2003/09 - 2003/09
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a_srcwさん
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スペインで闘牛を見る。
私が過ごしたムルシアでは、さっぱり闘牛の噂を聞かない日々が続いていた、おかしい、テレビではよく放送されているのに…。
そして9月、やっとムルシアに闘牛シーズンが訪れた。年に1度、1週間の間、やっと闘牛場に日が当たる。
闘牛にはルールがある、友達の家でテレビの闘牛中継を見ながら基本を教えてもらった。雄牛(彼らは牛と闘牛を分けて呼ぶ)の良し悪しで大きく違う、闘牛士の立ち位置ひとつでも良し悪しがあるし、どんな雄牛が、どんな闘牛士と闘うのか、やっと実際に見られるのだ。 いざ、闘牛場へ!!
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闘牛場の席は、日陰席(Sombra)、日向と日陰席(Sol y Sombra)、日向席(Sol)の順で値段が決められている。Sol y Sonbraは時間の経過に連れて日陰になるという席。写真右側からSol→Sol y Sombra→Sombraで、各エリアに砂被り、1階下、1階上、2階、3階に分かれてチケットの値段が変わる。一番高いのがSombraの砂被り、一番安いのがSolの3階席というわけ。私の闘牛デビューはSol y Sonbra1階上、チケットは高かった…40ユーロくらい。
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1日の闘牛で3人の闘牛士が各2頭を相手に戦う。
この日の顔ぶれは、デビュー戦の若造、ムルシア出身闘牛士、超有名な闘牛士。闘牛士の着ている衣装はすべて手作りで、神聖なものとして扱われ男性しか触れないそうだ。全身コルセットってくらいピッチリ締め付けられるらしいが、そのせいか闘牛士の立ち姿は本当に美しい。 -
雄牛の登場。500〜550?で筋骨隆々、登場口には雄牛の体重がボードで知らされていた。とはいえ、ドシロートの私が遠くから牛を見たって大きさは実感できないけど。
闘牛にはスポンサーがいて、このスポンサーが雄牛を買い、闘牛士を呼ぶ。闘牛を専門に育てる牧場がいくつもあり、良い牛は相当な額で取引されるそうで、ふがいない牛が出てくるということは、スポンサーが牛にお金をかけなかった=恥ということらしい。 -
まずは闘牛士が剣を使わず雄牛をいなす。ここで雄牛の特徴や癖を見るのだそうだ。
闘牛士にもいろいろなタイプがあって、スピード感のある勢いのいい闘牛や、立ち姿の美しい優雅な闘牛もある。 -
闘牛はトロ呼ばれ4〜5歳の成牛と闘う、この下にノビジェロと呼ばれる2〜3歳の青年牛と闘うクラスがあり、闘牛士はまずノビジェロで経験をつんでからトロに上がってくる。
写真の闘牛士はこの日がトロデビュー、このあと転んで雄牛にお尻を蹴飛ばされていたが大事には至らず。 -
闘牛士が一度引っ込むと、馬上から雄牛に槍をつくピカデーリョの場。雄牛と闘牛士が真っ向から闘っては雄牛の体力がありすぎて勝負にならないからだって。
ピカデーリョの場の写真がないので、日向でダレるピカドール(槍打ち士)の写真でお茶を濁そう。 -
槍で突かれた牛の気力を取り戻すため銛を打つバンデリーリャの場。バンデリレーリョ(銛打ち士)は剣も布も持たず、真正面から向かってくる雄牛をギリギリまで待ってからヒラリと身をかわす、その瞬間に銛を打つ。この日から私はバンデリーリョの虜になった。
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闘牛士の登場、写真は超有名なエンリケ・ポンセ。
超有名闘牛士ともなると、スペインではワイドショーでもとりあげられる。そういえばエンリケ・ポンセも奥さんとインタビューされているところを見たことがある。 -
彼は優雅な闘牛を見せてくれるタイプ。
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この日のエンリケ・ポンセは雄牛の当たりが悪かった。
なかなか向かってこない牛だと場がしらける、足腰が弱い牛だとムレータに突っ込む力が弱かったり、通り過ぎてしまったり。 -
良いムレータの場とは闘牛士は斜め向かいに牛を迎え、ムレータを体に巻きつけるように動かして、雄牛を自分の周りで回らせる。それでもエンリケ・ポンセは気の弱い牛をうまく扱い美しくさばく。
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そして真実の瞬間。
雄牛の登場からムレータの場まではバンドがパソドブレを演奏している。それが止まり、場内も静まり、闘牛士が雄牛に止めをさす。1度で急所をしとめ、その場で雄牛が倒れるのが最高の出来。 -
雄牛をしとめた闘牛士、天晴れ! ナリコマヤ! この日、私はエンリケ・ポンセの美しい闘牛にはまった。
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良い闘牛の場合、雄牛の耳を切って闘牛士に与える。耳の数が闘牛士の勲章。
耳を与えるかどうかは観客が決める。耳を与えたい時には観客は立ち上がり何か白いものを振る、この人数が多ければ両耳、それなりの人数なら片耳。
最高の闘牛の場合、闘牛士には両耳を与え、雄牛は殺さず種牛にするそう。 -
へっぽこ気味の雄牛相手に敢闘し、美しさを見せつけた彼は片耳を切った。
闘牛はまさしく様式美、牛の雄雄しさを讃え、闘牛士の姿をめでるものだと納得。 -
そして闘牛士は観客に挨拶をして退場していく。
闘牛場には格付けがあって、マドリッドやバルセロナなどの大きな闘牛場ではいい闘牛が見られることが多い。ちなみにムルシアは第3級だそうだ。
常設の闘牛場がない小さな町では、町の広場が闘牛場に変わるらしいし、ロンダにはスペイン最古の闘牛場があるそうだ。是非、色々な場所でまた闘牛を見てみたい。
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この旅行記へのコメント (10)
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- さすらいおじさんさん 2005/07/02 11:30:58
- ようやく私の1971年の闘牛の思い出をUPしました。
- a_srcw さん
お久しぶりです。
a_srcwさんの見事な闘牛の写真、2月でしたか、感心して拝見し私も体験をUPしたいと思っておりましたが、ようやく私の1971年の闘牛の思い出をUPしました。写真は小さく、a_srcwさんのような迫力はありませんが、お暇なときにご覧いただければ嬉しいです。
- a_srcwさん からの返信 2005/07/08 01:38:46
- RE: ようやく私の1971年の闘牛の思い出をUPしました。
- お久しぶりです。
書き込みで知らせていただく前に、会社のPCでこっそり闘牛の写真
を発見し見せていただきました。30年以上前とは思えないきれいな
写真ですね。そしてマドリーの闘牛場はさすがに大きい!
