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ポーランドの美術館はどの都市も見応えがありました。そして、クラクフ、ワルシャワにも劣らない規模のヴロツワフの美術館群は、なぜか日本のガイドブックではほとんど紹介されていません。<br />なんとももったいないかぎりなので、アートの町でもあるヴロツワフが少しでも日本人に知られるようになればと思っています。<br /><br />----------------------------------------------<br />ポーランド第4の都市 ヴロツワフ。歴史は古くクラクフやグダニスクにも負けない美しい街である。元はスラブ民族の土地であったが、その後ハプスブルク家支配下の時代もあり、長く続いたドイツ人の流入と支配でドイツ文化の影響も大きい。<br />『国立博物館』は博物館というより絵画美術館と工芸博物館を合わせた内容であり、たいした展示量であるが、日本の旅行案内書にはほとんど記述がない。<br />ここにあるポーランド独特のキリスト教関連の作品は素朴で見ていて飽きないし、シレジア地方一帯を支配したヘンリク4世(1258年頃 ~1290年)の石棺などもあって、見どころ盛り沢山だ。<br />世界遺産の百周年記念ホールの向かいには『現代美術館』があり、百周年記念ホールと同時期に作られた建物である。現代美術館らしくモダンな内装とポーランド現代美術をギミック溢れた仕掛けで見せる豊かな展示方法が楽しめる。今回は特別展として、IDOという優生思想に基づいたナチスドイツの研究所をテーマにした作品群が興味深かった。<br />360度のキャンパスいっぱいに「ラツワヴィツェの戦い」を描いた迫力満点のパノラマ画を展示している美術館『パノラマ・ラツワヴィツカ』、数奇な運命をたどった絵の歴史も興味深い。<br />そして、デザイン、音響ともに優れたホール『ヴロツワフ国立音楽フォーラム(NFM)』が近年建てられた。<br />とにかくアートの魅力いっぱいの街がヴロツワフ、これらが滞在をいっそう豊かなものにしてくれる。<br /><br />● ヴロツワフ国立博物館(Muzeum Narodowe we Wroc&#322;awiu)<br />● ヴロツワフの現代美術館(National Museum in Wroclaw Museum of Contemporary Art @ Four Domes Pavilion / Pawilon Czterech Kopu)<br />・特別展『po/wy/miary(measure-/assess-/ments) / IDO(Institut fur Deutsche Ostarbeit)に関する展示<br />● パノラマ・ラツワヴィツカ(Panorama Rac&#322;awicka)<br />● ヴロツワフでの音楽<br />・ヴロツワフ歌劇場(Opera Wroc&#322;awska)<br />・CDショップ “De’Molika”<br />・ヴロツワフ国立音楽フォーラム(NFM)<br /><br />・特別展『po/wy/miary(measure-/assess-/ments) / IDO(Institut fur Deutsche Ostarbeit)に関する展示<br />特別展では、とても重いテーマでIDO(Institut f&#252;r Deutsche Ostarbeit)に関する展示『po/wy/miary(measure-/assess-/ments)』があった。<br /><br />このIDOとは、1940-1945年にナチスドイツがクラクフで運営したドイツ東部労働研究所(ドイツ東方労働者研究所)のことである。人類学者たちが研究運営したセクションについては論争の的となっている。その研究内容が、ポーランド文化の後進性や東欧がドイツ影響下に長らくあったことを証明する目的であったので、物議をかもすのもさもありなんである。<br /><br />この研究の延長には東部総合計画(Generalplan Ost)というナチス・ドイツによる酷い計画がある。これはポーランド一帯のスラブ人やポーランド人を追い出して奴隷化し、ドイツ人がそれらの土地に入植するという計画であり、ソ連侵攻前に策定され一部実行に移された。こういったスラブ人蔑視の政策に科学者も結果的に荷担することになっていたのが、このIDOの展示から見て取ることができる。<br /><br />詳細はコチラから↓<br />https://jtaniguchi.com/wroclaw-artmuseum-music/

