2005/08/21 - 2005/08/22
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8月21日(日)
07:00 Ourense → 16:00 Cea (21.6km)
Albergue 泊
アルベルゲを出る時、となりのパキのベッドを見ると、1,5リットルの空ボトルが置いてあった。
私はパキに失礼にならないように、彼女の後を追いかけながら、これ要らないの?と聞いた。捨てるためにだ。
すると彼女は私のベッドの下を指差し、
「このボトルは?」
見れば小さいカラボトルが二本転がっているではないか。私も忘れていたのだった。 パキは私がボトルを置いていくのをみて、自分もそのままにしようと思ったという。
お互いうっかりもので、こんなことでも二人は笑いがとまらない。
-
まだイサベルとペドロの仲が、完全に戻ったわけではなかった。
イサベルはペドロが行かない場所に宿泊したいようだった。
今日の目的地Ceaまで21.6km。
ペドロとペペはその次の村まで行くらしい。
イサベル、イワン、ホセ(昨日後から到着)は、オウレンセの街を見ていなかったので、ゆっくりしてからCeaに来るという。
こうして3つのグループに分かれて出発。
携帯電話はこういう時、便利である。状況によって(アルベルゲが開いているかなどの情報も含め)電話でお互い連絡をしあい、調整することができるのである。
オウレンセのような大きい街を出るのはそれだけでも時間がかかる。 やっと街を見渡せる小さな村に着いた時、ベンチに座りひと休みをしていたら、もうペドロとペペに追いつかれてしまった。
私たちは今日はどこに宿泊するかとペドロから散々聞かれていたが、行ってみないとわからないと、曖昧な答えを出していた。
ペペの表情は寂しそうだった。もしかしたらもう会えないかもしれない。
私たちはいつもペペのことが大好きだった。
ペペは全く英語を話さない。だから最初に会った時は、無愛想であった。
また、東洋人と関わるのも初めてのようであった。しかし、毎日顔を合わせていくうちに、私達に慣れてくれ、それとなく気づかっていてくれる事を感じていたし、彼の規律のある生活態度や、暖かい人間性は誰もが安心感を覚えた。
よけにペドロがうらめしい。 -
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リンゴを収穫するパキ
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この後もずっと登りが続く。
11km先の村でバルで飲み物を飲みながら、店で買ってきたオイルサーディンを食べていた。
パキが席を立った時に、私のゴミを一緒に捨てようとしてくれたので、オイルサーディンの缶 も捨てるように頼んだ。
缶は紙の箱に戻してあったが、それを持った瞬間、缶に残っていた油がパキの服にかかってしまった。 魚臭いしオイルである。急いでティッシュで拭いてもとれない。
パキは私に粉を持っていないか?と聞いてきた。 後で考えてみれば、粉おしろいを持っていたのだが、その時は全く思いつかず、日本製の傷に塗る粉を出した。
その粉は黄色く、油の箇所にかけると、そこに『黄色い矢印の形』が浮かび上がった。
これはいい!
