目から ウロコぼろぼろ落ちた 豊川稲荷 /　地元再発見　こんなにスゴイ所だったなんて・・・

2025/06/18 - 2025/06/19

以前 地元 豊川稲荷を久しぶりに参拝した際の 旅行記を載せました

その時に たまたまボランティアガイドを受けてる方と 霊狐塚で出くわし(？)「へぇ～！？　そうなんだぁ～？」と言う発見を見つけてしまったのです　　数えきれないくらいに 当たり前に 初詣に来ていた「豊川稲荷」ですが いっちょ ガイド受けてみる？無料だし・・・新しい「へぇ～！？」が 有るかもヨ♪

結果・・・「私って 今まで何見てたの？？ こんなスゴイ所だったのネ？」いや・・・たぶん 私だけじゃない！地元の方々は ほとんど私と一緒では？？ 近すぎて通り過ぎていた場所 初詣の行列で人の後頭部しか見てなかった・・・（^^ゞ
地元に こんなスゴイお寺さんが有ったなんて 是非伝えたい♪

エリア 豊川(愛知)

予約しておいた　ボランティアガイドさんと ■ 総門 ■で待合せて 豊川稲荷を案内してもらいます　https://www.toyokawa-map.net/info/000232.html　いらっしゃれば 飛込みでも可能ですが、事前に予約をしておいた方が確実です　約1時間　よろしくお願いいたします m（_"_）m

「豊川稲荷」とは通称で正式名は 「妙嚴寺」と称し、山号を圓福山とする曹洞宗の寺院　お祀りしているのは鎮守・豊川ダキ尼眞天（とよかわだきにしんてん）だそうです（ダキの字が出ません）
1441年室町時代の創建　年間参拝者は６００万人 初詣は平年で１５０万人前後　敷地は東京ドームの倍以上

あ・・・ダメ！すでにこんがらがって来た・・・でも ハッキリわかるのは　神社じゃないって事！　表札も この通り・・・豊川稲荷の字が有るのは 総門外の↑の石碑だけ　中の幟等すべて 豊川ダキ尼眞天

すみません・・この旅行記はこの後も「豊川稲荷」で表記させて貰います

入口に堂々と建っている立派な青銅の灯篭は 明治2年 横浜の商人から寄贈されたものだそうです この後も中の寄進物は 関東の方々が多いのです・・・理由は後で判明

これが 豊川稲荷さんの寺紋です　水中植物 沢潟(オモダカ)の 葉と花を図案化したもので　葉が矢じりに似ている事から「勝ち草」として　戦国武将たちに好まれました　　三河にゆかりのある　今川義元・豊臣秀吉・織田信長・徳川家康・九鬼喜隆・・・皆熱心な信者だったそうです（歌舞伎の「おもだかや」と同じ沢潟）

寺内の甕に「沢潟」発見！　ふぅ～ん・・・田んぼで見た事有るような無いような・・・そんな存在感の無い 水中植物ですが、あの毛利元就も、戦場で沢瀉の葉にトンボが止まったのを見て「勝てる」と確信　実際にその戦は元就の勝利となり 以降縁起が良い植物となりました

総門の柱下部には こんな飾りが・・・柱を傷めないようにする袴だそうですが、ここに物語が彫られています　最下部の縦長は 沢潟(オモダカ)図案

【 登竜門 】仕事や学問で成功するための 難しい関門のことですが、昔　中国の黄河に「竜門」と言われる急流があり そこを遡る事ができた鯉は竜になると言う伝説が有り、それを４面で描いています　鯉がだんだん羽をはやし竜になっています　入口にはふさわしい縁起の良い題材ですネ

唐金手彫の金具が素晴しく これは鳳凰ですネ

扉にも　唐金手彫の金具が施されています　鳥は極楽鳥(＝一生涯相手が変わらない) 牡丹の花(＝花の王様)が蕾から順に咲いていきます そして釘隠し部分に蝶が使われています　細かい演出で しかも縁起が良いですね～

これがまさに総門扉ですが すごいんです！樹齢1000年以上のケヤキの１枚板です　厚さ15㎝ 高さ4.5ｍ 幅1.8ｍ の1枚を4分割して製作されてます なので左右対称柄で もう2枚はこの門の横（＝袖）に使われています　今ではこんな銘木の調達は不可能だそうです
　この前後も 多くの寺院を観光しましたが 1枚板は他には見ませんでした

