2006/12/06 - 2006/12/06
108位(同エリア151件中)
みっちさん
地底神殿で有名(?)な首都圏外郭放水路の見学会で、たまたまキャンセルが出たところに予約を入れることができたので、見学に行ってまいりました〜。
首都圏外郭放水路のサイト:
http://www.g-cans.jp/
旅行記というよりは、夏休みの自由研究っぽいノリですので、説明読むのめんどくさいと思いますが、興味がありましたら上記の首都圏外郭放水路のサイトと合わせて読んでみてください。
12/6午前の見学会は、全部で20人ぐらいの人がいました。
ほとんどの人が2人や3人のグループで来ている中、30代女一人でしかも熱心にメモを取ってる姿は異様だったかも('з')
国土交通省の広報活動取材みたいなのも入りますと言われましたが、誰でも見える所に顔が映ったりとかはしないみたいで安心。
通称地底神殿の調圧水槽は、実際に見ると圧倒されます。
また、説明も詳しくしていただけるので、どういう施設かという予備知識がなくてもこの施設の役目がよくわかります。
テーマは施設の学習が主体なのですが、ちょうどいいテーマがなくてエンターテイメントになっています…。
調圧水槽内や操作室(指令室と言ってしまいそうになる…)などは、ドラマや映画等での撮影場所としても使われているので、一種のエンターテイメントってことで^^;
ちなみに行きは、南桜井駅北口から出ている春日部市循環福祉バス(無料)を利用させていただきました。
でも、帰りはそのバスのちょうどいい時間がなかったので徒歩で40分ほどかけて南桜井駅へ…。
徒歩はかなり疲れます。
春日部市循環福祉バス:
http://www.knet.ne.jp/~ats/c/ka/kasu.htm
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 私鉄
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-
まずは南桜井駅北口の循環福祉バスを利用させていただきます。
本数は少ないので、午前組は見学時間に合わせて往復利用することはできません。
が、無料で利用させていただけるので行きだけでも利用できて、助かりました。
午後組だと行きがちょっとギリギリになりますが、往復両方利用できそうです。 -
今回見学のために訪れた庄和排水機場に着くとシールドマシンの一番前の部分を利用した時計がありました。
ちなみにシールドマシンとは、トンネルを掘るための機械です。 -
シールドマシンの一部
-
シールドマシンの説明
-
トンネルの壁面にくっつけるセグメントという部品も展示されていました。
シールドマシンが穴掘った後、セグメントを掘った穴に貼り付けて行ってトンネルができあがるのだそうです。
このセグメント9個で輪になり、その直径は10m。
首都圏外郭放水路全体のトンネル(約6.3km)を作るのにこの部品が約5,000個必要だとか。 -
セグメントの説明
-
そしてこちらが庄和排水機場。
2Fには、首都圏外郭放水路の様々な模型等を展示した展示室があります。 -
入ってすぐのところに地層タワーなる物があります。
実際に立抗(たてこう)を掘る時に見つかった地層をそのまま展示してあるのですが、約12.5万年前の地層からは貝殻等が出てきたそうです。
地層タワーにも貝殻ありました。
このことから、庄和排水機場のある辺りは昔海だったということがわかったそうです。
ちなみに貝殻が出てきた時に、近隣の住民が集まって貝殻拾いのイベントをやったとか。
立抗には、河川からあふれた水を放水路(トンネル)に流すための第2〜5立抗と、放水路の水を調圧水槽に送り込むための第1立抗があります。
どれも直径15〜30m、深さ約70mととても大きい筒状になっています。 -
マジレンジャーの色紙!
というわけで、この施設は操作室が秘密基地っぽかったり、調圧水槽が神殿のように見えるために色んなドラマ、映画等で撮影されています。
なので、その時の様子や、訪れた著名人のサインなんかがあったりします。
ほかにも、「北の国から〜遺言〜」「妖怪大戦争」「仮面ライダー555」「ウルトラマンコスモス」「レンジローバーのTVCM」等で撮影利用されたそうです。
なんでマジレンジャーだけ撮ったのか自分でもナゾ -
そしてこれが地球防衛軍の秘密基地だ!
というわけもなく、操作室です。
模型等のある展示室からガラス越しに見学することができます。
上部には施設内の色んな場所のカメラ映像が20台。
その下の大画面には、20個のカメラのうち任意のカメラ映像を拡大して表示したり、立抗や放水路、調圧水槽への水の流入状況をリアルタイムで見る映像が映っています。
ここには24時間誰か1人が必ずいて、緊急時等には10人ぐらい集まったりするそうです。
10人ぐらい集まったら、それこそ秘密基地。
梅雨等のだらだら雨が降り続く時期は、1週間泊まり込みなんてこともあるんだとか(´Д⊂ -
ちなみに操作室を見学するためのガラス枠は、こんな感じに飾り付けられてたりしますw
上にはクリスマスっぽい飾り付けがあって、下にはウルトラマンの人形。
これを入れると秘密基地っぽさが一気になくなりますw -
展示室にはこういった模型があり、実際に動く様子を知ることができます。
この模型のほかに、江戸川に排水する時に使うポンプやそれを動かすガスタービンの模型もありました。
模型の前には操作パネル、模型の後方上部には大きなテレビ画面があり、操作パネルで選んだ内容のことを大きなテレビ画面で説明してくれるので、最初いじった時はちょっとびっくりしてしまいましたw -
展示室での首都圏外郭放水路の説明を聞いた後は、この見学者用ヘルメットをかぶって地底神殿へ!