不思議なことに洗濯した後に、シミは残らずきれいになったので良かったけど・・・。 -
今日も火事の煙があちこちから見える。 パキから聞いた話によると、この季節、この地では、珍しいものではない光景なのだと言う。
歩いていくと、前方に煙が見えてきた。通りがかる村が山火事に遭っていたのだ。
火は見えないが、煙があちこちから出ている。村人も水をかけ消火活動をしている。
パキが村の人に手伝いましょうか?と聞いてくれたが、人手はあるからいいと言う。
それでも少しだけ枝を使って火を消そうとしたが、なかなか消えない。 歩いていくと、村人が集まってきたが、あんまり急いでいるようには見えない。緊急事態というよりは、村の行事にでも行くかのようにのんびりしている。 ここではそんなに普通のことなのだろうか。 -
今日も火事の煙があちこちから見える。 パキから聞いた話によると、この季節、この地では、珍しいものではない光景なのだと言う。
歩いていくと、前方に煙が見えてきた。通りがかる村が山火事に遭っていたのだ。
火は見えないが、煙があちこちから出ている。村人も水をかけ消火活動をしている。
パキが村の人に手伝いましょうか?と聞いてくれたが、人手はあるからいいと言う。
それでも少しだけ枝を使って火を消そうとしたが、なかなか消えない。 歩いていくと、村人が集まってきたが、あんまり急いでいるようには見えない。緊急事態というよりは、村の行事にでも行くかのようにのんびりしている。 ここではそんなに普通のことなのだろうか。 -
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Ceaのアルベルゲに着くと、ペドロとペペの荷物があるが姿は見えない。
ここに泊まらずに先に行くと言っていたのに。 たぶんここで休憩だけして、夕方から次の村を目指すのだろうと思う。
シャワーを浴びて、パキはすぐに食事に行きたいという。
とても疲れていたが、つきあうことにした。 この町は蛸とパンが有名なのである。
ところが今日は日曜日。しかも明日はここのお祭りで、蛸の準備とやらで今日の営業は早めに切り上げたりと、なかなかありつけない。 -
人に聞きながら歩いて行くと、町外れに蛸を食べさせるレストランがあることがわかった。 結局1kmくらい歩いたところにあり、暑い中、やっとたどり着いたのだった。
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ここではビールをまず飲み、蛸を3人分と、小イカを注文。最初に出てきたイカもすごくおいしい。ニンニクとオリーブオイルで炒めてある。
そして蛸。
三人分が大皿に盛られ、すごい迫力だった。
私たちは夢中で食べた。 ここまで歩いてきた甲斐があったと大満足。 -
-
店を出ると、おじさんが追いかけてきた。 手には私の携帯電話を持っていた。
あ〜っ!またやってしまった!!
写真はたこのレストランのおじさん -
アルベルゲに戻ると、まだペドロとぺぺがいるようだった。
そしてベランダから聞こえたのは、ペドロの声
「今日はワインをたくさん飲むぞ。」
?
ペドロはビールもワインも飲めなかったのに、ずいぶんと変わってしまった。
しかもヤケ酒?
今日はここに泊まる気なんだろうか。
疲れていたのでベッドでゴロゴロしながら日記を書いたり、少し寝たりしていると、賑やかな声が聞こえてきた。イサベル、イワン、ホせが到着したのだ。
イサベルはベッドのある二階に上ってきて、私に気付かず、部屋の奥に入っていく。ペドロの荷物をみつけ、また戻ってくる。
やっぱりまだペドロのそばには行きたくない様子だった。
イサベルは私をみつけるとキスをした。
今日はオウレンセで温泉に行き、とてもリフレッシュしてきたようだった。
私も階下に降りていく。
ホせはまだここに着いたばかりだと言うのに、漢字の成り立ちについて質問をしてきた。
そしてオウレンセの温泉の素晴らしさを話した。
そこは日本風の温泉を演出してあるらしく、日本語の文字が書かれてあったり、露天風呂があるのだそうだ。ここでは静かな音楽が流れ、しゃべってはいけないのだそう。
さぞホセにとっては辛かったことだろう。
その席にはポルトガル人のお兄さんもいた。私はお兄さんと話し出した。 まだ20歳くらいだろうか。大学生のようだ。彼はリスボン出身だったので、話が盛り上がった。
私はスペインが大好きであるが、リスボンに対しては特別の愛着があった。 もし日本以外の首都に住めと言われたら、まずリスボンをその一つに挙げると思う。
リスボンは、第一印象から大好きになった場所であり、最後に訪れた時には一か月以上滞在した思い出の場所なのだった。
気候、街並み、人間、街の大きさ、すべてが調和よくリラックスできる街なのだ。
そこに住む彼と、思い出す限りの地名やモニュメントを言い、私のリスボンに対する思いも込み上げてきた。
