ王宮入り口の美しい門。
13世紀半ば蒙古がハンガリーから撤退した後に建てられたという王宮はその後何度も戦火に遭い、その度再建されるという激動の歴史を経て現在は国立図書館、国立美術館として利用されています。 -
ブダ王宮より眺めるドナウ川とブダペストの街並
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漁夫の砦
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屋根のモザイクが特徴的なマーチャーシュ教会。
16世紀、トルコに占領された時にはモスクに改築された歴史があり、トルコ撤退後、18世紀にカトリック教会として修復されたというこの教会は第二次世界大戦でも被害を被るものの現在は美しく復元されています。 -
マーチャーシュ教会の地下にあるミュージアムの華麗な装飾が施された祭壇
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ホテルのロビーで寛いでいると、突然「上を向いて歩こう」のピアノ演奏が。
ロビーのティーラウンジでピアノ演奏をしていた方が、私たちを日本人と知って気を利かせて弾いて下さったのでした。
その後私たちがロビーに現れるたび、何度も繰り返し演奏して下さり、この曲が世界的に有名な曲なのだと改めて認識すると共に、その心配りをとても嬉しく思いました。ありがとうございます。
それにしても、ハンガリーのホテルでこの曲を聞くとは思いもよりませんでした。 -
ホテルのティールームから望むくさり橋とブダの丘
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様々な建築様式が調和し煌びやかに美しい国会議事堂。
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国会議事堂のエントランス
国家の威信をかけて作られたのでしょう。まさに絢爛豪華という言葉が似合う壮麗な国会議事堂です。 -
国会議事堂内部
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国会議事堂のウェイティングルーム
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国会会議場の議場。
現在使われている議場なのですが、内部は議場というよりまるでオペラハウスのような壮麗さでした。 -
国会議事堂(写真右奥)の手前、コッシュート・ラヨシュ広場のナジ・イムレ像(写真左)。
ナジ・イムレは1956年のハンガリー動乱の責任を取らされて痛ましい最期を迎えた当時の首相で、ハンガリーで起きた反ソ暴動をソ連軍が出動し市街戦となった後多くの死傷者を出して鎮圧され、ソ連により処刑されるという悲惨な歴史的事件の犠牲となった指導者ですが、1989年の体制変換により名誉回復が行われ、現在はこうして記念の像が立てられています。
橋に佇むナジ・イムレはどんな思いでこの国会議事堂を眺めているのでしょう。 -
現在のハンガリーではハンガリー動乱は
「1956年革命(1956-os forradalom)」と呼称されています。 -
ハンガリー国立オペラ座で、ハンガリーの代表的なオペラを鑑賞しました。
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舞台が始まる前にオペラ座のバルコニーで、ハンガリーワインなどを頂いて待ちます。
夏の夕暮れの外気が爽やかで、舞台の楽しみに心が躍るひとときでした。 -
同上
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同上
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演目はエルケル・フェレンツ作曲
オペラ「バーンク・バーン(Bank Ban)」
ハンガリーの国民的なオペラ作家であり、ハンガリー国歌の作曲者でもあるエルケル・フェレンツのこの作品は、歴史的な実話を元にしたハンガリーオペラの代表作です。
1848年の革命自由戦争直後に書かれ外国人支配に対抗する国威発揚的意味合いの強いオペラとのことで、恐らくハンガリー以外では上演されることがないと思われる貴重な作品を観ることが出来ました。 -
華麗な装飾が美しいボックス席ですが、観客席の端になるので舞台が見易いわけではなく、ずっと同じ方向に傾けていた首が少し痛くなってしまいました。
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同上
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オペラ座内部。
壮麗です。 -
オーストリア・ハンガリー帝国時代、このオペラ座のオープニングも「バーンク・バーン」で幕を上げ、その時はフランツ・ヨーゼフ皇帝と皇妃エリザベートも招待されたそうです。
舞台左端には皇妃エリザベートのお気に入りだったというバルコニー席「シシィ・ロージェ」もありました。 -
ハンガリー大平原プスタへは個人で行くにはアクセスが難しいので、ブダペストからのツアーを利用しました。
途中、作曲家コダーイが生まれた町ケチケメートにも立ち寄ります。
ケチケメートはまたアールヌーヴォー様式の建築物が幾つかあることでも有名です。
ガウディと並び称されるアール・ヌーヴォーの建築家レヒネル・エデン。
写真はそのレヒネル・エデンの作品、ケチケメート市庁舎です。
曲線によって彩られた華麗で奔放な装飾を特徴とするレヒネル・エデンの建築。
壁のパステル調の色彩が美しくお城のようでもあるこの市庁舎は、ハンガリーのアールヌーヴォー建築の傑作とされています。 -
ケチケメートにある素朴派美術館(Magyar Naiv Muveszek Muzeuma)。