-
と、その前にまずは屋上に行って実際の施設がある場所を見たりしますw
上の方に見えている川が江戸川です。
洪水が起こった場合、中川や倉松川等の立抗がある川から流れてきた水を、庄和排水機場から江戸川に200立方メートル/秒で排水していくそうです。
200立方メートルというのは、25mプール一杯分ぐらいだそうですから、その量のすごさがわかりますね。
ちなみにここのポンプは、ジャンボジェットのエンジンを改造したガスタービンを利用しているので、ディーゼルで動く物に比べて以下の利点があるそうです。
・大きさはディーゼルの1/10
・ディーゼルより作動音が静か
・ディーゼルは、動かすか止まっているかの2状態しかないけど、ガスタービンだと排水する水の量を調節することができる
で、江戸川に200立方メートル/秒で流して江戸川は氾濫しないの?という疑問が出てきます。
これについては、江戸川は普段200立方メートル/秒で流れていて、6,000立方メートル/秒まで大丈夫とのこと。
なので安心。
さすが一級河川。
ただし、局地的大雨の場合には、立抗、放水路、調圧水槽に貯水することもあるそうです。
ダム一個分ぐらいの水を貯め込むことができるので、大雨が落ち着いたら江戸川に流したり、元の川に排水したりします。 -
左真ん中あたりに見える柵で囲まれた長方形の部分の下には、燃料の重油特Aが入っているそうです。
重油特Aは、環境汚染の少ない重油だそうです。 -
手前に見える金網部分は、ポンプ室の蓋になります。
その奥に見える芝の生えている場所は、調圧水槽の上になり、春日部市が市民用の多目的広場として貸し出しているのだとか。
そのさらに奥に見える白い丸い部分が、第1立抗のフタでスケートボード場として利用されてるそうです。
また、ここからは天気がよければ富士山も見えるのだとか。
曇っていたので、わたし達は見られませんでしたが(´Д⊂ -
屋上から1Fに降りてついに調圧水槽へ移動です。
が、エレベーターは13人乗りなのでしばらく待つことに。
この絵は、調圧水槽の一般公開日に地域の子どもがわーーーっと描いて、寺門孝之氏(画家)に龍に見えるように仕上げてもらった物だそうです。 -
ここが地底神殿への入り口です。
見学会を事前に予約するか一般公開日でないと一般人は入れません。
この入り口は、二つ上の写真で多目的広場の左端、第1立抗のフタの左前に見えていた白い建物です。
ここから116段の階段を使って下まで降ります。
エレベーターないの〜?と思っちゃいましたが、直接水が入ってくる施設なのでないとのこと。
そりゃそうだ。
ちなみに第1立抗の階段は、ここの約4倍。
約450段ってとこでしょうか(- -;
説明してくれたお姉さんは、「第1立抗の階段を上る時は途中で止まると上れなくなっちゃうから、走って駆け上がります!」と言ってました。
すげぇ…
わたし帰りの116段でも十分疲れたのに… -
階段を下りるとそこには…地底神殿が!
というわけで、調圧水槽です。
この柱は、1本が幅約78m、奥行き177mで500tあります。
これが全部で59本!