国立博物館、現代美術館、パノラマ・ラツワヴィツカ、新設のコンサートホール NFM、シロンスクの芸術都市 / ヴロツワフのおすすめアート施設

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2019/11/16 - 2019/12/03

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旅行記グループ 博物館・美術館旅

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ごーふぁー

ごーふぁーさん

ポーランドの美術館はどの都市も見応えがありました。そして、クラクフ、ワルシャワにも劣らない規模のヴロツワフの美術館群は、なぜか日本のガイドブックではほとんど紹介されていません。
なんとももったいないかぎりなので、アートの町でもあるヴロツワフが少しでも日本人に知られるようになればと思っています。

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ポーランド第4の都市 ヴロツワフ。歴史は古くクラクフやグダニスクにも負けない美しい街である。元はスラブ民族の土地であったが、その後ハプスブルク家支配下の時代もあり、長く続いたドイツ人の流入と支配でドイツ文化の影響も大きい。
『国立博物館』は博物館というより絵画美術館と工芸博物館を合わせた内容であり、たいした展示量であるが、日本の旅行案内書にはほとんど記述がない。
ここにあるポーランド独特のキリスト教関連の作品は素朴で見ていて飽きないし、シレジア地方一帯を支配したヘンリク4世(1258年頃 ~1290年)の石棺などもあって、見どころ盛り沢山だ。
世界遺産の百周年記念ホールの向かいには『現代美術館』があり、百周年記念ホールと同時期に作られた建物である。現代美術館らしくモダンな内装とポーランド現代美術をギミック溢れた仕掛けで見せる豊かな展示方法が楽しめる。今回は特別展として、IDOという優生思想に基づいたナチスドイツの研究所をテーマにした作品群が興味深かった。
360度のキャンパスいっぱいに「ラツワヴィツェの戦い」を描いた迫力満点のパノラマ画を展示している美術館『パノラマ・ラツワヴィツカ』、数奇な運命をたどった絵の歴史も興味深い。
そして、デザイン、音響ともに優れたホール『ヴロツワフ国立音楽フォーラム(NFM)』が近年建てられた。
とにかくアートの魅力いっぱいの街がヴロツワフ、これらが滞在をいっそう豊かなものにしてくれる。

● ヴロツワフ国立博物館(Muzeum Narodowe we Wrocławiu)
● ヴロツワフの現代美術館(National Museum in Wroclaw Museum of Contemporary Art @ Four Domes Pavilion / Pawilon Czterech Kopu)
・特別展『po/wy/miary(measure-/assess-/ments) / IDO(Institut fur Deutsche Ostarbeit)に関する展示
● パノラマ・ラツワヴィツカ(Panorama Racławicka)
● ヴロツワフでの音楽
・ヴロツワフ歌劇場(Opera Wrocławska)
・CDショップ “De’Molika”
・ヴロツワフ国立音楽フォーラム(NFM)

・特別展『po/wy/miary(measure-/assess-/ments) / IDO(Institut fur Deutsche Ostarbeit)に関する展示
特別展では、とても重いテーマでIDO(Institut für Deutsche Ostarbeit)に関する展示『po/wy/miary(measure-/assess-/ments)』があった。

このIDOとは、1940-1945年にナチスドイツがクラクフで運営したドイツ東部労働研究所(ドイツ東方労働者研究所)のことである。人類学者たちが研究運営したセクションについては論争の的となっている。その研究内容が、ポーランド文化の後進性や東欧がドイツ影響下に長らくあったことを証明する目的であったので、物議をかもすのもさもありなんである。

この研究の延長には東部総合計画(Generalplan Ost)というナチス・ドイツによる酷い計画がある。これはポーランド一帯のスラブ人やポーランド人を追い出して奴隷化し、ドイツ人がそれらの土地に入植するという計画であり、ソ連侵攻前に策定され一部実行に移された。こういったスラブ人蔑視の政策に科学者も結果的に荷担することになっていたのが、このIDOの展示から見て取ることができる。

詳細はコチラから↓
https://jtaniguchi.com/wroclaw-artmuseum-music/

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
同行者
一人旅
交通手段
レンタカー
旅行の手配内容
個別手配

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