アンリ・ルソーが真っ先に思い浮かぶ素朴派ですが、ここにはハンガリーの素朴派の数多くの絵画や彫刻が展示されていました。
素朴派はアカデミックな理論や技法にとらわれず、自由にあまり遠近感のないタッチで独自の描き方の作品を作る画家たちの総称ですが、その名の通り素朴で優しいその作品に子供のような純真な気持ちにいざなわれます。
ハンガリーで一番規模の大きい素朴派美術館とのことですが、その建物もまた普通の民家のような素朴で心安らぐ美術館でした。
古い小さな幼稚園に来たかのような懐かしさを感じます。 -
ケチケメートのコシュート広場近辺には幾つか教会がありますが、その中で大平原で最大級規模のルイ16世様式の教会、大教会(Nagytemplom)です。
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ケチケメートの大教会内部。
華やかです。 -
ハンガリーの国土の3分の1を占める大平原プスタ。
プスタに到着後この馬車に乗り換え、ハンガリー大平原の中を走ります。
幌もない荷馬車のような馬車が大平原らしく、
大草原の小さな家のローラになったような気もして何だか嬉しい。
大平原を馬車で駆けるということ、憧れでした。 -
少し馬車で走って途中、緑の美しい屋外のレストランで、ハンガリーの国民的料理グヤーシュとトカイワインとハンガリー民俗音楽の生演奏付きのランチです。
バイオリニストがテーブルを廻り、リクエストに応えて即興で演奏してくれたり、ハンガリー大平原の自然の中で楽しい気分が盛り上がります。 -
ツィンバロンと言うのでしょうか、
ハンガリーの民族楽器がとっても素敵でした。 -
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ハンガリーを代表する香辛料パプリカをふんだんに使ったシチュー、グヤーシュ。
パプリカの色で真っ赤なので、辛そうに見えますが、煮込み料理に使われるパプリカは辛みが少ない種類のものなので香り高く、辛くはありません。パプリカはビタミンCが多い健康食なのだそうです。
帰国後、お土産に買ったパプリカで早速グヤーシュを作ってみましたが、美しい緑と大気の中で頂いたグヤーシュの楽しさは真似出来ません。
グヤーシュはお隣のウィーンにも伝わっていて、街でよく見かけました。
同じツアーになった方々と乾杯。 -
大平原に住んでいたハンガリー人の源流である騎馬民族を現代に蘇らせた騎馬ショー。
ハンガリー人の祖先ハンガリー遊牧騎馬民族マジャール人はアジアが出自であることが、その風貌から改めて思い起こされます。 -
裸馬を自在に制御する見事な手綱捌きと雄大な大平原を駆け抜ける馬たち、壮観です。
砂埃を上げて疾駆して来る馬達を見た時は本当に感動しました。
その姿は颯爽と凛々しく、かっこいい! -
伝統的な民族衣装をまとった人々が、独特の長い鞭を宙に廻しながら巧みに馬を操ります。
この民族衣装も素敵です。 -
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後ろの二頭の裸馬(凄いことに鞍が付いていないんですよ)の背中に立ったまま跨って走らせ、その上更に前の三頭を操りながら大平原を駆け巡る、勇壮で高度な騎馬技術の素晴らしさと迫力に圧倒されます。
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馬のおすわり。
馬を座らせたり寝せたりと、自在に馬を制御する高度な伝統の騎馬技術です。
長時間大人しく馬がこの姿勢を保つのは、恐らく馬にとって忍耐が相当必要な大変なことでしょう。 -
最後には馬と触れ合うことも出来ます。
また、我が家は誰も乗りませんでしたが希望者には馬に乗せて頂けたりもします。 -
遊牧騎馬民族の暮らしも少し再現してくれます。
また平原の中には博物館もあり、遊牧民族の暮らしを伝える品々や資料などが展示されていました。 -
騎馬民族の誇りを持ち、自然の中に生きてきた遊牧民族、
現在は実際にその騎馬遊牧で生活している人々はいませんが、プスタには今も羊や牛が放牧され、牧畜が営まれています。 -
ブダペストに戻って、
ハンガリー国立民族舞踊団が拠点とし公演が行われている劇場ブダイ・ヴィガドー(Budai Vigado)で伝統舞踊フォークロアの公演を鑑賞。
一世代前までは村の人々の主要な娯楽だった民族舞踊も現代では踊れる若い人は少ないとのこと。
観客もご高齢の方が多いように感じられました。 -
ハンガリー民族舞踊は様々な種類があるそうです。
この写真の男性の踊り手が軍服のようなものを着ているのは、1715年から1868年まで募兵制度がとられていたハンガリーで、軍隊へ勧誘の手段として、当時娯楽の少なかった農村に出向き軍隊に入れようと仕向ける為、軍服姿の兵士たちが楽しく踊る様子を農家の若者たちに見せたという歴史があるからなのだそうです。
その名も「募兵の踊り(ヴェルブンコシュ)」という民族舞踊です。 -
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哀愁を帯びた音楽に乗っての伝統舞踊は男性のステップは力強く、
少女たちは衣装もまたとっても可愛い。 -
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お土産に買ってきた民族衣装を来た木製のお人形の小物入れです。
ハンガリーのお土産の定番ではありますが、素朴で温か味があってやっぱり可愛い。
カラフルな花模様の色彩が素敵に調和して、見ているだけで温かく幸せな気持ちになってしまいます。
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この旅行記へのコメント (6)
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- まみさん 2007/08/24 08:42:04
- ハンガリーの魅力満載!