そして彼の住む地域の話まで近付いた時、『カフェ・ブラジレイラ』と言うと、彼は
「僕はまさにその近くに住んでいるんだよ!」
ここで私たちの話は最高潮に盛り上がった。
なぜだろう。リスボンを想う時、いつも感じる春のような爽やかな風。そして郷愁。
イサベル達は今から食事に行くという。
まだお腹がいっぱいだったので、時間をずらして私たちは後で出て、バルで会おうということになった。
彼らより少し遅れてアルベルゲを出ると、町は静まりかえり、やっと開いている一軒のバルをみつけたが、ここには誰もいなかった。
おそらくあの遠い店に行ったのだろう。私たちはそこまで行く気がしなかったので、このバルでジュースと胃薬を飲んだ。
胃は強い方ではない。消化が悪いような気がして、飲んでおこうと思ったのである。
バルを出て、イサベルたちを探しに行こうとすると、珍しくミカさんが、もう疲れたから帰りたいという。 それは私たちも同感だったので、今夜はアルベルゲに戻ることにした。
二階のベランダを見ると、ペドロが一人で座っているではないか。
私たちは彼に気づかれないようにそっと玄関を開け、二階にあがった。
こまった。洗濯物をベランダから取り込まなくてはいけない。ペドロに会ってしまう。 それでもすぐに済ませればいいだろうとベランダに出ていった。
さっさと洗濯物を取り込んでいると、ペドロが話しかけてきた。 ペドロは懐中電灯を使って薄いパンフレットのような本を読んでいた。
「これを読んでごらん。」
って言われても、なんでこんな真っ暗い中、懐中電灯まで使って私が読まなきゃならないの?それもスペイン語じゃん!!!
私の心は穏やかではなかった。
読めないからと断ると、明日はどこまで行くのか聞く。
明日だけ、道が二つに分かれ、その分かれたところのどちらかに泊まるのが順序だった。
私はとにかくペドロが行かない方に行きたかった。
ペドロが何をしたわけではない。 ただ、彼の頑固さで、グループがうまくいかなくなったことは事実だった。
私が曖昧に答えると、ここまで来なくちゃ駄目だよ。そうしないと期日にSantiagoに着かないよ。期日とは、前にイサベルに言っておいたものだった。みんなはそれも意識してここまで歩いてきてくれていた。
それさえも、
「いいの。その日じゃなくても。次の日でもだいじょうぶなの。」
本当に私は冷たいと思う。でもこの時、私は彼から早く逃げたかった。
お陰で胃が痛くなってきた。胃をさすりながら、もう調子が悪いからと、部屋に入ろうとすると、ついてきて、パキと話をすると言い出した。 パキは疲れているからダメよと断るが、私たちのベッドの近くまできた。
そしてまた
「明日はここまで来なくちゃ駄目だ。」
と言う。一瞬でも彼のそばから逃げたくて、私は表に出た。
そしてイサベルに電話をしたのだが、今困っていることを説明したいが、どうしていいかわからない。
いつ帰ってくるのか聞くと、もうすぐだと言う。
部屋に戻るとまだペドロが居座っている。 私の胃はさらに重くなり、とても気分が悪いことをペドロに訴えるのだが、暗いせいもあって見えないのか、まるでとりあってくれない。
ペドロは私とパキの携帯の番号を教えてくれと言う。言わなければ眠らせてもらえそうにもない。
決して攻撃的なわけではないが、私は追いつめられた気持ちになってしまった。
それを教えると、今度はイワンとイサベルの電話番号も教えてくれと言う。
私はもうどうしていいかわからなくなった。
仕方なく、イワンのだけ教えると、ここで納得してくれたので、助かった。
イワンなら、だいじょうぶだろう。
ペドロもペペも、携帯を持っていなかったので、今までは電話のやりとりに参加していなかったのだ。
やっと解放されてベッドに入ったものの、パキやイワンの電話番号を教えなければならなかったことを二人に謝らなくてはならないし、疲れて胃の調子も悪いのに、おかまいなしのペドロに対して、とても憤りを覚えた。
ペドロの本心もわからなかった。
イサベルと仲直りしたいのか。
このグループをもとのようにしたいのか。
それらを放棄して、ただ私たちを自分の仲間に入れたいのか。 -
8月22日(月)
07:00 Cea → : Estacion de Lalin (33.5km)
Hostal 泊
朝から胃の調子が悪い。
きっとペドロのせいだ。 (・・・・ここまで嫌わなくてもいいのかもしれない。)
一つ目の村に着く前にペドロとペペに追い越された。
ここでもペドロはしつこく今日は『ここ』まで来るんだよと言っている。
調子が悪いからとごまかすが、妙にしつこい。
私たちはイサベル派なんだから、ペドロの言うことなんか聞かないからね! -
一つ目の村というのは、修道院のある美しい村だった。
この修道院が素晴らしいのだ。 10時から見学が始まるという。
まだ10分あったが、先に朝ご飯だ!
