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 かって小和田雅子様が御結婚された時、一躍有名になった駅がある。<br /> 小和田駅。<br /> この駅はコワダエキと読むのにかかわらず、漢字が同じということで、たくさんの人が押し寄せた。<br /> しかしその駅には車で行ける道がない。<br /> 付近には一軒の民家もなく、あるのは廃屋の茶工場だけ。<br /> まさに秘境だ。<br /><br /> では、どんな方法で行くのか。<br /> 隣の大嵐駅(おおぞれえき)からJR飯田線に乗れば良さそうだ。<br /> それも面白そうで、遅まきながら行ってみることにした。<br /><br /> 佐久間と水窪への分岐点からスタートして、佐久間ダムを通り越し、天竜川の右岸を北上してみる。

遅まきながら秘境駅「小和田」へ(1/4)山香、佐久間ダム、新豊根発電所

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2021/03/15 - 2021/03/15

21位(同エリア69件中)

motogen

motogenさん

 かって小和田雅子様が御結婚された時、一躍有名になった駅がある。
 小和田駅。
 この駅はコワダエキと読むのにかかわらず、漢字が同じということで、たくさんの人が押し寄せた。
 しかしその駅には車で行ける道がない。
 付近には一軒の民家もなく、あるのは廃屋の茶工場だけ。
 まさに秘境だ。

 では、どんな方法で行くのか。
 隣の大嵐駅(おおぞれえき)からJR飯田線に乗れば良さそうだ。
 それも面白そうで、遅まきながら行ってみることにした。

 佐久間と水窪への分岐点からスタートして、佐久間ダムを通り越し、天竜川の右岸を北上してみる。

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
自家用車

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  •  ここは佐久間に向かう国道473号線(左)と、水窪への152号線(右)との分岐点。

     ここは佐久間に向かう国道473号線(左)と、水窪への152号線(右)との分岐点。

  •  橋を渡った正面の斜面に山香の町がある。<br /> その町を通る旧道を走ってみる。<br /> かって賑わっていた家並みがあった。

     橋を渡った正面の斜面に山香の町がある。
     その町を通る旧道を走ってみる。
     かって賑わっていた家並みがあった。

  •  「山香」と聞くと、小学生時代の教室のざわめきが浮かんでくる。<br /> 3年生の担任は、山香小学校から転任してきたばかりの若くて精悍な教師で、<br /> 「山香の子と友達になろう」と、山香小の子供たちと文通をすることになったのだ。

     「山香」と聞くと、小学生時代の教室のざわめきが浮かんでくる。
     3年生の担任は、山香小学校から転任してきたばかりの若くて精悍な教師で、
     「山香の子と友達になろう」と、山香小の子供たちと文通をすることになったのだ。

  •  自分の相手は学級委員をしている女の子で、きれいな文字で、大人びた文章を送って来る。<br /> 良い子ぶっていた私は、それに対して何をどう書いて良いのか分からず、恥ずかしい思いをしていた記憶だけが残っている。<br /> 相手が女の子だということで、見栄を張っていたのだろう。

     自分の相手は学級委員をしている女の子で、きれいな文字で、大人びた文章を送って来る。
     良い子ぶっていた私は、それに対して何をどう書いて良いのか分からず、恥ずかしい思いをしていた記憶だけが残っている。
     相手が女の子だということで、見栄を張っていたのだろう。

  •  右の坂道を登って行けば、山香小学校の跡地がある。<br /> あの子は今、どこで何しているんだろう?<br /> 山香小は、今でも特別な意味を持つ「山香小」だ。

     右の坂道を登って行けば、山香小学校の跡地がある。
     あの子は今、どこで何しているんだろう?
     山香小は、今でも特別な意味を持つ「山香小」だ。

  •  中央構造線の真上を走る山道への分岐点まで来た。<br /> 今日はここを直進し、

     中央構造線の真上を走る山道への分岐点まで来た。
     今日はここを直進し、

  •  発電所の脇を通過する。<br /> 佐久間の街は水力発電の町だ。

     発電所の脇を通過する。
     佐久間の街は水力発電の町だ。

  •  信号があった。<br /> ダムに続く道路(右)に進む。<br /> 学校の遠足でダムに行った記憶はあるが、その後ダムに行ったのはいつだったのか?<br /> 多分20代の頃ではなかろうか・・<br /> ほとんど覚えていない。

