2019/11/16 - 2019/12/03
36位(同エリア149件中)
関連タグ
ごーふぁーさん
- ごーふぁーさんTOP
- 旅行記148冊
- クチコミ678件
- Q&A回答0件
- 158,689アクセス
- フォロワー396人
ポーランドの美術館はどの都市も見応えがありました。そして、クラクフ、ワルシャワにも劣らない規模のヴロツワフの美術館群は、なぜか日本のガイドブックではほとんど紹介されていません。
なんとももったいないかぎりなので、アートの町でもあるヴロツワフが少しでも日本人に知られるようになればと思っています。
----------------------------------------------
ポーランド第4の都市 ヴロツワフ。歴史は古くクラクフやグダニスクにも負けない美しい街である。元はスラブ民族の土地であったが、その後ハプスブルク家支配下の時代もあり、長く続いたドイツ人の流入と支配でドイツ文化の影響も大きい。
『国立博物館』は博物館というより絵画美術館と工芸博物館を合わせた内容であり、たいした展示量であるが、日本の旅行案内書にはほとんど記述がない。
ここにあるポーランド独特のキリスト教関連の作品は素朴で見ていて飽きないし、シレジア地方一帯を支配したヘンリク4世(1258年頃 ~1290年)の石棺などもあって、見どころ盛り沢山だ。
世界遺産の百周年記念ホールの向かいには『現代美術館』があり、百周年記念ホールと同時期に作られた建物である。現代美術館らしくモダンな内装とポーランド現代美術をギミック溢れた仕掛けで見せる豊かな展示方法が楽しめる。今回は特別展として、IDOという優生思想に基づいたナチスドイツの研究所をテーマにした作品群が興味深かった。
360度のキャンパスいっぱいに「ラツワヴィツェの戦い」を描いた迫力満点のパノラマ画を展示している美術館『パノラマ・ラツワヴィツカ』、数奇な運命をたどった絵の歴史も興味深い。
そして、デザイン、音響ともに優れたホール『ヴロツワフ国立音楽フォーラム(NFM)』が近年建てられた。
とにかくアートの魅力いっぱいの街がヴロツワフ、これらが滞在をいっそう豊かなものにしてくれる。
● ヴロツワフ国立博物館(Muzeum Narodowe we Wrocławiu)
● ヴロツワフの現代美術館(National Museum in Wroclaw Museum of Contemporary Art @ Four Domes Pavilion / Pawilon Czterech Kopu)
・特別展『po/wy/miary(measure-/assess-/ments) / IDO(Institut fur Deutsche Ostarbeit)に関する展示
● パノラマ・ラツワヴィツカ(Panorama Racławicka)
● ヴロツワフでの音楽
・ヴロツワフ歌劇場(Opera Wrocławska)
・CDショップ “De’Molika”
・ヴロツワフ国立音楽フォーラム(NFM)
・特別展『po/wy/miary(measure-/assess-/ments) / IDO(Institut fur Deutsche Ostarbeit)に関する展示
特別展では、とても重いテーマでIDO(Institut für Deutsche Ostarbeit)に関する展示『po/wy/miary(measure-/assess-/ments)』があった。
このIDOとは、1940-1945年にナチスドイツがクラクフで運営したドイツ東部労働研究所(ドイツ東方労働者研究所)のことである。人類学者たちが研究運営したセクションについては論争の的となっている。その研究内容が、ポーランド文化の後進性や東欧がドイツ影響下に長らくあったことを証明する目的であったので、物議をかもすのもさもありなんである。
この研究の延長には東部総合計画(Generalplan Ost)というナチス・ドイツによる酷い計画がある。これはポーランド一帯のスラブ人やポーランド人を追い出して奴隷化し、ドイツ人がそれらの土地に入植するという計画であり、ソ連侵攻前に策定され一部実行に移された。こういったスラブ人蔑視の政策に科学者も結果的に荷担することになっていたのが、このIDOの展示から見て取ることができる。
詳細はコチラから↓
https://jtaniguchi.com/wroclaw-artmuseum-music/
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
博物館・美術館旅
-
前の旅行記
市歴史博物館、考古学博物館、軍事博物館、ヴロツワフ大学博物館 / ヴロツワフ(Wroclaw)のおすすめ博物...