この凹凸の模様を「如鱗木」と言い300年以上たった欅に出るそうです　そして参拝に入る時に凹の部分(＝左扉）を触ると「過去の悪いことが洗い流される」とされ、帰る時は凸部分(＝右扉)を触ると「未来に向け新しい世界を切り開く」とされています
　なので凹を 撫でなで・・・しましたが、出る時に凸を 触るの忘れちゃったよぉ～(>_<)

明治17年に造られた3代目の門　屋根は銅板鱗葺き　

門の表と裏で 8体の羅漢像が彫られています 有名な 諏訪の和四郎 と言う宮大工の作品です この後も中に名作が見られます
参拝者はこの仏さまに見守られながら門をくぐる・・・

すでに総門だけで「え”～っ！？　こんなにスゴかったのぉ～！？今まで素通りしてたジャン！？」

■ 鐘楼堂 ■ S12年寄贈された物で　日本でも5本の指に入る
しかし S17年軍に供出され 鐘のない時期が有った　豊川には戦時中 東洋一の規模の海軍工廠が有り56000名もの人が働いており　終戦間近のS20年8月7日(広島原爆8月6日 長崎8月9日）B29の空爆で壊滅的な被害を受け、学徒動員らを含め2544名の命が奪われた！！(慰霊塔も敷地内に有る)
　その焼け跡から　飴のように曲がった材料を集め造られたのが今のこの鐘です　S20年の大晦日には鐘は鳴ったそうですが、平和への鎮魂と祈りを込めて 毎日12時と9時に鳴らされるそうです

そんな話を聞いちゃったら 是非聞きたいですネ

■ 山門(三門) ■1536年 今川義元の寄進　妙厳寺では1番古い建物　　当時この三河は今川義元の支配下でした　1560年桶狭間の戦いで 織田信長に敗れ 1563年には 三河は徳川家康に統治されました　今川の時代に　寺領が寄進され　家康も 関ケ原の心願成就で 寺領寄進したそうです

山門に扉が無いのは「信心の有る方は自由にお通り下さい」「邪心の有る方は通しませんぞ！」と仁王様が睨んでるそうです　知らんかったわぁ～(^^ゞ

■ 最祥殿 ■ S4年竣工　今は接待所の役割　総ヒノキ造りで400畳の広さが有り　1000人以上の接待も可能 宿坊(8000円)も兼ねているとか・・コロナ以降休止とか・・・ドッチなんでしょう？

雨どいもブリキじゃなくて銅なんですよ～財が有ったんですね～ってガイドさんが言ってました・・・なるほど・・・自分で見てたら　そんな所気づきもしないでしょうね～
赤いポストは　現役のポストの中では最古だそうです　毎日開函集荷が有るから 懸賞を送る人も多いとか？

何故にお寺に鳥居？　これは『 遥拝所 』に建っていた物を 昭和初期こちらに持ってきたそうな・・・　遥拝所とは？　ここ豊川は 旧東海道からは10km近く山側に離れた場所にあり 東海道を旅する人々が(車の無い時代) 急ぐけれど豊川さんにお参りしたい人の為に 吉田の宿場町 (=現 豊橋市)に「ここからお参りできる」と建てられた鳥居です　

西方面の宿場は 御油の宿に有りました　遥拝所と言うのは 昔は良くあったようで 旧東海道には 伊勢神宮の遥拝所も有ります　最寄りの宿は 桑名の宿 ココは現在でもその場所に建っています

さて・・・■ 大本殿 ■です　幅20m高さ30ｍ奥行40ｍの立派な建物で 明治から着工し22年の歳月をかけ Ｓ5年に完成

お線香の煙で心と体を清めてから仏様と向き合う・・・のだそうです　　あら？頭良くなりますように・・・なんて頭にかけてたわ・・・お恥ずかしい・・・（^^ゞ

豊川稲荷が有名になったのには　立役者が居て 江戸の名奉行 大岡越前の守忠相さんだそうです　この方は豊川にゆかりがあり 豊川稲荷の熱心な信者で　江戸のお屋敷に 屋敷神として分神霊を祀っていらしたそうです 　大岡さんのお人柄と　類い稀なる出世の憧れで 没後もその屋敷神の参拝者が絶えず それが現在の 豊川稲荷東京別院
　時代は 天下泰平で商業が発展し「自分の為だけに祈って良いのだ」と言う発想は 主従関係が厳しい封建社会で　稲荷信仰は爆発的に広がったのだそうです