     信号があった。
     ダムに続く道路(右)に進む。
     学校の遠足でダムに行った記憶はあるが、その後ダムに行ったのはいつだったのか?
     多分20代の頃ではなかろうか・・
     ほとんど覚えていない。

  •  全く記憶にない道だった。<br /> こんな道、通ったんだろうか?<br /> 坂道の途中で佐久間の町が見えた。

     全く記憶にない道だった。
     こんな道、通ったんだろうか?
     坂道の途中で佐久間の町が見えた。

  •  あの赤い橋は、中央構造線を走った時、羽ケ庄の「二本杉展望台」から見えた橋だ。

     あの赤い橋は、中央構造線を走った時、羽ケ庄の「二本杉展望台」から見えた橋だ。

  •  長いトンネルが3本続いた。<br /> 怪獣の腸の中にもぐり込んだようなトンネルだ。

     長いトンネルが3本続いた。
     怪獣の腸の中にもぐり込んだようなトンネルだ。

  •  最後のトンネルには、出口が二つあった。<br /> 左の先には、何があるんだろう?<br /> 多分、ダム下を点検する断崖絶壁に出るのだろう。

     最後のトンネルには、出口が二つあった。
     左の先には、何があるんだろう?
     多分、ダム下を点検する断崖絶壁に出るのだろう。

  •  トンネルを抜けると目の前はダムだった。<br /> トイレを探すと「400m先・トイレ」の案内板。<br /> あちゃ!<br /> 遠い!

     トンネルを抜けると目の前はダムだった。
     トイレを探すと「400m先・トイレ」の案内板。
     あちゃ!
     遠い!

    佐久間ダム竜神まつり 祭り・イベント

  •  トイレは小高い場所にあった。<br /> 見つけにくくて、迷ってしまった。<br /> 急を要する人は、漏れちゃうぞ。

     トイレは小高い場所にあった。
     見つけにくくて、迷ってしまった。
     急を要する人は、漏れちゃうぞ。

  •  しかしトイレからの景色は素晴らしい。<br /> 緑色の佐久間湖が横たわっている。

     しかしトイレからの景色は素晴らしい。
     緑色の佐久間湖が横たわっている。

  •  昭和天皇皇后様は、昭和32年のダム完成後にここにおいでになって、御歌を作られたようだ。<br /> 「たふれたる 人のいしぶみ 見てぞ思ふ<br />  たぐひまれなる そきいたつきを」<br /> 「いまさらに 人の力の たふとさを<br />  思ひつつ見る 天龍のダム」<br /> ダムの完成は1956年(昭和31年)<br /> 工事中に96名もの死者を出している。

     昭和天皇皇后様は、昭和32年のダム完成後にここにおいでになって、御歌を作られたようだ。
     「たふれたる 人のいしぶみ 見てぞ思ふ
      たぐひまれなる そきいたつきを」
     「いまさらに 人の力の たふとさを
      思ひつつ見る 天龍のダム」
     ダムの完成は1956年(昭和31年)
     工事中に96名もの死者を出している。

  •  何本もの浮きロープが、ダム湖に張ってあった。<br /> そのロープに流木が引っかかり、湖面をおおっている。<br /> ダムというのは、土砂だけでなく流木も溜まってしまうのだ。

     何本もの浮きロープが、ダム湖に張ってあった。
     そのロープに流木が引っかかり、湖面をおおっている。
     ダムというのは、土砂だけでなく流木も溜まってしまうのだ。

  •  ダムを渡って対岸に移ろうとすると、ダンプが列を作って向かって来た。<br /> 山ばかりで何もない対岸なのに、どうして?

     ダムを渡って対岸に移ろうとすると、ダンプが列を作って向かって来た。
     山ばかりで何もない対岸なのに、どうして?