すごいにゃぁ
水槽なのになんで水がないの?と思うかもしれませんが、見学のため…というわけはなく、
・水を貯めたままにしておくと水の流れがないために水が汚れてしまい、それを江戸川に流すことはできない。
・立抗から水が流入してきて江戸川へ排水するためのポンプ(ある程度の高さまで水が貯まらないとポンプでくみ上げることができません)が作動するまでに約8時間かかるので、その間に職員を呼び集めることができる、つまり常に水が貯まっている状態だと職員を即呼び出ししなくてはいけなくなる。
という理由で、緊急時以外は水は貯めておくことはしないそうです。 -
近くで見るとホントにでかいです、柱。
遠くで見てもでかいけど。 -
こちらが調圧水槽内から見た第1立抗。
-
第1立抗の手前にある車止め。
なぜこんなところに車止めがあるのかと言うと、年に一回ブルドーザーによる掃除をするので、そのための車止めだそうです。 -
で、掃除用のブルドーザーは上部にあるこの穴からクレーンで吊り上げて入れます。
調圧水槽には、1年で約5cmの泥が積もるそうです。
それをそのまま放置するわけにもいかないし、この施設が年7〜8回稼動するのにその都度業者を呼ぶこともできません。
というわけで、年に一回降水量の少ない時期にお掃除するそうです。
今年は11月の初めにその掃除をして、それからまだ調圧水槽に水が流れ込んできていないので、とてもキレイな状態でした。
泥が貯まってしまっている時の見学時には、見学者が通る辺りだけを係員の方がお掃除するそうです。 -
地下にあるということで地震は大丈夫?と思った人がいて質問していました。
その答えの一つは、これ。
写真が暗くてわかりにくいと思いますが、第1立抗と調圧水槽の繋ぎ目にある黒い線に見える部分で揺れを吸収するそうです。
また、阪神淡路大震災以後に作られた施設なので、同程度の地震なら耐えられるようにできているとか。
調圧水槽はいいとしてトンネルは?という疑問も出てきましたが、トンネルは土が硬い層に作られているため、震度4程度の地震が来てもほとんど揺れを感じないのだそうです。 -
調圧水槽を奥の方(庄和排水機場方面)に行くと江戸川に排水するためのポンプがある場所に繋がってる通路が見えます。
いざという時に動かなかったら意味がないので、ポンプは月に一回点検作動させています。
が、点検のたびに中川等から水を集めてきたらめんどくさい&むだに汚れる。
ということで、江戸川から水を取ってきて点検作動させるそうです。
写真ではちょっと切れてしまってわかりにくいかと思いますが、上部に防火壁みたいなのがあって、それが下りてきて調圧水槽内に水が入らないようにし、点検作動させているのだとか。 -
そんなわけで、色々説明を聞きながら施設見学をして、階段116段上りました。
疲れた…。
で、階段上った時に見える第1立抗のフタ。 -
そして調圧水槽の上にある多目的広場。
やっぱでかいな…。 -
ちなみにこれが掃除用ブルドーザーを入れる穴のフタです。
-
見学が終わって循環福祉バスや路線バスがないので、徒歩40分かけて南桜井駅に戻りました〜。
これは江戸川の土手。
首都圏外郭放水路のトンネルを掘る時に出た泥や、年に一回のお掃除で出てきた泥などは、産廃として捨てずに土手の盛り土として利用しているのだそうです。 -
そしてこれが国道16号線。
この下に放水路が通っています。
なぜ地下に?
なぜ国道の下を?
そして、そもそもなんでこんな大規模な施設を作ったのか?
この辺り一帯は、お皿の底のような地形で水が貯まりやすく、また近年都市化が進んだことで、今まで水田等に貯まっていた水が行き場を失い洪水被害がすごかったのだそうです。
そのため、この放水路を作ったのだとか。
総工費2,500億円。
莫大な金額のようですが、この施設のおかげで洪水被害は劇的に減少したそうです。
効果について詳しくはこちら→http://www.g-cans.jp/intro/05kouka/
また地下、それも国道の下に作った理由としては…
・地上に作るとしたら広大な土地(排水機場だけでなく、第5立抗から排水機場までの本当に広大な土地)の買収に時間がかかる
・地上に作った場合、地域が分断されてしまう。
5本の川から流れてくるあふれた水を流し込むのだから、大きな川を作らなくてはいけなくなるから当たり前ですよね
・そしてなにより洪水被害に悩む地域住民を一刻でも早く安心させなくてはいけない。
というわけで、用地買収の手間を省き、地上を変化させることなく地下に作ろうということになったのだそうです。
また国道16号線の下を通っているというのは、同じく用地買収の都合ですね。
この施設は、国土交通省の施設なので。
確か地下施設を作る場合は、その地上にある用地の持ち主に許可をもらわなくてはいけなかったはず。
排水機場は、国道16号線から少し離れたところにあるのですが、国道16号線から排水機場までの放水路もなるべく公共施設の地下を利用しているそうです。
最初は、地底神殿が見てみたい!というミーハーな気持ちで行きましたが、その地域にとって重要な施設であるということがわかり、とてもためになりました。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- dana7さん 2006/12/15 16:28:36
- すごい!
- みっちさん
初めまして。dana7といいます。
いや〜すごい施設があるんですね。
話には聞いたことがあったけどやっぱり中に入ると圧巻!!
まさに地底神殿あるいは秘密基地の様相。
XXレンジャー等のロケで使われるのが分かりますよね。
こういう見学会があるんですね。
なかなか貴重なものを見せていただきました〜。
116段の階段、お疲れ様でした。
ということで1票投票させていただきます(^O^)
ではでは〜
- みっちさん からの返信 2006/12/18 17:18:41
- RE: すごい!
- dana7さん、はじめまして〜&投票ありがとうございます。
わたしも噂にしか聞いたことがなかく、一度は行ってみたいと思っていたので念願が叶ってよかったです。
写真を見たりしてどんな物かというのは想像していたのですが、実際に行ってみると本当に圧倒されました。
トンネル内も見学できたBコース、Cコースというのもあったようですが、これは今年の1月で終了してしまったそうです。
もっと早く知っていれば…とちょっと後悔。
直径10mのトンネルの中も通ってみたかった〜。
また、旅行記にも書きましたが係員の方の説明も丁寧で、すごくわかりやすかったです。
公共交通機関のみで庄和排水機場まで行くのはとても大変ですが、行ってみる価値はあると思います。
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