この立派な提灯は パラマウントベッド社からの寄贈で 4.6ｍも有ります(提灯下の人と比較してください）　なんと！浅草寺3.5ｍよりも大きんんですヨ

お参りの仕方を教えて頂きました
１ 手を合わせる
２ 御真言 オン シラ バッタ ニリ ウン ソワカを7回唱える
３ 住所・名前
４ 願い事

え”～っ！？何度も来てるのに 一度もちゃんとお参りしてなかったヨ　(・_*)＼ペチ　御真言は拝殿に書いてあります

※ 個人情報過敏で住所氏名を隠したがる人がいるそうですが それではどなたの願いを聞き届ければ良いのかわからないので　必ず住所氏名を言うように（幟も）

鳳凰・龍・麒麟・獅子・象が彫られ　ダキ尼真天を守っている　作者は 森丹渓

丸いのは　ダキ尼眞天さんが持ってらっしゃった 「宝珠」で 願い事を何でも叶えてくれる珠です　5円玉のような 稲穂のマークは ダキ尼眞天さんの紋で　稲穂→五穀豊穣 が原点だそうです
なので 今では商売繁盛の御利益が先行有名していますが 家内安全・病気平癒「何でも良いので自分の希望を願って下さい」だそうです

いやぁ～　屋根を見た事なかったです・・・こんな細かく飾られてたんですネ　

本殿から見ると 二の鳥居 と 一の鳥居が マッスグに見える場所が有ります　春分の日と秋分の日には 太陽がこの真上から上るそうです 真東に建ってるのネ

大本殿外部の柱 ここも袴が施してあります

90cmのケヤキの柱です　大本殿は この節の無い90ｃｍのケヤキ柱5本を含む72本の柱からできている総ケヤキ造りです 8640本ものケヤキを使用したため調達不足になり途中宮内庁の山林から切り出した経緯があるそう・・・現在では もうこれだけの資材は調達不可能だそうです

大本殿の袖にこの引き戸？が 有ります　滋賀の醒ヶ井彫だそうです　松と鶴で長寿ですネ　ケヤキの1枚板です 近くで見ると より立体感を感じられます

本殿のお参りがすんだら 他の伽藍(？)エリアに行きます　この■ 通天廊 ■と言う廊下の下を潜りますが この廊下 ウグイス張りになってるんだそうです (現在は保全の為大きな音は鳴らないようにしてる）
　ご祈祷（3000円～）を受けると この廊下を渡って本殿に入りますネ

これが ウグイス張りの 仕掛けだそうです　でもココって 二条城のように「敵の侵入を知らせる」防犯上対策必要ですか？　ガイドさんいわく「財が有ったから」え？単なる贅沢ですか？

先ほどの　大本殿を横から見ると 奥行き40ｍを実感できる　総ケヤキってスゴイね～総門のケヤキと言い もう調達できない資材なんだから大事に残さないとネ・・

■ 新法堂（はっと）■完成したばかりで ～5/31まで ご本尊の特別拝観をしてましたので 別の日見学しましたが 出来立て檜の香りも 良かったぁ～♪（内部は撮影不可）
座禅を重んじる曹洞宗では 本来法堂は大事な修行の場ですが 昨今は修行僧も少ないので（どこのお寺に行ってもこのフレーズ聞きますネ）現在は ご本尊 千手観世音菩薩様と 位牌安置の場所になっています

新法堂前の 雨どい彫刻は 沖縄製の陶器ですって・・・何故 急に沖縄が出てきたのか不思議・・・ここも左右で　登り龍 下り龍になっています

千本幟は1本2000円で奉納でき 境内には(千本どころか)1万本近くあるそう　２～4か月で処分されるそうですが イチロー選手などの有名人のは保存されています
2000円で足跡残せるなら　お安くないかしら？

■ 万燈堂 ■　戦後は修行僧が坐禅修行する道場として使われていたとか

内部　信仰の心を 分に応じて或いは一燈を 或いは万燈を具現して献じ供養する霊堂

豊臣秀吉の念持仏と伝えられる不動明王 や 文殊菩薩 阿弥陀如来などが奉祀されている

■ 弘法堂 ■　おびんずるさまがいらっしゃいました

賓頭盧尊者様の像は【なで仏】と呼ばれ、自分の体の悪い部分と同じ所を撫でると、病気やケガが治るとされているので なでなで・・・・

■ 大黒堂 ■ おさすり大黒天

右に建ってるのが3代目　お腹が凹んでいます　以前は「削った石を財布の中に入れておくとお金が貯まる」と言われていたんですって・・・もちろん 今は禁止ですよ！触るだけにして下さい・・・・と