  •  ダムの高さは155.5m。<br /> 工事中、人足を集めて取り仕切っていたのは任侠やくざ。<br /> このコンクリの中には、喧嘩やいざこざで殺された死体が詰められているという。<br /> 噂ではあるが、当時はそんな時代だったのだ。

     ダムの高さは155.5m。
     工事中、人足を集めて取り仕切っていたのは任侠やくざ。
     このコンクリの中には、喧嘩やいざこざで殺された死体が詰められているという。
     噂ではあるが、当時はそんな時代だったのだ。

  •  下をのぞけば、のけぞるような高さ。<br /> この工事で、日本は建設国家に生まれ変わった。

     下をのぞけば、のけぞるような高さ。
     この工事で、日本は建設国家に生まれ変わった。

  • 対岸に渡るとすぐにトンネルが現れた。

    対岸に渡るとすぐにトンネルが現れた。

  •  狭い!<br /> 暗い!<br /> 長い!<br /> 身震いするような恐怖の中、遠くから光が近づいて来る。<br /> まさか?

     狭い!
     暗い!
     長い!
     身震いするような恐怖の中、遠くから光が近づいて来る。
     まさか?

  •  まさか、ではなかった。<br /> ダンプだ。<br /> ありがたいことに、広くなった場所があった。

     まさか、ではなかった。
     ダンプだ。
     ありがたいことに、広くなった場所があった。

  •  巨大なタイヤが目の前に迫る。<br /> すれすれだ。<br /> 1台の脇をすり抜けると、その奥にもう1台・・

     巨大なタイヤが目の前に迫る。
     すれすれだ。
     1台の脇をすり抜けると、その奥にもう1台・・

  •  その後に、もう1台。<br /> 息が詰まる。

     その後に、もう1台。
     息が詰まる。

  •  トンネルの名前は「うなぎだるトンネル」<br /> ウナギのように途中で大きくカーブしていた。<br /> 長さは600m。<br /> しかしそれ以上に長く感じる闇の世界だった。<br /> トンネルを抜けると、目の前に次のトンネルが現れる。

     トンネルの名前は「うなぎだるトンネル」
     ウナギのように途中で大きくカーブしていた。
     長さは600m。
     しかしそれ以上に長く感じる闇の世界だった。
     トンネルを抜けると、目の前に次のトンネルが現れる。

  •  このトンネルも、狭く、暗く、長かった。 <br /> 「丸山トンネル」500m。<br /> 再び遠方から黒い影が近づいてくる。

     このトンネルも、狭く、暗く、長かった。 
     「丸山トンネル」500m。
     再び遠方から黒い影が近づいてくる。

  •  退避場所で待つ。<br /> 水しぶきを飛ばして、ダンプは平気で走っていく。<br /> これまた3台。<br /> 私たちの軽自動車は玩具みたいなものだ。

     退避場所で待つ。
     水しぶきを飛ばして、ダンプは平気で走っていく。
     これまた3台。
     私たちの軽自動車は玩具みたいなものだ。

  •  やっと脱出したと喜ぶと、またまたトンネルが現れる。<br /> 「松島トンネル」600m。<br /> 一体、いくつトンネルはあるのか?

     やっと脱出したと喜ぶと、またまたトンネルが現れる。
     「松島トンネル」600m。
     一体、いくつトンネルはあるのか?

  •  しばらく走ると、次のトンネルとなる。<br /> トンネルのオンパレードだ。

     しばらく走ると、次のトンネルとなる。
     トンネルのオンパレードだ。

  •  「松ノ平トンネル」<br /> 怪獣の腸の中は楽しいが、驚きは少なくなった<br /> ダンプが来ませんように・・」と祈るだけ。

     「松ノ平トンネル」
     怪獣の腸の中は楽しいが、驚きは少なくなった
     ダンプが来ませんように・・」と祈るだけ。

  •  ダム湖を見学する。<br /> ダムから2.5km。<br /> V字谷の底は見えず、膨大な水が音もたてずに溜まっている。<br /> この下に248戸の家屋が沈んでいるという。<br /> 移転した家族は296軒。

     ダム湖を見学する。
     ダムから2.5km。
     V字谷の底は見えず、膨大な水が音もたてずに溜まっている。
     この下に248戸の家屋が沈んでいるという。
     移転した家族は296軒。

  •  3艘の船が静かに浮かんでいる。<br /> 漁船ではなく運搬船だろう。<br /> 何をしてるんだろうか?

     3艘の船が静かに浮かんでいる。
     漁船ではなく運搬船だろう。
     何をしてるんだろうか?