- waterlilyさん、はじめまして。
なつかしのハンガリー旅行記を拝見しました。
ハンガリーは去年と2004年に旅行しました。
オペラ座でハンガリーの代表的なオペラときいてひょっとしたら、と思ったら、やはり「バンク・バーン」でしたね。
私はあれでエルケルが気に入りました@
ケチケメートの素朴派美術館もいらしたのですね。
すばらしいですよね!
ブダペストではすてきなホテルに泊まられたようですね。
鎖橋の見晴らしがいいです。
私は宿泊代をケチって、一応ホテルなのですが地下鉄終点のところに泊まりました。
子連れ旅行だったようですが、お子さんも楽しめました?
- waterlilyさん からの返信 2007/08/24 22:49:27
- RE: ハンガリーの魅力満載!
- まみさん、はじめまして。
ご訪問下さってありがとうございます。
と〜っても嬉しいです(*^_^*)
ハンガリーは実に多彩な魅力に満ちた国ですよね。
この旅行は子連れではあるのですが、この頃は娘ももう大きくなっておりましたので、親の方が逆に教えられる立場になる場面も多く、楽しめたようです。
更に最近では、娘もお友達と旅行に行く年齢になりましたので、親の方は置いてきぼりにされております。
お友達との旅行は親との旅行と異なり、自分が主体的に調べて動けるので、また違う楽しさがあるようです。
素朴派美術館、温かくてまさに素朴で良いですよね〜。
美術館の館員の方もとっても素朴で可愛いおば様ではなかったですか?
私たちの時は他に誰も見学者がいなかったせいか、美術館の外まで見送って下さって、その時一緒に写した写真があるのですが、ポーズが可愛くていらして、写真を見る度、娘が「可愛い〜!」と喜んでおります(^^)
ところでまみさんの旅行記、素晴らしいですね!
私は旅行先では夕方頃からは疲れて早々と寝てしまうことが多く(~_~;)
美しいと評判のくさり橋の夜景も窓からちらっと見ただけで、外に出てゆっくり鑑賞出来ませんでしたので、まみさんの素晴らしいお写真で堪能させて頂きました。
まみさんの旅行記はどれもみなとても詳しく解説されていて、1日2日では全部拝見しきれない程の充実さ、もうガイドブック以上です!
これから少しずつ楽しみに拝見させて下さいね。
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- sate8さん 2007/06/25 22:49:10
- こんばんは。
- waterlilyさん、こんばんは。
ハンガリー[2007/06/14〜2007/06/20] 新着お知らせメールで
waterlilyさんのお名前があったので、参りました。
ハンガリーもいらっしゃっていたんですね。
私はウィーンから日帰り1日観光で行ったことがあります。
王宮の丘、ケーブルカーで登れるんですね。
私はバスで丘を登ってしまったので、知りませんでした。
ハンガリーの国会議事堂、この角度の写真は初めてみました。
プラハのアールヌーボーについては、ちょっと勉強したことがあるのですが
ハンガリーのアールヌーボーについては、
エデンの作品を始め、手つかずなので、調べて見たいなあと思ってます。
- waterlilyさん からの返信 2007/06/26 00:30:37
- RE: こんばんは。
- sate8さん、こんにちは〜☆
sate8さんはウイーンからブダペスト日帰り観光でいらしたのですね。
私は逆方向にブダペストからウイーンへ列車で日帰り旅行をしました。
よく似た旅行ルートで何だか嬉しいです(^_^)
国会議事堂はガイドツアーを待つ列に並んでいる時に写したものです。
議事堂の中はガイドツアーでしか入れない上に英語ガイドツアーは一日一回しかないので、とても長い列だったのですが、
sate8さんの時は列はどうでしたか?
私の時は夏休みだったせいもあるのか、随分並んで待ちました。
sate8さんのハンガリー旅行記も楽しみにしていますね♪
そしてプラハのアールヌーボー建築も是非教えて下さいね☆
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- Muffinさん 2007/06/16 08:05:39
- waterlilyさんならではのハンガリー
- ハンガリーでオペラをボックス席で鑑賞されて、大平原まで旅されるなんてうらやましい!オペラ座の内部の美しさに圧倒されました。またハンガリーの大平原の様子は全く知らなかったので、いいものを見せていただきました。
Muffin
- waterlilyさん からの返信 2007/06/16 14:19:02
- ありがとうございます
- ヨーロッパのオペラ座はどこも美しくて、建物だけでも鑑賞の楽しみがありますよね。
ハンガリー大平原は本当に楽しい経験でした。
荷馬車のような馬車に揺られるのも、騎馬のショーも。
「大平原」という言葉に惹かれるのは、大好きな「大草原の小さな家」の影響もあるかもしれません。
アメリカに「大草原の小さな家」の場所があると聞きますが、いつか行けたら……と夢です。
何もないという話も聞いたことがありますが、どうなのでしょう。
何もないからこそ大草原とも言えますが…
Muffinさんの行かれたお祭り、見に行ってみたいです(*^_^*)
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