左に建っているふくよかなのが4代目　お腹 なでなで・・・・

で・・・堂内に安置されているこちらが １代目と２代目 ひぇ～っ・・・。。。“(ノ>< )ノ　 人間の欲の化身？？

■ 霊狐塚 ■です

祈願成就したお礼に寄贈された物で1300体ほど安置されている　狐の顔は一体一体違っていて 小が10万円 大が20万円ですって・・・道の両脇に居た 対の狐像は 会社関係が多くて 一対300万円だそう

この奥の方に「浅野ゆう子」さんが奉納した狐が有りました

この祠のような物は・・・江戸時代の富士山噴火の溶岩でできています　へっ！？ 富士山？遠いですけれど・・？　S9年に東京の信者さんが寄進して持寄り バラバラだった物をS39年にセメントで祠に固めたそうです（今 搬入したらお縄ですよネ？（^^ゞ）　磁気があり「パワースポット」とも言われています

その祠の中には・・・初代のお狐さんが居ます　凛々しいお顔ですね～　日本では古来 狐は(ネズミを捕食する)田の神様のお使いと言われている

狐の 赤いよだれ掛けは 魔除けで 半年で表裏反転し 年1回交換されるそう　

開運きつねみくじ　300円なり

■ 奥の院 ■です 　イチロー選手は渡米前まで この奥の院に参拝に来ていたそうです（地元では イチローが毎年来てる ってのは有名な話でしたが 奥の院だったんですね～）渡米後は父上が来てらっしゃると ガイドさんが言ってました

200年前に創建された元の本殿です 今の大本殿ができるにあたり　今の場所にお引越ししました　ここの彫刻は 諏訪の和四郎の傑作です

特に力作が この登り龍＆下り龍 は自然の曲がりを生かした一本のケヤキの彫刻です

下り龍 どちらも髭以外は一本のケヤキです　すごいなぁ～　見るのには 金網が邪魔ですが　保存のためには致し方ないですネ

そして 仙人の瓢箪から駒(＝馬)が出ているさま　「瓢箪から駒が出る→熱心にお参りすれば あろうことの無い良いことが起こる」だそうです

この中に 大岡越前守が寄進された 一対の白い狐像が有るはずなんだけれど・・・

雨トイの水が溜まる水瓶は 防火用でもあります　陶器じゃなくて 銅製だからボウフラが湧かない・・・って説明に　なるほどぉ～！？

■ 納符堂 ■　お札やお守りを納めますが　ココのじゃなくても良いよ　と言って下さった 助かった～　古いお守りとか有って困ってたのよね～

納符堂の中には　高村光雲作の　聖徳太子像が有ります

千本幟の受付所で ここで2000円払って書くのネ　この横に有名人の幟が飾ってるので 見られます

■ 景雲門 ■奥の院へ至る参拝門　元は江戸末期に造られた旧奥の院の拝殿でしたが S5年大本殿の落慶にあたりここに移築し 奥の院参拝門となった　世代交代感覚？

ここの瓦も手が込んでますね～　禅宗だからネ・・・派手さは無いんだけれど立派ですわ

ここにも名匠 諏訪の和四郎の彫刻が たっぷり見られます

↑の彫刻にも見られますが「 力人 」です　レスリングの吉田沙保里選手は〇代目　諏訪の和四郎作の 小さな力人をお守りとして持っている・・・と言う話を聞きました

景雲門の中は 七福神さまです 今では「七」が当たり前ですが　昔は「八」になったりメンバーが入れ替わったりしたそうですヨ　現在の顔ぶれに落ち着いたのは 江戸時代だそうです

あ・ら・ら・・・お一人ずつ 御真言が違うのね？

■ 三重塔 ■ S51年 東京の信者さんからの寄贈　現在で見積もると1億円以上　すごいですね～

足元の灯篭は ヨルモウデの為の物で 今はやってない？？　このヨルモウデで 熱田神宮を抜き 参拝者数が愛知県No1になった・・・と聞いております

ポイント巡りで簡単に一周してきました　立派なお庭が有るのですが この角度しか臨めません・・・ご祈祷を受けると 待機所からお庭を眺めて　ウグイス張り廊下も渡ることができます

今回 ボランティアガイドを受けたことにより「知らんかったぁ～！！」を恥ずかしくも有り また こんなスゴイお寺が地元に有ることを誇らしく思いました (o^-')b

来年 御開帳のようです　たぶん混みますネ　立派な境内を見て回るならその前の方が良いと思います　是非お越しください♪ ご祈祷(4000円で精進料理つく)受けて 千本幟も奉納しちゃう？
https://toyokawa-map.itigo.jp/kanko/toyokawainari_volunteerguide.html