2006/08/18 - 2006/08/25
5位(同エリア7件中)
鉄人60さん
サーモンフイッシング
サケ釣りと言えば“川”と思うがどっこい、ここはアメリカ海釣リでっせ。
ホテルのツアーデスクで$314(二人分)の支払いを済ます。
“ライセンスはあるのか?”漁師じゃあるまいし、そんなもん持ってるわけが、おまへんやろ。“NO”それではライセンスを取りに行けとメモを渡される。やっと探し当てたフイッシング用品の店は猟銃やピストルまで売っている。土地の人は釣りに行くときでも熊用にピストルを持っていくらしい。ライセンス料一人$30、高いなぁ!この金は一体何処へいくのやろか?
出航は夕方の5時30分、乗員は8人。キャプテンと助手、フロリダとサンジェイゴからの釣人、島の釣り狂のおばあさん(83)と甥のカリフォルニアからの青年、そして日本代表は小鉄と私。ポイントは港から20分ぐらいの所、早速竿を出すが誰にも当りはなし。
針は3?の大きさに餌はデッカイ塩鮭の切り身。超大物釣の仕掛けはハリバットを狙っているらしい。2〜3度ポイントを変えるが全く当りはなし。近くのボートでは釣果は上っている。仕掛けを鮭釣りに切り換えルアーで流し釣り。魚探のポイントは120ft〜150ft(36m〜45m)である。仕掛けは4kgの重りを付けたガイド糸にクリップを付け、そのクリップに挟んでポイントまで沈める。魚が食い付けばクリップから糸が外れ竿に当たりが来る。ボートはゆっくりと進む。二本の釣竿は順番である。海の上は寒い、小鉄は早々に船室に入っている。私の釣りスタイルはゴルフ用のレインコートに、スキー用の帽子、手袋は北海道の冬の撮影の時に買ったカメラ用の物である。3時間を過ぎた頃フロリダの釣人に10kgと6kgのシルバーサーモンが2本。カリフォルニアの青年は小振りのシルバーをゲット、後の4人は坊主。残り時間は後30分、ヒットの数は計6回で3回は魚の勝ち、網の手前で海中へ……。キャップテンの“あと10分”の声を合図に私の竿にやっとヒット。
竿を立てるとビッビッと強烈な引き、何しろ鮭釣りは初めての経験。とにかく引きは強い。
どんな大物が掛かったかと気はあせるが力は魚に負けている。“早く巻け”の声は聞こえるが腕の力はもう限界まで来ている、“もうあかん、変わってくれ!”と喉まで出掛った声を抑えて最後の力を振り絞る。やっと魚の姿が見えてきた、“もう一息だ”デッカイ網へあと一メートル。もう腕は動かない。小鉄はカメラを構えて待っている。歯を食い縛り、糸を手繰り寄せるが……。見るに見かねて魚の方から網の中へ飛び込んでくれた。銀色に輝くシルバーサーモン(9kg)。吐く息は白く、みぞれ交じりの雨が祝福してくれる。ハァハァと肩で息をする私に皆が一緒になって喜んでくれた。日本から来た旅人に何とか一匹釣らしてやろうと時間まで延長してくれた船長の「デビット(43)」は海に生きる精悍な男。
“サンキュウ”。海の恵みに感謝の気持ちと共に、腕力の無さに改めて筋トレの必要を感じた。ロマンチックな霧の中を港へと急ぐ。太陽はまだ沈まない。納竿は9時30分。
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