2007/02/15 - 2007/02/15
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Huskyjazzさん
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冬の間、月に2回程室内楽のコンサート「パーラー・コンサート」が催されるセントポールのジェイムズ・J・ヒル邸。州知事公邸もあるサミット・アベニューというビクトリア調邸宅街としては全米で最長という通りのひときわ広大な屋敷。ミネソタ歴史協会が管理し、こうしたイベントや見学ツアーが行われている。
ミネアポリス美術館に行くと、展示絵画の説明文の寄贈者にジェームズ・J・ヒルや彼の家族の名前が見られる作品が多々ある。1800年代後半から1900年代初頭にミネソタの経済界に多大な影響を及ぼしたジェームズ・J・ヒルは、鉄道王として知られている人物である。今現在もアムトラックの路線の一つとして利用されているグレート・ノーザン・レイルウェイを創業し、大陸横断鉄道を開発し、西部と中西部を結んで、穀物を含む農業の発達にも尽力した。
17才からミシシッピ河のスティームボートなどで働き、1878年に倒産しかけていた鉄道会社を買収、グレート・ノーザン・レイルウェイへと発展させた。その後、五大湖やシアトルからの海運業にも手を広げ、ミネソタ北部からコール、鉄など鉱物の輸送、果てはアジア(日本も含む)からの輸入にも関わった。
今もシアトルから中西部を通り東へ走るエンパイヤ・ビルダーがスタートしたのが、1890年のこと。当時から食堂車やラウンジカー、荷物車などを備えた本格的な旅の足だった。親友であったJ・P・モーガン(今も有名な企業ですね。)の助力を得て事業を成功させたヒルは、セントポールのサミット・アベニュー(その当時から富裕層の住むエリアであった)に大邸宅を建設する。1891年に完成した邸宅は、リチャードソン調ロマネスク様式で、当時としては最新、最高の設備を誇った。常に科学的な農業や技術革新を推進してきたヒルのこと、ちゃらちゃらしたデコレーションよりは実用性や耐久性などに重点を置いていたものと見え、当時から非常に高価で富の象徴でもあったティファニー社のステンドグラスを用いるのも嫌がった。
バスルーム13室、暖炉22カ所、クリスタルのシャンデリア16個、マホガニーと彫刻のほどこされたオークの重厚な内装、そして2階部吹き抜けでスカイラインの
アートギャラリー、広大なレセプション・ホールが今も威厳たっぷりに見学者を迎える。セントラルヒーティングを取り入れ、ガスと電気の蛍光灯、下水システム、換気システム、セキュリティ・システムに広大な屋敷内でコミュニケーションを取れるようにした装置(インターフォンみたいなものですね。)と、当時としてはどこにもないような設備を備えた。見学で地下に下りると、例えば、ガスを使ったシーツやテーブルクロスを乾かす大きな装置があったりする。
全米歴史史跡に指定され、1978年から歴史協会が管理する邸宅には、今も恰幅の良いジェームズ・J・ヒルの気配が感じられるような気がする。当時の使用人や家族に扮したガイドのツアーはお勧め。www.mnhs.org/hillhouse
また、エンパイヤ・ビルダーでシアトルやポートランドからゆっくり旅をするというのを、実は私もやってみたい。www.arukikata.co.jp/webmag/2006/0610/sp/061000sp_top.html
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