バルのあばさんが、 パン・コン・トマテを作ってくれるという。このあたりはパンがおいしいので期待できた。
ココアを注文し、待っていると10時になり、ペドロとペペは修道院の見学に行った。
期待通りのおいしい朝食だったが、胃の調子がまだよくない。
私たちも修道院の見学に行くつもりだったが、見学は一時間ごと。次の見学開始は11時で、所要時間は一時間もかかるという。
今日は33km強あるのだから、ここでゆっくりしてはいられない。
そのうちペドロ&ぺぺが戻ってきて、素晴らしかったと絶賛していた。
こんなところまで二度と来れないだろうから、少し残念だったが、あきらめることにした。 -
このバルで休憩
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photo by mica
そうだ!ここでみんなで写真を撮ろう。
なぜなら二日前のオウレンセでバルにみんなで行った時、ペドロがパキにこう言った。
「Hiromi&ミカとぺぺの4人で写真を撮りたいんだ。カメラを持っていないから、どこかで買うか、誰かに借りようと思っているんだけど・・・。」
パキはその時通訳をしてくれたが、私はムゲにも
「私のカメラは壊れているから。」
と、冷たく言ったのだった。 その言葉はパキはペドロに通訳をしなかったけれど。
・・・それ以来だったが、ミカさんのカメラで写 すことにしたのだ。
そうすれば、もう私たちについてこないかもしれない。 -
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小さな店も何もないような村に入った。
パキが地元のおばあさんと話をしている。 そして水飲み場を教えてくれた。 そこには水が張られているのだが、どこに水源があるのか探していると、さっきのおばあちゃんの孫が来て、私のボトルを取ると、鍵のかかった扉を開け、その中から水を汲んでくれたのだった。
女の子は7歳くらいだろうか。とてもやさしくておとなしい子だった。見ているだけで心が洗われるような、小さな白い花のような女の子だった。
パキが私の胃が悪いことをおばあちゃんに言うと、そういう時はコーラがいいのよ、もし良かったら家にあるものを探してくれるという。
お願いすると、女の子がさっと走り、家からコーラを持ってきてくれた。 それをミカさんと分けて飲む。少し良くなったような気がした。
別の時も、おばさんが私たちにソーダのボトルを1本づつくれたこともあった。
ガリシアの人は静かで控えめだが、とても親切だった。
胃の調子が悪いのは、私だけではなかった。ミカさんも調子が悪く、下痢になってしまった。
私は慣れているが、ミカさんにとっては珍しいことだったので、かなり辛そうに見えた。
私たちの症状はそっくりだった。 10分おきに痛み出す。あとの10分は何でもない。これを繰り返していた。 -
この井戸の中から、水を汲んでくれた
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今日は二手に分かれる。
『 ラリン』という町と『国鉄があるラリン』。『国鉄』がある方は、Caminoなので歩きやすい。しかし駅前には何もない。『ラリン』の方はアルベルゲがあるからそちらにくるようにと。 しかしこの後、『ラリン』のアルベルゲは閉まっていることがわかり、情報が二転三転した。
バルでミカさんはぐったりしていたので、たくさん水分をとった。
そして、外に行って寝てくると言う。
私とパキはそこに残り、バルの子供と遊んでいた。その子は日本の漫画の影響で、日本に興味があるらしく、名前を漢字で書いてあげると喜んでくれ、漢数字の書き方、数え方を教えると、自分でスペイン語の仮名をふりながら、一生懸命勉強してくれる。
