2019/04/27 - 2019/04/27
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モボ101さん
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2019年のゴールデンウイークは10連休。出発を1日と数時間前倒しすると経由便ながら羽田→コペンハーゲン、フランクフルト→羽田のオープンジョーで、サーチャージや税もコミコミ8万円を切る航空券を見つけたのが前年の6月。羽田発や現地発の時間帯も良いので、まだ出発が10ヶ月以上先ではあるものの、先手を打って迷わずゲット。
往復の機中泊を含めると11泊12日、現地滞在正味10日の旅の入り口にコペンハーゲン、出口にフランクフルトを選んだんだのは、デンマークとドイツの間の海峡で列車を連絡船(フェリー)に乗せて航送する渡り鳥ラインと呼ばれるコースに乗ってみたかったから。
デンマーク訪問は、1995年以来実に24年ぶり。ユトランド半島と多くの島々からなるこの国の鉄道は、連絡船で海を渡っていたものが、今では海底トンネルや橋で直接結ばれるように。
0日目
羽田から夜便で出発。
1日目午前 その1
深夜の乗り継ぎ便で、朝のコペンハーゲンカストロップ国際空港着。入国後は国鉄の電車でコペンハーゲン中央駅。市庁舎前広場からストロイエ、スロッツホルメン等の散策です。
https://4travel.jp/travelogue/11729848
1日目午前 その2
コペンハーゲンからデンマーク国鉄のインターシティーでオーデンセへ。
https://4travel.jp/travelogue/11729977
1日目午後 その1
オーデンセにあるデンマーク鉄道博物館の見学。
https://4travel.jp/travelogue/11730774
1日目午後 その2
童話作家アンデルセンの生まれた街オーデンセを散策後インターシティーでコペンハーゲンへ。
https://4travel.jp/travelogue/11731030
2日目午前
デンマークの首都コペンハーゲンから列車でエーレ海峡を渡りスウェーデンのマルメへ。
【この旅行記です】
2日目午前
コペンハーゲンから列車代行バスとフェリーによる列車航送を経てドイツへ。
https://4travel.jp/travelogue/11738083
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
スカンジナビア半島にある隣国スウェーデンとの間は、2000年にエーレ海峡の海底トンネルと橋でつながり、デンマークの首都コペンハーゲンからウェーデンのマルメへ、直通列車の運行が開始。
物価の高いデンマークは1泊で切り上げ、2日目の午後はドイツに向かうことに。その前に、エーレ海峡を海底トンネルと橋で渡るオーレスン・リンクの列車に乗って、隣国スウェーデンのマルメを見にいこうとやってきたのが、朝のコペンハーゲン中央駅。 -
駅構内にある、オレンジ色で Tickets to Sweden の表示がある Skånetrafiken の券売機。路線図には、スウェーデン国鉄のマルメ近郊路線が掲載されていて、スウェーデン南部の公共交通機関を運営する会社らしい。コペンハーゲンまで乗り入れてくる、首都ストックホルム方面の高速列車等、さらに遠方へのチケットは、左側のスウェーデン国鉄SJの緑の券売機で買うのでしょう。
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オレンジの券売機でマルメ中央駅まで買って、後でクレジットカードの請求を見ると、47kmで1,550円。前日のコペンハーゲンからオーデンセ往復は、事前に早割で買っているので比較はできないものの、オーレスン・リンクは北欧の高い物価に対応した運賃設定です。
ホームの発車案内で、次の列車の行き先は Hässleholm C。ヘスレホルム中央駅って何処? コペンハーゲン空港経由になっているので間違いはないと思うが、スマホで検索してマルメから先のスウェーデンの街だとわかり一安心。その次の列車は空港止まりで、昼間は空港まで概ね10分間隔、海峡を越えてマルメへは20分間隔となり、マルメから先は列車により行き先が分かれ、一部はスウェーデン第二の都市ヨーテボリまで直通しているるようです。 -
コペンハーゲン中央駅に、ヘスレホルム行きの電車が入線。始発は、コペンハーゲンの北へ46kmのヘルシンゴー。オーレスン・リンク開通前はヘルシンゴーと、海峡を隔てたスウェーデンのヘルシンボリとの間で、鉄道連絡船による車両航送が行われていました。今もこの間にはフェリーが就航しているので、コペンハーゲン→ヘルシンゴー→ヘルシンボリ→マルメ→コペンハーゲンと一周もしてみたかったけど、午後便でドイツに向かうので、無理をせず単純にマルメを往復することに。
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オーレスン・リンクと呼ばれるこの路線は、デンマーク国鉄とスウェーデンのオーレスントーが共同で、途中に国際空港があるからか1日24時間の運行。車両は共通で、黒いゴムタイヤ顔のボギー車3両1組のアドトランツ製のET型電車を2編成併結した6両編成。
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デンマークの鉄道はAC15kVの50Hz、スウェーデンはAC25kVで16.7Hzと電圧や周波数が異なり、オーレスン・リンクを通る車両はこの両方に対応。
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コペンハーゲン中央駅を発車するとデンマーク国鉄の車両基地があり、二階建て客車やICの電車が車窓を横切ります。
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ディーゼル機関車の姿も。
