
2024/03/30 - 2024/03/30
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morisukeさん
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オッサンネコです。
産業遺産 × 廃墟 = 何となくラピュタ
これはジブリファンの一部において頻繁に使用される鉄板の方程式。
全国津々浦々、ラピュタっぽい場所はたくさん認定されてまして、
関東では横須賀沖合の猿島などがラピュタの島なんて呼ばれとるそうな。
しかし、和歌山にはもっとスケールの大きいラピュタの島がありまして。
それは紀淡海峡に浮かぶ島々の総称「友ヶ島」。
かつては大阪湾防衛の要衝として島の至る場所に砲台が次々に設置されました。
戦後、軍事施設は解体され、不要の遺構として長らく放置されてきましたが、
時は流れて現代、ラピュタへの熟成を経て、美しき遺構へと変貌を遂げているそうな。
金曜ロードショーでパズーから未来を切り開く勇気をもらった世代。
ラピュタっぽい場所がそこにあるのであれば… 行かねばならぬでしょう。
果たして友ヶ島の遺構は、どこまでのラピュタ信者のハートに突き刺さるのか。
その時の記録です。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 船 新幹線 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
どうもどうも、オッサンネコことモリネコです。
私は今、加太港9:00発のフェリーに揺られて友ヶ島に向かっております。
波は穏やか、ゆらゆらり。
友ヶ島は、沖ノ島、地ノ島、虎島、神島からなる島の総称であり、
葛城修験の始まりの地として日本遺産にも登録されています (¯∀¯*)ムフー
その他にも、戦時中は大阪湾防衛の要衝と位置付けられ、
その秘匿性から一時は地図からも抹消された事のある島群なのです。
そして現在、我々庶民が上陸できるのは沖ノ島のみ。
便宜上、沖ノ島の事を「友ヶ島」と呼ぶ事にします。これ大事。 -
20分ほどで友ヶ島の玄関口「野奈浦桟橋」に到着しました。
島内で唯一自販機がある場所で、夏場は水を補給した方が良いですな。
今、友ヶ島は「サマータイムレンダ」推し模様。
サマータイムレンダは友ヶ島を舞台にしたサスペンス要素の強い話ですが、
なぜか後半はバトルアクションがメインになるという不思議な展開に…
まぁ面白いならいいんだけどね (σ゚∀゚)σ
サマータイムレンダでは、人口700人程度の島とされていますが、
遠い昔に集落はあったものの、現在は無人の島になっていますぞ。 -
こちらが友ヶ島の観光地図。
しらすみたいな形しとるがな ( ゚Д゚)
実際は北と南が逆転してるんですが…
個人的には北が上を向いてないとムズムズする性質でして、ホント困る。 -
時間もないので友ヶ島の遺構をめぐる散歩を始めていきましょう。
島内の道はしっかり整備されているので快適であります。
今日のルートは、第5砲台跡 → 第2砲台跡 → 第1砲台跡(友ヶ島灯台)→
旧海軍聴音所跡 → 第3砲台跡 → 第4砲台跡 と続きます。
帰りは13:30発の船に乗りたいので、時間との勝負になる予感 ( ゚Д゚) -
まずはこちら、第5砲台跡から。
森の中をずんずん進むと目の前にパッと現れる美しき廃墟でござる。
砲台跡の名の通り、現在友ヶ島に「砲台」は一門もありませんが、
基礎や弾薬庫が当時のまま残されているのが良きかな (*`艸´) ウシシシ -
こちらの弾薬庫跡には扉が残っています。
扉の赤錆が時間の経過を際立たせる絶妙のコントラストになっとります。
ええやん、ええやん (。゚ω゚) ファッ! -
第5砲台跡は主に島の北側、野奈浦方面を守るために設置されましたが、
結局、友ヶ島の砲台は一度も使用される事なく戦後に撤去されています。
第5砲台跡に設置されていたのはカノン砲(要撃砲台)という代物で、
主に海峡に侵入してきた敵戦艦を水平射撃することを想定していました。 -
砲台跡地テラスの上から。