マドリーの闘牛場は第1級、ムルシアは第3級、そもそも大きさが違
いますから、私の写真が大きいのは当たり前なんですよー。
わざわざお知らせいただいてありがとうございました。私の知らない
首都の闘牛場を見られて楽しめました。
- さすらいおじさんさん からの返信 2005/07/08 09:15:54
- RE: RE: ようやく私の1971年の闘牛の思い出をUPしました。
- a_srcwさんの闘牛記は写真が迫力があるだけでなく、一つ一つの場面の説明が丁寧なのでとても解り易いです。私のは1971年の記録を基に書いており、間違った認識があるかもしてません。お気づきの誤りがあればお教えいただければ有難いです。
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- さすらいおじさんさん 2005/02/26 23:26:40
- 闘牛の写真素晴らしいです。
- 闘牛の写真素晴らしいです。
私も1971年にマドリッドで闘牛を見て感動しました。
そのときの感動を思い出させていただきました。
- a_srcwさん からの返信 2005/02/27 21:37:29
- RE: 闘牛の写真素晴らしいです。
- はじめまして、さすらいおじさん殿。
写真を褒めていただきうれしい限り、でも腕が良いのではなく、被写体が
良すぎるおかげなのですが。
闘牛場の雰囲気も、闘牛士も、雄牛も、ほんとにステキですよね。
私もマドリッドで闘牛が見てみたい!
- さすらいおじさんさん からの返信 2005/02/27 22:54:08
- RE: RE: 闘牛の写真素晴らしいです。
- >闘牛場の雰囲気も、闘牛士も、雄牛も、ほんとにステキですよね。
私もマドリッドで闘牛が見てみたい!
雄牛には悪いけど、闘牛は素晴らしいです。私もまた見たいです。 さすらいおじさん
- a_srcwさん からの返信 2005/03/01 15:53:04
- RE: RE: RE: 闘牛の写真素晴らしいです。
- 確かに、雄牛には気の毒な芸術。
でも、物凄くいい試合(?)をした雄牛は、会場から待ったが
かかって、真実の瞬間を迎えず、耳と尻尾を闘牛士に与えた
後、種牛として生かされるんですって。
選び抜かれた雄牛の中で、ほんの一握りがサラブレットのよ
うに子孫を残す、それを聞いたときのほうが気の毒でした。
- さすらいおじさんさん からの返信 2005/03/01 17:14:56
- RE: RE: RE: RE: 闘牛の写真素晴らしいです。
- >でも、物凄くいい試合(?)をした雄牛は、会場から待ったが
かかって、真実の瞬間を迎えず、耳と尻尾を闘牛士に与えた
後、種牛として生かされるんですって
それは初めて聞きました。牛には気の毒ですが芸術として続けでほしいですね。
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- triさん 2005/01/16 03:13:22
- 闘牛楽しそうですね!
- a_srcwさん、こんにちは。
闘牛の迫力ある写真、楽しませて頂きました。
今度スペインへ行こうかと考えているのですが、
写真を拝見して観に行くきたくなりました!
闘牛のチケットは一番安くてどれくらいなのでしょうか?
40は…少しツラいですよね。
- a_srcwさん からの返信 2005/01/16 23:40:50
- RE: 闘牛楽しそうですね!
- いらっしゃいませ、triさん。
闘牛、最高に面白いですよ。ただ実際に雄牛は殺されて、それを目の当たりにするため、特に外国人は嫌う人も多いし、スペイン人でも好きじゃないと言う人もいますけど。
闘牛のチケットの値段は、出場する雄牛や闘牛士の格によって違います。
それに春から秋までの闘牛シーズンでも、各街でスケジュールが違います。何処で、何時、どんな闘牛を見るかによって値段が変わりますので、一概には言えないんですけど、私が見た闘牛はムルシアで一番高いクラスのもの。
確かSombra−1階席で60ユーロ、Sol-1階席は30ユーロ弱。
各エリアでテンディド(1階)、グラダ(2階)、アンダナーダ(3階桟敷)に分かれていて、上に行くほど安くなります。
一番安いSol-桟敷席なら10ユーロを大きく切りますが、遠くて見えにくい可能性は高いと思います。だから幾ら払えるか、何処で見たいかを考慮して数ある価格帯から選ぶことができるとも言えます。
チケットの値段は書いていないようですが闘牛のHPを参考にしてもらえれば、もっと分かりやすいと思います。参考までに。http://www.spainnews.com/toro/
是非、楽しんで来てください。
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