そして最後に
「日本語を教えてくれてありがとう!」
と、きちんとお礼を言った。 その時だった。イサベルとイワン、少しあとにホセがバルに入ってきた。
写真はバルの子供 -
ここからさらに1時間以上休憩をしてしまうのだった。
私は食欲がなかった。パキが胃の調子が悪いのだと説明してくれる。
するとイワンはゼスチャー付きで、下痢の方?吐く方?と聞いてくる。普通なら恥ずかしくて言いにくいが、家族のような仲間には気にせずに『下痢の方』だというと、それならきっと良くなるよとみんなが言ってくれた。
相変わらずイワンがいると賑やかだ。私が何を言ってもおもしろいらしく大笑いをしている。
「Hiromiの宗教は何なの?」
「う〜ん、私はいろいろなのを少しづつなの。仏教を少し、キリスト教を少し、ヒンズーを少し、イスラムを少し・・・。」
「ワッハッハ!僕も同じだよ!」
そろそろ店を出て歩かなければ。
写真はイサベル -
写真はおしゃべりなホセ(キューバ)
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photo by mica
ここでなぜかホセが、私たちと一緒に歩くと言い出した。
そういえばさっきから元気がなかった。彼は31歳なのだけど、太っていて大変そうなのだ。 イサベルとイワンのスピードに追い付かなくなったのだろう。
外に出てミカさんを探す。なかなかみつからないので電話をかけた。
今度はホセを入れた四人で歩き出した。
そして次の村でまたバルへ。ホセもバルが好きで良かった。
ここで遅れてきたミカさんは
「私はもうだめ。ここからバスかタクシーに乗るわ。」
あとまだ15km近くあった。
聞いてみると店の中にちょうどタクシー運転手がいて、行ってくれるという。
するとホセが言った。
「ねぇ、ミカのタクシーに僕達の荷物を持っていってもらおうよ!」
私とパキは顔を見合わせた。ちょっぴりやましい気持ちもあるが、意義はなかった。 -
この頃またペドロから電話があり、『国鉄があるラリン』にもバルの階上がホテルになっているものがあるという情報が入った。そこまで来いと言うのであった。
ペドロと同じところはいやだなと思っていたら、再び電話があり、自分達はその先の村まで行くという。ペドロはイワンにも電話して、彼らもそのペドロが行くという村まで行くのだという。
私たちだけ少し遅れてしまうが、とても今日はそこまで行けそうにない。
もう夕方の5時になるというのだ。
ペドロもいないことだし、camino沿いにも行ける、『国鉄のあるラリン』に行くことになった。 -
考えてみれば、ペドロはとても親切だった。彼が電話してくれなければ、路頭に迷っただろうし、先にタクシーで行くミカさんの宿泊場所も予想できなかったのである。
携帯を持たない彼が電話するのは不便なことだ。数少ない公衆電話を探し、とても高い電話代を払わなくてはならない。(公衆電話から携帯に電話するのは高かった)
しかもイサベルたちにも情報を与え、あの四人が同じアルベルゲに泊まるのだと言う。
どうなっているのだろうか。 私には、急にペドロの方からの歩みよりがあると感じた。
ミカさんのために、タクシーの運転手さんに連れていってもらうバルを教えたり、荷物は運転手さんがホテルの入り口まで入れておくように頼んだり、値段もだいたい聞いておいた。 ミカさんを見送り、身軽になった三人は楽しく道を歩きはじめる。
ところが座って休んでいるときは何でもない私の胃は、歩きはじめるとまた、15分おきに、痛みが襲ってくる。
ホセはパキが気に入ったと見えて大はしゃぎだった。
順番に歌を歌わせたりとうるさいが、私とパキは仕方なくつきあった。
こっちは調子が悪いのに!
