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スリナムから陸路入国、TTへ空路出国<br /><br />*波打ち際でお姫様だっこ・・・された<br /><br />土手を降りたらコーヒー牛乳色の「大海原」が広がっていた。「浜辺」には波が打ち寄せている。まるで海のようだが、これが本当に国境の「川」なのだろうか。<br /><br />岸には10人くらい乗った小さなボートがぽつんと一艘浮かんでいるだけ。他には漁船もフェリーもない。これが本当にスリナムからガイアナに渡る「国際船」なのだろうか。<br /><br />飲み物等を売っている露店も、岸と船をつなぐ桟橋も、行き先表示の看板も何もない。黒い岩が積まれた防波堤の他は視界に引っかかってくるものが何もない。木陰一つない国際船乗り場は爽快ですらある。<br /><br />波打ち際まで降りていくと、船のスタッフと思われる色黒の男が近づいてきた。船がガイアナ行きであることを確かめようと思ったその瞬間、私の体は宙に浮いた。荷物もろとも男に抱きかかえられたのだ。・・・無言で。<br /><br />10人以上の客が見ている前で「お姫様だっこ」で船に運ばれる私。・・・無言で。恥ずかしさを通り越して屈辱感でいっぱいになる。桟橋がないこの港では当たり前のサービスなのだろうが、外国人の私にそんなことが予測できるはずもない。抱きかかえて船まで運ぶことを一言言って、心の準備をさせてほしかった。せめてオンブにしてほしかった。<br /><br />船は同族経営のようで、船頭のお父さん、客を運ぶお兄ちゃん、腰まで水につかって船を支えている15歳くらいの少年は弟のようだ。<br /><br />隣に座っているスリナム人が、私に言った。「ガイアナには泥棒がたくさんいるんだ。荷物盗まれないように気をつけるんだよ。スリナムとは違うんだからね。」スリナムで大金を盗まれた私は、苦笑しながら、胸ポケットの手帳とペンを鞄にしまった。<br /><br />一時間くらいたっただろうか。船はガイアナ側に到着した。<br /><br />すると、白いブリーフ一丁のマッチョな男が船に近づいてくる。白ブリーフは水に濡れて透けている。「今度はこの男に抱きかかえられるのだろうか・・・。」屈辱がフラッシュバックのように私に襲いかかる。<br /><br />けれどスリナム側と異なりガイアナ側には桟橋があった。そのため私はお姫様だっこの屈辱を味わうことなく桟橋伝いに岸にわたることができた。ブリーフ一丁男は荷物の運び屋だったようで、客の大きな荷物を頭の上に載せ軽々と運んでいた。<br /><br />岸に上がると、照りつける太陽の下、税関職員がベニヤ板の上で乗客の荷物を次々に検査していく。荷物検査は綿密にされると聞いていたが、手荷物しかない私には目もくれなかった。<br /><br />イミグレを過ぎたら、バンのミニバスがとまっていた。黒人の運転手に頼んで左側の助手席に座らせてもらう。ほっと一息。すると窓からごつくて黒い手が目の前に伸びてきた。<br /><br />「わっ、泥棒だ。」スリナム男の忠告が頭をよぎる。私はとっさに体を運転手の方に向け、窓外の男から手荷物を守るように前かがみになった。<br /><br />「おい、運転手、助けろよ。」と思って運転手を見上げると少しも慌てることなくニコニコしている。・・・無言のまま。一方、窓脇に立つ男は右手の拳を突き出したまま。・・・無言のまま。どうしたのだろう。<br /><br />男は泥棒じゃなくて、私にガイアナ流の挨拶をしたかっただけなのだという。外国人の私にそんなことが予測できるはずもない。いきなり拳を突き出す前に、「Hello」とか一言掛けて、心の準備をさせてほしかった。<br /><br />「やれやれ・・・。」私は、身を起こして、窓脇の男の拳に自分の拳を突き合わせた。なんだかこの国を楽しく旅していけそうな予感を胸に。