基本的に基礎が残されているだけで何も残ってはいないのですが…
人工的につくられた円形が何と美しいのでしやうか ヽ(´∀`。)ノ゚
恐らくここに砲台が設置されていたのではないかと。 -
続いて島の西側にある第2砲台跡に向かいます。
海沿いの道は気分が高揚するのですぅ (*´з`) -
海岸沿いにあった観光旅館『富士屋別館』
ブログを見る限り、2011年4月に開業した様なのですが、
辺鄙な離島では営業が難しかったのでしょうか。
間もなく閉業、現在は完全な廃屋となっています。 -
なんと有料のお着替え室… お金取るんか ( ゚Д゚)フワッ
現在は入れない様に心張がかまされています。
プライベートビーチ感あるけど、所詮目の前の海は大阪湾だからなぁ。 -
第2砲台跡。
潮風に吹きさらされた影響か、崩壊が著しく進んでいる様で、
残念ながら内部への立ち入りは禁止になっています。
こちらも第5砲台と同じくカノン砲が4門設置されていたのですが、
海から丸見えなので、戦闘になれば真っ先に狙われたでしょうね。 -
第2砲台の廃墟越しに見る紀淡海峡と淡路島。
個人的には「絶景」だと思うのだが…。 -
大きなコンクリの塊が海中に没しています。
柱?の様にも見えるのですが、最終的にはこれが何かは分かりへん。 -
続いて第1砲台跡。
現在内部に続く道は門で固く閉ざされ、立ち入り禁止になっとります。
右の階段を登れば、現在も稼働している友ヶ島灯台がありまっす。
サマータイムレンダでは、竜之介がハイネに〇された場所ですな (ノД`) -
友ヶ島灯台。
明治5年に完成。めちゃ歴史ある。すごい ( ゚Д゚)
現在も現役を続けており、紀淡海峡を通る船の安全を守ってくれてます♪ -
読めん ( ゚Д゚)
飛行石があればムスカ大佐の様に読めるのでしょうか…
読める…!読めるぞぉ!(否、読めません) -
灯台付近には赤い屋根のトーチカがひょっこり頭だけ出してますね。
トーチカは本来、銃眼など最小限の穴しか開けないのが鉄則ですが、
こちらは敵航空機の観測目的でつくられたものではないかと。
この程度の小さな島は、敵に上陸されたらその時点で詰みなのです。 -
イチオシ
細い環濠を辿っていくと、トーチカの中にお邪魔する事も出来ます♪
中は空っぽで何もないですけどね。 -
イチオシ
第1砲台跡。
奥の隧道が先ほどの閉ざされていた入口と繋がっています。
煉瓦を積み上げてつくった要塞に赤い扉、めちゃくちゃカッコいいぞ。
第1砲台跡には入れないので、上からフカンするだけ。
良きかな良きかな (*´艸`*)シシシ -
続いて、島の南側にある旧海軍聴音所跡に行ってみましょう。
よく整備された森の中をずんずん進んでいくと… -
視界が開けた先にいかにも悪党のアジトっぽい建物が目に入ってきます。
軍事施設なだけあって森の木立の中に隠されているのがいい雰囲気。 -
中は空っぽで瓦礫が至る所に散らばっていますが、
窓から漏れる光が廃墟に差し込んで幻想的な光景を醸し出してます。
良きかな良きかな (*´艸`*)シシシ -
聴音所とは、船や潜水艦のスクリュー音を24時間体制で監視する施設。
正式名称は「紀伊防備隊友ヶ島衛所」
有線式の機雷で侵入してきた潜水艦を迎撃する事ができたそうです。
果たして、どこまで不穏な音を拾えていたのかは謎ですが…。 -
四角く切り取られた窓から見えるのは、ただただ静かで穏やかな海。
当時、監視をしていた兵士はどんな面持ちで海を眺めてたのでしょうか。 -
ここからは第3砲台跡。
友ヶ島のメインディッシュを飾る廃墟になりんす。
まず規模がでかい、そして保存状態が良く整備が行き届いている。
本来廃墟にはあるまじき待遇なのですが、良きかな良きかな (*´艸`*)シシシ
それでは期待に胸を膨らませて、いざ TO・TSU・GE・KI です。 -
まず最初に現れるこの階段。
芸人のカミナリが自らのYouTubeチャンネルでも紹介してますが、
伝説的に有名なクソゲー、デスクリムゾンのOPで出てくる階段ですね。
「なんだこの階段は ( ゚Д゚) !!」
ここから地下通路を通じて砲台跡に繋がっています。 -
