一言主神社　たれもいない杜　心で一言の礼

2021/01/15 - 2021/01/15

　雨中でしたが、御所市の葛城山麓にある一言主神社へお参りに。特に愚僧が偐神道というわけでもなく、手当たり次第にお参りすると云うのが偐山頭火流です。バスが入らず出店もなく彼岸花のシーズンしかカメラの一斉放射もない。お参りするのがただ一人なので一層鄙びた神社です。

エリア 御所・葛城(奈良)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

　鄙びたという表現を使いましたが、拝殿などの手入れは非常に行き届いています。拝殿正面の公孫樹は千年以上と書かれていますが、真っ赤なウソではありません。秋には葉が赤ではなく黄色く色づいていますから。（？）何年か前には枯れかかりましたが、樹木医の努力で蘇る様を見ていると神宿ると云う表現が当てはまると思います。

　神社への最後の階段

　拝殿は見事です。

　公孫樹です

　樹木医による治療中（本学写真館収蔵）

　見事快復です

　公孫樹、南からの眺めです。

　絵馬を捧げて祈願しているのでしょう。少し斜めに拝見すると「合格」と云う文字が目立ちます。やれるだけの努力をして、最後の頼みとする気持ちは十分に理解出来ます。皆さんの願いが叶うようにと「二礼二拍手一礼」とわすかですがお賽銭を。
　絵馬

　この絵馬の中に孫娘のNちゃんの「願」もあります。本日は先に行われた選考で、志望する国立大学の附属小学校に合格した御礼のお参りでした。本人は今月６歳になったばかりでゲーム感覚ですが、母親は気苦労が大変だったようです。特に今年はコロナ禍で感染対策をしながら、遊ばせる事が親としての務めと苦心したようです。その甲斐あって合格しました。勿論本人も頑張ったようです。そして一言様の後押しも。
　合格発表の様子

　この一覧表に受検番号があります。

　お神籤も山のようになっていますので、自信がありつつ引いてみようと気持ちがよく分かります。
　お神籤

　神社内には松尾芭蕉の「笈の小文」に「猶（なお）見たし 花に明行（あけゆく） 神の顔」との句を残しています。
　芭蕉の句碑（本学写真館収蔵）

「葛城（かづらき）の襲津彦（そつびこ）真弓（まゆみ）新木（あらき）にも頼めや君が我（わ）が名告（の）りけむ」と云う万葉歌碑もあります。本日はこれを紹介します。意味は「葛城（かつらぎ）の襲津彦（そつびこ）の持ち弓、その材の新木さながらにこの私を信じ切ってくださった上で、あなたは私の名を他人（ひと）にあかされたのでしょうか」と云うらしい。襲津彦は仁徳天皇の后磐之姫の父親です。
　歌碑

　歌碑説明

　近くには磐之姫の宮跡があります。この雰囲気で伸びのびと育った姫は、夫仁徳天皇の浮気が気に召さず別居生活のすえ、平城宮跡北の御所が遠望できる佐紀盾列古墳群（さきたてなみこふんぐん）に葬られています。
　磐之姫住居跡（葛城高丘宮跡：本学写真館収蔵）

　磐之姫命古墳（本学写真館収蔵）

　神社内を散策していると、小銭が落ちていました。これを拾い神主に届けると、神主は「管理者」として拾い物を管理するか、又は交番に届けなければならないでしょう。多分落とし主が、交番に届けるか神社へ落としたという届けに来るはずも無い。と、愚僧の判断でこれを拾い賽銭箱へと投函しました。本日のお賽銭は私の差し上げた○円にプラスして６１０円となります。それとも私は拾得物を我が物として賽銭箱へ入れた咎人となるのでしょうか。あまり深く考えない事にしました。
　階木（かいのき）は学問の階木とされています

　散策を続けると、榧（かやのき）樹齢４００年とか

　土蜘蛛塚の伝説の記念品？（本学写真館収蔵）

　一言さんのある山麓バイパス沿いは奈良観光の穴場です。少し北に「九品寺」があります。
　九品寺のランドマーク稲塔（？）何方かお教えください、呼び名を。（本学写真館収蔵）

　日曜日に合格祝いをするので、おじいさん（愚僧）にも土産。近くの葛城酒蔵の百笑門というお酒です。（本学写真館収蔵）

　お祝い当日には寿司やケーキとご馳走もありますが、斑鳩に立ち寄り何時もの安村農園で古都華も買います。