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コペンハーゲン空港駅を発車すると、すぐに海底トンネルへ。海峡のトンネルを抜けると、細長い島を走ります。この人工島はデンマーク領。ここでデンマークからスウェーデンの信号システムに切り替わるらしい。
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線路の上に高速道路が乗ってくると海の上へ、オーレスン橋でエーレ海峡を渡り始めます。
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オーレスン橋は瀬戸大橋と同じ、高速道路の下に鉄道が通る二重構造。橋の構造物が列車の車窓の視界を妨げるのも、瀬戸大橋と同じ。デンマークの鉄道は右側、スウェーデンは左側通行だけど、オーレスン・リンクは右側通行。
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前日に、コペンハーゲン国際空港に着陸する前に機内から見たオーレスン橋。右がスウェーデン、左がデンマーク、奥が北海、手前がバルト海。
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橋を渡り終えると電圧が切り替わり、列車はスウェーデン最初の駅 Hyllie に停車。
既にマルメ市内で、この駅で入管の職員なのか複数の係官が乗ってきて乗客のパスポートをチェック。スウェーデンもデンマークもシェンゲン協定加盟国なので出入国管理はないはずだが、シリアを始めとする中東難民が大挙してヨーロッパに押し寄せ混乱した2015年から、デンマーク側からの入国者に対するチェックが始まったらしい。 -
2001年のオーレスン橋開通時には、橋から先で既存の路線と合流して、頭端式ホームのマルメ中央駅へ向かっていたが、橋の直後で分岐して Hyllie を経て新設したマルメ中央駅の通過式の地下ホームへに直結する、市街地の下を通る地下路線が2010年に開通。所要時間を短縮し、中央駅でのスイッチバックも解消。
電車は、コペンハーゲン中央駅から40分で、マルメ中央駅の地下ホームに到着。先頭車の運転室後部からドアまでの間、窓上に黄色の線が引かれた部分は1等席。 -
電車が発車した後に、地下ホームの壁面に投影されるイメージビデオ。
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地上に上がると、賑わう駅の構内。発着案内を見ると、列車の本数は多そう。
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駅舎は赤煉瓦の平屋建て。クリーム色の時計塔と二階建ては増築部分でしょうか。
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中央駅の北側はバルト海に面した港。南側の運河には遊覧船の乗り場。
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運河に架かる橋を渡って、マルメ旧市街へ。人口30万人余りのマルメは、首都ストックホルム、ヨーテボリに次いでスウェーデンで3番目の街。
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マルメで一番広いストートリィ広場。
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広場の噴水の向こうに建つのは、時計塔のある市庁舎。
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広場の中央に立つ騎馬像は、スウェーデン王のカール10世。ポーランド、ロシア、デンマークなどの周辺国と闘い、17世紀末にはデンマークに支配されていたマルメを奪還したのだとか。
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広場から南に向かう道は、歩行者天国のスーデルガータン通り。その入り口にある金のライオンを掲げたライオン薬局は、16世紀後半から続くマルメ最古の薬局だとか。
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ライオン薬局を背に、歩行者天国の通りを進む5人の楽団。
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旧市街の西側には、緑豊かなクングス公園が広がります。1973年まで、マルメの街には路面電車が走っていたそうで、この公園の外周3/4に線路が敷設してあり、6月中旬から9月中旬までの夏季の週末限定で、保存車両を運行しているのだとか。残念ながら、ゴールデンウイークの訪問では早すぎました。
公園内の中ーリップの向こうに建つのは、国境の街によくあるカジノ。 -
その隣にはこんなモニュメントも。
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運河を挟んで向こうに建つのは15世紀のマルメ城。デンマーク王室の別荘から牢獄になり、今はマルメ博物館。雨が強くなってきたので、マルメ城には立ち寄らずに旧市街に戻ります。
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途中の運河沿いには、何やら白いモニュメント。
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大型船舶のプロペラが空に向いています。運河の対岸、塔のある建物は世界海事大学。
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旧市街に戻ってきました。ストートリィ広場の市庁舎の裏に建つ、14世紀のゴシック様式は聖ペトロ教会。
