スウェーデンの疎林を 列車は走り続ける - スウェーデンのクチコミ
- ソフィさん
- 男性 / スウェーデンのクチコミ : 1件
- 旅行時期 : 1970/08(約56年前)
スウェーデンの車中にて
フィンランドのヘルシンキを午後出発し、翌々早暁にノルウェーのナルヴィクに到着するスカンジナヴィア特急。
誰も来ないコンパートメントに一人。
窓外には、北国の疎林がどこまでも続いている。
過去や将来を想いながらいる内に、レールの音は次第に日本の軍歌を奏でてきた。
数日前ストックホルムの遊園地で聞いた音楽が、重なっているようだ。
日本の軍歌も日清、日露、第一次大戦、第二次大戦と、時代とともに勇気を鼓舞するものから、哀調を帯びるものに変化したようだ。
夕方食堂車に行くとがらんどうで、客は私以外ただ一人。
車掌が気を利かせ「お二人一緒が良いのでは」と、合い席を薦める。
この人は、スウェーデンを、ということは世界的な、スキーの長距離選手だった。
「日本はどうして長距離に弱いのでしょうか」
「たしかに長距離を学ぶためにこの国にやって来ているM君は、人柄は立派だけれども唯一欠点は、スキーの下手なことですね」
Mさんは、私でさえ名前を知っている、日本の長距離ナンバーワン。
そろそろ北極圏に入る頃だ。
いつまでも明るい窓外を見ながら、アクアヴィットの酔いにまかせ、話はいつまでも尽きない。
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