ホセは歌が得意だった。古めかしい歌が多かったけれど。その歌詞を通訳してくれる。
その内容は、黒い服を着た未亡人の女性に男性が心を奪われるというものだった。
私がナマ返事をしはじめると、パキにスペイン語で話しかける。パキはそのたびに英語で話してと言う。そうすれば私も中に入れるから・・・と、一人で話を聞くのが退屈だったという。
後で聞いたら、ホセはしゃべっているばかりではなく、詩を朗読するのだという。
その内容が、愛の詩で、聞いていられないということだった。
そのうちパキが『ナゾナゾ』を出した。するとホセはこの時だけは静かになって考え込む。 しばらくはこれが功を奏し、彼を黙らせることができた。
もはや私の胃の痛みの根源は、ペドロからホセに変わりつつあった。
ホセがいつものように、空手について質問してきた。 この言葉はどういう意味? 耳慣れない日本語らしい言葉の意味を一生懸命考える。もともと空手用語なんて知らないのに、変な日本語だから、推理するしかない。 そのうち私は胃が痛いからと逃げようとするが、ぜんぜんおかまいなし。
私の怒りはと痛みは頂点にきた。『もう先に行って』と頼むと、 やっと静かにしてくれた。 -
やっとのことで、『国鉄のあるラリン』に到着する。長かった。
荷物を置き、シャワーを浴びる。ホセは長風呂だと思ったら、髭をきれいに剃っていた。 私から43歳と言われていたので、これで若く見えるでしょと自慢げだった。
そして顔につけるローションが欲しいとミカさんのドアをノックしている。
ミカさんは、ゆっくり寝てだいぶよくなったという。でもまだ食べ物の匂いだけでむかつきがあるので、今日はもう寝るということだった。
三人で階下のバルの奥のレストランスペースに入った。
ここでは私はスープを飲むようにホセとパキから言われた。確かに固形物は受け付けない。でも、今日歩いていて思ったのは、ほとんど食べないで歩いていたので、力が入らないのだ。これでは明日も歩けないので、ヌードルが入ったスープをオーダー。
二人はガリシアのおいしいスープ、ステーキ&ポテトをオーダー。二人のスープを味見させてもらったら、すごくおいしい。私のスープもさらっと軽いのにいい出汁が出ておいしかったし、胃にやさしかった。
店の人はスープ皿に盛り付けたあと、大きなスープ鍋を好きなだけお代わりするようにと置いていってくれた。
ホセは突然私にこう言い出した。
パキを指し、
「この女性は見かけが大人しそうである・・・。」
・・・いつまでたってもその続きがないので、何なの?と聞くと
「この女性はとても心が穏やかである・・・」
なぁ〜に言ってんだろう!?
食べながら、私は近くに座る男の子に目が釘付けになっていた。2歳くらいで丸々太っている。テレビのマンガを見ているのだが、その表情を見ていると飽きないのである。 心配そうな顔をしたり、笑ったり、身を乗り出したり。
私はすっかりそちらに気を取られ、パキとホセのおしゃべりにはあまり参加しなかった。
ホセはお店の人に言われるままにワインを味見しながらたくさん飲んでいた。お店の人がとても親切なのである。
この店の料理はどれもおいしく(パキが味見をさせてくれた)、私はここにしばらくここに住みたくなってしまった。
デザートもオーダーしたものよりたくさん出してくれた。
大食漢のホセはどれもぺろりと食べてしまう。
この宿はとても安く、そのうえシングルもツインも同じ値段だといい、どの部屋を使ってもいいと言ってくれた。
でも、今日はパキとツインの部屋にした。
それはまたなんだか楽しいことだった。
二人でさっきのホセの悪口が始まる。
そこへノックの音。ホセだった。
洗濯物を私たちの部屋のベランダに干したいという。ナンツウ奴!
その後二度ほどノックがあってやっと静かになった。
パキはレストランでの出来事を反復する。
「ホセったら、みんな食べ物を自分の腕の中に入れちゃって、すごかったのよ。デザートだって、三人にってお店の人が出してくれた分まで一人占めしちゃって。」
「ほんと、ずうずうしいんだよね〜〜〜!ところで、さっきさ、急にパキのことを『この女性は・・・』って言い出したじゃない?あれ何だったの?」
パキは大笑いしながら
「真面目な顔して私の目を見てこう言ったの。『その美しい瞳は誰のものなの?』」
これには二人で大笑いだった。
ホセはパキの虜になってしまったのだろうか。
「だから私は言ってやったのよ。『私のものよ。』って。」
パキといるだけで女子高生になれる、楽しい夕べだった。
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