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旧市街を抜け、
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聖ペトロ教会を背に運河を渡って、
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早めにマルメ中央駅へ戻ってきました。
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駅前に停車するのは、LRTのような3車体連節バス。運行するのは、電車と同じ Skånetrafiken。このバス、バックできるのかな。
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マルメ中央駅の地上の頭端式ホーム。 Skånetrafiken が運行するローカル列車は、フランス製アルストームの部分低床4車体連接車。
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首都ストックホルムから高速列車SJ2000が到着し、ホームに降り立つ乗客。
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SJ2000はスウェーデンが開発した最高速度200km/h、振り子式の高速列車。編成の一端に流線型の電気機関車を連結したプッシュプルの7両固定編成。曲線を高速で走行するため、機関車を除いて6両の客車は振り子式。
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プラグ式のドアの窓に、LEDで号車番号と行先を表示。
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6両の客車は、2等車4両のほかに1等車と、半室ビストロの合造車も連結。
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停車中の2本の列車のうち片方は2編成を併結。正面下部のカバーが斜めにせり上がって、連結器が出てくる構造。左が機関車、右は制御客車。
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運転室のある制御客車。
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マルメ中央駅を発車していく高速列車SJ2000。コペンハーゲンまでの乗り入れに対応する一部の車両は、デンマークに対応した電圧と周波数、信号システムを併設。
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こちらは、先ほど到着したSJ2000の制御客車。
24年前にストックホルムを初めて訪れた時に乗ったのは、電気機関車の牽く客車列車のインターシティーだったけど、当時の看板列車はX2000と呼ばれていたこの車両。そのころはグレーではなく、もっと精悍な塗色だったが、四半世紀を経ても名前をSJ2000に改めただけで継続使用されていて、まだ後継の新型車は登場していないらしい。 -
予定した時間より早いけど、コペンハーゲンに戻ることに。スウェーデンクローネで6切符を買ったら、日本円換算で1446円。往路のデンマーククローネより100円少々安かった。
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出てきた切符は、こんなスーパーのレシートのようなペラペラの感熱紙。
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マルメ中央駅地下ホームのローカル列車。
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ローカル列車の行き先を見ると、オーレスン橋の手前の Hyllie 止まり。
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地下ホームに、ET型電車のコペンハーゲン方面ヘルシンゴー行きが入線。
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3両1ユニットの中間車は、台車部分を除く2個所のドア間が低床。自転車スペースにもなるよう、跳ね上げ式のロングシート。一人がけの座席のは車椅子用。空港利用者のためか、荷物棚も設置。
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ユニット間の連結面は運転席を折りたたみ、貫通幌代わりのゴムタイヤを押し付ける方式。
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往路と違って、復路のスウェーデンからデンマークへは難民の移動方向ではないためか、国境駅でのパスポートチェックはなし。
ゆったりとしたボックスシートの2等席。車端部の1等席は、ヨーロッパの近郊列車あるあるで2等と同じ座席。差をつけているつもりか、表面を革張りにして、枕は逆に布張りに。 -
オーレスン橋を渡る車窓から、向こうに数多くの風車。周辺海域が水深の浅いバルト海や北海のデンマークは、洋上風力発電大国。
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コペンハーゲン空港駅で大勢の乗客が下車。マルメにも地方空港はあるらしいが、北欧最大規模の隣国の首都の国際空港を利用した方が圧倒的に便利なのでしょう。ここを拠点とする航空会社は、ノルウェーも含む北欧3か国が共同で運行するスカンジナビア航空。
マルメから36分で、コペンハーゲン中央駅に戻ってきました。
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