ホテル エスパーニャのクチコミ

　1859年開業の老舗ホテルで、花の建築家ムンタネーによって1903年に改装された1階部分が見所です。モデルニスモ建築の美しい内装を見学するために、レストランを利用しました。天井や壁が、ムンタネーらしい花のモザイクで豪華に装飾されていました。
　食後に、見たかった人魚の部屋に案内してもらいました。カフェ「4匹の猫」の自転車の絵で有名な画家ラモン・カザスが壁画を担当、ジャポニズム愛好家だったらしく、北斎の傑作『神奈川沖浪裏』にインスピレーションを得て、海面の波を描いています。両足の先がヒレになっているという不思議な人魚が海の中を泳いでいて、マーメイドルームにいるだけで海中を浮遊している気分になりました。ホテルの宿泊者の朝食会場として使われているそうです。
　バーとして使われているアルナウの部屋では、バルセロナの至る所で目にした彫刻家エウゼビ・アルナウの暖炉を見学しました。暖炉の下にお父さん猫と、3匹の子猫がじゃれついている母猫の姿がありました。
　ホテルを立ち去る前にトイレを利用すると、そこにも優雅な蛇口の洗面所が残されていました。ムンタネー作の建物を利用したホテルは、建物の外観が魅力的なカサ・フステールもありますが、建物内部はこちらのホテルの方が断然見所が多く、モデルニスモ建築のホテルと聞いて想像する通りの優雅なインテリアで、一見の価値があると思います。