Guyana

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2005/12 - 2006/01

26位(同エリア33件中)

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km777

km777さん

スリナムから陸路入国、TTへ空路出国

*波打ち際でお姫様だっこ・・・された

土手を降りたらコーヒー牛乳色の「大海原」が広がっていた。「浜辺」には波が打ち寄せている。まるで海のようだが、これが本当に国境の「川」なのだろうか。

岸には10人くらい乗った小さなボートがぽつんと一艘浮かんでいるだけ。他には漁船もフェリーもない。これが本当にスリナムからガイアナに渡る「国際船」なのだろうか。

飲み物等を売っている露店も、岸と船をつなぐ桟橋も、行き先表示の看板も何もない。黒い岩が積まれた防波堤の他は視界に引っかかってくるものが何もない。木陰一つない国際船乗り場は爽快ですらある。

波打ち際まで降りていくと、船のスタッフと思われる色黒の男が近づいてきた。船がガイアナ行きであることを確かめようと思ったその瞬間、私の体は宙に浮いた。荷物もろとも男に抱きかかえられたのだ。・・・無言で。

10人以上の客が見ている前で「お姫様だっこ」で船に運ばれる私。・・・無言で。恥ずかしさを通り越して屈辱感でいっぱいになる。桟橋がないこの港では当たり前のサービスなのだろうが、外国人の私にそんなことが予測できるはずもない。抱きかかえて船まで運ぶことを一言言って、心の準備をさせてほしかった。せめてオンブにしてほしかった。

船は同族経営のようで、船頭のお父さん、客を運ぶお兄ちゃん、腰まで水につかって船を支えている15歳くらいの少年は弟のようだ。

隣に座っているスリナム人が、私に言った。「ガイアナには泥棒がたくさんいるんだ。荷物盗まれないように気をつけるんだよ。スリナムとは違うんだからね。」スリナムで大金を盗まれた私は、苦笑しながら、胸ポケットの手帳とペンを鞄にしまった。

一時間くらいたっただろうか。船はガイアナ側に到着した。

すると、白いブリーフ一丁のマッチョな男が船に近づいてくる。白ブリーフは水に濡れて透けている。「今度はこの男に抱きかかえられるのだろうか・・・。」屈辱がフラッシュバックのように私に襲いかかる。

けれどスリナム側と異なりガイアナ側には桟橋があった。そのため私はお姫様だっこの屈辱を味わうことなく桟橋伝いに岸にわたることができた。ブリーフ一丁男は荷物の運び屋だったようで、客の大きな荷物を頭の上に載せ軽々と運んでいた。

岸に上がると、照りつける太陽の下、税関職員がベニヤ板の上で乗客の荷物を次々に検査していく。荷物検査は綿密にされると聞いていたが、手荷物しかない私には目もくれなかった。

イミグレを過ぎたら、バンのミニバスがとまっていた。黒人の運転手に頼んで左側の助手席に座らせてもらう。ほっと一息。すると窓からごつくて黒い手が目の前に伸びてきた。

「わっ、泥棒だ。」スリナム男の忠告が頭をよぎる。私はとっさに体を運転手の方に向け、窓外の男から手荷物を守るように前かがみになった。

「おい、運転手、助けろよ。」と思って運転手を見上げると少しも慌てることなくニコニコしている。・・・無言のまま。一方、窓脇に立つ男は右手の拳を突き出したまま。・・・無言のまま。どうしたのだろう。

男は泥棒じゃなくて、私にガイアナ流の挨拶をしたかっただけなのだという。外国人の私にそんなことが予測できるはずもない。いきなり拳を突き出す前に、「Hello」とか一言掛けて、心の準備をさせてほしかった。

「やれやれ・・・。」私は、身を起こして、窓脇の男の拳に自分の拳を突き合わせた。なんだかこの国を楽しく旅していけそうな予感を胸に。

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