2019/11/11~
ブロツラフ
-
次の旅行記
面白本と巡る由緒あるロンドンの病院と ナイチンゲール博物館 / ロンドンの病院博物館巡り 1
2020/11/03~
ロンドン
-
シカゴ ドライハウス・ミュージアム でドラマの背景を服飾の変化で読み解く / 知っておきたいドラマ『ダウント...
2016/02/01~
シカゴ
-
立石と葛飾区郷土と天文の博物館 / 夕焼けが似合って美味しい街
2019/05/01~
葛飾・葛西・足立
-
インターメディアテクと東京大学総合研究博物館 / 無料なんて申し訳ない東京大学の博物館2つ、パリのケ・ブラン...
2019/06/14~
丸の内・大手町・八重洲
-
秘められた東京駅の建造物語と日本初の回顧展として評判のメスキータ展@東京ステーションギャラリー
2019/07/03~
丸の内・大手町・八重洲
-
ポーランド最大の港町の海事博物館、海洋博物館 / グダニスク(Gdańsk) のおすすめ博物館 1
2019/11/01~
グダンスク
-
開戦の街、民主化の街 近現代史の舞台となった街グダニスク 第二次世界大戦博物館、郵便局、連帯センター / ...
2019/11/01~
グダンスク
-
マルボルク城とタンネンベルクの戦い、『北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大』 山内進 著 を読む / グダニ...
2019/11/10~
グダンスク
-
市歴史博物館、考古学博物館、軍事博物館、ヴロツワフ大学博物館 / ヴロツワフ(Wroclaw)のおすすめ博物...
2019/11/11~
ブロツラフ
-
国立博物館、現代美術館、パノラマ・ラツワヴィツカ、新設のコンサートホール NFM、シロンスクの芸術都市 / ...
2019/11/16~
ブロツラフ
-
面白本と巡る由緒あるロンドンの病院と ナイチンゲール博物館 / ロンドンの病院博物館巡り 1
2020/11/03~
ロンドン
-
精神疾患の治療の歴史 王立ベスレム病院 と『吾輩は猫画家である ルイス・ウェイン伝』を読む / ロンドンの病...
2021/01/02~
ロンドン
-
芸術の都でアートを堪能する、アルテ、ノイエ、そしてモデルネと連なるミュンヘンの三つのピナコテーク(美術館)/...
2021/03/02~
ミュンヘン
-
芸術の都でアートを堪能する、ややマイナーだが見応え充分の美術館 / ミュンヘンのおすすめ美術館 2
2021/06/01~
ミュンヘン
-
松崎で出会ったシベリア抑留の老人の話と平和祈念展示資料館 / 初夏の松崎港のキャンプ場
2021/07/01~
松崎温泉・雲見温泉
-
市原湖畔美術館、ホキ美術館、DIC川村記念美術館をバイクツーリングで訪問 / 千葉県の素晴らしい美術館とその...
2021/08/01~
市原・木更津
-
ハンブルク アルトナ博物館で見た網漁展示の謎が解けた / 千葉県 館山の『渚の博物館』圧倒的な網漁のジオラマ
2021/09/15~
館山
-
産業遺産の保存に秀でた富岡製糸場見学記 / 明治の女工の『富岡日記』和田英 著を読む
2022/01/12~
富岡・甘楽
-
科学博物館の王様 ミュンヘンのドイツ博物館 / ミュンヘンで体験する欧州の技術大国ドイツのテクノロジーの発展...
2022/08/10~
ミュンヘン
-
科学技術展示館、所沢航空発祥記念館、航空科学博物館と成田空港 空と大地の歴史館 / 実機がズラリ展示、迫力あ...
2022/10/12~
成田
-
西洋建築史の宝庫の中でお薦め建築と美術館/博物館一口ガイド / 芳醇な都市ウィーンの文化を堪能する 3
2023/05/31~
ウィーン
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ブロツラフ(ポーランド) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
ブロツラフ(ポーランド) の人気ホテル
ポーランドで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
ポーランド最安
497円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
旅行記グループ 博物館・美術館旅
0
0