死とこの世の儚さを描いたヴァニタス画で有名な、聖カリダー施療院付属聖堂
- 4.0
- 旅行時期:2019/09(約6年前)
-
-
by piglet2017さん(非公開)
セビリア クチコミ:28件
ドン・ファンのモデルとなったセビリアの貴族、ミゲル・デ・マニャーラが、妻の死により回心し、聖カリダー兄弟会の会長に就任、貧しい人々や病人を収容するために建てた慈善病院です。一角に小さな礼拝堂があり、ムリーリョやバルデス・レアールの絵画を鑑賞できます。
ムリーリョの作品は、ナポレオン戦争で活躍したフランスの大元帥スールトによって略奪されたため、原画は2枚のみで、残りは模写が展示されていました。
礼拝堂入ってすぐの壁上部には、バルデス・レアール「束の間の命」「この世の栄光の終わり」が展示されています。絵を注文したミゲル・デ・マニャーラ自身が、棺に横たわる死者のモデルとして登場、あまりにリアルな腐敗の描写に、ムリーリョはこの絵の前を通るたびに鼻をつまんだそうです。17世紀のペストの大流行でセビリアの繁栄も崩壊、町にあふれる病人を収容するための病院に付属する礼拝堂に置かれたヴァニタス画は、コロナ禍の今となっては、もはや他人事ではなくなり、ミゲルさんと同じ気持ちで鑑賞できる作品となってしまいました。
- 施設の満足度
-
4.0
クチコミ投稿日:2021/08/25
いいね!:0票
利用規約に違反している投稿は、報告することができます。 問題のある投稿を連絡する