コロナ禍の台北西門町

2021/06/18 - 2021/06/18

新型コロナウィルス対策が効果を発し、安全性が高いと言われ続けていた台湾。今年に入り、台湾本土内の感染が数回発生し、その度に心配させられていたものの、大ごとにならずに済んでいた。

ところが、5月に広がった感染は本格的なものとなり、ついに5月15日に警戒レベルが2級から3級に上げられ、多くの企業や学校がオンラインでの業務や授業に移行した。

もともと5月28日までの予定だったこの施策は6月14日まで延長され、状況が収まらないと判断した政府は6月28日までに再延長。

警戒レベル3級では、外出時のマスク着用義務（着用していない場合は3000～15000元の罰金）、室内5人以上・室外10人以上の集会禁止、生活・秩序維持・必要性の高いサービスに関わる営業及び医療行為・公務など以外の禁止、クラスター発生地区の封鎖などが規定されている。

現在、デパートなどの大型店はもちろんのこと、小型商店においても、実名登録をしなければ入店ができない。コンビニでガム1つ買うにしても、スマホでその手続きを取らなければいけないという状態だ。また、量販店やスーパーでは、土日はID番号により入店制限が設けられている（末尾が奇数か偶数か）。台湾人の安全政策への協力度は極めて高く、これらについて文句を言う人は、自分の周りには1人もいない。

台湾で納税申告は毎年5月になされるが、今年は新型コロナウィルス蔓延による警戒が政府より出されたため、6月末日が期限となった。オンラインでもその手続きができるのだけれど、事情があり、西門町エリアにある国税局に赴かねばならず、コロナ禍ではあったが、やむなく行ってきた。1ヶ月ぶりの交通機関を使っての外出となった。

エリア 台北(台湾)

14時41分のMRT台北駅。まるで台北からやや離れた住宅地の駅のよう。

自宅でのオンライン業務になってほぼ1月。この期間、食料品を買いに行く以外はずっと自宅にいた。MRTはもちろんバスにさえ乗っていなかった。

空席の目立つ車内。横並びで座る人は友人や家族などのみで、だいたい片方を空けて座っているのが一般的だった。

MRT西門駅3番出口を出たところ。普段は多くの人でごった返しているのに、あまりにも閑散としていて驚いた。

徒歩で国税局へ。

物々しい受付。国税局ではなく、感染検査に来たような気分になった。

台湾ではオンラインで納税申告をするのが一般的だけれど、事情があって国税局へ出向く人もいる。

オンラインあるいは電話での予約制になっていて、決められた人数しか受け付けてもらえない。

20分ほど待ち、自分の番が来て初めて外国人受付は別のブースであることを知った。初めに外国人もここでよいのかと尋ねておかなかったのがいけなかった。

その場で新しい番号札をもらう。待ったのは20分程度。フレンドリーな職員が担当してくれ、問題なく終了。

いくつかあった疑問点は幹部の女性が親切に教えてくれた。空調が効いていないだけでなく、感染の危険性がある環境での職務執行に恐れ入る。

納税申告を終え、国税局の向かいの景色を望む。こんなによい天気なのに、台湾居住者も今は自由度の低い生活を強いられている。

映画館の並ぶ武昌路二段。映画館は一律営業していない。

営業している店もちらほらと見受けられるけれど......

ほぼシャッター街のような状況。

若者が多く歩く漢中街もご覧の通り。

UNIQLO の営業成績もガタ落ちに違いない。

左が峨眉街、右が漢中街。ここも本来ならば、歩きづらいと感じるほどの人がいるはずの場所。

西門駅3番出口。こんなに閑散としている様子を見たのは、台湾生活25年目にして初めて。

西門駅から近いから、台北天后宮へお参りに行った。

感染予防のため内部に入れないことを知ってはいたものの、やはり心寂しい感じ。

主祭神である天上聖母に新型コロナウィルスの早期沈静化と感染者が重症化しないことを祈った。

歩行者自体は非常に少なかったけれど、天后宮の前を通りかかる方の多くが、立ち止まって門から祈られていた。

台北へ遊びに来た観光客の多くが訪れる西門紅楼。

人がまったく映り込まない画像を撮る日が来ようとは夢にも思わなかった。

西寧南街と成都路の交差点。車も人もまばら。

渋谷駅前交差点の如く、縦横斜めに歩く人々がいない......。疫病蔓延を抑えるための、台湾人の団結力は特筆すべきものがある。

西門駅1番出口は封鎖中。

台湾人の防疫本気度を強く感じた日になった。

新型コロナウィルスの猛威が収まり、多くの人がまた西門街にやってきて、賑やかさが早く戻ってくることを祈る。

閑散とした西門駅構内。

空席の多いMRTで急ぎ帰宅し、ステイホーム体制に戻した。