  •  船への疑問はそのままにして、再スタートする。<br /> 白い施設がチラリと見えた。

     船への疑問はそのままにして、再スタートする。
     白い施設がチラリと見えた。

  •  右へ左へとくねり、直線部分はほとんどない道だ。<br /> カーブの先は見えず、対向車が来ないことを期待して突き進んでいく。<br /> といっても怖いので、スピードは30km以下。

     右へ左へとくねり、直線部分はほとんどない道だ。
     カーブの先は見えず、対向車が来ないことを期待して突き進んでいく。
     といっても怖いので、スピードは30km以下。

  •  ああっ!<br /> ついにダンプ!<br /> 急カーブでなくて良かったが、ここじゃすれ違えない。<br /> 

     ああっ!
     ついにダンプ!
     急カーブでなくて良かったが、ここじゃすれ違えない。
     

  •  バックが大の苦手だというのに、ノソノソと蛇行しながら50m以上も後退した。<br /> ダンプさん、遅くてごめんなさい。

     バックが大の苦手だというのに、ノソノソと蛇行しながら50m以上も後退した。
     ダンプさん、遅くてごめんなさい。

  •  休憩所みたいな建物を発見した。<br /> この道路は、長野県道1号線・愛知県道1号線・静岡県道1号線の3本が連結している道路で、飯田市と佐久間町を結んでいる。<br /> 狭い道ではあるが、こんな設備があるなんて、行政サービスはなっている。

     休憩所みたいな建物を発見した。
     この道路は、長野県道1号線・愛知県道1号線・静岡県道1号線の3本が連結している道路で、飯田市と佐久間町を結んでいる。
     狭い道ではあるが、こんな設備があるなんて、行政サービスはなっている。

  •  トイレ休憩にすると、

     トイレ休憩にすると、

  •  「新豊根発電所」の案内があった。<br /> 初めて聞く名前。<br /> 発電所があるのなら、ダムもあるはず。<br /> しかし、どこにそんなダムがあるの?<br /> 首をかしげるばかり。

     「新豊根発電所」の案内があった。
     初めて聞く名前。
     発電所があるのなら、ダムもあるはず。
     しかし、どこにそんなダムがあるの?
     首をかしげるばかり。

  •  ダムを探してみるが、その姿はみじんもない。<br /> 佐久間ダムから4km離れても、佐久間湖の水量は衰えず、こんな所に別のダムがあるはずない。

     ダムを探してみるが、その姿はみじんもない。
     佐久間ダムから4km離れても、佐久間湖の水量は衰えず、こんな所に別のダムがあるはずない。

  •  休憩所から150m離れた山壁に、発電所のシャッターがあった。<br /> 発電所は山の中にあるんだろうか?<br /> 隣は「湯の島トンネル」の入口。<br />

     休憩所から150m離れた山壁に、発電所のシャッターがあった。
     発電所は山の中にあるんだろうか?
     隣は「湯の島トンネル」の入口。

  •  「湯の島トンネル」を抜けると、連続して「分地トンネル」となる。<br /> このわずかな間から、たくさんの塔が目に入った。<br /> 先ほど白くチラリと見えたものだ。<br /> 「これが発電所か?」

     「湯の島トンネル」を抜けると、連続して「分地トンネル」となる。
     このわずかな間から、たくさんの塔が目に入った。
     先ほど白くチラリと見えたものだ。
     「これが発電所か?」

  •  「分地トンネル」を出ると、次はベルトコンベアだった。<br /> 採掘場?<br /> ここから掘り出した物をダンプが運んでいるんだろう。

     「分地トンネル」を出ると、次はベルトコンベアだった。
     採掘場?
     ここから掘り出した物をダンプが運んでいるんだろう。

  •  振り返ると発電所の柵。<br /> う~ん・・<br /> どうなっているのか?

     振り返ると発電所の柵。
     う~ん・・
     どうなっているのか?

  •  推測できたのは、この先からはダンプとは出会わずにすむかも・・<br /> ということだった。<br /> 最後は、まとめの動画です。<br />https://youtu.be/yZJs5lO-7Bw

     推測できたのは、この先からはダンプとは出会わずにすむかも・・
     ということだった。
     最後は、まとめの動画です。
    https://youtu.be/yZJs5lO-7Bw

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