広州・河南の赤崗塔

2007/04/02 - 2007/04/02

昔，今から30年ちょっと前，海珠広場の広州賓館の16階に１ヵ月住んだ。直ぐそばに交易会の会場があり，職住接近の便利なところだった。

　その部屋から珠江の向こうの河南といわれる一帯にに何があったかは覚えていないが，唯一つだけ記憶に残っていたのは，赤崗塔。　
　広州へいくたびに一度はそばでみたいと思っていたが，とうとう実行。当時は農村と小さな工場ばかりだったような気がするが，今や大住宅地いわゆるマンション群があちこちにある，そしてあちこちで工事が進むという一帯に成ってしまった。

　塔は，すっかりきれいに修復されてからもそう時間が経っていないらしく，色も残っている。周りには，正に今の広州など大都市を象徴するマンション群，そして前には大きな緑地。

　当日は小雨が降ったり止んだりだったが，緑の美しさを一層引き立てる雨だった。

　バスだと１３１Aの“珠江両岸遊A線”に乗るのがお薦め。これだと珠江の両岸とその中間の島を通るので，かつて何もなかったところが，大きな緑地と，高層住宅群が配置された計画経済の夢の後のような見事な住宅になっているのが見える。
　物件法の成立，施行により，そこどけ，そこどけとはいかなくなるので，香港資本による大住宅団地の開発はどうなるのかなということを考えながら，日本の住宅事情の悪さを思い知らされることになるのも皮肉。

エリア 広州(中国)

　広い道路と大型の高層住宅，大きな緑地の中に立つ赤崗塔。

　風が吹くと風鐸が明るい音色をたてていた。

　将来のための大緑地。全体が出来上がれば公園だろうが，何を備えた公園ができるのだろう。

　でも，周辺はこんな具合に現代が押し寄せてくる。

　でも，やっぱりいい姿している。

　131Aに乗っていけば，全く違う世界が開けるのを見ずに広州へ行ったなんていってはいけないのかもしれない。