基本的に第3砲台の地下通路はほぼ照明が完備されています。
コワくない、コワくないよー (¯∀¯*)
暗くはないけど、たまにカマ●ウマがいるので注意との事。
顔とかに飛んで来たら、多分、泣きます。 -
イチオシ
通路を抜けると砲台跡に辿り着きます。
砲台はすでに撤去されていますが、砲台の確かな痕跡は残されています。
跡地は全て連絡通路で繋がっていて、プチ探検できる仕様になってます。
コレ、完璧にラピュタやん ウェ━━ (σ゚∀゚)σ ━━イ -
ここが砲台跡の終着地。
中央の丸い穴が砲台を設定していた場所。
手を入れなければ、間違いなく森に還る事になるのでしょう。
鬱蒼とした森が、積み重ねてきた年月の重みを物語っているかのよう。
ここ第3砲台には、先ほどまでのカノン砲(要撃砲台)とは違い、
敵艦との戦闘を想定した榴弾砲(砲撃砲台)が8門設置されていました。
時代はすでに航空戦に移っていたので、敵艦に大砲をぶっ放す事もなく、
まったく使用されずに終戦を迎えた不戦の要塞になります。
黒船の時代ならまだしも、圧倒的な航空機能力を誇るアメリカの前では
大砲の持ち味を何も発揮できずに空爆で終わると思いますが…。 -
続いて砲台跡から弾薬庫。
絶景…キタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━ッ!!
これぞ友ヶ島を代表する景観、ですな。 -
イチオシ
この幾何学的な弾薬庫の並び、空想世界に迷い込んだような感覚です。
弾薬庫とは言いましたが、軍事用語としては棲息掩蔽部と言いまして、
兵士が敵の攻撃から身を守りながら生活できる軍事施設の事を指します。
スロープから続く切り通しの様な露天空間を「塁道」と呼ぶのですが、
上空からは発見しにくい見事な要塞構造になっています (*´з`) -
弾薬庫を下から仰ぎ見ると… こりゃまた素敵な画になる (*´艸`)
こりゃ「廃墟」ではなく、立派な「歴史遺産」ですな。 -
中もご丁寧に明りが灯されてます。
とっても親切 ( ゚Д゚) -
第3砲台跡に続く隧道から見る発電所跡。
完全に木々に侵食され、壁だけが残されている遺構ですが、
真の意味ではこの島で一番ラピュタっぽさが出ている様な気がするぞ。 -
発電所の斜め前にある将校宿舎跡。
土間や畳張の居間など、何となく生活感を感じられる廃屋。
ただ、何か物の怪が出そうなので、こんな山奥に住みたくはない ( ゚Д゚) -
続いて第4砲台に向かう海外沿いの道すがら。
コバルトブルーの海には、現在上陸が禁止されている神島が見えます。
友ヶ島は、役行者が開いた「葛城修験」の始まりの地とされており、
神島も葛城修験と縁が深いことから、遥拝所が岬に設置されています。
ちなみに神島は加太にある淡嶋神社の起源にもなっているのだとか。 -
最後は第4砲台跡。
基本的に第3砲台跡と同じ様な構成になっていますが、規模は小さめ。
島全体に散らばる遺構からはやや外れた場所にあるので、
訪れる人は少なく、やや荒れている様な印象です。
だが、”廃”の者からすると、この人気の無さが逆に良いのです (*´艸`) -
第3砲台跡と同じく、目の前にあるのが弾薬庫で、
砲台跡には奥の地下通路で繋がっています。
サマータイムレンダでは、慎ちゃんが根津おじに呼び出される場所で、
5回目のタイムリープで戻ってくるシーンでも描かれています。 -
地下隧道を通った先にある砲台跡。
第3砲台と全く同じ構成ですが、荒れ放題になっているのが難点。
かつて砲台があった場所は土嚢で囲まれ、底なし沼みたいになってるし、
周囲の雰囲気が薄暗くて陰気なので、単純に、コワい |д゚)
心霊野郎たちが、此処は出る、とか騒ぎそうな場所ですが、
自然に飲み込まれた姿が拝める貴重な場所であるのは間違いないかと。
というわけで友ヶ島の探索はこれにておしまい。
産業遺産 × 廃墟 = ラピュタっぽい やはりこの方程式に間違いはなく
美しき遺構の数々を身近で感じられる唯一無二の島でした (*´∀`)b
それではまた~。
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